初めて夕陽を見て心、引き付けられたのは、 大阪万博の会場で見た、パビリオンを紅に染めながら沈みゆく赤く大きな夕
陽でした。狂奔と喧騒の一日の終わりを、ひんやり迫る夜気
の中でしみじみ感じたものでした。
次に夕陽に引きとめられたのは、小学校の卒業式の前に日
に、3階の教室の窓から見た遠くの山の端に沈む夕陽でした。
オレンジ色の光が、ビルや家屋の窓を染め、少しずつ輝きを
弱め、やがて赤黒い塊に集約されて沈みきるまで、ずっと見続
けていたものでした。
昔から、人々が夕陽に魅せられてきたのは、それが二度と来ることのない今日への惜別の思いはもちろん、来る保証のないことを本能的に知っている明日への願いとでもいうものでしょうか?
今日は今日として夕陽とともに納め、もし明日が来れば、今日の出来事をしっかり受け止めたうえで、朝陽を仰いで生きてゆくのです。


