昨夜0時頃に高2の長男から電話があった。
「彼女が終電に乗り遅れたから、朝まで一緒にいてやらなければならないので、今日は帰れない。二人で先輩の家に泊めてもらう」と、あほなことをぬかしている。
僕はタクシーで帰せと指示をしたが、彼女の親はもう寝ていて、しかも家は江戸川区だという。とにかく親に連絡を取らせるために一旦電話を切った。もちろん「こちらからの電話には絶対に出ろ」ということも念を押して。
5分ほどしてから長男に電話をかけた。しかし何度コールしても出ない。
メールで『電話かけてこい』と送ったら、『ごめんなさい今電車です』と返事が来た。
『江戸川区のほうにいく最終にのせてそこからタクシーで帰ってもらいなさい』と送ったら、『お金がないそうです。』と返事が来た。『いまどこでどこに向かっていて何時になるのか返信しろ』と送った。これが0:16。その後、何べん電話を鳴らしても電話には出ない。
0:18『親のところに運転手につきそってもらえ とにかく、無事帰さないとお前の人生おわらす』と送ったところで、細君がトイレに起きてきた。時計を見上げて、「まだ帰ってこないの?」とため息をついている。わきのテーブルでは末っ子が受験勉強をしている。
トイレから出てきた細君に、経緯を説明する。末っ子もイラッとした声をあげたので、「勉強の邪魔になったか?」と訊くと、「いや、ぜんぜん?」と強がっていた。細君はしばらく憤慨したのち、布団に戻った。
その後も電話はかけ続けた。
0:55に長男から返信が来た。
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無事帰させます
本当に今回ばっかりは許していただけないでしょうか。おねがいします。
本当に今回ばっかりは許してください。
学校もちゃんと行きます。行かせます。
おねがいします。
人生も終わらせないでください。
すいません。
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1:02、こちらから『タクシー代を貸すから取りに来い!』とメールをした。その後も電話をかけるか、出ない。
1:41『なめてるとどうなるかわかるな?』
1:48『いますぐタクシーで金とりにこい さもないとぜったいに容赦しない』
2:11『親が絶対にここは譲らんっていったら、譲らないよ。今手に入れているものを全て捨てて、裸ひとつから生きていく覚悟、あるんだろうな?』
2:18『けじめつけますか。まず携帯と単車は手放してもらう。高校やめて働け。』
2:20に返信が来た。
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勘弁してください
本当に許してください。
おねがいします。
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2:21『いますぐタクシーでこい』
2:44『三時半まで待ってやる。それを越えたら、布団以外全部処分する』
3:01『あと30分で本当におわりだ。わかってるだろうが、あとで何したって遅いからな。』
この間も、何度も携帯を鳴らしていたが、3:01のメールのあと、携帯の電源を切ったようで、<電波が届かない状態か電源が入っていないためかかりません>のアナウンスが流れた。過去に何度となく聞かされたメッセージだが、一途の望みは「タクシーでこちらに向かっているのかもしれない」、「彼女の前で、車内で自分のビビった電話を聞かれたくないから切ってるのかもしれない」というものだった。
時計が3:30を刻んだ。
3:42『高校はやめなくていいよ。中卒の世話すんの、たりいから。卒業してさっさとうちからでていけ。それでいいよ。』と送って、寝た。
なんで俺が彼女を帰すことにこだわったか、きっと長男はわかってないんだろう。
まあ、ここまできた以上、俺は長男が高校を辞めることになってもかまわないと思う。ましてや、高校無償化=血税の時代だ。バカ親のバカ息子は、高校生の身分に甘んじる資格もないものと自覚した。
鳶になるかマグロ船に乗るか自衛隊の下っ端になるか知らんが、高校を中退する経験が、本人が大人になるために必要なのだろう。
惜しい気はするけど、津波に飲みこまれていった方たちや、放射能汚染区域の方たちの15年先を思えば、うちの長男一匹がどうなるかだなんて、親の俺にさえ取るに足りないことだ。
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