かたじけない
テーマ:ブログ普段あまり使うことのない言葉を使う時がいよいよ来たようだ。
やたらと丁寧な店員さんに遭遇する時がある。
嫌じゃない。
全然嫌じゃないけどけどそんな時私はいつも、かたじけない気持ちになる。
そう「カタジケナイ」という言葉。
使わない、使わない、使ってるのはトータルテンボスぐらいしか見たことない。
似ている言葉で「片付けなさい」という言葉がある。
これは皆さんもよく使う言葉かもしれない。
私はほとんど使った事がないのだが使われる事は非常に多い。
詳しく言うと、ひとこと付け加えて使われることが多い。
「早く」「いい加減に」「捨てるわよ」
このあたりの言葉が文頭に着くことが割りと多い。
さてトンカツ屋さんで外の看板を見ていると店の中から痛いほどの視線を感じる。
ドアノブに手をかけ店内へ一歩入ると満面の笑みで迎えてくれる店員さん。
丁寧にお辞儀をされて丁寧に席までエスコートしてくれて丁寧な感じで水が出る。
なんだか水の味もまろやかに感じてしまう。
メニューの説明ももちろん丁寧だ。
余りにも丁寧な為、途中でさえぎる事も出来ずこっちも必要以上に頷いたりして丁寧なフリをする。
人間、丁寧過ぎると頭に入って来ない時があるがまさに今がそう。
そして丁寧に注文を復唱しスタスタと丁寧にさがっていく。
そんな時私は、そう、かたじけない気持ちになる。
気付いたら人生まあまあ生きてきた。
けども今までの人生、さほどかたじけない気持ちになることはなかった。
にもかかわらずこの店に入ってから私はずっとかたじけない気持ちで過ごしている。
もう揚げ油の音さえもかたじけなく聞こえるし料理が提供されるまでのあいだ手はグーで膝の上、
親族でもないのに結婚式の集合写真の最前列でかたじけないっすみたいになっている。
かたじけなく味噌汁をすすり
かたじけなくトンカツを頬張り
かたじけなく麦飯を喰らう。
カラシなんかもかたじけないくらいにしかつけないし、
食べ放題の漬物もかたじけないからひとくちだけ。
「キャベツのおかわりはいかがですか?」
こんなにかたじけないのにおかわりが出来る奴がいたら連れてきてもらいたい。
そして散々丁寧にされた私は千円少々の代金を支払って帰るのだ。
これがまたかたじけないじゃないか。
「メシばっか食べてないで片付けなさいっ」
家に変えると現実が待っている、
かたじけないなんて言ったらブッ飛ばされるに決まっている。






