Osamu Hatanaka

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2011年12月22日(木)

不動産を美術品として売る。カテゴリーをずらす。

テーマ:不動産

川井徳子著 東洋経済新報社

『不動産は「物語力」で再生する』




杉並で活動する 『”私”の不動産コンサルタント日記』



もうずっと昔の話ではありますが、大学で建築を


学んでいる頃、一般教養の歴史の先生が、


「君達は建築を勉強しているなら、造園も勉強


しなければならない!そうでないと、日本の建築の


歴史が分からない。」


と熱く語られ、それもその通りだと思い、


その夏、先生が主催する京都の庭園探索ツアーに


参加することにしました。


テューターの先輩に連れられて一緒に見た日本庭園。


どれも良かったのですが、当時の私にドツボでハマった


庭園が一つありました。


それは、蹴上にあった「無鄰菴」という庭でした。


この庭は毎年京都に行く度に見ているほど好きで、


もうかれこれ20年近い付き合いとなります。


この作庭者は7代目小川治兵衛こと植治と言います。








その植治が作庭した庭の一つに、紹介する本の表紙に


なった何有荘があります。


※恥ずかしながらこの本で初めて知りました。


この何有荘はなんと競売にかかっていたとのことでした。


それで、著者の川井さんは競売で落とし、再生を図り、


きちんと、転売に成功した


本屋でふらっと見て、庭の写真が気になってしまったので


すぐ購入して見て読んでみると、著者の川井さんのコンセプト


が大変面白い。






不動産に「物語力」で付加価値をつけ


美術品として世界のマーケットで売る。







何有荘の歴史を踏まえて、何億と庭の再生にお金を


かけ、プロモーションし、そしてあるIT企業の創業者に


売られたのこと。


売れない、売れない、だから価格を下げるというのでは


なく、しっかり出口を見据えて、お金をかけて高く売ろう


また、不動産というカテゴリーではなく、歴史ある美術品


で売ろうという発想。大いに勉強となりました。







ただ、この本、問題があって、編集者が悪いと思うんだが


川井さんの人生論なのか、不動産の再生論なのか、


ターゲットがボやっとして内容の焦点が定まらないこと。


何か読み終わって不完全燃焼を感じてしまうのです。


もっと、何有荘の再生の細かいところまで突っ込んで書き、


他の事例は一切排除。その上で、インタビューを川井さん


の人生論にしぼって構成した方が、不動産に携わる者と


しては読み易かったなと思います。

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