Jリーグ第13節。
札幌厚別競技場。邪魔な陸上トラックのある、田舎臭い三流競技場。
気温17℃、湿度55%。
せっかくJ1に昇格したものの、ここまでわずか1勝で、最下位に沈むコンサドーレ札幌。
陣形は4-5-1。
GK高木貴。DF高木純、奈良、ノース、日高。MF前、河合、近藤、内村、古田。FW大島。
エース・前田を故障で欠く札幌。
内村がトップ下、左右のアタッカーが近藤と古田。
なかなか厳しいメンバー…
一方、4敗ながら、2位につけているサンフレッチェ広島。
陣形は、3-6-1。
GK西川。DF水本、千葉、森脇。MF森崎和、青山、山岸、ミキッチ、高萩、石原。FW佐藤。
山岸とミキッチが左右のワイド、高萩と石原がツーシャドー。
強風。
とにかく風が強い。
風下から蹴ると、ハイボールがかなり戻される。
逆に風上は、縦へのボールが速く走り、伸びる。
前半は、風上が札幌、風下が広島。
地方の競技場にありがちな短い芝。パススピードは遅い。
前線からボールを追い、勢いはいいが、いざボールを奪っても攻撃のアイディアが無い札幌。
風下ゆえか、札幌の追い込みゆえか、パスは回せるものの、もひとつアグレッシブに前進しない広島。
ただ、広島は攻守どちらもよく動く。
攻撃にも、守備にも、全員が参加する。
そしてなにより、パスワークの巧みさ。札幌とはレベルが違いすぎる。
20分、中盤で佐藤がボールを追い、青山がきっちり奪う。青山はするするとドリブル前進。広島、3対3の速攻。高萩にスイッチ。高萩、丁寧に横パス。駆け上がってきた佐藤がシュート!
0-1、アウェイの広島が先制!
27分、カウンターの応酬の中、中盤で森崎和と青山がボールを落ち着かせる。青山のロングフィードを、最前線に飛び出した高萩が落とす。駆け上がった山岸がシュート!
0-2、広島が追加点!
風下で抑え気味の広島が、早くも2点を先行。もはや勝負は見えたか?
組織としての熟成度、先進性はJリーグ随一の広島。
攻守に一体感のあるチーム連動はハンパない。
札幌の遅攻には、文字通り11人全員で自陣で守り、攻撃時には自在にポジションを変え、DFまでもが敵ゴールに迫る。
献身性と組織力。創造的で美しい。
まさにこれこそ、日本人が理想とすべき、日本流の全員サッカーの見本。
それでも前半の終盤には、札幌のラッシュが続く。凌ぎきる広島。
高萩が上手い。佐藤は完璧。ミキッチの合理性。普通に攻撃参加する森脇。
攻撃時には、あの水本ですら、敵陣深くまで攻め込む。
後半、メンバー交代なし。
風上に立った広島だが、リードしている余裕か、ちょっと受け身に。
50分、じっくり組み立てた札幌、右クロスに中央、いい形で受けた内村。切り返して、ナイスシュート!
1-2、札幌が逆襲!
ようやく声が出てきた札幌サポーター。
その大声援に押され、札幌の時間帯が続く。
59分、負傷の山岸に代え、DFファン・ソッコ。
この後、見事なほどに、プレイの選択が『ことごとく』裏目に出るファン・ソッコ。
普通のチームでなら優秀そうなSBだが、まだまだ広島の一員として加われるレベルではない。
76分、札幌は大島を下げ、MF砂川。
それなら最初から、近藤ワントップの、砂川サイドでよかったのでは?
77分、広島は高萩に代えて、MF森崎浩。
高萩を温存。しかも、交代相手が森崎浩なので、広島の攻撃力は落ちない。
83分、敵陣内に切り込んだ石原が倒され、FKを得る。キッカーは森崎浩。念入りに壁を作った札幌だったが、森崎浩のシュートの瞬間、跳び上がった壁の中央、近藤とノースが体を横に向けてしまう。シュートがその2人の間をすり抜ける!
1-3、広島、駄目押しの1点!
83分、札幌は前に代えて、MF岡本。
89分、広島はミキッチに代えて、MF石川。
ミキッチは流石の存在感。
でも残念。静かな交代。
これが欧州のクラブなら、スタンディングオベーションで労うシーンかと…(>_<)
ロスタイム。もはや走れない札幌。ピンチを迎えても体を寄せられない。ガス欠か、心が折れたか。
試合終了、1-3、アウェイの広島が勝利。
2位をがっちりキープして、リーグ中断期を迎える広島。
最下位にしっかり根付いている札幌。
札幌はこのままでは間違いなくJ2降格。
内村や近藤ら『苦労人』の、気持ちの入ったプレイは買える札幌。
ただ、これにエースの前田が復帰したとしても、敵のリードをひっくり返すほどの得点力は、とても望めまい。
『1-0で逃げ切ろう』という、虫のいいプランを遂行するには守備が脆過ぎるし。
試合終盤、集中力が『切れて』いた点に至っては、言うまでもなく、論外。
果たして、建て直しなるか?
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