300字限定ブログ―常識の裏―

中小企業の財務、税務、経営管理を専門とする公認会計士が、300字限定という絶対的な制約を課した上で、時事問題(政治、経済、金融)、中小企業の経営(経営管理、財務、税務、会計)に対して実務と経験に基づく独自の視点で、常識の裏側に存在する物事の本質に迫る。


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法人契約のガン保険といえば全額損金が認められる商品であった。しかしがん保険の改正案により、保険料の前払に相当する部分については、二分の一が資産計上となりそうだ。つまり前払期間に支払われた保険料については半額しか経費にならないことになる。ただし、前払期間経過後は、支払保険料と前払保険料の取崩し額の合計が経費計上額となる。簡単な例。保険料10万円。前払期間は5万円経費。前払期間経過後は、保険料10万円+前払保険料取崩5万円の合計15万円が経費。なお、言うまでもないが、保険は従業員、経営者の生活を守るという目的がまずあって加入するもので、節税目的で入るものではない。税金は判断要素の一つに過ぎない。

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消費税の増税をとりあえずやっておけというのが新聞の論調だが、なぜ、本来セットで実施すべき年一兆円増加すると言われる社会保障費給付の抑制は置き去りにされるのか。それは、社会保険給付抑制は高齢者に負担が集中し、かつ選挙で高齢者が高い投票率を持っているため、実現が困難だからである。しかし、民間で財務を根本的に立て直す際、「不必要」な支出項目徹底的に洗いだし、削減する覚悟が必ずセットで必要だ。金だけとりあえず入れおき、赤字要因の支出改善策はなし、なんて会社の財務が健全化するワケがない。そもそも社会保障支出の予測額が明確にわからないと、いくら消費税増税が必要かも本来わからないはずだ。順番が逆なのである。

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一昔前IPOが流行ったが、今はMBOの流れが生じている。なぜ非上場が有利かを家具メーカーイケアが教えてくれる。「金融市場や株主を気にせず、顧客や商品、サプライチェーン、そして社員に全ての神経を集中できるから」。上場により株式が換金可能資産となり株式所有者は富を得るし連帯保証も外れる。ただ、同時に会社を市場に売り渡すことを意味し、絶えず株式市場を気にしなければならず、長期的視点での経営は難しい。株主は短期的な利益を追求するからだ。短期的視点でビジネスが果たして本当に成功するのだろうか?資金調達は間接金融でも十分に可能である。会社の永続性という観点からすると上場のメリットを個人的に全く感じない。

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大和ハウス工業のオーナーだった石橋氏の持論が「停滞は後退」のようだ。自分だけのモノサシでの現状維持とは「相対的にはマイナスだ」ということなのだろう。なぜなら、自分が止まっていると、現状は維持できているように思えてしまうが、回りがそれ以上頑張っている環境の場合には相対的に自分の立ち位置が不利になっていることを意味するからだと思う。また、この「停滞は後退」と思える厳しい危機意識は、元気な企業の底力の源でもある。環境が人を作り、そして人により企業が造られる。自分の腕しか頼るものがない我々士業も同様で、資格などという「飾り」に頼れる時代は既に終わったのだ。

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グローバル化、世界のフラット化、国境なきビジネス、という言葉が最近踊る。


しかし、パンカジ•ゲマワット氏(ハーバード大元教授)はこう言う。「既存の人間関係や文化が持つ力は技術の進歩を上回る。少なくともあと数十年は、国境が意味をもたなくなるシナリオなど想像すらできない。企業がグローバル化を進める上でこの「セミ•グローバリゼーション」というべき現実を意識しないと失敗する。」


このセミ•グローバリゼーションを全く意識していない会計基準が国際会計基準なのだ。


コーラですら各国地域で味を変えないとうまくいかないのに、なぜ世界で一つの会計基準で全世界無数の企業の実態を反映できるのか。


不思議としか言いようがない。


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