ある子供(2005)

テーマ:
非情の目線にさらされる、ある人生。

ある子供
L'Enfant
監督 ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ
脚本 ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ
製作 ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ
    デニス・フレイド
製作総指揮 オリヴィエ・ブロンカール
出演者 ジェレミー・レニエ
    デボラ・フランソワ
撮影 アラン・マルコァン
編集 マリー・エレーヌ=ドゾ

衝撃! 何がって、ラストがです。あ~、ズバッ! おぉ~。みたいな。擬音でしか言えてないですが。
ストーリーは引ったくりやらなんやらとにかくその日暮らしをしているブリュノに子供が生まれるところから始まる。しかしその日暮らしの生活は変わらず。しまいには子供を売ろうとするのだが…

しかしこのブリュノは本当に子供で何も考えてない。とにかくその時その時のことしかない。恋人のソニアも似たところがあって、序盤に二人で追いかけっこしたりほんとに楽しそうにしてる。でもその姿はもう危うくて仕方ない。なんかよくないことしか待ち受けてないというような。それはカメラの演出もそうで、ほとんど手振れしていて、とても役者に近い。ドキュメンタリーみたいになっている。それはもう冷静で非情な目線をこの子供たちに突き付けているように見えて。こっちが緊張してしまう。
このカメラと相まって、登場人物が本当にいそうだなと感じられる。こういうことをする役者、監督は本当にすごいなと思う。特にソニア役の女性が途中怒鳴るシーンがあるんだけどそこの声が本当にドスがきいていて驚きました。

最後のシーンは本当に非情というかなんというか。前に見た、「マイ・バック・ページ」と比べると、好みはありますが、説明も少ないこの映画のほうが感傷という甘さがない分衝撃的なんだと思います。
AD

マイ・バック・ページ(2011)

テーマ:
六十年代を生きる私たち

マイ・バック・ページ
My Back Pages
監督 山下敦弘
脚本 向井康介
原作 川本三郎
製作 映画「マイ・バック・ページ」製作委員会
出演者 妻夫木聡
    松山ケンイチ
    忽那汐里
    石橋杏奈 ほか
音楽 ミト
    きだしゅんすけ
主題歌 真心ブラザーズ+奥田民生
    「My Back Pages」
撮影 近藤龍人
編集 佐藤崇
製作会社 WOWOW FILMS、マッチポイント
配給 アスミック・エース エンタテインメント

六十年代後半。若いジャーナリストが革命家と名乗る青年と出会う。二人はそれぞれの思惑を胸に親交を深める。そして、革命家と名乗るて青年が組織する集団がついに作戦を実行に移す。

昔と今では年を取る速度が違っていた。とよく言われますが、きっとそうなのだろうと勝手に思っています。だって、今私たちはこの日本である程度の生活ができてしまっているではないかと。もちろん苦しさや、厳しさは目に見えぬ暗い所へ追いやられて、日に日に心を蝕んでいるようにも思いますが。自分はいまだにガキのような人間ですが生活してしまっています。
ですが、この映画の登場人物たちは今の自分達と何も変わらないんじゃないかと思いました。主人公のジャーナリストの優しさ、革命家と名乗る青年の見栄の張り方は痛いくらいに分かると思います。
この映画はある時代の映画ではなく青春物語という映画なんだなと。映画の意図に丸ハマリしました。ですがその分最後のシーンでは感傷という甘さしか見えないような気がしました。それまで冷静な視点で淡々と語られていたのですが。そんな気がします。
AD

秘密の花園

テーマ:

子供の視線はミステリーに満ちている。


主人公が母親を地震で亡くし叔父の家へ引き取られるという始まり、そこはイギリスの荒涼とした館。子供にはさみしいところと言われるが、主人公にとっては謎に満ちた冒険の場である。その冒険のさまをカメラを通して見ることになるのですが、ワクワクして楽しかったです。

子役がみんないい顔をしているのも見ていて楽しいです。主人公の女の子かわいくないのがとても良いです。お嬢様として育てられ、わがままで、母親を失い笑うのをやめ。いつもむっとした顔でとてもかわいかったです。日本の子役のようにわざとらしいことは一切なく素直に見れます。

物語としてはそれぞれの人物が家族を失った痛みを新たな関係を作り回復していくというハッピーエンドまっしぐらな話ですが、厭らしく見えないのはその回復のさまが、花園の回復という風景で語られるからなのかなと思いました。

AD