Another やまっつぁん小説

 このブログでは高1の描く小説をメインに載せています(主にファンタジー)。キャラ紹介などイラストも載せていきます。感想、アドバイスなどコメント気軽にどうぞ!


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「二階はどの部屋も空いてるから好きなところを使ってくれればいいよ」
 僕はレーヌさんと兄さんを二階に案内して言った。


「あ、この階段の裏はトイレと物置になってるから」
「おぅ。にしても結構広いな、この家」
「まぁね、僕らは兄弟が多いから」
 兄さんは僕の前に並んだ三つの扉を開け放しながら言った。


「今は家を出てていないけど、年の離れた兄さんがいたんだ」
「年が離れた、って、それが普通だろ?」
「いや、僕らは一度に何人も生まれるのが普通だから」


「じゃぁ、さっき妹って言ってたのは・・・・・・」
「生まれ出たのが僕の方が少し早かっただけで、みんなほとんど同時に生まれてる。僕は四つ子、だね」
 僕が言うと兄さんは細かく何度かうなずいた。
「そうか、なるほどな」


「・・・・・・この部屋を使っても良いか?」
 僕らが話をしているのにほとんど耳を傾けず、不意にレーヌさんが言った。
 レーヌさんは廊下の一番奥の部屋の戸を開けている。
 そこは今は長期の仕事で家にいない父さんの部屋だ。
 父さんが大事にしていたものや、必要としていたものは全部持っていったから、たぶん使っても大丈夫だろう。


「あぁ、いい、ですよ。その部屋、奥にももう一つ部屋があって、そこが寝室になってます」 
「そうか、ありがとう」
「じゃぁ、くつろいでいてください。夕食になったら呼びます」
「わかった」


 必要以上の会話は毛頭する気がない、とでも言うように、レーヌさんはさっさと部屋の中に入って行ってしまった。
「素っ気ないな、相変わらず」
 兄さんがレーヌさんの様子を見て、ぼそりと言った。
「あれじゃモテな・・・・・・」
「なんか言ったか?」
 いきなりレーヌさんがドアから顔をのぞかせた。


 壁も距離もあるのに、今の兄さんの言葉が聞こえるなんて!
 そういえばレーヌさんの耳は普通の人と比べて長いし先が少しとがってる。
 さっき顔の布をはずしたとき気づいたけど・・・・・・。


「いや!なんでも!」
 兄さんはあわててレーヌさんに向かって首をふり、レーヌさんはすぐに顔を部屋に引っ込めた。
 ばたんと音を立てて戸が閉まる。


「・・・・・・んじゃ、俺はこの部屋にするわ」
 気を取り直して、兄さんが示したのは階段に一番近い部屋だった。


「ん、分かった。あ、ちょっと待って、レーヌさんに電気の付け方教えてない」
 さっき部屋から顔を出したときはどう見ても部屋に電気をつけているようではなかった。
 もう外も暗くなってるし、電気をつけないと、周りが見えないんじゃないか?


 僕がレーヌさんの入った部屋に急ぐと、兄さんも後ろをついてきた。
 一応部屋をノックする。


「あの、レーヌさん、入りますよ?」
 僕は返事を聞く前に部屋に入った。


 見ると、レーヌさんは父さんが机について書類を書いたりしているときに使っていた、ローラー付きのいすに腰掛け、窓の下にいた。
 案の定電気はついていない。


「あの、電気つけなくても・・・・・・?」
 僕が話しかけると、ふっとレーヌさんは僕らの方を向いた。
「電気?」
「あ、明かりです」


「あぁ、そうだな、どうやってつけるんだ?」
 そこでようやくレーヌさんは僕に焦点があったような顔をした。
「ここの、扉の横のスイッチを押せば明かりがつくようになってます。もう一回押せば消えますし」
 僕は説明しながら電気をつけた。
 お母さんが暇を見つけてはこまめに掃除していたから、部屋はものが少ないところを除いて父さんがいたときのままだ。
 机や本棚の中はずっと前から変わらない。


「後は・・・・・・特に言うことなかったと思います。なんかあったら言ってください。この部屋の中のものは自由に使っていいですけど、汚さないようにはしてくださいね」
「分かった」
 レーヌさんは素直にうなずく。
 いすに座ったまま、こちらに来る素振りは見せない。


 僕らはそそくさと部屋を後にした。
 やはり僕はレーヌさんに嫌われているようだ。


 最初槍を突きつけられたときは本当に驚いた。
 そのときの目ではっきり分かった、僕は本当にいやがられているって。
 あそこまではっきりと拒絶されると、何もいえない。
 僕はレーヌさんと一定の距離を置くことしかできない。


 そんなことを考えながら僕は兄さんが決めた部屋に入った。
「この部屋もドアの横にスイッチがあるんだな」
 兄さんは手探りでスイッチを見つけると、明かりをつける。
 この部屋も父さんの部屋と同じく母さんによって掃除されていた。


 兄さんがよく読んでいたマンガや、携帯ゲーム機、おもちゃなどが棚に入っていて、兄さんはまずそれに興味を示す。
 この機会に兄さんの暮らしていた世界のこととかを聞いてみようかな。
 きっと今僕が暮らしているこことは全然違う世界なんだろう。

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