日本の製薬王といわれた信州の犬神財閥の創始者・犬神佐兵衛は、遺言状を残して永眠した。佐兵衛には腹違いの3人の娘、松子、竹子、梅子がおり、それぞれに佐清、佐武、佐智という息子がいた。さらに屋敷には、佐兵衛が世話になった大恩人の孫娘・野々宮珠世も住んでいた。残された遺言状が一族の不吉な争いの元凶となることを予期し、遺言を管理する法律事務所の若林は金田一耕助に調査を依頼する。しかし若林は、金田一との対面の直前、何者かに殺されてしまう。やがて公開された遺言状は、“3人の孫のいずれかとの結婚を条件に、犬神家の全財産を珠世に譲渡する”という驚愕の内容だった…。[上映時間:134分]
オリジナル作品は観ていないので、ストーリーも犯人も知らずに観に行きました。ともかくキャストがすごく豪華でした。ただキャストの豪華さに作品が負けてしまっていたように思います。
昭和22年、信州の犬神財閥の創始者・犬神佐兵衛が永眠。遺言状を管理する法律事務所の若林は、残された遺言状が一族の不吉な争いの元凶になることを予期し、私立探偵金田一耕助に調査を依頼、しかしその若林は金田一と会う直前に何者かに殺されてしまいます。
佐兵衛には松子、武子、梅子の3人の娘がおり、それぞれに左清(すけきよ)、佐武(すけたけ)、佐智(すけとも)という息子がいましたが、佐清は戦地に赴いたまま行方知れずになっていました。
遺言状は相続の権利のある犬神一族及び佐兵衛の恩人の孫娘・珠世がそろった場でないと開封してはならないという佐兵衛の言いつけのもと、松子は息子・佐清を探しに行きます。
そして松子が連れ帰ってきた佐清は白い不気味なゴムマスクを着けていました。佐清は戦地で顔にひどい傷を負っていたのです。
全員が揃い、開封された遺言書には、「佐清、佐武、佐智のいずれかとの結婚を条件に、犬神家一族の全財産を珠世に譲渡、珠世が3人の誰とも結婚しない場合は、珠世は相続の権利を失い、財産はを5等分し、3人の孫に1/5ずつ、そして愛人・青沼菊乃とその息子静馬に残りの2/5を譲渡する」という内容が書かれていました。
我が子を珠世と結婚させようと必死になる、佐兵衛の腹違いの娘3人。
マスクを被った佐清に対しても、傷を負った顔からは本人かどうかの判別はつかず、本当に佐清なのかという疑いがかかります。
そして次々に起こる殺人事件。犯人は?佐清は本物なのか?犬神家に隠された真実とは?
全体的に主人公である金田一の影が薄かったです。全然活躍してないし。最後だって普通なら予想できる展開を金田一は気づけなかったし。そしてオリジナル作品の時代ならいざ知らず、今の時代にふけだらけの汚らしい主人公はいかがなものかと思いました。石坂浩二は年をとりすぎて、疲れきった金田一、という印象が否めなかったです。
それに対して、3人の娘を演じた富士純子、松坂慶子、萬田久子の存在感は抜群でした。特に富士純子の迫力はすごかったです。松嶋奈々子もあの3人の迫力には完全に押されてしまっていた感じがしました。壊れた奥菜恵はなかなかよかったですね。
それから、尾上菊之助は松嶋菜々子の相手役としてはちょっと若すぎだったように思います。
また死体はどれも結構残虐でしたが、その残虐さほどインパクトは感じませんでした。菊人形に据えられた首も、湖の逆立ち死体も、いかにも偽物!という感じでリアルさが足りなかったからかな。
登場人物が多いわりにストーリーはわかりやすいので、混乱することはありません。それにしても佐兵衛のなんと女にだらしないこと。元凶は佐兵衛のだらしなさでした。
昭和の雰囲気はよく出ていましたが、良くも悪くも古臭い感じでテレビの二時間ドラマで十分な感じの映画でした。
試写会(@よみうりホール)にて鑑賞
★★☆