12月10日に多くのマスコミに取り上げられた尼崎のブリーダーについて
年間50~60頭のワンちゃん達を薬殺していたこと、この事実にはショックを押さえられません。
実は私はこのブリーダーをよく知っています。
うちにいるイングリッシュコッカースパニエルはここの出身ですし、うちの子に交配をお願いしたのもこのブリーダーです。
過去2回交配をして、とても良い子犬が生まれ、どの子達も素晴らしいお迎え先に恵まれ幸せに過ごしています。
テレビで報道された映像をご覧いただいた方はお分かりでしょうが、屋上にたくさんいた犬達はイングリッシュコッカースパニエルです。
このブリーダーは、イングリッシュコッカースパニエルを非常に大切にしているブリーダーです。
構成のよい骨量のしっかりした素晴らしいインギーがたくさんいます。
イングリッシュコッカースパニエルのブリーダーとして、トップクラスといえたのではないかと思います。
私の知る限りでは、このイングリッシュコッカー達を維持するために、チワワ、トイプードル、Mダックス、ミニピンなどの犬種を繁殖し、オークションや店頭で販売されていたようです。
イングリッシュコッカースパニエルに関しては、オークションには出しませんし、関東の大手ペットショップから希望価格で卸してほしいとの誘いがあっても断っておられたようです。
インターネットからの問い合わせにも、価格交渉にはほぼ応じないので、余程思い入れのある方以外は購入されなかったのではないかと思います。
一般的なブリーダーであれば、多少の値段交渉にも応じ、早めにお迎え先を見つけ、子犬が残らないようにしようとするのが普通です。
そういうことをしないので、犬がどんどん増えていくのは当然だと思います。
殺処分しなければいけない理由って、いったい何だと思いますか?
売れ残りの整理と言われていますが、それだけではない気がします。
イングリッシュコッカースパニエルのブランドを守りたかったのだと私は思います。
お聞き苦しい部分もあるかと思いますが、私がこのブリーダーに対して疑問を感じた出来事の一部を記載いたします。
私はうちにいるこの犬舎出身のイングリッシュコッカースパニエルに、ラインブリードでよい子を出したい(できれば台雌として残せる子が欲しかった)と思っていましたので、過去に2度このブリーダーに交配をお願いしました。
このブリーダーの考えは、交配するということは血液(ライン)を分けることなので、自分が築いてきたものは他に分けたくないといった趣旨で、軽々と引き受けてはくれませんでした。
交配を引き受ける条件は、交配料金(一般的な交配料金と比較してかなり高額です)プラスさらに付加された条件は、生まれてきた子達をブリーダーが示す金額以上で販売することでした。
この条件は、1回目に交配した時に約束したものです。
おのずと、2回目の交配の時も、特にこの条件について触れることがなかったので、同じ条件だと思っておりました。
おかげさまで、うちの子はとてもよい子を2度も出産させていただきました。
女の子が1頭しか生まれなかったので、うちに残すことができなかったのが残念で仕方ありませんが。
このブリーダーとの約束は違えることなくきちんと果たしましたが、2回目の出産の後、まだ交配証明をいただいていない時期に(今年3月頃だと思います)、「おまえのところがうちより安い金額で販売するからうちの犬が売れんのや」と電話があり、約束したことをきちんと守っているのに、そのようなことを言われる筋ではないと伝えると、「そもそも、おまえは行儀が悪いのや。もう一度反省して謝罪の電話をしてこい」と一方的に電話を切られることがありました。
私のサイトでは、他のブリーダーのイングリッシュコッカースパニエルを比較的安価で販売させていただいておりましたので、それも気に入らなかったのでしょう。
※ 他のブリーダーとは?
・・・とても良心的に一生懸命頑張っておられるブリーダーです。できるだけ安価に子犬を出して、「とてもよい犬を譲っていただきありがとう」と思ってもらうことが、唯一の幸せだという考え方のブリーダーです。
尼崎のブリーダーには、まだまだイングリッシュコッカースパニエルについて学ぶべきところがありましたが、何をどのように謝罪すればよいのか、どう考えても納得いかないまま、それ以後電話をすることができませんでした。
今回のことが表面化して初めて思いあたるのですが、そのころから尼崎市や動物保護団体がこのブリーダーに対して動き始めていたのではないかと思えます。
その電話があって以来、このブリーダーとは付き合いが途絶えております。
このブリーダーは、やはりイングリッシュコッカースパニエルに対して、強い思い入れがあったと思います。
どこよりもよいイングリッシュコッカースパニエルだと評価された結果が、このブリーダー自身の納得できる価格での販売だったのだと思います。
それがこのブリーダーのイングリッシュコッカースパニエルに対する思い入れ(プライド)だったのだと思います。
年間50頭以上の何の罪もない犬達を殺処分できる神経
あんなにイングリッシュコッカースパニエルの血液(ライン)を大切に考えるブリーダーが、毎年継続的に50頭以上の犬達を処分していたとは想像すらできないことでした。
しかしそれはまがうべきことない事実です。
その神経はやはり普通ではないです。
そんなことをしてまで子犬を生ませたくないと思うのが、ごく普通の感覚だと思います。
反省しているとインタビューにありましたが、それでも、すぐにどうすることもできないから、猶与が必要だと言っておられたのは、時間が経てば解決するくらいのレベルで考えているような気がします。
うちのイングリッシュコッカースパニエルは生後6ヶ月でうちの子になりました。
自慢ではありませんが、ショータイプと同等の金額で迎え入れました。
もしうちの子にならなかったら、この子はどうなっていたのかしら・・・
と考えることもあります。
何も罪がない無邪気な犬をどうして人間のエゴで抹殺することができるのでしょうか!
私は、このブリーダーと共に生活し共に犬の世話をしている他2名にも、どうしてそのようなことを見逃してきたのか、問いたい気持ちで一杯です。
なぜ、あなたは犬を見殺しにしてきたのですか?
自分が生きていくためだから、仕方がなかったのですか?
たくさん犬を抱えているブリーダーは、ほんとうに大変です。
朝から晩まで、犬の世話ばかりです。
どこかで手抜きをしなければ、食事もできなかったり、普通に日常生活ができないくらい忙しいです。
でもそれは、決して、誰かから強いられてしているのではなく、自分自身の意思で(自分が納得して、自分が好きで)していることだと思います。
それを犬のせいにしてはいけないです。
それを犬に背負わせてはいけないんです。
犬は望んで子犬を生んでいるのではないです。
ブリーダーである飼い主に望まれて、子犬を生んでいるのです。
それだったら、ちゃんと最期まで犬と一緒に苦しみを分かち合うべきでしょう。
最期までみることができないのなら、せめて、可愛がってくれる里親を見つける義務があると思います。
もらってくれる人がいないのなら、やはりその子を最期までみる縁があるのだと思います。
こんな状況になるのには、やはり社会的要因も大きい
JKCや日本犬保存会などの愛犬団体の趣旨が、動物の愛護ではなく、犬質を上げることを主な目的としていると思いますので(違っていたらごめんなさい)、極端に言ってしまえば、スタンダードや標準から外れた犬は要らないといった繁殖者も生まれてくるのだと思います。
しかし、そういった競い合いがあったからこそ、今現在の犬の形ができ、犬を飼うという行為が周知されたのだと思います。
日本の愛玩動物に対する考え方が、欧米に比べ、随分低いところにあるのが原因のひとつだと思います。
日本の犬に対する考え方で見れば、それが悪いと一概には言えない気もしますが、いわゆる動物愛護の基盤がしっかりできた欧米から見れば、非難されるべき事実だと思います。
罰則規定を強化しても、抜け道をくぐり抜ける悪質な業者やブリーダーが出てくるのは世の常です。
どのようにすれば、今回の尼崎の繁殖者のような出来事がなくなると現状では結論付けできませんが、できることと言えば、動物に接する一人ひとりが、自覚とモラルを持つことしかないと思います。
私自身も犬に対する考えをもう一度振り返り、今いるこの犬達の恩恵を十二分に受けているという感謝の気持ちを忘れず、この子達を粗末にすることなく生涯私の側で全うさせることができるよう、できる限りのことをしたいと強く思います。
※ 2010/01/03に一部加筆訂正いたしました。
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