新年あけましておめでとうございます。

 

相変わらず不定期なうえに、しょーもない文章力のブログですが、今年もよろしくお願いいたします。

 

 

 

 

さて、昨年の年末に興味深い記事が各方面から出されました。

 

それは、防衛省が、海上自衛隊の「護衛艦いずも」に空母化へ向けた改修を行うことを検討している。というものです。

 

護衛艦いずも

 

 

 

 

くわえて空母に改修したいずもに搭載する艦載機として、F-35B型の導入も検討しているという話。

 

F-35B型(垂直離着陸が可能なタイプ)

 

 

 

 

海上自衛隊の「護衛艦いずも」は、全長248m、幅38mの広大な甲板を持ち、対潜哨戒ヘリコプターSH60Kを5機同時に離発着させられる能力も持つ、海上自衛隊で最大の護衛艦であり、ヘリコプターの運用を前提に作られたヘリ空母として誕生しました。

 

 

しかし、いずもは旧日本海軍が運用していた正規空母「飛龍」全長・排水量ともに上回っており、就役した当時から、F-35B型の運用も可能なのではないかと、まことしやかにささやかれていました。

 

空母「飛龍」

 

 

 

しかし、護衛艦いずもは、あくまでもヘリコプターの運用のために作られた護衛艦であり、固定翼機を運用するためには作られていないため、そのままではF-35B型を運用をすることは困難である。

 

 

今回のいずも改修計画は、近年海洋進出と、尖閣諸島奪取を目論む中国をけん制する意味合いがあることは間違いない。

 

 

日本が固定翼機を運用できる船舶を持っているということは、中国からしてみれば、離島周辺に日本の空母があるだけで、制空権を抑えられ、離島に上陸しても空母艦載機からの攻撃を受ける可能性があるため、日本の離島を占領することが、より一層困難になるということである。

 

 

日本の空母保有という計画は、離島を奪取せんとする中国にむけた日本の離島防衛に対する強い意思表示であるとともに、強い抑止力にもつながるのである。

 

 

 

では、今回のいずも改修計画が順調に進んだとして、護衛艦いずもはどのように改修されるのか?

今後、自衛隊は何を計画しているのか?ということを、今ある事実に基づいて考察していきたいとおもう。

 

 

 

 

護衛艦いずもでF-35B型を本格的に運用するためには、いずも自体の改修にとどまらず、必用な改修がいくつもある。

 

① 飛行甲板を耐熱素材へ改修

② スキージャンプ台の搭載

③ 固定翼機への武器搭載能力の付与

④ 固定翼機への燃料搭載能力の付与

⑤ 固定翼機を船舶で運用するための人員の教育

⑥ 航空自衛隊と海上自衛隊の統合運用

⑦ 格納庫の拡張

 

 

 

 

思いつくだけでも、最低これだけの能力向上がなされなければ、本格的な空母の運用などできないといえる。

 

特に⑤⑥は、いずもを改修したからといって済む話ではない。

 

⑦に関してはほぼ不可能な事案である。

 

 

 

 

では、⑦を除く①~⑥までを達成することははたして可能なのか?

 

 

 

 

①飛行甲板の耐熱素材への変更

 これは、最も早期に達成可能な改修といえよう。

現時点で、いずも型護衛艦及びひゅうが型護衛艦の甲板は、オスプレイの排熱に耐えられる程度の耐熱強度があることが分かっている。

ただ、F-35B型のジェットエンジンの排熱に耐えられるほどの耐熱強度があるかは不明である。

だが、耐熱素材を含んだ塗料の塗布など、大規模な改修を伴わずに達成可能な項目であるといえる。

 

 

 

②スキージャンプ台の搭載

 これは大規模改修が必要な事案である。

F-35B型は垂直離着陸が可能な戦闘機であるが、燃料と兵装を満載した状態では重すぎて垂直離陸は不可能である。

燃料と兵装を満載して飛び立つ際は、長い滑走距離を使って飛び立つか、スキージャンプ台を用いて飛び立つ方法が用いられる。

 

スキージャンプ台を搭載しているスペイン海軍の強襲揚陸艦「ファンカルロス1世」

 

 

スキージャンプ台を搭載している英国海軍の空母「クイーンエリザベス」

 

 

 

ただし、いずもは船首下部にバルバスバウ型の対潜ソナーを携えており、船首方向にさらにスキージャンプ台を増設すると、船首方向の重量が過多になってしまうのではないかという懸念がある。

 

また船首には近接防空火器のCIWSがあり、スキージャンプ台を搭載しない場合でも、CIWSの位置は現在の位置から別の場所に移さなくてはならなくなるだろう。

 

 

ちなみに米国のワスプ級はF-35B型の運用を行っているが、スキージャンプ台は搭載していない。

ワスプ級強襲揚陸艦(全長257m)

 

 

いずもも、248mの甲板を最大限に使用すればスキージャンプ台なしでも、F-35B型の離陸は行えるかもしれない。

 

 

 

 

③ 固定翼機への武器搭載能力の付与

④ 固定翼機への燃料搭載能力の付与

  現時点で、いずもにおける回転翼機への燃料搭載能力や兵器搭載能力がどの程度あるのか?

また、兵装庫の大きさや、燃料タンクの規模などが全く不明であるため、これはどの程度の改修が必要なのかが推測できない。

 

ただ、ヘリコプターに搭載する燃料、兵装と、戦闘機に搭載する燃料、兵装とでは規模が全く異なるため、現時点での回転翼機用の規模の装備では、戦闘機には対応できないと考えられる。

現時点での格納庫サイズを広げることはまずできないと考えられることから、F-35B型に供給できる燃料や兵装の量は極めて限定的な規模にとどまるであろう。 

 

F-35戦闘機は、多彩な兵器を搭載できる。

 

 

⑤⑥のまえに⑦の話をする

 

 

⑦格納庫の拡張

 これはまず不可能である。

船体の設計段階から見直す必要があり、改修でどうにかなる話ではないからだ。

 

いずも型護衛艦の格納庫は、第一格納庫・第二格納庫、後部の航空整備庫まで入れると、全長125m、幅21mの広さがある。

 

ここにF-35B型をいれるとどんな感じになるのか?

 

こうして適当にざっと並べただけでも、格納庫内に11機は収まってしまう。

もっとぎゅうぎゅうに詰めれば13~14機はいけそうだが・・

 

 

しかし、格納できればそれでいいという話ではない。

 

仮にぎゅうぎゅうに幅寄せして14機程度を格納したとして、今度は本来の対潜哨戒任務に必要なヘリコプターの収納スペースがなくなる。

 

 

対潜哨戒任務及び、救難任務などに必要なヘリは最低でも3機以上はいるし、MCH101などの輸送ヘリも搭載していなくてはならない。

 

 

このほかにも、先ほども言ったように兵装をおくスペースや、戦闘機のエンジンを換装・整備するスペースも必要になってくる。

 

 

そう考えると、本来のヘリコプター搭載機数を維持しつつ、戦闘機の格納・整備もするとなると、この規模の格納庫に置いておけるF-35B型の数は5~6機が限度ではないだろうか?

 

 

この戦闘機の搭載機数では、1個編隊の運用しかできない。

 

 

効率的に航空機を運用しようとすれば、予備機を含め、2~3個編隊計15機程度が理想であると考えられる。

 

 

ヘリなどの搭載スペースを削れば無理やり15機を収めることは不可能ではないかもしれないが、運用上全く現実的ではない。

 

 

そうなると、いずも型護衛艦をいくら改修したところで、本格的な空母としての運用ができるわけではないことがわかる。

 

結局いずもは、いい意味でも悪い意味でも、ヘリコプター運用に特化した空母型護衛艦であり、それ以上でもそれ以下でもないのだ。

 

 

 

では、戦闘機を1個編隊しか運用できない中途半端な空母化への改修に何の意味があるのかと思われるかもしれないが、筆者はこれにはもっと先への野望があると考えている。

 

 

ここから先ほどの⑤⑥につながってくるのであるが、

 

 

自衛隊は近い将来、本格的な強襲揚陸艦の導入・運用を始める可能性がある。

 

防衛省が数年前に公開した、将来の強襲揚陸艦導入に向けたプレスリリース

(強襲揚陸艦というと、野党や左翼の方々にいちゃもんつけられるだろうから、おそらく「大規模輸送型護衛艦」的な名前で導入されると思う。)

 

 

 

 

2014年には小野寺五典防衛相が米海軍サンデイゴ基地を訪れ、米国海軍の強襲揚陸艦「マキン・アイランド」を視察し、離島奪回作戦で使う新型艦の導入を本格的に検討する意向を明らかにしている。

USS マキンアイランド (ワスプ級の発展版ともいえる)

 

 

おそらくこの強襲揚陸艦おっと、「輸送艦」は、「おおすみ型輸送艦」と「いずも型護衛艦」をミックスしたようなものになると予想され、LCACやAAV7が発進可能なウェルドックを装備し、かつ航空機も同時に運用できるような大規模な格納庫と飛行甲板を有するものと思われる。

 

端的に言えば、米国海軍のワスプ級やアメリカ級揚陸艦に近似したものになる可能性が高い。

 

 

 

 

 

先ほどの話に戻るが、

いずも型護衛艦の空母への改修というのは、最終的にはこの「揚陸艦導入後の運用のための人員の教育とノウハウの蓄積」のために行うところが大きいと筆者は考えている。

 

また、「いずも」の改修が終わった時期に都合よくF-35B型が手に入っているかどうかもわからない。

 

 

防衛省は、はなから改修した「いずも」で戦闘機を本格運用する気はなく、まずは岩国に配備されている米国のF-35B型と改修いずもで共同訓練を実施し、船舶における戦闘機の運用、指揮、格納等のノウハウを積むことを目標にしていると考えられる。

 

 

その程度であれば、数多くのF-35B型をいずもに格納する必要はなく、日本向けのF-35B型の導入を急がなくてもよい。

 

しかも、米国所属であれ、F-35B型が海上自衛隊のいずもに離発着しているという事実が作れれば、それだけで中国に対する強い抑止力につながるのである。

 

 

恐らく10年以内に自衛隊向けの強襲揚陸艦が導入されると考えられ、その時点で、自衛隊におけるF-35B型の本格的な運用もスタートするであろう。

 

そのころまでには、空自所属のF-35A型の配備も今より進み、自衛隊におけるステルス戦闘機の運用・整備能力も向上しているころであるだろうから、まずは現有装備の改修と米国との共同訓練でノウハウを蓄積することが先決であろう。

 

 

ただ、今から10年後の2030年頃には、中国の空母が4隻に増加している可能性が高く、ますます海洋進出を強めてくることは想像に難くない。

 

よってそのころまでに、自衛隊も固定翼機を船舶で運用できる能力を獲得していることが大切になってくるのであり、そのことが尖閣諸島をはじめとする離島防衛能力を大幅に向上させることにもなる。

 

いずも型護衛艦の空母化へ向けた改修は、日本が離島防衛に本格的に乗り出すという強い意思表明の現れなのである。

 

 

 

さて、今回も10式戦車についての話題である。

 

10式戦車は陸上自衛隊の最新鋭戦車であり、現在も量産配備が継続中である。

 

その特徴の一つとしては、モジュール装甲の採用という部分がある。

 

脅威に応じて装甲の着せ替えが可能であり、技術革新により新しい装甲ができれば、装甲を新しいものに換装することが容易に行えるのである。

 

 

 

このモジュール装甲は、車体の軽量化にも大きな貢献を果たしており、従来の90式戦車が重量50トンだったのに対し、10式戦車は44トンと、6トンもの軽量化に成功している。

 

勿論、この軽量化には様々な要因があり、車体設計の工夫や、エンジントランスミッションの大幅な軽量化などが大きく貢献しているといわれている。

90式戦車の採用から20年経っている現在では、装甲技術も大幅にアップしているので、防御力を維持しつつ装甲の軽量化を行うこともできるので、そのような複合的な要因により10式は世界の同世代の戦車の中でも、最も軽量な戦車といっても過言ではない。

 

 

さて、いよいよ本題だが、

 

通常、戦車の装甲といっても、現代の戦車はすべて均一の装甲によっておおわれているわけではない。

被弾率が最も大きい車体前面と砲塔前面には「複合装甲」が施されており、それ以外の部分には防弾鋼板などによる装甲が基本となっている。

複合装甲はHEAT弾やAPFSDS弾による攻撃を防ぐ強力な装甲だが、戦車全周にこの複合装甲を施してしまうと、重量が無制限に増加してしまい、機動力が損なわれてしまうので、最も被弾率の高い部位にのみ複合装甲は設置されている。

 

 

 

そして、この複合装甲の設置範囲は、前方60度からの被弾に対し、乗員を防護できる範囲に設置することが基本になっている。

 

 

 

 

例①   M1エイブラムス戦車の複合装甲配置

 

 

 

 

 

例②    90式戦車の複合装甲配置

 

乗員ハッチの位置を見るとわかりやすいが、いずれの戦車でも、前方60度の角度から乗員を防護できるように複合装甲が施されているのがわかる。

 

 

 

では10式戦車ではどうだろう?

まず、乗員ハッチの位置を乗員のいる場所と考え、上の2つの戦車の例を参考に、10式戦車の図に当てはめてみよう。

 

 

 

ハッチをぎりぎり覆う形で考えるとこのようになる。

90式戦車の例と比較しても、60度の支点が環境センサーの折り畳み位置となっているので、10式の防護区画もこの考えでまず間違いないとまずは仮定する。

 

 

 

 

さて、次は10式戦車の複合装甲は一体どこに存在するのか?という話であるが、実は10式は90式とは違い、複合装甲を含めた主装甲はモジュール装甲を含む装甲カバーにおおわれていて、外見から複合装甲の配置を推測することが非常に難しくなっている。

 

だが、現時点までに公開されている資料や写真から、おおよその装甲配置については大まかではあるが、ある程度は推測が可能である。

 

 

 

 

筆者の考える10式戦車の装甲配置①

赤で塗りつぶした位置が複合装甲

黄色が装甲カバー

緑がモジュール装甲

青が防弾鋼板等による装甲

 

筆者は装甲配置はこのようになっていると推測している。

 

しかし、この図をみてわかる通り、この複合装甲配置では前方60度からの乗員防護がなされていない。

 

 

この装甲配置で前方60度から確実に防護できる範囲は砲塔の中心部のみで、この状態では車長も砲手もカバーできていない。

 

車長、砲手ともにこの装甲配置でカバーしようとすると、前方25度程度の範囲の攻撃のみカバー可能ということになる。

 

10式戦車はモジュール装甲を取り外した砲塔の本体が、戦車後部に行くにつれて広がっていく形になっているので、砲塔前面を覆う複合装甲の幅は、車体後部と比較して、どう頑張っても狭くならざるを得ないのである。

 

 

 

さて、ここまで色々と推測してみると、いくつかの可能性が考えられる。

 

可能性①「複合装甲の防護範囲減少は別の要因でカバー?」

上で示した複合装甲の配置は、推測とはいえ、ほぼ間違いないと考えられる。

そして、この配置では前方60度からの乗員防護が達成されていない。

とすると、10式戦車はそもそも、敵戦車に側面から不意打ちを食らうような状況を想定していないという可能性が考えられる。

 

10式戦車は戦車では世界初のハイビジョンカメラによる画像認識技術を駆使した自動索敵機能や高度なセンサー、そしてC4I機能による情報共有により、敵を素早く発見し、追尾、攻撃することが可能になっている。

また、これも戦車では世界初の、新開発の無段階変速機能付ディーゼルエンジンによる高い機動性により、前進・後退いずれも時速70キロで疾走が可能である。

 

こうした新機能によって、10式戦車は常に敵を先に発見し、その敵戦車を常に正面に捕らえ、仮に攻撃されても、その高い機動性により被弾を避けるか、被弾を正面に限局させるというコンセプトなのかもしれない。

 

可能性②「脅威に応じ、モジュール装甲の中身が変化」

基本的な装甲配置は上の図に示した通りだが、10式戦車はモジュール装甲が側面を覆っていることをわすれてはならない。

通常このモジュール装甲はHEATのメタルジェットを外すための空間装甲ではないかと推測されているが、敵の脅威度に応じて、このモジュール装甲を別の装甲に付け替える可能性も考えられる。

76mm発煙弾発射器を覆う最前列のモジュール装甲は変更できないにしても、

その後ろからのモジュール装甲は脅威度に応じて別の材質の装甲に換装できるであろう。

 

たとえば2番目の装甲を複合装甲に交換すると、敵戦車からの前方60度からの攻撃にたいしての乗員防護が可能となるのである。

このほかにも、爆発反応装甲など各種装甲の追加も可能である。

 

外見の変化なしに、装甲の厚み、材質の変更が可能なのが、モジュール装甲の利点である。

 

 

10式戦車は通常の状態で44トン

 

最大で48トンまでの重量増加バージョンが存在するという情報がある。

 

この4トン分の重量追加は確実に装甲追加分の重さであるが、その追加される装甲も、側面だけではなく、上面や底面の装甲の存在もうわさされている。

 

現段階で最大重量バージョンがどのような姿なのかは不明であり、そもそも48トンバージョンが外見の変化があるのかどうかもわかっていない。

 

 

今後の情報に注意しつつ、10式の装甲についてさらなる情報がないか、今後も追及していきたい。

お詫びと訂正

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2016年10月24日の記事、

 

「10式戦車の車長用ハッチは2重構造の可能性あり」

http://ameblo.jp/22-raptor/entry-12212623432.html

 

この記事について、重大な誤りがありましたので、訂正いたします。

 

 

この記事の中で紹介していた10式戦車の車内の画像でありますが、これは映画「シン・ゴジラ」の製作中のワンシーンを紹介した記事からの引用であります。

 

私はこの画像を、本物の10式戦車の車内であるという前提のもと、車長用ハッチのハンドルの形が外部のハッチと違うので、内側にもう一つのハッチがある可能性について論じました。

 

 

しかし、この度、「シン・ゴジラ」のBlu-rayを購入し、そのメイキング映像を観ていましたところ、

映画で登場する10式戦車の車内映像は、すべてセットで撮影されたもので、実際の車内で撮影されたものでは無いという事実が判明しました。

 

これにより、ハッチの細かな形状が本物と違うのは当然であり、その他の車内の構造も、実際とは異なる可能性が高く、あの画像からは実際の10式戦車の車内構造及び、ハッチの2重構造の可能性についても推測することは困難です。

 

よって、2016年10月24日の記事からは、10式戦車について何ら正確な情報は得られないことが判明いたしました。

 

ここで訂正し、お詫び申し上げます。

「合気道」とは何か?

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漠然としつつ、そうとうディープな話題に切り込んだと感じている。

 

 

「合気道」 と聞いて、何を思うだろうか?

 

人それぞれ、いろいろと思い浮かぶものがあるかもしれない。

 

いまでこそ、合気道人口はかなり多くなったが、それでも、空手や柔道、剣道よりも、人々の認知度が低いのも事実だろう。

 

YouTubeなどでは、合気道の動画も多くあり、演武の様子などが誰でも簡単に見ることができる。

 

しかし、合気道は試合を行わないため、世の中にはその実力を疑う人も多く、多くの合気関連の動画には、

 

「合気道はやらせだ」

「なれ合いでやっている」

「総合格闘技にでて、強さを証明しろ」 etc・・

 

といったようなコメントが散見できる。

 

 

確かに、合気道の演武は、取りに対して受けが華麗な受け身を見せているため、

 

それが「やらせ」に見えるのかもしれない。

 

 

だが、勘違いしてはいけない。

 

合気道をやってきた者として言うが、

 

合気道で行う技にはキチンと意味があり、そして、繰り出される技は決してヤラセではない。

 

これは、実際に体験してみないとなかなか理解してもらえないのも事実なので、疑問をお持ちの方は、合気会本部道場にでも体験入部されてみてはいかがだろうか?(笑)

 

 

 

さて

 

実際、合気道について正確に知らない人は多いと思う。

 

実際、合気道には過去に「塩田剛三」のような「格闘技の神様」と言われた人物も存在したため、一部には「合気道最強説」のような話もある。

 

しかしその一方で、「合気道は弱い」「使い物にならない」と豪語するひとも一部にいたりする。(まあ、そういう人に限って、合気道をやったことが無い人だったりするんだけど)

 

また中には、合気道を「格闘技」と理解し、合気道が、K-1や総合格闘技と戦ったらいったいどちらが強いのか?と、比較したがる人も意外と多い。

 

 

 

そこで、合気道の成り立ちを振り返りつつ、現代の格闘技とどう違うのかを考えてみたい。

 

 

 

 

まず合気道は日本武道の一つである。

 

 

しかし、剣道、柔道、空手などとはちょっと性質が異なり、

「日本古来の古武術の流れをくむ武道」といった方が正確であると私は考える。

 

 

実際、合気道はもともと合気道として存在していたわけではない。

 

 

合気道の源流ともいえる武術に、「大東流合気柔術」というものがある。

 

これは平安時代に生まれた武術であり、この武術の継承者であった「武田惣角」に習い、合気道開祖の「植芝盛平」が、日本古来の剣術、柔術、そして、神道の精神などを加え、相手を傷つけず、捌き制することができる武道として完成させたのが、いまの「合気道」である。

 

 

私が「日本古来の古武術の流れをくむ」と書いたのには大きな意味がある。

 

 

大東流合気柔術が生まれたのが、平安時代であるということからもわかるように、この時代における「戦い」は、刀や槍をもった戦いが前提である、ということが重要である。

 

それに伴い、合気道の体捌きも、日本刀を持った時の体の動かし方、いわゆる剣の理合が基本となっている。

 

 

合気道には敵からの攻撃の代表的なものとして、「正面打ち」や「横面打ち」という攻撃があるが、これはそのまま刀による「唐竹切り」や「けさぎり」を表したものである。

 

同じく代表的なものとして、「片手取り」「諸手取り」などがあるが、これはすなわち、日本刀を腰にさした自分に抜刀させまいと、敵が手を抑えてきた、という状況を表すものである。

「四方投げ」「入り身投げ」等の技は、この状態から、抜刀しつつ、敵を制する動きが基になっている。

 

合気道の体捌きの大きな特徴として「入り身・転換」がある。

これは円運動を中心とした体捌きであり、合気道独特の動きである。

例えば、ボクシングのジャブが顔面に飛んできた場合、それを避けるには顔面だけを動かせばそれでよい。

しかし、上から下に刀が振り下ろされた場合、体全体を刀の振り下ろされた軸からそらさない限りこれは助からない。 

 

入り身、転換はこの対刀を意識した動きの一つであり、刀を避ける動きは、パンチやキックを避ける動きとは根本的に異なるのである。

 

 

 

このような合気道の代表的な技をみてわかるように、合気道の技とは、

「日本古来の互いに武器を持ったことを前提とした戦いから生まれた体術である」ということである。

 

これは言い換えれば、合気道は、現代で主流の、徒手格闘で殴り合うことを前提にした戦い方を追求したものではないということである。

 

よって、そのような時代に生まれた体術と、現代格闘技とを安易に比較することはナンセンスであり、意味をなさない。

 

 

現代人が考える「実戦」とは、十中八九いわゆる「ボクシングスタイルの戦い」であろう。

 

 

だが、時代や環境が違えば、当然想定される「実戦」の概念も違ってくるものである。

 

 

全身に甲冑を身にまとい、刀や槍を用いて殺し合いをすることが「実戦」と言われた時代に、パンチやキックで相手を倒す方法を追求しようと考える人は稀であっただろう。

 

 

合気道に蹴り技が無いのも、このためである。

 

 

全身に甲冑をつけた状態で素早い上段蹴りなど到底できないし、間合いがある状態では、ジャブや前蹴りも当然届かないため、現代に見られるようなボクシングスタイルの戦闘体系は、当時主流になることはなかったのである。

 

 

そのような環境からうまれた体術を源流とするのが「合気道」であるのだから、

 

 

「合気道が強いというのなら、K‐1や総合格闘技で戦ってみろ」

 

という主張は、全くの的外れであり、筋違いも甚だしい。

 

 

そういった考えが頭に浮かんでしまう時点で、それぞれの武道の持つバックグラウンドを理解せず、小手先の強さだけを要求してしまっている証拠だろう。

 

 

勿論、合気道の技をしっかりと訓練することによって、現代においても、攻撃してきた相手を制圧することは十分に可能である。しかし、それはあくまで手段であって目的ではない。

 

 

そして、状況によっては、合気道の技だけでは不利になるようなことも当然考えられよう。

 

現代スタイルの格闘技で勝って結果を出したいのであれば、それ用の訓練を積めばいいのであって、好き好んで合気道をやる必要などない。

 

 

「総合格闘技で活躍できる=強い」という理念は、現代においては確かに主流である。

だが、武道の歩んできた道のりを鑑みれば、浅すぎる理念と言わざるを得ない。

 

 

なぜなら、「総合格闘技で活躍できるから強い」という考え方は、あくまでも

「現代の、リング上での、グローブをつけた、審判のいる、1対1での戦い」という、極めて限定された条件での戦い方にのみ通用する考え方であって、真に人間の強さを測る指標になりうるものではないからだ。

 

 

そのような浅はかな理念で「強い」「弱い」を考える人は、そもそも、格闘技や武道について語る資格は無いと私は思う。

 

 

そして、そもそも「武道」とは、相手を傷つけ、打ち負かすことを目的としたものではない。

 

 

合気道開祖、植芝盛平は、「武産(たけむす)合気」のなかで、合気道について次のように述べている。

 

 

「合気とは、敵と闘い、敵を破る術ではない。世界を和合させ、人類を一家たらしめる道である。合気道の極意は、己を宇宙の働きと調和させ、己を宇宙そのものと一致させることにある。合気道の極意を会得した者は、宇宙がその腹中にあり、「我は即ち宇宙」なのである。私はそのことを、武を通じて悟った。

 いかなる速技で、敵がおそいかかっても、私は敗れない。それは私の技が、敵の技より速いからではない。これは、速い、おそいの問題ではない。はじめから勝負がついているのだ。

 敵が、「宇宙そのものである私」とあらそおうとすることは、宇宙との調和を破ろうとしているのだ。すなわち、私と争おうという気持ちをおこした瞬間に、敵は既に破れているのだ。そこには、速いとか、おそいとかいう、時の長さが全然存在しないのだ。

 合気道は、無抵抗主義である。無抵抗なるが故に、はじめから勝っているのだ。邪気ある人間、争う心のある人間は、はじめから負けているのである。

 ではいかにしたら、己の邪気をはらい、心を清くして、宇宙森羅万象の活動と調和することができるか?

 それには、まず神の心を己の心とすることだ。それは上下四方、古往今来、宇宙のすみずみにまでにおよぶ、偉大なる「愛」である。「愛は争わない。」「愛には敵がない。」何ものかを敵とし、何ものかと争う心は、すでに神の心ではないのだ。これと一致しない人間は、宇宙と調和できない。宇宙と調和できない人間の武は、破壊の武であって、真の武産(たけむす:神道の真理の言葉)ではない。

 だから武技を争って、勝ったり負けたりするのは真の武ではない。真の武はいかなる場合にも絶対不敗である。即ち絶対不敗とは絶対に何ものとも争わぬことである。勝つとは己の心の中の「争う心」にうちかつことである。あたえられた自己の使命をなしとげることである。しかし、いかにその理論をむずかしく説いても、それを実行しなければ、その人はただの人間にすぎない。合気道は、これを実行してはじめて偉大な力が加わり、大自然そのものに一致することができるのである。」

 

 

開祖の理念はあまりに壮大で、凡人の我々は、そのあまりに大きな理念に面食らってしまう部分もあるかもしれないが、このような大きな理念のもとに創造され、単なる格闘技、格闘術とは大きく異なるのが、合気道なのである。

 

合気道を修練する者は、この理念に一歩でも近づくことを目標としていくべきだろう。

恐らく、この理念に行きつくことは到底かなわぬとしても、この考えが根底にある以上、自身の中で、不用意な争いを起こそうとする邪気が生まれることは限りなく少なくなるはずである。

 

多かれ少なかれ、合気道に限らず、日本武道はこれに近い理念を持っているものであると私は考える。

 

 

 

 

もう話題が壮大過ぎて、どう落としていいかわからないが、

 

 

 

ここまで書いてみて、自分自身でも今気が付いたのが、

 

「合気道とはなんですか?」

 

と人に問われたら、一言で表現することは極めて難しい。

 

というより無理である。

 

 

 

 

それほどに、「合気道」とは、単なる格闘術とはことなる、真に精神性を重視し、強いとか弱いとかいう次元を超越した、ある意味で究極の武道といえるのではなかろうか。

 

久々の更新となりました。

 

今回はかねてより気になっていた10式戦車のハッチについて考えたいと思います。

 

 

以前より、10式戦車については、

 

「ハッチが薄いのではないか?」

 

「上面装甲の防御力が心配だ」 etc・・

 

などの懸念が騒がれていました。

 

 

 

 

10式戦車のコンセプトは「市街地におけるゲリラコマンドにも対応できる戦車」とのことなので、その点では、あのハッチの厚みを見た人が、武装ゲリラによるビルの上部から戦車上面に対しての攻撃に対応できるのか心配になるのは必然といえる。

 

 

正直、私自身も、あのハッチの厚みには不安を抱えている一人である。

 

いくら日本のセラミック技術や装甲技術が優れているとはいえ、あの数センチ程度の厚みのハッチでは、成型炸薬弾の直撃には無力であることは言うまでもない。

 

シリアにおける戦車(T72)での市街地戦闘の映像を見ても、戦車は主に上から狙われていることが見て取れるため、ゲリコマ対応の戦車は上面装甲も重要であることを再認識させられる。

 

 

さて、いままで10式戦車の内部がどうなっているかという具体的な情報や映像は皆無に等しい。

 

 

 

10式戦車の試作車両公開時に、内部のディスプレイの一部が写った写真が公開された程度で、今に至るもそれ以外の画像、映像はほぼ出てこない。

 

 

 

ところが、映画「シン・ゴジラ」に関するネットニュース記事の中で、10式戦車の内部が少し写っている貴重な写真が公開されていた。

 

 

記事はもちろん「シン・ゴジラ」に関してであり、

 

面白いことに恐らく本邦初公開であろう10式戦車の内部については一切触れられていなかった(笑)

 

 

 

ちなみに私はシン・ゴジラを観て、最高に面白い映画だと思った一人であるが、この写真を見てしまうと、10式の内部にしか目がいかなくなったw

 

 

 

さて、この写真は場所からして、車長席を下から写したものであろう。

 

 

この画像には、10式ファンにとってはたまらない、様々な情報が見え隠れしている。

 

内部って、下に向かって広くなってるのか!!

消火器ってそこにあるんかーい!

フムフム、車長用潜望鏡の構造ってこうなってるのね・・

 

 

・・・ということは置いといて、

 

 

 

もっとも注目すべきは、車長用ハッチの部分である。

 

 

 

 

一般的に我々が普段目にすることができる車長用ハッチの構造を思い出してほしい。

 

 

 

 

 

参考までにこれがそのハッチだ。

 

 

 

 

 

お分かりいただけただろうか?

 

 

ハッチのロックハンドルの形状に注意してほしい。

 

 

上の画像でのロックハンドルレバーは明らかに断面が円の形をした棒状構造であるのに対し、

 

下の画像でのロックハンドルレバーは薄く平べったい構造である。

 

 

 

この両者の違いが意味するものとは何であろうか?

 

 

 

1枚目の画像の太いロックハンドルレバーは、量産車と試作車両の違いかとも考えたが、公開されているいかなる試作車両のハッチの構造にも当てはまらなかった。

 

 

 

すなわち、こんなに太い形状のロック機構が内側に見て取れるハッチは無かったのである。

 

 

 

そこで私が行きついた一つの結論は、

 

 

 

「10式戦車の車長用ハッチは二重構造の可能性が高い」

 

 

 ということだ。

 

 

 

レオパルド2のハッチと同様に、内側に1枚、外側に1枚の独立したハッチ構造が存在するということである。

 

 

黒いラバーパッキンと思しき構造もみえるので、NBC対策の密閉はこのハッチがメインに担っている可能性もある。

 

 

もし10式がこういったハッチの二重構造をとっているとすれば、仮に成形炸薬弾による攻撃を受けても、これが中空装甲と同様に働くため、被害の軽減に寄与するものと考えられる。

 

 

あと、もう一つ気になるのは、もしこれが内側にあるもう一枚のハッチだとすれば、

これは内側に開くのだろうか?

 

 

 

レバーハンドルの構造からみても、レオパルド2のようにスライド式に収納することはできなさそうだ。

 

 

10式戦車の内部構造については、正式化から6年以上たっても秘密のベールに包まれ、装甲配置や増加装甲の存在、その真の防御力に関しても憶測の域を出ないのが現状だ。

 

 

いち軍事マニアとしては、モジュール装甲の構造や車内内部の写真や映像が公開される日を待ち望んでるが、機密上難しいことも理解はしている。

 

 

今回の記事も、写真から推測した私の独論だが、これが映画のセットで無ければ、あながち間違いでもないと思っている。

 

10式戦車の乗車体験とかで、車長席にのせてもらえることがあれば一発でわかると思うんだけど、たぶんそんな日は絶対来ないよな~(笑)