雪待月

ゆうこと露菜のブログです


テーマ:
6月24日。
村下孝蔵の命日です。
命日、
命の火が消えてしまった日なのに、
命の日と書くのには、
何か特別な意味があるのでしょうか。

命日です。
故人を偲びます。



村下孝蔵の命日に寄せて・・というほど、
大げさなお話でもないのですが。
私に、まだ体力が残っている内に。
私の頭脳が、多少働いてくれてる内に。
短い「連載」をはじめさせて頂きます。

ショートショートでも、
「連載」と言ってのけるとは、
我ながら、ムチャクチャ生意気!
でも、
良く思い出すと・・と言いますか、
私、もう60歳になってます。
良くも悪くも、
私、もう還暦過ぎました。
締め切りがあるわけでもなし。
思い出しつつ。
気持ち楽に、はじめさせて頂きます。
連載中に、
私が心肺停止などにならないよう。
最後まで、応援して頂ければ幸いです。

「連載」にあたり、宣誓します。

宣誓
私、ゆうこは、この連載を、
明るく。楽しく。
悲しく。切なく。
苦しく。狂おしく。
夢を見ながら。夢を壊しながら。
それは、無理やりのミステリアスで。
かっこ良く。かっこ悪く。
事実のみ。嘘は書かない。作らない。
飾りは付けず。笑いは付けて。
時々、酸素吸入でお休み頂きながら。
誰をも傷つけない文章を、
最後まで、きちんと、
書き抜くことを、ここに誓います。

2016年6月24日
  鍵盤アコーディオン奏者 ゆうこ





連載

「太郎と花子の日本昔話」
 
第一話   昭和53年奇妙な出会い
 
昭和53年。
  日曜日の夜9時半過ぎ。
そこは、広島市中区中央通り。
宝塚ビルという、
映画館の入っていた雑居ビル前です。
市内の中心地、オフイス街。
普通の日は、とても賑わっていますけど。
さすがに、日曜日の夜9時を過ぎると、
人影もなく、車も少なく。
どのビル見ても、ネオンも消えてます。
ビルの前にある、タクシー乗り場で、
さっきから2人の女子大生が、タクシーを待ってました。
地元の音楽大学で、
ピアノを学んでる花子と、
その友人幸子が、
かれこれ、もう20分も前から、
タクシー待ってます。
「なんで、タクシー乗り場に車が来んの」
少し太めでポッチャリの幸子が、
ますます、ホッペタ膨らませてます。
「だから、日曜日ってこんなもんよ」
花子は、抱えてた沢山の荷物を、
道端に下ろしながら答えます。
さっきから、
何回も同じセリフ。
先輩のピアノコンサートの手伝いに借り出され。
夜のコンサート終了後、
やっと解放され。
お腹は空っぽで倒れそうなのに、
2人とも、今日に限って、
先輩の頂いた花束2個づつもらって。
衣装と重い花束で死にそうな顔。
「タクシー来ない・・。最悪」
そう、花子がつぶやいてると。
突然、幸子が。
「花子!私トイレ行きたい」
花子は、(平成っ子風に言うと)
・・マジカヨ・・  心でつぶやいた。
「幸っちゃん、お店どこも空いてないよ。
日曜日だし。
それに、この辺知らんし」
幸子は、駄々っ子のように、
騒ぎ出して。
「トイレ!トイレ行きたいよう!」
ジタバタしてる。
花子は、疲れきってて
「警察呼ぶ?公衆電話あるよ。
私が10円出すよ。
自分でパトカー呼べば?」
幸子は、本気でトイレトイレと、
ビルの周りをうろつきはじめて。
「花子!あった!あそこ!店だよ!」
花子が座り込んでる場所から
数メートル先のビルの上指差して、
叫んでる。
「どこ? 何の店?」
「なんでもいいの!トイレきっとあるよ」
幸子は、荷物を抱えて、
花子の言うことも聞かないで、
念仏のように、
「トイレあった!トイレあった!」
そう言って、
小走りに一直線に向かって行った。
「ちょっと、待ってよ。
   ヤクザさんのお店だったら?
    ちょっと、こんな格好よ!」
披露宴帰りまではいかないけれど、
綺麗にしてる花束持った、若い二人。
幸子は聞く耳持たず。
「トイレきっとあるから!
    私先に行くよ!責任取るから!」
「いったい、何の責任取るのよ!」
仕方なく、ハイヒールで花子も走る。
花子は、
ビルの前に立ち止まって。
見上げた。
古いビル、(怪しい)
外付けの螺旋階段、(絶対怪しい)
3階?(関西弁でアカンヤツだ)
幸子はというと、
威勢良く靴音鳴らし、
螺旋階段を登りはじめてる。
どうやら、トイレ本気らしい・・。
花子は、見えにくいネオンを、
下から、一生懸命見て読んだ。
「おかっぱ」って読めた。
何の店だか、わからない。
日曜日に店開けてるんだもの。
だいたい「おかっぱ」って・・。
おかっぱって何なの!
登りにくい階段で、3階で。
その上、荷物抱えて。
友人のトイレ事情の為のみという、
それだけで。
バカバカしさで、腹も立たない。
ハイヒールで3階まで行くと。
幸子は、ドアの前で花子を待ってた。
「花子、先にドア開けて。
ここ不良の溜まり場みたい」
「幸っちゃん、トイレでしょ!
 先に行きなさいよ。不良って何で?」
幸子は、店のドア前の立て看板を、
指差して言った。
「LIVEHOUSEって書いてあるもん」
結局いつも、こうなるんだから!
クラシックの世界ドップリの2人は、
LIVEHOUSEイコール不良と、
そう、教えられてた。
ちなみに、演歌も不良。
幸子に、泣きべその、いつもの顔されて。
しかたなく、
花子がドアに手をかけた。
「教授には絶対秘密よ! 
 どうなっても知らんよ!
 開けるよ」
花子は、そのドアの先に、
幸子のトイレ以上の運命が、
待っているとは、
思えるはずもなかった。
店の中を見えなくしてるドアだった。
汚れて黒くなってるドアを。
幸子をにらみながら、
花子は、思い切りよく開けた。

                                     続く

 
      (文中の人名のみ仮名です)


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