中国での爆発的な映画人気を受け、米映画界が“チャイナ・シフト”を強めている。米中合作映画の制作が進み、中国映画にもハリウッドスターらが積極的に乗り出す。近い将来、中国が米国を抜き、世界最大の映画市場になるとの予測まで出ている。

 「一番考えたのは、ハリウッドのフォーマットを使って、自分の表現したいことをどのように具現化するか。中国の文化を提供して、どのように独特の表現ができるかだった」

 中国・北京で2日、映画監督、チャン・イーモウ氏(65)は2016年公開予定の米中合作映画「ザ・グレート・ウォール(長城)」の記者会見で、そう語った。主役級のハリウッド俳優、マット・デイモンさん(44)ら出演者も同席した。

 ストーリーの詳細は明らかになっていないが、15世紀に欧州から中国に来た傭兵(ようへい)がモンスターと戦うファンタジー映画で、舞台となる万里の長城の謎に迫る内容とされ、中国市場を見据えた作品なのは明らかだ。AP通信などによると、言語は英語だが、中国では外国映画ではなく、国内映画として扱われるという。

 中国ではアクションものや、ヒーローもののハリウッド映画が好まれる。昨年公開された「トランスフォーマー/ロストエイジ」は中国人女優を起用し、ロケ地に中国を入れ、中国企業とも提携するなどしたことで大人気となった。映画の興行成績を集計する「ボックスオフィス・モジョ」によると、米国での興行収入が2億4500万ドルだったのに対し、中国ではそれを大幅に上回る3億2千万ドルだった。

 11年に20億ドルだった中国の映画市場は、12年には27億ドルとなり、日本を抜いて世界2位になった。13年は36億ドル、14年は48億ドルと右肩上がりに伸びている。

 映画館も増え続けている。経済発展とともに映画が身近な娯楽になり、「17年には米国市場を抜く」(エンターテインメント・ウイークリー誌)や「19年には年間興行収入で米国を脅かす」(聯合報)とのアナリストらの予測もある。

 ハリウッド俳優、ブルース・ウィリスさん(60)が出演する、旧日本軍による重慶爆撃を描いた中国映画「大爆撃」(蕭鋒監督)では、コンサルタントにハリウッド俳優で映画監督のメル・ギブソンさん(59)が就任するほか、別の有名俳優の出演もとりざたされるなど、中国映画に積極的に関わりを持つハリウッド関係者も目立っている。(ロサンゼルス 中村将)


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