トルコ国際空港で自爆テロ死者多数 ISの犯行か

ケボライト
2016/06/29 23:20


日刊スポーツ
[2016年6月29日22時24分]


 トルコの最大都市イスタンブールのアタチュルク国際空港で28日夜(日本時間29日未明)、武装した3人が警官らを銃撃した後に次々と自爆し、ロイター通信によると、地元当局は29日、41人が死亡、239人が負傷したと明らかにした。ユルドゥルム首相はこれまでの捜査から過激派組織「イスラム国」(IS)の犯行の可能性が高いと指摘した。犯行声明は出ていない。

 内戦が続くシリアと国境を接するトルコでは近年、イスラム過激派組織や少数民族クルド人勢力によるテロが相次いでいる。厳重な警備を敷いてきた国際空港での大型テロ発生は、エルドアン政権にとって大きな打撃となった。

 同空港は中東と欧州、アジアを結ぶ世界有数の国際ハブ空港。多くの観光資源を擁するトルコの玄関口で、日本人を含む多数の外国人旅行者が利用する。ISが犯行声明を出した3月のベルギー同時テロでも国際空港が標的の1つになり、男2人が自爆した。

 在イスタンブール日本総領事館は29日「現時点で日本人の被害情報には接していない」と説明した。テロ発生の約3時間後にアタチュルク空港から成田空港への直行便が出発予定だったため、空港には多くの日本人がいた可能性もある。

 ロイターは、死者は大半がトルコ人で、ウクライナ人とイラン人も含まれると報じた。外交筋によると、負傷者はトルコ人のほか、サウジアラビア人やイラン人、イラク人ら。

 実行犯はタクシーで空港に乗り付け保安検査場近くなどで警官らを銃撃した後、次々に自爆した。テロを受け空港での離着陸は一時停止された。

 トルコ政府は27日、関係が悪化していたイスラエル、ロシアとの和解に踏み出したばかり。首相は記者団に、このタイミングでのテロに「意味を感じる」と述べ、トルコの安定を阻むのがテロの狙いとの見方を示した。

 トルコでは昨年10月に首都アンカラで約100人が死亡する大規模な自爆テロがあったほか、イスタンブールの繁華街や観光地でもテロが発生。治安部隊を狙った攻撃も相次いでいる。(共同)


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