RAINBOW STORY - 19 Sprightly zombi - | Another やまっつぁん小説

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 しばらくしてブラストがこっちを向く。
 そしてブラストの口が何か言いたげにパクパクと動いた。


(なんだあいつ!!ムリムリ!)
 そう言ったように思えた。
 ムリムリのところでは思いっきり手を振っていたので、俺が思ったことはだいたい合っているだろう。


 俺たちは何とかブラストに追いつき、どんなモンスターが待ち構えているのか、建物の影から覗いてみた。


 目線の先には奇妙な格好をした髪の長い男に、黒ずくめの少女、そしてフェザー君が立っている!
 男はフェザー君と、フェザー君をかばうように立っている、女の子を襲っているように見えた。
 男はこちらに背を向けているが、体格からして男だというのはわかる。


 そして、奇妙なのはその男の服装、というよりか、服の色合いだった。
 男は水色の髪をしているのだが、どういうわけか、真っ赤な上着にオレンジのマントを羽織っている。
 色がなんともミスマッチ。


 そしてその前に立っている女の子は良く見ると、眼の色がなかった!
 真っ白いその眼は真ん中部分だけが黒く、かなり異様だ。
 そしてその黒い服などからして、どこか神秘的な印象を受ける。
 きっとあの子が占い師のレイという人だろう。


 こうして見ている間に、男は何か喋っている。
 耳を澄ませば聞こえそうだ。


「さぁ!二人とも!僕についてきてくれ!キミ達に合いたいって人がいるのさ!さぁ早く!この僕の罪な美しさのせいでこれ以上犠牲者を出したくない!」
 男はそんな胸糞悪い言葉を発した。
 なんだっけこういうヤツ、確かナルシストだったか?
 男はまさにそれだ。


 顔は見えないが、絶対ろくなヤツじゃねぇ!
 きっとこの状況からして、あの男がモンスターだろう。
 マントに隠れて足の部分が見えない。
 これならゴーストの可能性も十分ある。


「よし、みんな!きっとあいつがモンスターだ!いくぞ!」
 俺が小さい声でそう言って振り返るとそこには肩を寄せ合って体操座りをしている3人の姿があった。


 3人は頭や耳を押さえ、ぶるぶると頭を振っている。
「罪な美しさ・・・?犠牲者だと?」
 ブラストは頭を抱えてしまった。


 ど、どういうことだ。
 もしや、さっきの言葉にのろいの呪文が!?


「そんな性格のアンデット?い、いや!!」
 リリスとフラウも同時にうつむいてしまう。


「どうした、みんな!?呪いをかけられたのか!!ゆるさねぇ!!」
 きっとあいつはゴーストか死にたてぴちぴちゾンビに違いない!
「テメー覚悟しやがれ!」


「フレア!ちょっ、待て!呪いじゃなくて、そいつの見た目と言葉が・・・!」
 俺が物陰から飛び出すと、後ろからブラストのかすれた苦しそうな声が聞こえた。
 待ってろブラスト、今呪いを解いてやるからな!