田中角栄の凄さ! | ひでの天声時評(甘辛ブログ)

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 7月1日付け朝日新聞朝刊に、元衆議院副議長の渡部恒三が、田中角栄の凄さについて語った。田中角栄に比べると今の政治家はサラリーマンだという。以下は朝日新聞より抜粋である。

 

 -オレの最初の国政選挙、1969年の旧福島2区で、自民党が公認をくれず、保守系無所属で出たんだ。苦しい選挙だったよ。その公認をくれなかった自民党の幹事長が田中よ。オレの当選が決まったらテレビで、「素晴らしい男だ。期待している」だの言っていた。正直「何言ってやがるんだ」と思ったよ。

 

 当選後、上野駅で列車を降りると、国対副委員長の竹下(登・後の首相)とその盟友の金丸(信・後の自民党副総裁)がプラットホームに迎えに来ているだよ。自民党に知らせてなかったから驚いた。田中はそこまで調べて送り込んだのよ。

 車で自民党本部に連れて行かれ、幹事長室で初めて、田中に会った。「イヤーおめでとう、君が当選して一番うれしかった」と公認証と公認料の入った封筒を渡してきた。オレは「選挙前ならうれしかったけど、もう終わったので要りません」と断った。田中は近づいてきて「おまえ、難しいことを言うなよ」。封筒をぱっとやぶいて、100万円の束三つをオレの上着のポケットにキュー、キュー、キューッと入れてね。「邪魔になるものじゃあないから」と顔を近づけて、あの独特の調子で言うんだよ。

 大幹事長がふんぞり返りもせず、さりげなく、でもグイグイ入りこんでくる。人の気持ちを知り尽くしてるんだ。庶民の政治家でないとできないことさ。それでコロッといった。以来、田中派。最後までオヤジとのいやな思い出は一つもない。

 オヤジに比べると、今の政治家はサラリーマンという感じで本当に残念だな。オヤジもオレたちも24時間、全身全霊で政治家だった。どうしたら地域のため、国民のためになるか。国民はいまどんな気持ちなのかって朝から晩まで必死に考えた。でも今は1日8時間だけ政治家、という感じだ。情けない。-

 

 今の政治家はサラリーマンだと嘆く渡部恒三である。

 来る7月10日は参議院選挙。当選した議員には渡部恒三の云うサラリーマンはいるのか?

 最後に、安保法案に賛成した議員の名簿を東京新聞より再録しておく。