『魔法にかけられて』 @日劇 | 映画な日々。読書な日々。

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魔法にかけられて

アンダレーシアで動物たちと暮らす美しい姫、ジゼルは、運命の人と出会い、結婚する事を夢見ていた。ある日、怪物に襲われたジゼルは、エドワード王子に助けられる。お互い一目惚れし、出会ったばかりにも関わらず、完璧なデュエットを披露し、翌日結婚する約束をする。しかし、王子の結婚を喜ばない継母のナレッサ女王は、魔女を送り込み、ジゼルを井戸に突き落とす。なんと、その井戸は、現代のニューヨークに繋がっていた![上映時間:108分]


ファンタージー作品として結構評判がよかったのですが、正直私はあまり面白いとは思えず、何故評判がいいのか少し不思議に思ってしまいました。なんかみんなが面白い、楽しいと言ってるのに、そう思えなかったことがちょっと悲しい。


ディズニーアニメと実写を融合させたこのお話。

ディズニーがディズニーをパロディにしているという点では新しい感じがしますね。


魔法の王国アンダレーシアで暮らすジゼルは森の動物達がお友達。ジゼルは運命の人、エドワード王子と出会ったその日にお互い一目ぼれし、すぐに結婚を決める。しかし王女の座を奪われることを畏れたエドワード王子の継母で魔女のナレッサに嵌められ、ジゼルは現代のニューヨークへ追放されてしまう。


ニューヨークに着いても、おとぎ話の国から出てきたまんまのジゼル。ウエディングドレス姿でお姫様状態のジゼルは、ニューヨーク市民から変人扱い。誰にも助けてもらえず一人ニューヨークをさまようジゼルは、城の看板を見つけてひたすら助けを求める。そんなジゼルのおかしな行動に気づいたのは現実主義者で離婚弁護士のロバートの娘・モーガン。モーガンの懇願でロバートは仕方なくジゼルを家に連れて帰る。


オープニングはアニメのシーン。運命の王子様と出会い結婚することを夢見るジゼルは森の動物達と一緒に歌います。まさにディズニーアニメの世界。


そんな華やかなディズニーアニメの世界から、ニューヨークの町に送り込まれてしまったジゼルの異様さといったらありません。すごいのは、全然知らない世界に来てしまったのに、さほどパニックに陥っていないところなんですよね。この国の人たちは不親切ね、と思いながらも、彼女はあくまでも優雅でマイペース。自分が浮いているなんてこれっぽっちも思いません。ジゼル役のエイミー・アダムスは33歳。この若くもさほど綺麗でもない女優さんをキャスティングしているところがなかなか面白いですね。ちょっとぶっとんだ感じがぴったりはまっていました。


そしてロバートの家では、アンダレーシアの自分の家と同じように動物を集めて掃除をさせる。アンダレーシアではかわいい動物たちばかりでしたが、ニューヨークで集まってくるのはドブネズミやゴキブリ。おえっー、という感じですよ。そんな動物しか集められないところもニューヨークならでは。


ニューヨークで浮きまくりのはずのジゼルが公園で演奏していた人たちと一緒にパレードを始めるシーンはなかなか楽しめます。このパレードはディズニーの得意分野かな。またジゼルが歌い出したことに戸惑っているのはロバート一人だというのは、おとぎ話が意外と現実にすんなり入り込める、ということなのでしょうか。


でもね、はっきり言うとジゼルにはかなりイライラさせられてしまったんですよ。あの天然でマイペースすぎるところがもうダメでした。悪気があってやっているわけではないのはわかっているけれど、ジゼルのせいで迷惑を被ってしまうロバートが本当可哀想で。私だったら思いっきりキレちゃいそう、と思いましたよ。


ウケたのは、エドワード王子の実写。なんじゃありゃ。ジゼルもおとぎ話から出てきたまんまでしたが、エドワード王子はそれ以上の馬鹿っぽさでなんとも間抜けな感じでした。その時点で、これはもしかしたら?と展開を予想してしまったのですが、まさに予想通り。ジェームズ・マースデンは最近こんな役ばっかりですね。


ジゼルとの出会いによって、夢見ることを受け入れ始めたロバート。

ロバートによって現実の世界を知っていくジゼル。


最終的にハッピーエンドといえばハッピーエンドではありますが、余り者同士の展開は子どもに観せるにはちょっとどうかと思いますね。それこそ夢を奪ってしまうような気がしてならないのですが、どうなんでしょう。お互いハッピーエンドだからいいという問題ではないと思います。ファンタジーならファンタジーらしい展開にしてほしかったな。だいたいディズニーって夢を売ってくれているはずなのに、こんな現実的な展開の話にするのはちょっとずるいです。


おとぎ話の国から現実世界に飛び込んでくる、という設定自体はなかなか面白いと思ったし、映画もつまらないわけではなかったのですが、残念ながら私はこの映画の世界をあまり楽しむことができませんでした。


日劇にて鑑賞


★★☆