四駒漫画(220)お風呂の風景(30)
あれ!サザエさんが銭湯に行っている。
文庫29巻、昭和40年
『「ゆ」という字を抜いて染めた暖簾が下っているお風呂屋さんの前を、何処かへ行った帰り道のサザエさんが通りかかりました。御風呂屋の入口になにかを書いた札が下っています。その札を良く見ると[うちは値上げは致しません]と書いてあります。それを見たサザエさんは、「気に入った!」と呟いています』
『サザエさんは、早速、洗面器にタオルを入れ、タラちゃんの手を引いて、楽しそうに、お風呂屋さんに向かっています』
『「ゆ」という字を抜染した暖簾をかき分け、タラちゃんの手を離し、お風呂屋さんに入って行きます。タラちゃんはチョコチョコとサザエさんの後をついて行きます』
『浴槽から出たサザエさんとタラちゃんは、洗い場にいます。サザエさんは、髪を濡らさないようにスカーフを被り、湯桶にお湯を汲み左手を桶に突きこみ、右手で体を洗っています。そこへ番台から降りてきた、怖そうな面構えのオジサンが、ガミガミと文句を言いだしました。「だだし、お湯は5杯きりだよ」「おたくつかい方があらいよ」とがなり立てています。タラちゃんはビックリしてオジサンの顔をじっと見上げています。浴槽に浸かっているお客さん達は嫌な顔をしています』
サザエさんの四駒漫画です。
サザエさんが、変な動機で銭湯に来ています。
サザエさんが銭湯に行こうと決めた動機は、うちは値上げをしませんと書いた札を見て、そのお風呂屋さんを気に入ったと言うものでした。
先のお風呂の風景(16)でも見たように、風呂代の値段は上がり続けていたようです。
この風呂代の値上げに反対する動きはあったのでしょう。
サザエさんは、風呂代を値上げするお風呂屋さんの中、自ら値上げ致しませんという、このお風呂屋さんが気に入って、多分、たまには、銭湯に行ってみようと思ったのでしょう。
自宅には、木桶のお風呂がありますから、わざわざ、銭湯に行くことはないはずです。
自宅のお風呂でたっぷりのお湯を使いっぱなしだったものだから、お風呂屋さんでも、ドンドンとお湯を汲みだし使っていたに違いありません。
その使いぶりが、目だっていたのでしょう、とうとう、番台のオジサンに目を付けられました。
値上げをしない代わりに、お客に、使用するお湯の量を制限していたようです。
値上げしないので節約してくださいと言う要求は、節約しても料金の値上げをしますとする、今の電気料金値上げからみても見上げてたものです。
しかし、節約しない者には、遠慮会釈もなく、取り締まると言うのは、昔も今も変わりないようです。
節約しない者は金を払えと言うのでしょう。




