2012-05-28 02:33:11
さかあがりとサンドバッグ
テーマ:ブログ
娘、愛子と。コイツが赤ちゃんのときは乳母車にサンドバッグもいっしょに乗っけ、近くの公園によく通った。そこは警察官舎家族寮の敷地だけど、樹木に工事用ロープで吊るして練習した。コイツは乳母車に座って俺の“なぐりっこ”を見て育った。歩けるようになってからは、練習中の俺の側で得意のダンスと歌を交えてくねくね真似をしていた。バッグに集中していると後ろからなわとびのビニール縄でよく叩かれた。小学校に入って中学年のときだったか?その樹木のすぐ傍らにあった鉄棒で“さかあがり”に取り組んだ。あまり得意ではなく、学校で悔しい思いをしたようである。しばらく練習し、ちょっとしたヒントとイメージとパフォーマンスが一致したときに鉄棒の上に回って乗れた。
「やった!できた!!」
何かが降りてきた感じかな?アイツは一目散に何処かへ走り去って行ったのを強烈に覚えている。あのときアイツは何処へ向かったのだろう…。
16才になって、ギターを教えてくれと言われたが、何故か今まで一度も実現していない。これは不思議だ。本格的な“なぐりっこ”は一日だけやり、一回グローブとヘッドギアを着けて軽い気持ちでスパーリングをやったが、大変なことになってしまった…。あれからおたがいいっしょに練習しょうとは言わない。夜間の高校時代、新宿歌舞伎町や大久保界隈の黒服やヤンキーたちには恐れられていた顔らしく、アイツが家に帰ってくるまでは、心配で眠れない日もあった。我々が眠れるようになった最近は、命を救ってあげた“その筋”の年配の方に心から慕われているところだ。
あのときの我々の公園は今ではもう存在しない。思い出の上を再開発道路が走っているからだ。
「アイツも俺も、さかあがりの後何処へ向かったのだろう?」
今、東京・JR中野駅北口周辺は再開発が進み、昔の面影がどんどん消えてゆく。
「コイツ?アイツ…?」










