2012-05-21 18:52:03

3.11④

テーマ:ブログ
助かっていた。

自分の地域の津波の高さは22メートルだった。

その津波から逃げきってくれていた。


妹は………
誰か 妹を助けて下さい。

その頃 妹はトンネルの中にいた。
真っ暗なトンネルで泣いていた。
一緒に逃げた同僚たちとは別れ たった1人でいた。
そんな妹を 偶然 母の知り合いの夫婦が見つけてくれた。

3人で釜石市から大槌町に抜ける真っ暗なトンネル。 木の枝で壁をたどりながらなんとか 抜けたその先に待っていたのは 地獄だった。


真っ赤な炎。
自分の町は爆発炎上を繰り返し 燃えていた。

津波と火災。

無理矢理 入ろうとした妹を必死で止めて 何とか一晩 トンネルで過ごした。妹はずっと泣いていた。

世が明けてもまだ燃えてる町

その夫婦は泣きじゃくる妹を諭し 隣の町の避難所に連れていってくれた。

この時期 一番辛かったのは 私は両親が生きていたと知り 妹は行方不明だったが 妹は両親を諦めていた。

情報がみんなバラバラで 皆が辛かったのだ。

これは 多分 自分だけでなく こんな想いを2万人以上の人がしていたということ。

人は都合のいいように 神様助けて下さいなんて言うけど よくも今まで 都合よく 使ってたもんだと 神様に土下座して謝りたい気分だ。


ホントにごめんなさい。

でも なんの情報もなかった自分は本気で思った。
神様 お願いします。
妹を妹を助けて下さい。

なんもいらないし なんも望まないから 助けて下さい。


そして 自分は物欲がなくなった。

まあ なくてもいいもんだからだけど 神様は私から物欲や欲望というものを持っていった。


実に都合よく持ってってくれた。

2012-05-21 18:28:07

3.11③

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教育テレビは被害の大きい順に メッセージをよみあげていた。

停電で通じるはずのない名前を次々読み上げていった。
凄いと思った。
この人たちはプロだって。
だって 淡々と読み上げるその声は冷静沈着で どれだけ救われたことか……
アナウンサーの人が声を詰まらせたり 民放でも被災地に入ったアナウンサーが泣いてたり…………
虚しく時間だけが過ぎていった。

妹との電話ももう通じることはなく 部屋の電気もつけることさえ忘れて ホントに自分の情けなさは多分一生 忘れない。


無神経というか 何も考えられない頭で 安否確認をしている彼に「見つかった?生きてる?」

その頃 妹の仕事場から程近い海岸にもの凄い数の尊い命が打ち上げられていたことなど 知る善しもなかった。


なんか 思考停止状態というか 人間は無意識に物凄く極限になると そのことから 必死で逃げようとする弱い生き物だと はじめて悟った。


マジ 自分 どうすればいいんだろう………


その時かなぁ………

夢なのか幻聴なのかもうなんなのか わかんないけど 声がね 聞こえたっていうか したというか……
自分は不思議な出来事とか 経験ないし まあ 身近な人には多いけど。


一言だけ
「千葉のたくじおじちゃんに電話しなさい」


一昨年 亡くなったお父さんの弟
生前 私を可愛がってくれた自分が大好きなおじちゃんの声だった。


多分 極限まで考えぬいて 閃いた自分の考えだったのかもしれないけど 全く考えてなかったことだったから 凄くビックリした。

直ぐに電話をした。

この震災で一番 自分の癖で役に立ったことがあった。

何でもメモる癖。


全て 自分の家族 親戚等々の電話番号や住所。

メモっていたメモ帳は今でも 必ず持ち歩いている。

電話した時には おじちゃんは全てを察していた。
なぜ このおじちゃんだったかというと おじちゃんは大槌町の神社の鳥居を作ったり 大槌町の神様に関することを手伝ってくれてた人だった。


泣きじゃくる私に一言
「ちえちゃん そのまま 待ってなさい。また 電話するから」


そして 数時間後の電話

「お父さんもお母さんも避難してるの確認したから安心しなさい」

2012-05-19 01:36:26

3.11②

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人間なんて無力…


だって 24時間 テレビの前で体育座りで津波の映像みてるしかないんだもの。


彼は言った


家族の名前 探してほしい人たちの名前教えてって。

この人 何を言ってんだろう。
頭オカシイんじゃない?

オカシイのは 自分の方だとかわかったのは それからずっと後のこと。


彼は安否確認を必死で始めていた。


私は?
私は…何をしてたんだろか?

ただ テレビを観て 繋がらない電話をひたすらかけて。


家族の安否は全く不明だった。


ホントに何の情報も入らなかった。


14日 震災から3日目の読売新聞の一面トップに自分の町が載った。


岩手県大槌町…壊滅


それからスポーツ新聞等々

岩手県大槌町1万2千人不明。


あれ?
うちの町 人口何人だっけ?
1万5千人くらいじゃないっけ?

何これ?

町 ないじゃん

燃えてる

な…なんなんだよ!

こんなことしてらんない…

っつうか なんもしてなかったんだけど。


何も入ってないリュックを背負い 裸足で「帰る」とアパートを出た自分を彼に止められた。


完全におかしくなっていた。


今 考えると よく 彼はこんな自分を支えたもんだと思う。


もう 泣くしかなかった。

今でも思う。

泣いて全てが元に戻るのなら いくらでも泣いて泣いて泣きまくる。

泣きまくってやるから 全部返してよって。


思い出して 文章にするのって 凄くパワーがいるもんなんだね。


疲れたから 今日は寝ます。

起きたら 全て夢だったなんて……………


ならないか。

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