それは、いつ?
さて、しつこく陰陽五行応用編のレポートを。
今宵は、Tさん。
30代の女性で理学療法士。
わざわざ横浜から当院に。
Tさん、前日の基礎編から咳こんでおられてね。
前述のお二人が人間関係のネタ。
ここらで、カラダのネタもアリだなと。
テーマは、咳。
西洋の観方ではね。
結果に対して、アプローチ。
咳という異常を正常に戻す。
東洋の観方ではね。
原因に対してアプローチ。
咳という反応からカラダのメッセージを紐解く。
では、今回はより実践的に。
まず、Tさんから得られた情報を。
1.2週間ぐらい前(2月下旬)から咳が出始める。
2.風邪や発熱などの症状は伴わず、咳だけ。
3.その時期に思い当たるような無理をした記憶なし。
4.肌はツヤがなく、毛穴が開いて、締まりがない。
5.脈は細く締まり沈んでゆっくり → 冷えて元気がない
6.肺経の尺沢(しゃくたく)というツボに圧痛あり。
7.現在の仕事に疑問があり、転職を検討中。
ふむふむ。
まずは、この情報をもとに組立てよう。
五行で観る場合はね。
まずは、現状認識。
調和を乱している現状を観るってこと。
現状とは、「木」「火」「土」「金」「水」の「実」もしくは「虚」。
だから、10パターン。
「実」は、気の過剰、亢進。
「虚」は、気の不足、低下。
五臓に読み返るとね。
・木 → むくむく → 肝
・火 → ぱぁーっ → 心
・土 → どぅる~ん → 脾
・金 → きゅっ → 肺
・水 → ぎゅ~っ → 腎
さて、どーれだ?
どれかが、調子にノリ過ぎてる?
それとも、ヘロヘロに弱ってる?
当日の参加者のみなさんは?
「肺の虚だと思います。」
おお、イイとこ、ついてますね。
咳だからね。
呼吸器系の肺の反応だと。
じゃあ、もう少し状況証拠を揃えましょう。
「Tさん、お仕事に対する疑問というのは?」
「実は・・・。」
Tさんは、病院でリハビリを担当されています。
理学療法士さんですからね。
医師の指示に従って、機能回復訓練を日々実施。
けど、なかには、
「ほんとは、こうしてあげたほうが効果的だろうし、喜んでもらえるのに。」
って思われることが度々。
カラーセラピーやヒーリングなど。
見えない世界のメソッドも身につけられてるからね。
けど、それは医療現場ではできません。
患者さんに対する使命感。
「きゅっ」と引き締まるなら、「金」のエネルギー。
「いまの職場では、やりたい仕事ができません。」
「自分がほんとにやりたいセラピーがしたいんです。」
「だから、転職を考えてます。」
で、やりたいこともたくさんあってね。
あれを活用したら、こんなことが。
いや、でも、自営業になるなら、こっちのほうが。
気持ちは、先へ先へ。
イメージは膨らみます。
膨らむほどにね。
現状に身を置いていることにもどかしさを。
この意識のあり方は?
そう、先へ先へ。
過剰な「のびのび」。
木の実ですね。
「木」の「実」ですよ。
ナナではありません。
ということで、条件追加。
8.医療人としての使命感を抱き、現状に疑問を呈していた。
9.将来の仕事の在り方に意識が向き、焦っていた。
いかがですか?
徐々に構図が見えてきました。
けど、忘れてはイケません。
施術の際にね。
必ず質問すること。
「それは、いつ?」
季節、時間帯、条件など。
咳だったらね。
激しくなるのは、いつ?
どのように?
「そう云えば、朝と午後に激しくなります。」
「朝は、抑えつけられるようなこもった咳。」
「午後は、強く押し出すような咳。」
なるほど。
これで明らかになりましたね。
10.未明に抑えつけられるようなこもった咳が出る。
11.午後(13~15時頃)に強く押し出すような咳が出る。
カラダの反応の場合はね。
この「いつ」が大切。
五行のどのエネルギーに変調があるのか?
重要なヒントになります。
東洋の観方の特徴。
「人も自然の一部である。」
自然界は変化します。
変化し続けるでしょ?
刻々と。
一年でも。
一日でも。
五行のエネルギーならね。
・木 → のびのび → 春、朝
・火 → ぱぁーっ → 夏、昼
・土 → どぅる~ん → 土用、午後
・金 → きゅっ → 秋、夕方
・水 → ぎゅ~っ → 冬、夜
それぞれに最も旺盛になります。
例えば、木のエネルギーはね。
・春、朝 → 最も盛ん → 旺
・夏、昼 → ひと休み → 休
・土用、午後 → 抑制 → 囚
・秋、夕方 → 停止 → 死
・冬、夜 → 準備 → 相
こんなかんじで勢いが変化します。
あくまで五行で観た変化ね。
陰陽なら、2つに分ける。
三才なら、3つに分ける。
八卦なら、8つに分ける。
どれで観てもいい。
例えば、「春の朝」なら、木気がかなり旺盛。
まさしく時機を得る。
「時期」じゃなくて、「時機」。
「俺の時代がやってきた」ってこと。
けど、「秋の夕方」なら、木気は動きを止めています。
相剋関係の「金剋木」が働くしね。
火のエネルギーなら、ひとつズレます。
・春、朝 → 準備 → 相
・夏、昼 → 最も盛ん → 旺
・土用、午後 → ひと休み → 休
・秋、夕方 → 抑制 → 囚
・冬、夜 → 停止 死
そんなかんじで、土、金、水も同じ。
変化の波があります。
自然界も、人も。
人の一生もね。
一年と相似できるでしょ。
・少年期 → 春、朝 → 木気旺盛
・青年期 → 夏、昼 → 火気旺盛
・壮年期 → 土用、午後 → 土気旺盛
・老年期 → 秋、夕方 → 金気旺盛
・胎生期 → 冬、夜 → 水気旺盛
水の年代をいつにするか?
老年期を水とする観方もあります。
けど、季節はめぐりますよね。
冬で終わりじゃなく、次の春に
だったら、人生もめぐったほうが自然だよね。
一生で終わりでなく、次の人生へ。
胎生期を「水子」って云うしね。
お好きなほうをどうぞ。
私は、こちらの説を採用。
少年期は、人生の春。
木気旺盛。
春の朝なんて、人生×季節×時間帯=木×木×木。
「木」が「森」に。
元々、木気旺盛なタイプなら、手をつけられません。
もうひとつ木をかけて、熱帯雨林に。
昂り過ぎて、衝動を抑えられない。
盗んだバイクで走り出します。
当時、エンドレスで聴いてたなあ。
爆風スランプの『RUNNER』(笑)
ということで、Tさんの咳。
「朝」と「午後」に激しくなります。
どのエネルギーが旺盛になるのかな?
さて、状況証拠は揃いましたよ。
五行で構図を描いてみましょう。
まず、咳が出るってことは?
そう、五臓でいう肺の変動。
五行でいう金ね。
「肺は、皮毛をつかさどる。」
「皮毛」って、皮膚や体毛のことね。
肺の気が低下するとね。
皮膚にツヤがなくなります。
毛穴も開いてガサガサ。
お化粧のノリが悪くなる。
気が低下して、ヘロヘロ。
この状態を「虚」と云います。
なぜ、虚すのか?
「実す」からです。
陰陽の法則の中にね。
変化のルールがあってね。
陽の長さって一年で変化するでしょ。
夏至と冬至で。
長くなったり、短くなったり。
波のように変化するの。
この世のすべては。
で、波の振幅は上下に同じ。
自然界がそうならね。
人も同じ。
一部だから。
めちゃ実すると、めちゃ虚す。
ちょい実すると、ちょい虚す。
めちゃはしゃぐ人って、めちゃヘコむでしょ(笑)
Tさんが肺の気が虚すってことはね。
その前提として、実していたから。
生きるってことはね。
変化し続けること。
「実して虚す」を繰り返します。
それが悪いことではありません。
良いも悪いもないから。
ただ、波が激しいとね。
調和しにくいだけ。
咳が出て、皮膚にツヤがないのもそのサイン。
医療人としての使命感。
「患者さんのためには、こうすべきじゃないのか?」
これ、「きゅっ」の金の心理。
仕事中、ずっとそう思ってたのなら、過剰ですね。
金つまり肺が実します。
で、実した分だけ、虚します。
この肺の虚を前提にするとね。
朝と午後の咳の違いがみえてきます。
将来の仕事のあり方に意識が向いてたTさん。
いずれは、セラピストとして自営業がいいなと。
だったら、こんなスタイルでお客さんに喜んでもらえるのに。
先へ先へ。
今のままではいけない。
早く次の道を歩み出したい。
これ、「のびのび」の木。
過剰だけど。
季節は、春。
木気旺盛。
さらに、朝を迎えるとね。
木気亢進(こうしん)。
「亢(たかぶ)る」わけです。
本来、相剋関係で「金剋木」。
けど、金が虚してるところにね。
木が時機を得て実しちゃったから。
力関係が逆転。
木が金を剋しちゃいます。
「逆剋(ぎゃっこく)」と云います。
それに対し、通常の相剋を「順剋(じゅんこく)」と。
逆剋が働くときってね。
当然、通常の相剋も働きます。
金を剋するのは?
そう、火でしたね。
相剋関係「火剋金」。
金ちゃん、かわいそ~。
「火剋金」の順剋と「木剋金」の逆剋。
ダブルで剋されて、出力が大きく低下。
朝の未明に出る抑えられたようなこもった咳。
調子に乗った木に剋された咳。
で、朝も9時頃になるとね。
そろそろ、「火」が主役になる時間帯。
「木」は、ひと休み。
逆剋の出力が弱まります。
で、午後になって、「土」が主役になるとね。
相生関係「土生金」。
土のサポートによってね。
金が本来の力を取り戻します。
体内に停滞している邪気をね。
外に追い出したい。
金つまり肺のやり方は?
そう、やっぱり咳なんです。
だから、強く押し出そうとするような咳。
朝の剋された咳とは、違います。
咳って、病気じゃないですよ。
「反応」です。
いずれにしても原因は、「肺の虚」。
脈を観ても冷えて沈んだ冬の脈。
肺経の肘にあるツボ「尺沢(しゃくたく)」。
結構、候補地は広いですよ。
指で押さえてね。
一番ズンと響くところ。
重く鈍くね。
虚している側の尺沢に棒灸 。
1分くらいだったかな。
肺経に気がめぐった感覚アリ。
私の直観ね(笑)
尺沢の痛みも和らいでます。
脈を観ても太く力強く変化。
お肌にもツヤとハリが。
「どうですか、咳の気配は?」
「おさまりました。全く出る気配がありません。」
うん、イイかんじだ。
グッジョブ。
棒灸を一本プレゼント。
ご自宅でやってもらいます。
>当日、少し咳が出ましたが、
>その次の日くらいからほぼおさまりました。
>ありがとうございましたm(__)m
ですって。
もちろん、本質的な調和をはかるにはね。
過剰な「金」と「木」の心理を調える。
良い加減にね。
禁じることではありません。
それこそ、不自然。
波の振幅を許容範囲におさめるってこと。
この世のすべては、変化する。
変化の波には、法則がある。
それを知ると、時機を得やすい。
波に乗れるわけ。
ってことで、名古屋での陰陽五行セミナー。
応用編では、その変化を実践的に。
ケーススタディーで。
波を読んで、波に乗る。
呑まれないでね~。
では、セミナーのご案内です。
< 陰陽五行セミナー 基礎編 in 名古屋 >
1.日時
平成27年5月16日(土)10時~17時 ※昼休憩1時間含む
2.場所
WA東桜貸会議室 1階第三会議室
名古屋市東区東桜1-2-8
地下鉄桜通線久屋大通駅3A出口より徒歩3分
※会場近郊に飲食店やコンビニもあります。
※ご持参いただいて会議室内での飲食も可能です。
※会場敷地内は禁煙です。
3.定員
12名
4.参加費
15,000円
5.内容
(1)この世はどうやってできたのか?
→なぜ、日本人は『八百万の神』なのか?
(2)易に学ぶこの世の法則
→なぜ、かわいい子には旅をさせるのか?
(3)陰陽を学ぶと使える5つの法則
①第1・3法則 一極に偏るほど水面下で対極も大きくなる
→なぜ、高所恐怖症の人は足がすくむのに下を見るのか?
②第2法則 この世はフラクタル
→なぜ、回覧板を手渡しすると領土問題が解決するのか?
③第3法則 相対的であるものは相補的でもある
→なぜ、銭形警部はいつまでも元気なのか?
④第4・5法則 陽極まれば陰となる
→なぜ、高田純次は鬱にならないのか?
(4)陰陽のなかに陰陽あり
→なぜ、燃え盛る炎にも陰があるのか?
(5)陰陽から五行へ
→なぜ、陰(金、水)と陽(木、火)に土が加わったのか?
(6)土が持つ裏の顔
→なぜ、季節の変わり目に「ご自愛ください」なのか?
(7)土は旺じない
→なぜ、「木火金水土」ではなく、「木火土金水」なのか?
(8)象が形をつくる
→なぜ、東洋哲学には「象」が頻繁に登場するのか?
6.申し込み方法
以下の必要事項を下記のアドレスに送信願います。
主催者尾崎亜里砂さん:gogoarisa1965@gmail.com
件名「『陰陽五行セミナー 基礎編 in 名古屋』申込み」にて
(1)お名前(ふりがな) (2)ご連絡先電話番号 (3)ご連絡先アドレス
以上
< 陰陽五行セミナー 応用編 in 名古屋 >
1.日時
平成27年5月17日(日)10時~17時 ※昼休憩1時間含む
2.場所
WA東桜貸会議室 1階第三会議室
名古屋市東区東桜1-2-8
地下鉄桜通線久屋大通駅3A出口より徒歩3分
※会場近郊に飲食店やコンビニもあります。
※ご持参いただいて会議室内での飲食も可能です。
※会場敷地内は禁煙です。
3.定員
12名
4.参加費
15,000円
5.内容
(1)「相対」と「絶対」
→ラベンダーの精油は「金」って、ほんと?
(2)相対するものは相補う
→母は子を育み、子に教えられる。
(3)この世はフラクタル
→マトリョーシカに学ぶ相似な世界
(4)相生相剋の実践的な使い方
→『スクールウォーズ』が高視聴率だった理由
(5)母剋、子剋、逆剋
→火剋木、火剋土、火剋水って知ってた?
(6)旺相死囚休に観る時機のつかみ方
→コーヒーは「冬の夜」より「夏の昼」が美味しい理由
(7)陰陽五行で観るカラダ
→徹夜でエクセル作業を集中してすると足の小指の爪がなくなる!?
(8)経絡を五行の属性で覚える
→ツボだけ覚えても気は流れない
(9)ツボにも五行あり
→どこでも使えるつまようじテクニック
(10)迷った時の救世主
→自然に訊く、カラダに訊く
6.申し込み方法
以下の必要事項を下記のアドレスに送信願います。
主催者尾崎亜里砂さん:gogoarisa1965@gmail.com
件名「『陰陽五行セミナー 応用編 in 名古屋』申込み」にて
(1)お名前(ふりがな) (2)ご連絡先電話番号 (3)ご連絡先アドレス
以上
波浪注意報が出てるあなた。
警報が発令される前に、ぜひ。
初夏の尾張の国でお会いしましょう。
では、今宵はこのあたりで。