捨て犬
とうとう捨てられる。
生来の怠け者である私は
芸もしない、飼い主が帰ってきても駆け寄らないし、尻尾も振らない、吠えるのも面倒だ、全く可愛くない、捨てられて当然だった。
鎖に繋がれている私にとっては、自由気ままな野犬に憧れていた、が、今となっては前のほうが居心地がよかった、やはりエサを与えてくれる人がいないと不自由だ、
はれて自由になった私、ダンボール箱から離れ2、3㎞ほどフラつくが疲れてもとの場所にもどる、寝る、腹が減る、ホームシックになる、飼い主の顔がうる覚えになってくる、寝る、暇になる、しばらく人間観察でもしてみる、もしかしら情に弱い人間がひろってくれるかもしれないと安易な考えがうかんでくる、
ちょっと理想をあげてみた、どうせ拾われるんだったら20代前半のOLがいいなー、阿保です、だから捨てられたんです、
しばらくおとなしいフリをしてみた、たいていの人間は一度振り向いてくれるが通り過ぎる、しばらくすると、女子大生が笑顔で黄色い声を発しながら駆け寄ってきてくれた、待ってましたと言わんばかりに尻尾を上下左右に振る私、しかし、頭を触りながら、お菓子(チョコ系)をくれるがそのままお持ち帰りの気配はない、いや、皆無、偽りの優しさだった
しかし、始めにこんなことを私は誓っていた、絶対に愛想よくしない、尻尾もふらない、何故か、格好悪いからだ、人間に媚びを売るのはプライドがない、非常に怠惰なことだ、と思っていた、
しかし今、こうして人間の雌に対して、全力で尻尾を振っている、本能とは怖いものだ、よくあれやこれやと語っている人間がいるが、たいてい私みたいに行動に移していない者が多いと思う(とくに政治家)
そんなのどうでもいい、いい加減、危機感を感じてきた、JD、JK、OL、のエレクトリカルパレード(人通りのピーク)が過ぎ、人が通らなくなる、日も暮れ、街灯にに明かりがつき始めた、もう限界だ、まともな食べ物がほしい、捨てられて一日でネをあげる私、だめだ今日はひとまず眠りにつことしたその時、奇跡は起こった、子供だしかも小学生ぐらいの、子供がこちらをじぃーっと見ている、純粋無垢な少年、しかも心優しい高尚な少年に嫉妬してからかう友達もいない、故に鉄板だった、間違いないこの子はきっと拾ってくれるはずだ、そして暖かな家庭へと誘ってくれるはず、私はここぞとばかりにアイフルのCMのチワワをばりの目で少年を見つめた、どうする?少年‥するとその少年は何を思いたったのか走って私のもとを去っていった、どうした!?少年‥、思わず「ワンッ!ワンッ!」と吠えてしまった、どうする自分‥
つづく