世界に羽ばたけ中邑真輔

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1月31日付で中邑真輔は新日本を去る。

1月25日の会見で中邑は「こんなレスラー他にいなかったと思います」と語った。

私は2002年8月の中邑のデビュー戦を日本武道館で観戦している。
鳴り物入りで新日本に入団し、安田忠夫戦でデビュー。
当時、正規軍ではなくヒールだった安田相手にデビュー戦を行った時点で既にちょっと普通ではなかった。
普通は道場で一緒に汗を流してくれた先輩の胸を借りる爽やかなデビュー戦が多いのに、厄介な安田相手。今考えるとその後の道を暗示するかのようなマッチメイクだった。


総合格闘技への挑戦。史上最年少IWGP王者。

とにかくアントニオ猪木の期待に応えないといけないという感じで、若い頃からずいぶんと色んなものを背負わされた。

でも、プロレスラーとして総合の経験があるというのは絶対にプラスなキャリアだし、今現在のクネクネしたスタイルも、昔の「総合の経験」が背景にあるからこそ、説得力と奥深さを持つ。

一時期、新日本の人気が低迷し、プロレスから離れてしまい総合格闘技ファンにシフトチェンジしていた知り合いのが「中邑だけは気になる」と語っていたのを思い出す。

それは、やはり「総合の経験」があるからこその「気になる存在」だったようだ。

 

そして、真猪木軍なる括りにもされた時期もあったが、次第に猪木へのアンチの思いが募っていく。

大阪ドームで急遽変更されたカードで試合をし、更に試合後に猪木の鉄拳制裁を食らった際はもの凄い目つきで猪木を睨みつけていた。

そして、後に「猪木―!」と絶叫し、引退して既に新日本も去っている猪木に対戦を迫るというガチンコな挑戦表明は、一瞬ものすごくワクワクさせてくれた。

 

そして、スタイルを確立できず悩んだ時期もあったが、クネクネにたどり着いて今現在に至る。

 

ここ数年、インターコンチのベルトを保持し、誰と防衛戦をやるのか?という部分で本当に楽しませてくれた。

1・4ドームも毎年、中邑絡みのカードが一番の注目だった。

桜庭、棚橋、飯伏、AJ・・・毎年1・4は中邑絡みのカードにワクワクした。

 

そしてまた、ビッグマッチの入場シーンも見ものだった。

マイケル・ジャクソン風や忍者風などなど・・・中邑でないと様にならない演出だった。

 

そんなことから私は中邑=グレート・ムタという位置づけで考えていた。

 

ムタはビッグマッチで誰と戦うのか毎回楽しみだった。

ホーガンだったり、人生だったり、猪木だったり、パワーだったり、ライガーだったり・・・バラエティに富んでいた。

そして、入場シーンも楽しみだった。上からワイヤーで降りてきたり、瞬間移動だったり、コスチュームやペイントの色なども楽しみだった。

そして、独特な試合中の動き・・・

 

グレート・ムタが醸し出していたものを、中邑真輔は持っているように思う。

 

となるとだ・・・

 

噂されているWWEの参戦。

 

期待せずにはいられない。

 

アメリカでトップスターになったムタの要素をスッピンの状態で中邑は持っている。

いわゆる「神秘性」というようなものだと思うが、そういう東洋人の神秘的な部分と、エンターテイナーとしての華やかさを持ち合わせていると思う。

だからこそ、WWEから声がかかったのだろうし、日本人として自信を持って送り出せる。

 

今回の退団のニュースで悲しむ日本のファンも大勢いるだろうし、新日本にとっても大きな損失だとは思うが、過去に日本で最大の団体である新日本プロレスの正真正銘のトップレスラーがWWEに入団したことは初めてであって、世界最大の団体に「欲しい!」と言わせたわけだから、これは本当に素晴らしいことだ。

新日本としても世界に誇れる人材を生んだということだから喜ばしいことだと思う。

野球の世界では日本のトップ選手がメジャーに挑戦するのは当たり前。

それと同じことが今回プロレス界で起こったということだ。

 

中邑としては新日本が人気が回復した今だからこそ「もう自分がいなくても大丈夫だろう」と思っての決断だっただろう。

今回、AJもいなくなってしまったし、オカダ、棚橋を含めたトップ4のうち2人を失うわけだから損失としては大きいとは思うが、それでも今の新日本なら大丈夫!と思わせるだけの人材は豊富だし、底上げするにも良い機会かもしれない。

 

果たして、中邑はNXTからなのか1軍からなのかは分からないが、私の個人的な予想では、いわゆるキャラクターを別のものに切り替えることなく、そのままの「中邑真輔」でWWEは迎え入れるような気がしている。

アメリカでの人気も凄いらしいし、大歓迎で迎えられる絵が頭に浮かぶから、楽しみで仕方ない。

またWWEネットワークでいつでも日本で試合を観れる環境があるのも有難い。

 

ライオンマークを背負って世界で活躍する中邑選手を、これからも応援しよう!

 

あと2試合、新日本を堪能して、世界に羽ばたいていってほしい!!

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アリーナが波打っていた

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メインのIWGPヘビー級選手権

王者:オカダ・カズチカVS挑戦者:棚橋弘至

何度も見ているのに、何度も面白い、超名勝負数え唄。
もう、どうしてここまでのクオリティが出せるのか・・・と考え込んでしまうほどの内容だった。


1月4日、毎年恒例の新日本プロレス 東京ドーム大会。
毎年毎年ずーっと私は会場で見ている。

90年代のいわゆる黄金期も、00年代のいわゆる暗黒期も、そして10年代のいわゆる新日本プロレスブーム復活の現在も、毎年ドームでその空気を感じてきた。

16時開始のニュージャパンランボーを見るために15時45分の22番ゲート前で待ち合わせしたが、人でごった返していて入場への列が長く、甘い考えだった私はライガーと藤原組長の入場を見逃した。
今の新日本はなめちゃダメだった。

そして、本戦は17時開始なのに、16時の段階でアリーナ、スタンド、しっかり入っていた。
昨年のニュージャパンランボーの好評を受けて、みんな第0からしっかり楽しんでいた。
組長、ヒロさん、越中さん、カブキさんにキング・ハク!オールド世代にもウケるラインナップに、もちろん現在進行形の新日本所属選手も混ざってバトルロイヤル。
楽しいに決まっている。
そこに年末の青木真也戦で顔面を腫らしながら敗戦した桜庭選手が登場するもんだから、なんだかジーンときてしまった。
そして、ジーンとし続けている暇もなく、桜庭VSカブキなんていうTVゲームみたいな顔合わせが実現してしまう面白さ!
また、ROHのチーズバーガーがサプライズで登場したが、正直言ってほとんどが「誰?」だったはず。しかしそのコミカルなキャラクターが一瞬でウケて、翌日の後楽園では人気者になっていたんだから、このチョイスも正解。
そして、ももクロも加わり、もうお腹いっぱいな第0試合。

そこからジュニア4WAY、ブリスコ兄弟の登場、ROHタイトル戦と右肩上がりに盛り上がり、KUSHIDAのIWGPジュニア奪取、真壁&本間のIWGPタッグ奪取でお祭り騒ぎ。
こけし新日本初のベルト奪取は、それはそれはハッピーな空気に包まれた。

そして、内藤VS後藤の抗争にひとまず決着がつき、NEVER無差別級タイトル戦の石井VS柴田のバチバチ、ゴツゴツした男のシバキ合いに超熱くなる。

さらにセミでは正真正銘のシングル初対決の中邑VS AJで、何が飛び出すか分からないプロレスに大熱狂。
メインまでの興行の流れ、持っていき方、お見事なまでの右肩上がり。

そしてメイン。
過去何度もやっている「新鮮味」に関しては少ないオカダVS棚橋。
新鮮味で見せられないとなると、必然的に内容で見せないといけない。
前回より上、前回より上を繰り返さないといけないしんどさが確実にあるのに、何度もこのカードをもってくるという、このカードへの信頼感。
何をもって上なのか下なのかジャッジするのかもよくわからないが、見た者は毎回「前回より上」と感じる。
これぞ超名勝負数え唄。

私はメインの最中、アリーナの客席に注目していた。
90年代の新日本のドームの映像を観ると、ゴングが鳴った瞬間に選手への大コールが起こり、2.99でカウントを返した瞬間にアリーナ席が波打って、試合の決着がついた瞬間にアリーナがお祭り騒ぎになるシーンがよくある。
まさに大熱狂のシーン。

あの頃のシーンが今年のメインでは完璧に再現されていた。

昨年なども盛り上がってはいたが、私の記憶ではここまでの爆発は90年代以降見たことはないように思う。
もう、観客は思う存分に感情移入して、心の底から年に一度の新日本プロレスのお祭りを楽しんでいるといった様子だった。

観客動員的には曜日のこともあって、昨年より減ったようだが、来場した観客の熱量は確実に年々倍増している。
それは新日本の求心力とともに、ドーム大会の全体の構成がお見事だからこその熱だろう。

今現在のドーム大会はいわゆるサプライズゲスト的な出場者は皆無。
一年の流れに沿った「線」のカードしか組まない。
一部でカードのマンネリ化を指摘する声もあったりしたが、今回のドーム大会を目の当たりにするとこれが正解としか言えない。

私は様々な団体を見に行くし、ビッグマッチを成功させている勢いある団体も観戦して「お!すごいな!」と思う瞬間はたくさんあるが、今回のドームを見て、ちょっと新日本はズバ抜けてると確信した。

業界の盟主として新日本がガッツリ君臨して、そこに刺激されて他団体が更なる飛躍を目指していくと、業界全体がもっともっと面白くなっていくはず。

今年44周年の新日本プロレス。
6年後の50周年という大きな節目に向けて、もっともっと世間を巻き込んでデカくなっていってほしい!

そろそろ思い切って地上波ゴールデンでやってみるとかね!!




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天龍源一郎引退興行はプロレスの良さを存分に味わえた。
そんな大会だった。

そんな中、唯一完全に観客から拒否されたレスラーがいた。

そう、藤田和之である。

正直言う。
私はこの試合を楽しみに会場に行った。

長く紙面を通じたり、会場に来場しあったりしながら抗争の種を撒いていった藤田と諏訪魔。

二人が向かい合える舞台がないまま時は過ぎていったが、突如天龍さんの引退興行でタッグでの初遭遇が発表された。

これもまた天龍さんらしいというか、戦う場所を与えたその器の大きさが素晴らしい。

そして、他の試合とは一味違うヒリヒリ感を味わえる。
そういう楽しみが私にはあった。

だからこそ、期待されてるからこそ、セミという位置づけだったに違いない。

しかし、観客の大部分はこの試合に冷めていた。

その前の長州の盛り上がりから一転して、どうもシラケている。

ゴングが鳴り、睨み合って動かない藤田と諏訪魔を見てだんだんと怒号が飛ぶ。

普通はこういう睨み合いの緊張感には歓声が沸く。
でも、もう観客は「そういうのいいいんだよ!」と完全に拒否した。
そして組み合ったらもみくちゃになる両者。

おそらく完全に観客がスイッチ入ったのは関本、岡林が両者を止めに入ったあたりだと思う。

年間通してとんでもない試合数をこなして死に物狂いでプロレス界を盛り上げている関本、岡林が、年間数試合しかしない藤田和之の引き立て役になることが、もう許せなかったんだと思う。

別に藤田と諏訪魔の抗争をもってくるのはいい。
だったら、身体と身体をぶつけ合うバチバチしたヤバイ試合をしなければならなかった。

しかし、藤田は諏訪魔相手に上っ面だけの戦いをしてしまった。
だから完全にアウトになってしまった。

試合後も「帰れコール」を逆に煽ってみたり、とにかく全部が裏目に出た。

観客を良い意味で怒らせるのでなく、ただ怒らせた。

正直、気の毒といえば気の毒なのかもしれない。
IGFという独特なリングでのみ試合をしてきた藤田。
IGFはアントニオ猪木の世界観をやっているわけで来場している観客も猪木の弟子の藤田を贔屓目に見ているのは当たり前だ。
ただ、その閉鎖的なリングにいることにより、今現在のファンが求めるプロレスを知ることが出来ない。

今回のブーイングを見て、私は思った。
アントニオ猪木的なプロレスはもう求められていないと。
いや、中には好きな人もいると思う。
ただ、大部分はスキャンダラスな猪木的プロレスは求めなくなった。
いや、スキャンダラスでもいいんだが、とにかく熱くて激しいプロレスを見せることが大前提となった。

それなのに藤田は乱闘というスキャンダラスな絵を作ることに集中してしまった。
だからこそ、第一線で真っ向勝負する関本と岡林に対して「大日本コール」が起こったのだ。

もう、あんたのやってることウケないよ!

藤田はみんなにそう思われてしまったのだ。

私は藤田という選手は一時代を築いたからこそ頑張ってほしいと思っている。
身体もまだ厚みがありしっかりしているし、なんといってもプロレスからPRIDEに行って成功したという実績がある。
その過去の実績は素晴らしいものだからこそ、もっともっと熱い試合をするプロレスラーとしてどんどんリングに上がってほしかった。

小川直也を「しょっぱい!」と一喝できるレスラーであってほしかった。

しかし、なんだか自分がヒールになってしまい、「しょっぱい!」と言われる立場になってしまった。
残念だ。

しかし、プロレス界はどうにでも逆転することは出来る。

何かのキッカケに藤田和之の復活を見せてくれたらいい。
それが出来る素質はあるはずだから。


とにかく、年間通してリングに上がり続ける選手が最高なんだ!!

なぜなら、瞬間瞬間の空気が読めるからだ!!
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「昭和のプロレス」

これは、なんとも強烈なものだ。

昨今、昭和と平成のプロレスを比較してあーだこーだ言う風潮があるし、やはり「昭和のプロレスはよかった!」
という昭和のレスラーやオールドファンの強烈な気持ちに、どこか平成のプロレスは打ち勝てない部分があったりする。

そんな中、昭和を代表するレスラー、天龍源一郎は11月15日に引退した。

相手は平成を代表するレスラー、オカダ・カズチカ。

超満員に膨れ上がった両国国技館。

私はだいぶ早い時間から国技館前にいたのだが、やはりファンの年齢層は高い。

久々に会場に来た、そんなファンが多くいるような雰囲気だった。

そして、15時に試合が始まると、各試合、やはり「往年のレスラー」に大声援が飛ぶ。

小鹿、カブキ、越中、組長、そして長州への大声援は凄かった。

さらにライガー、鈴木、高山、カシン、小川、北原にも声援が飛ぶ。

昭和から90年代に活躍した選手たちへの思いが強い観客が大部分を占めていたように思う。

セミファイナルの藤田と諏訪魔の初遭遇の観客の拒否反応も「現在進行形」のものへの拒否というか、「今日はそういう大会じゃないから!」という怒りを観客に生んでしまった形だろう。
だからこそ、昔ながらの身体と身体のぶつかり合いをやってのけた関本、岡林を称賛する「大日本コール」が発生したのだと思う。

ただ、裏を返してみれば藤田への大ブーイングという異様な光景は、これもまた昭和の雰囲気を思い起こさせた。

そんな異様な空気のセミが終わった後のメイン。


オカダ・カズチカが入場してきたときに私は

「うわ~、キラキラしてるな~」

と瞬間的に思った。

コスチュームだけじゃなく、放たれるオーラがキラキラしている。

往年のレスラーから放たれるオーラは微塵もなく、とにかくキラキラしている。

だからこそ、一気に空気が変わったといえる。


そして、天龍源一郎最後の入場。

ガウンを身にまとい登場した天龍選手。
こちらはキラキラではない、ギラギラしている。

濁点があるかないかの大きな違い。

この時点ではまだ観客は完全に天龍選手の味方であり、オカダを痛い目に遭わせてやれ!という意識だっただろう。

煽りVTRでプロレス大賞MVPの過去の受賞者を侮辱したオカダを成敗するというコメントを天龍選手がした際に会場からは大きな拍手が起こった。

やはり「この生意気な平成プロレスの兄ちゃんを痛い目に遭わせてくれー!」
観客はそんな思いだったと思う。

そして、試合のゴング。

内容は細かく述べないが、とにかく天龍選手の今現在できる全てのことをやり尽くし、更にオカダも一つも手を抜かずに全力で叩き潰す。そんな内容だった。

天龍選手はコーナーを背にしながらパワーボムを必死で繰り出し、それが思わぬ高角度になった。
体勢は低いが延髄も出した、WARスペシャルも出した。
そして、オカダの顔に靴の跡をつけた。
全部、やってくれた。

しかし、現役王者オカダの攻撃はやっぱり凄まじかった。

トップロープからのエルボーは、跳躍力と破壊力ともに観客を唖然とさせた。

そして、最後のドロップキック連発からのレインメーカー。

オカダも全てをやり尽くして天龍源一郎を介錯した。

試合後にセコンドを蹴散らし、深々と頭を下げて、すぐにリングを降りたオカダは昭和プロレスファンから万雷の拍手を浴びた。


私は思う。

天龍選手はオカダ・カズチカに象徴される今現在の平成プロレスを昭和プロレスファンに向けて

「ね?今でも良い選手いるでしょ?これからもプロレス見てやってよ!」

そう伝えたかったのではないだろうか?

MVPの発言を巡ってカチンときた昭和プロレスファンも今回の試合で全てを許し、オカダというレスラーの凄さを目の当たりにし、興味を持ったに違いない。

天龍選手は昭和と平成の橋渡し役を果たしてリングを降りたのだろう。

往年のレスラー達の登場でお祭り騒ぎだった場内。

藤田へのブーイングで異常なムードだった場内。

それを全部背負って、引退試合の相手を全うし、拍手喝采を受けたオカダ・カズチカは更にとんでもないレスラーへと成長した。

昭和から平成へ、美しいバトンタッチだった。




天龍源一郎選手。

本当にありがとうございました。

やはり最後まで天龍選手は天龍選手でした。

昭和と平成の橋渡し役を果たした「男気」。
かっこよかったです。

そして、レインメーカーポーズを作り会場を沸かせたあの「センス」
素晴らしかったです。

最後まで「男気」と「センス」で溢れていました。

本当にお疲れ様でした!!!

ありがとう!!天龍源一郎!!
「男気」と「センス」が溢れる天龍選手がついにリングを去る。

プロレスラーのかっこよさが誰よりも詰まっている天龍選手。


「いいんだよ!俺もいつまで現役を続けられるか分からないからファンサービスするんだよ!」

2011年2月4日の安田忠夫引退興行に出場した天龍選手を出待ちのファンが囲んだ際、付き人の方が「すみません、時間がありませんので」と止めたら天龍選手はこう言った。

私の目の前で放ったシーンが、今でも忘れられない。

天龍源一郎という人を表すようなシーンだった。

もう、その場に居合わせたファン全員が、その「男気」に惚れた。

私はサインをもらったりで様々なトップレスラーに会っているが、こんなことを言う人は天龍選手しかいない。
こういうとこが、かっこいいんだ。
天龍選手は以前、試合が終わって居酒屋に飲みに行き、その場にファンが居合わせたら、一緒に飲んで試合の「ダメ出し」をもらったりしていたという。
普通はトップレスラーならば、多少のファン対応はして、あとは個室に籠って飲みたいものだろう。
そこを一緒に飲んで試合の感想を聞く。
それだけ見ている人の気持ちにアンテナを張り続けたことが、天龍選手の「センス」の良さに繋がっていったのだろう。

天龍選手のプロレス頭はおそらく日本のレスラーで一番のセンスだと思う。

まず、全日本のアメリカンプロレス的な試合を、バチバチやりあう激しい試合にチェンジさせたセンスから始まり、今思えばSWSという、企業がバックアップする団体の顔になったのもセンスが良かった。

また試合の振り幅の広さもセンスが良いから出来たこと。

猪木、馬場からフォール勝ちしたのは有名な話だが、鶴田とも藤波とも長州とも試合をし、四天王も三銃士も馳も健介とも戦っている。ムタともやっている。
更にその下の世代である新日本の第三世代、棚橋、中邑、柴田のいわゆる新・闘魂三銃士とも戦っているし、全日本の若手、ノアの若手とも数々絡んでいる。

これだけの戦績でも凄いのに、更には猪木に勝利した4ヶ月後には大仁田厚と電流爆破で対戦。
日本プロレス界の顔である猪木に勝利した後に、邪道大仁田厚と絡むセンス。

また高田延彦とは2度のシングル。Uの高田を相手にベストバウトを受賞。

更に神取忍との試合では女子レスラー相手に顔面をボコボコに。

ハヤブサのマスクを被った大ハヤブサ、ハッスルではハードゲイの衣装に身を包み、西口プロレスでは小猪木さんの前歯が折れるほどの強烈な顔面蹴り。

外人レスラーもハンセン、ブロディ、ファンクス、ロードウォリアーズ、フレアー、ホーガンなど名だたる選手と試合をし、なんといっても「日米レスリングサミット」でのランディ・サベージ戦は、アメリカンプロレスのサベージと無骨な天龍選手が超スイングした名勝負に。

これだけ書いてみて、やはり戦いの振り幅がとてつもない。

また全日本時代に猪木の技を使ってみたり、武藤相手に雪崩式フランケンシュタイナーをやってみたり、ファンが興奮する技の仕掛けのセンスも抜群。

もうセンスの塊なのだ。




そして、引退試合である。

これがキャリア最大級にセンスの良い引退試合となった。

現IWGP王者、一度も肌を合わせていない、本当の意味で時代、世代が違うオカダ・カズチカが相手なんて、なんというセンスだ。
さらにシングルというのも素晴らしい。

ハッキリ言って、どんな試合になるか分からない。
オカダの技を受けれる身体であるのか?
パワーボムをオカダに決めてるコンディションなのか?
心配しても申し訳ないのだが、コンディションを考えたら6人タッグとかでもよかったはず。

しかし!天龍源一郎はそうじゃない。

どんな試合になるか想像もつかない引退試合を我々に投げてきた。

最後まで本当に楽しませてくれる。

引退試合をただの記念試合にせず、現在進行形のものにする。
このセンスの良さには脱帽だ。

さぁ、24時間を切った今、国技館のメインを想像してみる。
両者が大声援で入場するところまでは想像がつく。
しかし、ゴングが鳴ってからが想像できない。
どっちがどういう風に勝つか、試合後のリング上の光景も想像がつかない。
試合が短時間か長時間かも想像つかない。

ただ、一個だけ想像がつくのは、確実に観客は涙を流すだろう。

どういう展開になろうが、二人が向かい合うだけで涙腺が崩壊するのは間違いない。

あ~、こんなワクワクしながらその日を待ったことはあっただろうか。



さぁ、天龍源一郎の最後の姿を目に焼き付けよう!!

天龍源一郎の「男気」と「センス」が詰まった両国国技館大会!!

ついにその時を迎える!!





1976年6月26日。

 

「世紀の凡戦」、そして「伝説の異種格闘技戦」と呼ばれた試合があった。

 

上記の2つの表現は真逆そのものであり、ここまで当時と現在で言ってることが違う試合はほかにはない。

 

そう、アントニオ猪木VSモハメッド・アリである。

 

この「言ってることが違う」ということさえも、実はリアルタイムで見ていない私の世代にとっては「?」なわけで、今現在はかなり評価をされ美化された猪木VSアリというものをノーカットで見る機会は今までなかった。

 

昔、水道橋の路上でいわゆるプロレス裏ビデオを販売している人がいて、TV局からどう入手したのか分からない試合のビデオを販売していた。その中に猪木VSアリしかり90年ドームの新日本VS全日本しかり、夢のオールスター戦、北尾の八百長野郎発言、鈴木みのるVSアポロ菅原・・・様々なラインナップがあったような記憶はあるが、それも私が小さな頃なのでそれを購入することもなかった。

 

月日は流れ、猪木引退試合の特番がゴールデンで放送された際にこの猪木VSアリを「割と長めのダイジェスト」で流したことはあった。

 

そもそもなぜ38年間、この猪木VSアリの映像がビデオやDVD化されなかったか。それは周知の通り全ての映像の権利をアリ側が持っていたからである。

 

猪木引退特番で「割と長めのダイジェスト」を流せたのは、おそらくアリ本人もその引退セレモニーに参加していたこともあって多少融通が効いたのかもしれない。

 

 

 

しかし、今回「燃えろ!新日本プロレス」の番外編としてノーカット版が史上初めて発売された。50巻で終了予定だったが、好評につき67巻まで伸びた「燃えろ!新日本プロレス」シリーズ。好評だったこのシリーズだったからこそ、アリ側に映像使用料を支払える金額を用意し、日本プロレスファンの夢であった猪木VSアリのノーカット版の販売まで漕ぎ着けることができたのであろう。

 

本来は67巻の最終刊でこの試合を入れたかったようだがなかなか交渉がまとまらなかったという。しかし、なんとも運命的というか、6月26日という38年前と同じ日付の発売日となり、結果的に最高のタイミングになった。

 

 

 

2枚組のDVD







 

 

 

1枚目はまずニューヨークで行われた契約調印式の映像から始まる。

 

この調印式の映像も一部は見たことあるが、ここまで長々とは見たことなかった。

 

とにかくアリの挑発が素晴らしく、終始マスコミを笑わせる。

 

一方の猪木は言われるがままの状態でニコニコしている。

 

これを見るとアリという人物が実にエンターテイナーであることがわかる。

 

猪木を挑発し鼓舞させようと一生懸命なアリの様子が伺える。

 

しかし、ケン田島氏が通訳で2人の間に入るもどうも猪木とアリのやりあいが噛み合わずアリだけが盛り上がっているような雰囲気だった。

 

そして、6月16日の羽田空港の来日シーン。

 

フレッド・ブラッシーを伴って来日したアリ。とにかくここでブラッシーを連れてくるセンスというのが素晴らしいし、ここもアリのエンターテイナー性がみえる。

 

そして、マスコミでパニック状態の空港でブラッシーと共にマスコミにアピールしながら歩を進めるアリ。試合の煽りの最高レベルのパフォーマンスをみせている。

 

そして、来日当日の京王プラザでの記者会見。ここもブラッシーと共に参加しているが、長旅の疲れも見せず、マスコミに向けての猪木挑発コメントの数々。無口だったり口下手だったりでマスコミ泣かせな選手もいるかもしれないが、マスコミがどのコメントを見出しにしようか迷うほどなリップサービスが次々に飛び出し、これもまた逆の意味でマスコミ泣かせだったかもしれないほど。

 

そして試合3日前の猪木、アリの2人揃っての京王プラザでの調印式ディナーパーティー。この模様は水曜スペシャルでTV中継されたそうで、アリも一段と挑発に気合が入っている。それを止めるブラッシー。アリは静かな猪木に対して自分がこの試合を盛り上げてやろうという思いがあったのだろうか。坂口やライオンマークTシャツのドン荒川、木村健吾あたりにも詰め寄っていくアリ。

 

そんな中で猪木がマイクを持ち、アリ側からの無茶なルール要求についてや、勝った方が興行収益などを総取りしようじゃないか!ということを急に言い出す。アリは演出的な反抗をみせるが、これはおそらく猪木のリアルな仕掛けのようにみえる。今までは無口できていた猪木が一気にしかけた瞬間だ。

 

ここまではアリが何枚も上手だったが、ここで一気に猪木がひっくり返したといってもいい。

 

そして、前日の公開計量シーンでもアリはおどけてみせるが、アリは自分が思っていた「プロレスリング」の試合とは違うことになるかもしれないという恐怖心が芽生えていたのかもしれない。

 

 

 

そしてディスク2は試合がノーカット収録。

 

 

 

武道館に集まった大観衆。

 

世界中でのクローズドサーキット。

 

アメリカへの生中継に合わせてお昼の試合だったようだ。

 

ロイヤルリングサイドは30万円。当時の30万ていったらとんでもない額。

 

しかしそれも仕方はない。アリに支払ったファイトマネーは18億円といわれている!

 

 

 

そして、試合が始まるが、猪木は神妙であり真剣そのもの。

 

アリはまだ試合中も挑発して盛り上げることに終始している。

 

しかし、途中、猪木が足を取りテイクダウンしてエルボーをアリに入れたところでアリの表情が完全に曇る。

 

セコンドも殺気立っているが、それと同時にアリに一気に恐怖感がやってきたように見える。

 

有名な話だがアリ陣営のセコンドはもしものときのために拳銃を持っていたという説がある。おそらく猪木側もその危険を察知していたとは思うがそれでも一発エルボーを入れる猪木はやはりキラーだし、根性がすわっている。

 

今回初めてノーカットで見たがやはり思っていた通りに猪木が寝た状態でキックをいれ続ける試合。しかし、アリはジャブを入れるシーンはあるが基本的にはパンチで攻めようとする姿勢があまりない。

 

アリはこの試合を無難に引き分けで終わらせようという思いがあったか。

 

しかし、猪木は何としてでも勝ちにいっていた。

 

最終的には15Rフルタイムで判定でドローになるが、まぁ普通に判定でいえば猪木勝利だったが、それは仕方のないこと。

 

だからこそ猪木はがんじがらめのルールの中15R以内にアリの足を破壊することだけを考えて闘ったのだろう。

 

しかし、アリは倒れなかった。ふくらはぎが紫色になっても耐えた。それも凄いことだ。

 

 

 

この試合は今見たところで「名勝負」とするのは個人的には首を傾げる。

 

ただ、この猪木VSアリという興行、イベントの奇跡。

 

そして、記者会見からアリのエンターテイナー性により期待感が膨大に膨らむ。

 

そして、黙っていた猪木が得意の「不穏な空気」を出し始める。

 

アリはそれを察知してルールを縛る。

 

それでも全部飲み込み、そのルール内でやれることをやった猪木。

 

それにより足を壊したアリ。

 

友情が芽生えた2人。

 

アリから猪木に送られた「炎のファイター」という曲(アリボンバイエ)。

 

そして猪木の仕掛けた95年の北朝鮮「平和の祭典」にゲストで参加したアリ。

 

そして、パーキンソン病を患いながら98年4月4日の猪木引退試合に来日し、最後の猪木入場の直前に聖火台に火を灯したアリ。

 

 

 

この全ての歴史をひっくるめてプロレスの歴史史上最高の試合であったことは間違いない。

 

 

 

PRIDEK-1がバブルだった頃でさえマイク・タイソンをリングに上げることは不可能だった。

 

しかし、新日本プロレスは莫大な負債を負ってでもアリをリングに上げた。

 

 

 

それは猪木のロマン、夢を叶えるために一丸となったことで実現に至った。

 

 

 

こんな素敵なことはない。

 

 

 

そういう歴史を持っている新日本プロレス。

 

今の新日本には猪木もいないし、その当時を知る人間もほとんどいない。

 

しかし、今現在の新日本の強さというものも木の幹がとんでもなく太いからこそ強い。

 

 

 

猪木VSアリから、オカダ、棚橋、中邑・・・。

 

 

 

やっぱり新日本の歴史は面白い!!

 

 

 

最後に

 

猪木引退試合を会場で観戦して、インスタントカメラという画質最悪でありアップもきかない状況で私が1枚だけ撮ったモハメッド・アリ氏の聖火台に上る写真。

もっとちゃんと撮っておけばよかったよね・・・。






年末年始写真館

テーマ:


年末年始に撮った写真。


我ながら超豪華だな!


まずは12月28日のSUWA選手プレゼンツのガチトークバトル


ゲストは鈴木みのる選手。

MCはユリオカ超特Qさん。


ライブ後にSUWA選手と




そして、鈴木みのる選手と!!







1月3日 大プロレス祭りにて


棚橋選手にジグザグジギーのDVDを渡せました!





そして奇跡の写真。


スタン・ハンセン氏&ハーリー・レイス氏、そして青春ダーツ田中さん!!





1月9日 プロレス大賞授賞式


ユリオカ超特Qさんにお誘いいただき初めて参加させていただきました!!





MVPのオカダ・カズチカ選手と




ベストバウトの飯伏選手と




最優秀タッグのTMDKと




そして特別功労賞の小橋健太選手と





夢のような年末年始。


今年も追っかけ活動驀進します!

続いて「改善すべき点」。

まず、今回のゲストであったグレート・ムタ。

ムタという存在は入場でお腹いっぱいになれる選手。

演出を凝ることによって、ムタワールドが完成する。

昔はイリュージョンの瞬間移動で出てきたり、ワイヤーで天井から降りてきたり、回転する花火をバックに出てきたり、魅せてくれた。

もちろん今は新日本の選手ではないし、そこにそんなにお金かけないよ、というのは分かる。

しかし、今回は勿体無かった。

まず、矢野と一緒に入場してきたところ。

矢野を一人先に入場させて、最後に一人でムタは入場するべきだった。

また、龍か何かがステージ上を渦巻き、その中からムタが登場したが、暗くて龍なのかなんなのかが分からなかった。照明の問題だが、それも勿体無い。

また、よかれと思っての演出だろうが、生演奏での「MUTA」もイマイチだった。

原曲の「MUTA」が聞きたかった。絶対にその方が盛り上がった。

WWEのレッスルマニアくらいしか試合をしないアンダーテイカーの演出なんて、これでもか!というくらいやる。

ムタはそういう存在。

だって、正直、試合ではそんな動けないもん。実際に最後の毒霧でおいしいところは持っていったが、コンディションは悪そうだった。だからこそ、入場、勿体無い。

あとは、IWGPに挑戦した内藤。

ファン投票でメインになれなかったIWGP戦。

これは内藤が支持を得れなかったというのは事実としてあるだろう。

それをひっくり返すチャンスではあった。

しかし、ひっくり返すまでは至らなかった。

試合時間は約30分。

この30分、とても長く感じた。

30分の試合でも長く感じない試合というのもある。

しかし、長かった。

これは、内藤に間がありすぎる。一発大技をやってから、次の攻撃に移るまでに若干の間があく。

ドームというのは空間が広い分、観客の反応が遅れて返ってくるらしい。

だからこそ、リズムを作るのは難しいようだ。

反応を待ってすぐに攻撃にいっても、それはすぐではないのかもしれない。もう一拍遅いのかもしれない。

そこがテンポを狂わせているかもしれない。

そんなこと関係なく、自分のリズムを作って、ガンガンいっちゃう選手になると一皮むけるかもしれない。

もしかしたら、内藤も柴田のような選手とやるといいのかもしれないね。覚醒できるかも。

最後に「なるほどねと思った点」

それはグレイシー。

まず、入場時にエントランスムービーにヒクソンやホイスの画像が出せれたのはよかった。

ただ、なぜかグレイシートレインをやらないという抜けている部分もあったが、なんだか妙な緊張感も漂っていて、試合前からオールドファン的には面白かった。

なんというか久々に「しょっぱいのやめて~」と祈ってしまった(笑)。

そして、結果的には道着で絞めてグレイシーが反則負けになった。

試合後には「プロレスのルールを把握していなかった」と抗議した。

これ、実にグレイシーっぽいんだよね。ルールで揉めるのがグレイシーのお家芸。

試合後も揉めるのがグレイシー。

また、入場も普通に考えれば盛り上がる永田&桜庭を後の入場にする。

しかし、グレイシーがあとに入場してきた。

そこも何かを感じる・・・というのは考えすぎか?

でも、決着など全てを含めて「なるほど」だった。

でも、決着は不透明だったけど、それまでの攻防は意外と面白かった。

グレイシーがプロレスに寄った試合をせずに、あくまで柔術の動きに終始していたのが妙な緊張感があってよかった。

ホーレスがでかくて、プロレスのリングに向いているとも感じた。

継続参戦が決まったが、悪くはないと思う。

これからに期待だ。

長々と書いてきたが、裏を読むようなプロレ特有の部分は今の新日本には少なく、とにかくリング上の熱い試合を見てもらうという、純粋なものを楽しむものになってきた。

だからこそ、子供のファンもものすごく多いし、若い女性もものすごく多いし、良い空間が出来上がっている。

ファンは完全に入れ替わったと言われているが、どうだろう。

中には古いファンもたくさんいる。

私の父親は力道山から始まり、猪木信者だが、今の新日本は面白いらしい。

35000人という数をもっともっと増やすには、更なる新規開拓と共にプロレスから遠ざかったファンをもっともっと取り戻す。

そうすると久々にドームにウェーブが生まれるかもしれない。

期待しよう!

1月4日。

水道橋駅周辺は明らかにプロレスの匂いがしていた。

普段の野球の匂いでもなく、大物ミュージシャン信者の匂いでもなく、はたまた競馬に人生を捧げた者たちの匂いでもなく、遊園地で僕と握手!という匂いでもない。

毎年恒例の1・4東京ドーム。

プロレス初詣。

35000人の東京ドーム参拝。

90年代のプロレス界バブルは弾け、不景気が訪れた2000年代。

2010年代に入り徐々に景気が上向いた新しい日本は、2014年に安定期に入ったことを予感させた。

私は試合開始の2時間ほど前に所用があり水道橋に到着した。

駅前でその匂いを感じたわけだが、さらに雑居ビルの中でも感じることになる。

パソコンの作業を必要としていた私はネットカフェに入店した。

すると「満室です。申し訳ありません。」

何度も水道橋のネットカフェに来たことあるがこんなこと初めて。

これが何を意味しているか。

それは当日券を求めて午前中にドームに来た人たちが試合開始までの時間つぶしにネットカフェになだれ込んだと予想できる。

あくまで聞いたわけでもないし、ただの自分の憶測だがおそらくそうだろう。

実際に朝早くから当日券を求める列が出来ていたという。

当日券を求める人には前売りを買わなかった様々な理由があるだろうが、ギリギリになってやっぱり行く!という気持ちにさせるというのは大切なことであり、今の新日本はその気にさせるのだろう。

もちろん前売りで完売というのが理想だが、それは今のプロレス界ではよっぽどのこと。

小橋引退試合くらいのレベルで初めてそうなるくらいだ。

このギリギリになってやっぱり行こう!というのは大事。

単純な話だが、ギリギリに心を動かすのは確実な魅力をその大会に詰めておかないと起こらない現象。

おそらく00年代はギリギリで行くのやめた・・・という数が多かったのではないか。

財布の固い紐を解き、お正月の予定をやっぱりプロレスに捧げよう。

そういう気持ちにさせるものが今の新日本には戻ってきたのだろう。

今回のドームのカードは昔のような「ドームならでは」をほとんど入れずにマッチメイクされた。

ならではは、ムタとグレイシーくらい。

他はあくまでも1年間の新日本の流れを汲んだ集大成的なカードが並んだ。

いや、ムタの参戦もあくまで矢野と鈴木みのるの抗争に添えたものだし、グレイシーも永田と桜庭の抗争の新展開(タッグ結成)の流れを汲んだもの。

全て、飛び道具的なカードは組まれなかった。

それで35000人も動員したのだから、凄い。

いや、それが当たり前の時代なのかもしれない。今現在のファンはさほどサプライズを求めてはいないのかもしれないね。古臭い頭で考えると刺激が少なくもじるが、それが今の時代に合っているならばそれが大正解で間違いない。

試合を一個一個レポートしても、もう遅いし、それはプロのライターさんによるレポートで追ってもらったほうが間違いないから、個人的に今回の大会を見て、「よかった点」と「改善してほしい点」と「なるほどねと思った点」を挙げていきます。

まず「よかった点」。

それはまず、オープニングムービーのクオリティの高さだ。

WWE的な雰囲気で、明らかにテンションが上がるものだった。

おそらくだいぶWWEに影響された演出をしているだろうが、かっこいいものはかっこいいわけで、真似したっていい。それで観客のテンションが上がるのだから正解。

どんなイベントもオープニングというのが大事。そこでガッと掴む。これが大事だ。

煽りVTRもここ最近の新日本は実に良い。

煽りVTRというとPRIDEの佐藤大輔氏がもはや天才的なものがあり、PRIDE全盛期の会場で煽りVを見たあとに、新日本の煽りVを見ると実に地味だなぁと思った時代があった。なんというか、ただの説明のVTRみたいな。

でも、今の新日本のVTRはしっかり煽ってる。気持ちを煽ってる。

それがよかった。

続いて、3試合目のNWA選手権。

立会人にハーリー・レイス氏にご登場いただいたのはよかった。

NWAの社長への試合前のグーパンチは絶対に必要な要素。

そもそもNWAというブランドは昔とは遥かに違う。

ハッキリ言って、ロブ・コンウェイがいかがなものか?もよく分からない。

ハッキリ言ってNWAという名前とはかけ離れた価値である。

そのベルトを小島という太陽のような人気選手が奪取した。

そして社長の悔しがり方も含めて、意外と前半戦のハイライト的な試合になった。

これからの小島の防衛ロードに期待したい。

真壁もよかった。

真壁のようなある意味、純明快なファイトスタイルはドームに向いている。

また花道を裸にチェーンといういつも通りのスタイルで入場するのもいい。

昔の新日本では華やかな武藤などがドームの花道が似合うとされていたが、角度を変えると長州のドームでの入場シーンがとてつもなくかっこよかった。

真壁にはその雰囲気を感じる。

試合内容もファレを相手に、かなり良い試合をみせて湧いた。

素晴らしかったね。

今大会のウトは後藤VS柴田だ

柴田という男がとにかく素晴らしい。

痛みの伝わるプロレスができる選手だし、「ストロングスタイル」という一番難解なものを背負ってやっているのは、柴田だ。こういう人材が新日本に参戦しているって凄く大事だ。

後藤という選手はずっとくすぶっていた。

その後藤を柴田という同級生が覚醒させた。

そしてドームで名勝負を繰り広げた。

試合後に肩を組んで帰る2人。

なんだかベタではあるが「友情」「絆」を感じ、感動した。

いいもん見た感、凄かった。

メインのIWGPインターコンチネンタル選手権。

中邑が価値を高めたベルトが棚橋選手に渡った。

入場シーンのマーティー・フリードマンの演奏とポールダンス。

こってりな演出も面白かったが、それを凌駕する2人の存在感。

そして、安定感のある試合運び。

オカダVS棚橋という黄金カードは技の応酬、技のりかわし合戦のが絶妙に噛み合う内容になるが、中邑VS棚橋というカードはそれとはまた少し違う。ヒリヒリしたものが存在する。

こういう言い方はどうかと思うが、もしかしたらドーム向きな試合はオカダVS棚橋のような試合なのかもしれない。ダイナミックだから。

でも、この中邑VS棚橋という2人の熟練された技術のぶつけ合いこそがプロレスの面白さだ。


つづく・・・

イッテンヨンを直前に控え、毎年この日というのは特別な日であり、正月三が日はこの日への助走。

私が初めてイッテンヨンに足を運んだのは92年。藤波VS長州、猪木VS馳、ムタ&スティングVSスタイナーズが行われていた。ずいぶん昔だ。



それから96年から、高田のIWGP奪取、長州引退、小川の暴走、アルティメットロワイヤルの悪夢、棚橋選手IWGP防衛新記録達成・・・ずーっとイッテンヨンは皆勤賞。

ドームプロレスの匂いが大好きだから。

さて、今年のイッテンヨン。

正直、昔のようなドームならではの点のお祭り的なカードらしきものはグレイシーとムタくらいしか見当たらず、他はあくまでも今現在の新日本の流れを汲んだもので、このラインナップは今現在の新日本の強さを感じる。

しかし、このグレイシーとムタを投入するあたりがオールドファンもくすぐる良いスパイスになっているしマッチメイクが上手だとも思う。

永田&桜庭VSグレイシー。

あの時代のPRIDEを知っている世代からすれば、グレイシー一族のテーマ「ラスト・オブ・モヒカン」のテーマの後に桜庭の「SPEED TK Remix」が流れるだけで興奮する。

ただ、この試合ほど予測不能の試合もない。ここ最近、こういう類の試合を過去やってきて大成功した試合はなかなかない。ここは永田さんの手腕にかかっている。グレイシーをしっかりプロレスの世界に引き込めるか。

アントニオ猪木はルスカもモンスターマンもチョチョシビリも引き込んだ。永田さんなら出来る気がするから楽しみだ。

グレート・ムタの登場。

ドームが一番似合うのはムタなのかもしれない。

矢野のパートナーとしてムタが仕事を全うするかは分からない。

そこが楽しみだったりする。

鈴木みのるとムタという組み合わせもゾクゾクするし、ベンジャミンというアメリカンとこそムタのスタイルは本領発揮。

とにかく入場シーンだけでも見る価値あり。

久しぶりに回転する花火をバックに入場するか!

真壁VSバッドラック・ファレ。

カード的にはビッグではないが、前夜祭の大プロレス祭りでの真壁の「5分以内の決着」宣言で注目度は上がった。

こういう一個テーマを設けるあたりが真壁の面白さだし、ノックアウトかギブアップのみのルールもどのように作用するか注目。

後藤復帰戦。

相手はやはり柴田しかいない。

この2人のライバル闘争。

毎回激しい内容になり、魂のぶつかり合いになる。

以前から後藤はドームでは苦戦することが多い印象がある。

だからこそ、柴田を相手にドームを揺るがす名勝負を期待したい。

今回はタイトルマッチが6個。

オープニングマッチのIWGPジュニアタッグは、4WAYという目が回る試合になるだろうが、とにかくドームという巨大空間に相応しい空中戦を期待しつつ、TAKA&タイチのクセのある戦い方にも期待。

IWGPタッグのデイビーボーイ・スミスJr.&ランス・アーチャーVSアンダーソン&ギャローズは今の新日本を彩るヘビー級外国人のド迫力ファイトを見せてくれるだろう。

個人的にはギャローズが初見なのでどんな選手か楽しみ。

NWA選手権のコンウェイVS小島。

立会人で来場するハーリー・レイス氏がこの試合の価値をグッと上げている。

昔の世界最高峰のNWAとは違ったものだけども、小島が獲ることを願うばかり。

コンウェイへのブーイングがドームに包まれると実に良い雰囲気になるね。

あと、「ギャラクシーエキスプレス」は個人的に大好きな曲なのでそれも耳で楽しもうと思う。

IWGPのジュニアヘビーのデヴィットVS飯伏は内容保証付きだけど、バレットクラブの介入が気になるところ。

試合が壊れてしまうのか、全員まとめて飯伏が制裁するか。

飯伏の頑張りに期待!!

ダブルメイン。

ファン投票でセミになってしまったIWGPヘビー級選手権。

これはインターコンチが極上のカードになったこともあるが、内藤への厳しいジャッジでもある。だからこそ、この悔しさを内藤には思いっきりひっくり返すような試合をしてほしい。

「やっぱりセミで正解」と思われたら厳しい。

内容でメインを食う試合をしてほしい!

そしてメインのIWGPインターコンチネンタル。

中邑VS棚橋。

このベルトの価値を高めてきた中邑にとって一つのゴールのような試合。

棚橋選手という最高の相手を迎え、このベルトの沸点のような試合だ。

以前は何度も見たカードだが、なぜか凄く新鮮に感じる。

なんというか以前のノアで行われた三沢VS小橋のような感じというか・・・。

勝負論がかなり存在するからまた面白い。

ここまで価値を上げて簡単にベルトを渡すわけにもいかない中邑。

IWGPヘビーから撤退宣言をし、インターコンチも逃したら今後のテーマがどうなるのか?という棚橋選手。

これはなかなか予想が出来ないカードだ。

さぁ、決戦はもうすぐ!

う~ん、やっぱりイッテンヨンっていいなぁ。