さけとしゃけの違い
鮭おにぎりをパクつきながらふとラベルを見ると、「しゃけ」とか書いています。
そう言えば鮭の読み方は「さけ」が正式っぽいのに何故、鮭おにぎりの鮭の表記がカタカナやひらがなのときは「シャケ」や「しゃけ」って表記の方が多いのでしょうか。
関連:@nifty:デイリーポータルZ:鮭のおにぎり徹底解剖
てか、僕的には断然「さけ」だと思うのですが。
関連(2chスレ):鮭をシャケというやつ
そもそもさけとしゃけの違いってなんなんでしょうか。
てな疑問から色々調べてみました。
NAVER - 知識plus [「さけ」と「しゃけ」の違いはなに?]
によると…
「さけ」と「しゃけ」の違いですが、さけは「サケ科」の事を指します。
そして、しゃけはサケ科の中の「白鮭(しろざけ)」と言うものの別名と言われています。それ以外にも、単に地方での呼び方が違う、ということもあります。
調べてみると、おいしいねっと~鮭(さけ)・鱒(ます)
でも白鮭の別名がしゃけと言われいてますので、事実っぽいですけど…引用文にもあるように、それ以外でも「しゃけ」って多用しますし、地方にだけ依存する訳でも無いですよね。
鮭のページ
さんにによると
実は、サケの語源はアイヌ語「シャケンベ(夏食)」からといわれて います。
しかし、アイヌ語ではサ行とシャ行の区別はないのだそうで、アイヌ 人には「サケ」も「シャケ」も音としては同じことだそうです。日本人のRとLと同じように。
つまり元となるアイヌ語での発音があいまいだったので、日本人的には「さけ」と「しゃけ」の両方にとれてしまって、それが今も残っているって事ですか。
しかし、そういったものは時が経つにつれて、どちらか一つに統一されそうなものですけど、鮭の場合はしっかりふたつに分かれています。
[教えて!goo] 鮭をどうしてシャケという人がいるの?
では、
「しゃけ」は埼玉・千葉・静岡・紀州(主に和歌山)広島の訛りということです。茨城では「しやけ」だそうです。現代においてその分布が生きているかどうかはわかりませんが、主に関東地方の方言のようですね。
との事で。
確かに関東圏にしゃけ派が多い気がします。
そんなわけで、
レポート おにぎり屋さんと の直接契約
によると、
某コンビニでは関東以北の「シャケ語圏」と、そのほかの「サケ語圏 」とでは区別して、シールを変えて販売しているらしい。当然 レシート表記も。
という事があるらしいですね、普段気に掛けていなかったので分からなかったです。
ただ、日本語調査 鮭はサケ?それともシャケ?
これによる調査結果を見る限りでは、関東とその他における有為差は見受けられません。分かるのは、さけが多数派って事位なものです。
しかし、今までの説では、おにぎりで「しゃけ」表記が多い事への説明がつきません。
で、権威的なものに弱い僕は学者さんの意見の伝聞を引っ張り出してみました。
言葉の世界・伝言板 2000年9月
によると、
昔、NHKの『日本人の質問』という番組で、同じ質問があり、国語学者 が「サケ」は生きて泳いでいるもの、「シャケ」は食用にするため殺した 、または死んだサケのことといっておりました。
一応この説から考えればおにぎりの鮭は当然食用なのでシャケ表記が標準で、それを多く見かけると言う点で頷けます。
うーん、でもこの表現だと、まだちょっと引っ掛かりますです。
さけっておにぎりの表記では少なめですが、生の鮭とかにはさけ表記をよく見かけます。生の鮭はスーパーとかでは「さけ」表記が多くなされていますが、当然食用にするために殺された鮭ですし…。
きもね亭-鮭
によると、
生きて泳いでる時は“サケ”。包丁入れて調理したら“シャケ”と言うそうですが、本当かどうかはわかりません。
本当かどうかは分からんのですか…。
先程の学者先生の説とほぼ同じなのですが、シャケとサケの境界を包丁が入る、入らないでの分類をしていると言う点で、今までの説の中で一番もっともらしい説です。
この説はここだけで言うわれている訳でもないみたいでして、
韜晦日記
さんのお魚「シャケ」篇でも、
ラベルを付す側には「生のままの切り身→サケ、塩をするなど加工を した→シャケ」という意識もあるかもしれない。
との表記があります。
確かに生ザケと塩ジャケって言いますが、生ジャケ、塩ザケとは余り言いません。
以上の事からすれば、
加工前⇒サケ、加工後⇒シャケという解釈で良いの かもしれません。
また、釧路シャケの会掲示板
によると、
「シャケ」という言い方は主に日本海沿岸で言われるようです。
「さしすせそ」を「しゃししゅしぇしょ」と訛ったものだそうです。
ですから、「さけ」と「しゃけ」は全く同一のもので、「しゃけ」は「さけ」の訛りであるとのことです。
という事で、なまりっていう意見もあります。
こーむ員所感’99-3
さんでは、
ただ「シャケ茶漬け」とは言わない。理由は簡単、言いにくい からである。
「シャケ茶漬けシャケ茶漬けシャケ茶漬け」と言 ってみればわかる。
かならず舌を噛む。
なんて意見もありますし、逆にサケがシャケに比べて発音しづらいって意見もあったりもしました。
さらに、サケとシャケって発音が似ていて文章にしない限りはどちらも鮭に収束しますよね。
一時期2ch界隈で流行った
たいく(←なぜか変換できない)ふいんき(←なぜか変換できない)
に似たもので、音としてどちらにも取れるから混同されるのではないのでしょうか。
関連(2chスレ):ふいんき(←なぜか変換できない)のガイドライン 5
■ さけとしゃけの違いまとめ
●アイヌ語起源説を取れば「サケ」も「シャケ」もアイヌ語では同一音。
その音を解釈した日本人が両方に受け取れたので分かれた。(△)
●昔はシャケは関東圏の方言で、それ以外の地方ではサケが使われていた。
しかし現在ではそうでもないかもしれない。(▲)
●生きて泳いでいるもがサケ、死んだものがシャケ。(○)
●加工前⇒サケ、加工後⇒シャケ(◎)
●しゃけはさけがなまったもの。(×)
参考:◎○▲△×の意味?
●分類的な意味ではサケはサケ科全般、シャケは白鮭を指す。
●サケとシャケが混合されやすいのは発音の便宜上、サケがシャケになったりシャケがサケになったりするからという事。
加えて、発音が似ているので受け取り側にはどちらにでも取れるのでさらに混同される。
■おまけ
あと、余談ですがサケ関連で調べていてちょっと目にしたネタです。
●[教えて!goo] 鮭をどうしてシャケという人がいるの?
ちなみに語源の説をいくつかピックアップして記しておきます。今までの調査結果から見るに、3番が語源っぽいです。
1)肉が裂けやすいところから、サケ(裂)の義。
2)肉の赤色が、酒に酔ったようであるから、サカケ(酒気)がなまって、サケ。
3)夏の食べ物の意のアイヌ語サクイベからか。
アイヌ語シャケンベ(夏食)が日本語に入ったもの。
「日本語大辞典~全10巻~:小学館刊」より
で、1、2番はこじつけっぽいですけど、説としては面白いですね。
●シャケ缶はサケじゃない によると、
マスとサケは同じ魚で海に出たか出ないかの違いなのだ。もうお分かりと思うがシャケ缶は正確にはマス缶なのだ。
サケの大きさを考えて頂ければ胴体を輪切りにしてあのサイズの缶には入らない。海の方が餌が豊富だから大きく育つのだ。
ていう事らしいです。
しかしマス缶ってなんか別の物を想像してしまうのは僕が電波だからですかそうですか。