「容疑者Xの献身」 | 毒か薬。

毒か薬。

日記と、本の感想について。

それ以外にもちょこちょこと。ホラーやギャグマンガの紹介もしていきたいです。

住所不定・無職の男が、離婚して今は無関係に暮らしている妻子の元に、金銭をせびりに来た。そこで自分の子どもにまで危害が及びそうになり、衝動的に母親は男を殺してしまう。物音を聞きつけて殺人事件が起こったことを悟った隣人の石神は、その親子に指示を出して殺害を隠蔽しようとする。

湯川は事件のあらましを内海刑事から聞いた際に、隣人の男が石神だと知って懐かしく思う。「石神は天才だ」と発言する湯川は、石神の仕組んだ謎を看破できるのか。



久しぶりに試写会で観ました。ドラマは1回観て、内容の薄さと狙いすぎのストーリーに二度と観る気にならなかったのですが、原作がどんな風になったのか多少興味があったので観てきました。


おもしろかったです。ほぼ原作のままです。だから話については触れません。原作の感想をアップする(かもしれない)ので、そっちで書きます。

ドラマにあった「ひらめいたー! バーッ!」と紙を散らかして数式を書き付けるような、変な演出がなかったのが幸いです。しかもあの紙の使い方が我慢ならん。


でもやっぱり変なギャグが入っていてうざい。

「湯川先生、何でも科学でわりきれるものじゃないと思います」「そんなもの何がある」「例えば愛とか」

で、虚数iについて長々と演説。KYにもほどがあるし、わかりやすすぎ。そんなのわからない湯川先生じゃないでしょう。あざとい。もう一ひねりくださいよ。小中学生のギャグじゃあるまいし。


山登りのシーン別に要らないよね、この親子ちょっとピュアすぎるよね、お母さん気づいてもよさそうだよね、愛想のなさそうな隣のおじさんに離れた橋の上からわざわざ声かけたりしないよね、などなどドラマくさい面もあったけれど、まあよかったです。対決のシーンをあの場にしたのはさすがにやりすぎだったけど。

山登りシーンと混ぜてもよかったんじゃないのかな。



福山雅治が気取った話し方をしているせいで時折聞き取りにくいのが残念。柴咲コウは元からだけど、いてもいなくてもいい存在。北村一輝の出番増やして。堤真一がすばらしい。


本当にくたびれた冴えないおっさんに見えました。覇気のない話し方、不自然でない猫背、すくめた首などで雰囲気出してます。

いかんせん、服装のダサさが足りないのと顔が端正なのとで、近寄りがたいとか避けたいまでは思わないのですが。毛玉いっぱいくっついたセーター、安物スーツ、セカンドバッグまでやってほしかったです。あの柄スーツは小洒落てる。


松雪泰子もすばらしい。お上品なお母様に見えました。「デトロイト・メタル・シティ」でぶっとんだ女社長を観た後だったので、そのギャップがステキすぎです。


謎だったのは、最後の方にクリスマスシーンが入るところ。この映画って10/4公開だったはず。クリスマスには早すぎるし、それまで公開しているとも思えない。半端だなぁ。最大の謎でした。