関東の古都・鎌倉に、夏の直前に訪れる色の饗宴。
毎年のように見に行っていますが、
いつ行ってもその丸みを帯びた形と夏空を予感させる色に
うっとりとしてしまいます。
大体出かけるときは晴れの日が多いのですが、
この日はあいにくの雨。
いや、あいにくでもないかも。
しとしとと、糸のような雫が流線を描いていきます。
露に彩られた紫陽花の花、とても雨に似合います。
淡いドレス。
真っ白な紫陽花は、ウエディングドレスみたいに見えます。
ジューン・ブライドですね。
またいつもの通りのルートなのですが、
まずは北鎌倉駅から、明月院まで歩きます。
さすがこの時期の名所のお寺、天候にもかかわらず
たくさんの人が訪れていて、混みあう参道。
しっとりと雨の中、花に触れて笑顔が咲く。
グラデーション。
紫陽花の花の色は、土壌の酸性度によって変わると
言われていますが、
株によって青色、赤色と違うものもあります。
じめじめした梅雨空をはらう、爽やかな寒色が好きです。
境内にも手毬のような花がたくさん浮かんでいて、
雨のなかで見るそれはまた幻想的です。
群れて咲いているイメージがありますが、
一本だけで立っているものも。
モミジの中で。
秋の紅も素晴らしいのですが、
初夏の蒼いモミジの色合いもとても清々しくて良いです。
その中に凛と立つ、水の玉みたいです。
雨の中で撮影するのはとても難しいですね。
なんとか明るい中で雨の感じを出したかったのですが、、四苦八苦。
糸落ちて。
雨に濡れる紫陽花はとても喜んでいるようにも見えました。
花は紫陽花だけではなくて、この天気でしか見られないもの。
満開。
色とりどりの、傘の花が咲いて、歩道を埋め尽くす。
歌や本の世界かと思っていたのですが
本当に純粋に綺麗だなと実感しました。
竹林の小道を抜けて、大通りに合流します。
振り仰げば、雨の中でさえ力強い光が降り注ぐような。
上にいく力。
自分のずっと頭上から、こちらに笑顔をくれているようで、
そこで待っているよ、だから上っておいでと言われているみたい。
「まだいける」と思わせてくれる、だから竹は好きです。
出口側の歩道にもたくさんの紫陽花が
競うように花を咲かせています。
両脇を囲まれて、世界が花の灯りに包まれます。
地球のように青くてまるい紫陽花の花。
これが出会った中で一番かわいいかな。
小さな星。
光を浴びた水の色は、海や空よりも少し淡くて、澄んだ蒼です。
まるごと掌に包みこんでみたら、星のように光るかもしれません。
お寺を出て、鎌倉駅から江ノ電に乗車。
極楽寺駅で降りてみると、小さな橋梁に咲いた紅い紫陽花。
駅を見下ろしながら、景色を彩る。
レンズが雨で曇って、思いがけずふわりと幻想的な写真になりました。
霞み。
次は線路沿いをゆらゆらとたどりながら、
御霊神社の方へ行きます。
その2~御霊神社ほか~はこちら 。