教育のチカラ -4ページ目

【先生という呼び名】

 

 

 

なんでもない人でも講師を始めると、

「先生」と呼ばれるようになる。

 

中には、その呼び名がくすぐったくて、

「名前で呼んでください」

と謙虚そうに振る舞う人もいる。

 

私も最初は先生と呼ばれるのが、

小っ恥ずかしかった。

まだ先生と呼ばれるような人間になっていない。

そう思っていたから。

 

でもそれは違うとすぐに気づいた。

「先生」という呼び名は、

呼ばれる人のためにあるのではない。

 

先生と呼ぶことで、生徒になれる。

「学ぶ姿勢、学ぶ覚悟」を持つためにある。

つまり、呼ぶ側のための言葉なのだ。

 

そして先生と呼ばれる側は、

その生徒の覚悟を受け止めて、

先生としての責任を全うする。

それが先生という呼び名の価値なのだ。

【講師育成】

研修関係の情報、

たいていはスルー。

でも「講師育成」に限っては、

僕の足が止まる。

たいてい物足りないし、

そんなんで大丈夫?と思う。

 

講師になるには

1 設計(企画営業、事後フォロー)

  ⇒丁寧な対応、人間関係要

2 コンテンツ(旬、定番、独自性)

  ⇒作りこみ、柔軟さ

  ※ただ、ここはあまり差がつかない

3 教えるスキル(講師の腕)

  ⇒話術、観察眼、語彙、器

 

情報提供している人の多くが自信を持っているのは①

セールスとかマーケティングとか、そんな話。

人さえ集められたら、(集客)

あとは適当に盛り上げて満足度を確保すれば

とりあえずの「成功」は勝ち取れる。

 

ただ、そこに「まともな講師」がいなければ、

それは単なる「商売としての成功」にしかならない。

そして、

①は教えられる、ポイント抑えれば真似できる。

②はコピペできる。

問題は③

これを実現することはとても難しい。

 

僕は③にこだわってやってきた。

完璧な答えはない。だから、知りたい学びたい。

でも、そんな情報はどこにもない

【オンライン研修8時間】

この春から4回オンライン研修をしてきたが、

どれも時間は3~4時間だった。

受講生が視聴者になりがちなオンライン、

長時間の受講は難しいと言われている。

 

たしかに、他の受講生と喧々諤々、

盛り上がりやすいリアル研修に比べ、

一人で小さな画面を見続けるのは、

受講者にとっても難儀だろう。

 

なのでこれまでの研修では、

「オンラインで出来ること」に制限し、

内容を絞って行ってきた。

 

ところが、今回はリアル研修の代替。

コロナの影響で直前に変更になった。

なので、

幹部社員のスケジュール確保の面からも、

8時間のまま、9時5時で行うことに。

 

であればリアル研修と変わらない内容で

8時間研修をやってやろうと決意。

表情の変化や全体の雰囲気把握が難しい中で、

テンポ良く受講生とやり取りを行うには、

どんな工夫ができるかを徹底的に考えた。

 

リアル研修では、

講師が受講生の一人と会話していても、

周囲の受講生の様子を察知できるが、

オンラインではそれが難しい。

 

いかに1対1で会話していても、

他の受講生にも意味があると思わせるか、

全員を巻き込んで飽きさせないか。

受講生を細かく観察するという、

プロ講師の目が使えなくても、

圧倒的な話力を研修の推進力とできるのか。

 

研修の流れは、

見ているだけ聞いているだけでも

道に迷わないようにスムーズになっているか。

講師はそれを滑らかに展開できるまで、

ひたすらリハをしてしゃべりの精度を上げられるか。

 

そんなことを1週間根詰めてやり続け、

本番を迎えた。

魅力ある受講生のおかげもあって、

8時間でも時間が足りないほどだった。

 

初対面の受講生であっても、

ここまで切り込んでアドバイスできる、

というぎりぎりまで攻めたかった。

 

外部講師に期待される「刺激」は、

守りの姿勢じゃオンラインでは難しい。

でも、しっかり準備をして、

オンラインでも五感を研ぎ澄まし、

カメラ越しの相手の表情を観察すれば、

それ相応のフィードバックができる。

 

今回はそれが分かったことも大きい。

オンラインだと、

時間が短くなったり、

フィーが安くなったり、

つまりはリアル研修のダウングレード、

と思われがちだが、

ほぼ変わらないものが提供できること。

やってみて実感した。

 

ただ、同じ時間のリアル研修よりも、

疲労感は大きい。

終わって2時間もしないうちに寝落ち。

10時間も寝続けた。

しかし、やってよかったと思う気持ち、

それが爽快感となって残っている。

 

株式会社サードプレイスでは、

リアルと変わらないオンライン研修

できますよ!

【オンライン研修のプログラム作り】

いつも以上に頭を悩ませています。

 

現場で相手の状況が見えない、

そんな中で進める研修です。

内容が高度になればなるほど、

いかに自分が現場で多くの情報を

得ていたかを改めて感じます。

 

相手の表情や息遣いから、

考えていることを予測して、

当てたり、

ディスカッションさせる時間を計算したり、

現場の情報を最大限生かすことで、

ライブな感じをより演出できたし、

完璧な時間配分で研修を進められました。

それがない分、苦労します。

 

ただ話題豊富に話せばいいってわけじゃないですし、

パネルディスカッションと違って、

経歴紹介やテーマに関するディスカッション

に逃げることもできません。

限られた時間で、

見えない相手に「教える」を完遂する。

 

そのために、

見えない分を準備段階でどれだけ補えるか。

 

しかし、全部用意してしまえば予定調和の、

つまらない研修になります。

アドリブも出したいし、

予期せぬ展開も楽しみたい。

そうなるともう、やることが多すぎて、

底なしの穴にハマった気分です。

 

それでも、当日、

クライアントの喜ぶ顔、

頼んで良かったと安心される様子が見たいので、

今夜も悶々と考え続けます。

営業マンの本音と事情

 

最近は、メールでの営業が多いが、

先日は電話がかかってきた。

 

企業の福利厚生を外注している企業からだった。

今は社員が福利厚生のサイトで自由に欲しいものを選べるようになっている。

 

そのメニューの中には、研修やレッスンのようなものもあって、

私にもそこに加わってくれないかという営業だった。

 

サイトやブログを見て、私について事前に調査はしているようで、

やたらと「先生は他とは違う。」「できることがたくさんある」と

持ち上げてくれる。

 

また、そうした福利厚生のメニューの特に研修欄は、

お客様からのクレームも多いのだという。

 

レベルの低い講師の方だったり、

胡散臭い企業が実施していたり。

 

なので、そこを変えたい。良くしたい。

「そこで先生のお力を。。。」ということらしい。

 

しかし・・・

この手のパターンはもうたくさんあるし、

何度も断ってきた。

 

例えば、講師紹介サイト。

私は一切登録していない。

 

そこでまともな仕事が得られるとは思っていない。

ページを開けば、見たことがある顔もチラホラ。

彼らは客寄せパンダだ。

その他の講師のほとんどは、見たことも聞いたこともない。

 

今回の営業マンも、

オンラインで熱心に自分のサイトを紹介してくれたが、

魅力的な同業者はおらず、

このメンバーの中に入って自分も同列で紹介されるのは勘弁だな。

と思うものだった。

 

運動プログラムと英会話に挟まれて紹介されても、

絶対に仕事にはつながらないと思う。

それに、単価も全然違う。

1時間5000円のレッスンの中には入れない。

 

それでも熱心に話を進める営業マン。

「先生は特別だから、特別対応で価格も考慮します」

 

ほらきた。つまりこういうことだ。

彼らは私のためにページを作成して、福利厚生メニューのひとつとして紹介する。

それを見たお客さんはサードプレイスのサイトに飛んで、

信頼できるか否かを確認する。

 

「さらに、今回は特別に、仕事発生時にマージンは取りません!」

 

なんか、とてもスペシャルなオファーでもしているつもりなのだろう。

通常は107万円を最初に払って、そのサイトに載せてもらうらしい。

それが大幅割引でさらにマージン無し、だからすごいだろう?と。

 

全然すごくない。

 

そこでこう言ってみた。

「私は、自分の知識やスキルを伝えることで役に立てるなら嬉しい」

「特に北海道の企業の役に立ちたい」

「もう自分を高く売るよりも、貢献欲の方が高い年齢になった」

「移動しなくて済む札幌の仕事なら、価格は柔軟に考える」

「福利厚生用にメニューを新たに開発してもいい。」

 

「あなたは自社のサイトに自信を持って進められるメニューを加えたい」

「それに最適だと考えて私に連絡をしてきた」

「既存の講師や関連する企業の問題点も把握している」

 

「ならば、私が初期費用を負担するのではなく、仕事が発生したら利益を折半しよう」

「その方が実際に仕事が増えていけばお互いにメリットがある。」

「結果、お互いに本気になれるし、継続性も高まる」

 

「私をメニューに加えたいのなら、OKを出すからあなたが初期コストを負担してください」

「私もその対応として、自社サイトの修正、福利厚生用プログラムも作成を負担します」

 

「もし、それができないということであれば、結局あなたは、クライアントの社員に

真っ当で優秀な福利厚生プログラムを提供したいのではなくて、

目先の初期投資を出してくれるお客さんが欲しいだけ。

そのために、私を持ち上げているに過ぎない。」

 

「あなたの言う通り、私は20年の実績もあり、書籍も出し、信頼に足る講師でしょう。」

「その講師をメニューに加えることで、サイトの価値をもっと上げたいのでしょう?」

「私は、100万投資して、そのサイトで自分を紹介して欲しい、とは思っていません。」

「どちらかと言えば、その並びで紹介されるのは勘弁してほしい、と思っています」

「でも、今のタイミングで北海道メインでということなら、OKしてもいいかと思っています」

 

「熱心に営業してこられたので、私も1時間以上の時間を割いて、話をしています。」

「あなたが、初期投資をしてくれる業者を探しているのなら、これ以上は無駄です」

「本気で研修メニューを格上げしたい、と思うのなら、話を先に進めましょう」

「やるとなった場合、絶対外さない研修と福利厚生メニューを提供します」

「持ち帰ってゆっくり検討してください。」

 

まあ、十中八九、連絡は来ないだろう(笑)

仲介業者で、本気でクライアントの研修向上など願っているのは稀だ。

 

それに、クライアントが本気なら、これだけ情報が提供されている現在、

自ら情報にたどり着こうとするだろう。

本日、午後からオンラインで打ち合わせをする企業(誰もが知る業界1の企業)

も、優秀な人事の方が、直接連絡をよこされた。

 

直接なら、費用は半分、要望などの情報共有は100%

いいことづくめなのだが、その代わり、担当者に手間と意欲が必要だ。

 

たやすいことなのだけど、しない人が多い。おかしな話だ。(笑)