公認会計士藤本健二のケンブロ―IFRS、税金、財務のノウハウ―

中小企業の経営、ビジネスに鋭角に切り込む会計士が、経営、ビジネスに役立つ情報を日々エッジが効いた情報を発信する。


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資産除去債務。今年の四月から強制適用である。
今問題になっているだろうと思う。
三月決算会社では、もうすぐ、第一四半期だ。

資産除去債務とは、固定資産の撤去時や、賃貸不動産の解約時に発生する、法律的に発生する義務として

将来発生する費用を見積もって債務計上するものである。


つまり、将来発生する除去費用を見積もり、現在価値に割り引いて計上する。


この将来発生する費用とは例えばこんなものだ。

・賃借している土地の上に工場がある場合は、土地の返還時に更地にして返さなければいけないことがある。

その時に更地にしなければいけない費用、有害物質の浄化費用など。

・本社ビルを賃貸していて、賃貸解約時に発生する原状回復義務。


この除去費用の見積もりの際の1番の論点は、そもそも見積もれんの?
って話しだ。

費用の見積もりの際は、「時期(いつ解約?)」と「金額(いくら原状回復費用かかる?)」である。

「金額」は、過去の同様の事例の実績、業者への見積もり依頼でなんとかなる。

でも「時期」が難しい。
撤退時期は、3年後かもしれないし、20年後かもしれないし、50年後かもしれない、もしくは会社がなくなった時
とかかもしれない。


本社ビルの賃貸解約時なんて、考えてもいないし、時期なんてわからないというのが現状だろう。


「時期」は見積もりをする際のポイントでもある。

3年後に発生する費用を現在価値に直すのと、10年後に発生する費用を現在価値に直すのでは金額が全然異なるからだ。


発生予定原状回復費用 10,000円

割引率  5%


3年後の発生が予定されている場合の計上額


10,000円÷【(1.05)の3乗】=9,070円


10年後の発生が予定されている場合の計上額


10,000円÷【(1.05)の10乗】=6,139円


と、時期が違うだけでこれだけ金額が違ってくる。

この金額が巨額になれば、金額もそれだけ大きく動く。

時期の見積もり次第で、除去債務計上費用も大きく動いてしまうのだ。


大体、いつ撤退するか、いつ退去するかとかなんて全く予定すらないのだから、見積もれるわけないじゃんという話しになる。

こんなに金額が時期によってぶれるから。
このような実務上の問題に対応するために、除去費用発生時期がわからないことによる

除去費用を計上せず、注記でアナウンスするという「設例 8」があったのだ。


そもそも、見積った金額になんの意味があんの?かえって、投資家をミ スリードするんじゃないの?そもそも、仮定の上に仮定をのせて、さらに仮定をのせて、そんなにがんばって意味ないんじゃないの?

って、思っている方も多いのではないでしょうか。

でも、監査法人からは、原則見積もれないことなんてありえないので、な んとか見積ってください。見積もれなくて注記で逃げる設例八も削除されるかもです。だから、なん とか見積ってください。と言われることもあるかもしれない。

しかし、これは時代の流れ何だと思う。
背景には、国際会計基準の根本的考え方が影響しているように思う。

それは、「将来起こり得る事象を見積もれないことはありえない」という ものだ。この考え方があるため、期待値で見積る方法が採用されていると僕は思っ ている。

将来除去費用や、現状回復費用が発生するのは間違いない。だから、費用の発生時期がいつかわからなくても、過去の経緯や、今後の経営方針から時期の期待値くらい取れるでしょ。そんなら、現在で見積もり得る最善の見積りで、除去費用の金額的影響を投資家に開示することが、企業実態の適時開示につながる。
という考え方だ。

もうこれは時代の流れなんだ。
会計は、将来事象を最善な見積りを行い、財務諸表に反映するという考え方。今後も、このような制度はできてくるんじゃないかとおもいます。

最後まで読んで頂きありがとうございました!

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