前回のつづき。。
さてさて、元スタッフ若きシェフへ技術の伝承ですが、オープンが迫っての時間がとれない頃となりました。
そんな中で今回は、「コンソメ」 です。![]()
前日には二人で一緒にベースとなる、「フォン(出汁)」 の仕込みをし、
翌日は若きシェフが新しい店の打合せがある為、コンソメの仕込みの時のみ続きを学びに店に来ました。
ここからが本番です。![]()
上の写真の大きなずん胴鍋には前日一緒に作ったフォン(出汁)が入っていますが、
これに奥のボールに入っているミンチにした挽肉や野菜を加え、煮込んで行きます。
このミンチも牛肉を使うのか、また鶏肉にするのか、野菜は何をどれ位入れるのか、
フォンに対してどの位のミンチを使うのかなど、それぞれのシェフ達、レストランによって違います。
その違いでコンソメは個性あるコンソメへとなります。
私が、「黄金に輝く香るコンソメ」 と名付けた彼が作るコンソメには、彼自身が30年以上の長いフランス料理人としての経験で培われたものです。
さらには材料の分量だけでない、火加減や様々な技術が最も重要です。
まずは、アク取りですが、
一般にコンソメを作る時は、「アクは取らない。」 と言われることもありますが、彼はアクを取ります。
ただ取らなければならないアクとそうでないアクを見分けるだそうです。
この見分けこそが輝くコンソメになるのだと言うのです。
さらに火加減とそのタイミングはそれ以上に重要で、ある決まったタイミングに火力を調整する。だそうです。
火力を調節することにより、鍋の中の液体の対流を変化させながらミンチの肉を煮込むことで、
さらにさらに透明感ある、旨味あるコンソメが出来ると言います。
このタイミングと火力こそが長年の経験と技術。![]()
上のアクと液体をみながらどう火力を調節をするかを細かく伝えていました。
ただこれだけ技術が詰まったコンソメですが、お客様にすぐ目に見える形で、例えばコンソメスープとして出されるのはトレフでは殆んど無く、
多くはソースのベースとしてさらに手を加えて煮詰めたり、また隠し味としてほんの少しソースに入れたり、
冷製の前菜の輝きをだす為に表面にゼリーとして軽く塗ったりと、万能な脇役として活躍しているだけです。
だから私は若きシェフに、「厨房が狭いなら、無理をしてコンソメを作らなくたって出来る料理は幾らでもあるでしょう。」 と思わず言ってしまったのだけれど、
「それでも作りたい。」 と言った若きシェフを今はただただ応援するばかりです。
数時間後に今回も名脇役が完成したようです。![]()
「黄金に輝く、香るコンソメ。」 です。![]()
最後に彼が若きシェフにポツリと言った。
「次は君の時代だよ。」 と。
次はテリーヌ、そしてクロメスキーへの伝承が続きます。
頑張れ
若きフランス料理人達。![]()
おわり







