2011-09-14 11:12:07

「Xi搭載タブレット」に見るNTTドコモの“悩み”

テーマ:ブログ
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 NTTドコモは9月8日、LTEによる高速データ通信サービス「Xi」に対応したタブレット型デバイス2機種の発表会を開催した。それに伴いタブレット向けサービスやXiの料金改定などさまざまな発表がされている。その発表内容からは現在、NTTドコモ、ひいては携帯電話キャリアが抱える悩みが見え隠れする。 ビジネス・プライベートに向けた2つのタブレット  今回、NTTドコモから発表されたのは、サムスン製の「GALAXY Tab 10.1 Tab LTE SC-01D」と、富士通製の「ARROWS Tab LTE F-01D」の2機種。どちらも10.1インチのディスプレイを備えるスタンダードなタブレット型デバイスで、FOMAに加え、Xiによるデータ通信が可能。さらにAndroid 3.2にデュアルコアCPU搭載と高性能であるなど、一見すると傾向は似通っているように見える。  だが、実物を見ると、その傾向はかなり異なっていることがわかる。SC-01Dは、海外向けに展開しているGALAXY Tab 10.1のLTEへの対応、spモードや緊急地震速報への対応など、サムスンがNTTドコモの仕様に合わせた機種となっている。加えて、サムスン独自のインターフェース「TouchWiz」を備え、カレンダーや手書きメモ(ペンメモ)など、マルチタスク起動できる独自のアプリ機能も備える。  一方、F-01Dは、防水性能やワンセグ機能を備えているというのが大きな特徴だ。また携帯電話で一般的な着せ替え機能に相当する「スタイル」という機能を備えており、画面のデザインや壁紙、ウィジェットなどをまとめて切り替えられる。さらに、「楽天レシピ」をプリインストールするなど、女性やファミリー層を狙ったものとなっている。  その傾向の違いは発表会でも見られた。発表会場では、NTTドコモの社員2名によるプレゼンテーションが行われたが、SC-01Dは男性社員によるビジネスシーンでの利用、F-01Dは女性社員によるオフでの利用という内容だった。 Xiとタブレットの特性を生かしたコンテンツを用意  また今回は、従来のように、単にタブレットのデバイスを提供するというだけでなく、タブレットに向けたサービスを充実させているというのも大きな特徴となっている。  発表会では、タブレット型デバイスに向け、4つのサービスを案内していた。特に力が入っていたのが動画系のサービスだ。9月1日に日本でスタートしたばかりの月額1480円で映画やドラマが見放題のサービス「Hulu」、そして、吉本興業の芸人による短時間の動画コンテンツを配信する「よしもとケータイバラエティ JOOKEY」と2つのコンテンツを提供するほか、ビデオチャットなどが楽しめる「Qikビデオ for DOCOMO」も用意しているという。  加えて、サーバー上でゲームを処理してタブレットデバイスでも快適に楽しめるクラウド型のゲームサービス「G CLOUD」も予定している。いずれのサービスも一定期間無料で利用できるなど、Xi搭載タブレットでの優遇措置を受けられるサービスとなっている。  スマートフォンよりも画面の面積が広いタブレット型のデバイスに対し、高速・大容量・低遅延というXiの特性を生かしたコンテンツを提供することで、従来の先進層以外に対する普及に弾みをつけたいという狙いがあるといえよう。 “訴訟”という新たな悩み  従来「ドコモ スマートフォン」のカテゴリに区分されていたタブレット型デバイスだが、ラインアップが増えたことから、新たに「ドコモ タブレット」として区分するなどNTTドコモはこのデバイスの販売に注力する方針を見せている。だが、意気込む一方で、いくつかの悩みも抱えている。  1つは“訴訟”だ。今回発売予定のタブレット型デバイスの1つはサムスン製だ。だが、既にご存じの方もいるかと思うが、サムスンのタブレット型デバイスは、ライバルであるアップルが特許侵害などを理由に、欧州や米国、韓国など各国で訴訟を起こしており、ドイツなどでは実際に販売が差し止められている。  そして、日本でも、発表会前日の9月7日にアップルが日本サムスンとサムスンテレコムジャパンを相手取り、サムスン製スマートフォンやタブレット型デバイスの販売差し止めを、東京地裁に提訴し、第1回の口頭弁論が開かれたと報道されている。  このことに対し、山田氏は「(訴訟による販売差し止めが発生した)欧州と日本では訴訟内容が異なり、販売に支障はないとサムスンからは聞いている。著作権も日本と欧州では決まりが異なり、同じことが日本にそのまま持ち込まれることはないと考えている」と話している。だが、今後も訴訟が続く限り、何らかの影響を受ける可能性がないとは言い切れない。  このことは、グローバル展開する企業からの調達を増やしているキャリアにとって、世界レベルでの競争激化による“訴訟”と、それによる端末販売の不確実性という、新たな悩みが発生したことを示しているといえるだろう。 Xiの料金プラン変更に見る悩み  そしてもう1つ、NTTドコモの悩みを示していたのが、Xiの新しい料金プランだ。従来のXi向け料金プランである「Xiデータプラン」では、5GBまでは6510円(2年契約の場合)の定額料金で利用できるが、それを超えると2GBごとに2625円ずつ料金が加算される仕組みとなっていた。だが、ユーザーの声を受け、これを見直したという。  具体的には、今回、月額7455円(2年契約で5985円)で料金変動なく利用できる「Xiデータプラン フラット」と、データ通信量に応じて3970~7980円(2年契約の場合2500~6510円)に変化する「Xiデータプラン2」の2種類を用意。いずれかを選択できるようになった。また、通信量の上限も5GBから7GBに引き上げられ、それを超えた場合は、通信速度が最大128kbpsに制限されるか、2GBごとに2625円支払って通信速度を維持するか、選択できるようになった。  こうした仕組みは、「1年でトラフィックが1.7倍に伸びた」と山田氏が話している通り、近年のトラフィック増加に対応しながらも、「データ通信を定額料金で安心して利用したい」というユーザーの声に応えたもののようだ。だが、通信量上限を超えた時の通信速度の低下がかなり厳しいものとなっている。  現在は、98%の利用者が7GB以下で収まるとしているが、今後、動画などの大容量サービスを強化していくことを考慮すれば、この比率は低下してくると考えられる。また、自宅でパソコンを利用している人は固定インターネット回線と無線LANを備えていることが多く、そちらにオフロードできる可能性もあるが、パソコンを所有していない層にも広まった場合、そうした逃げ道も閉ざされる。  高速・大容量通信を提供しながら、急増するトラフィックに対処し、かつ安心して使える料金を求めるユーザーの要望に応え続ける。Xiの料金プラン変更からは、インフラを運営する事業者のそうした悩みも如実に伝わってくる。厳しい条件、厳しい競争下でこれらの問題をどう解消していくかが、キャリアの命運を分けるといえそうだ。 【関連記事】
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