第127話 2017.12.13

 

京都市立堀川高等学校 

 

 かつて徹底した管理教育・スパルタ教育で良好な大学進学実績を挙げていた、いわゆる受験少年院タイプの高校の多くは、現在、凋落、衰退の道を辿っている。

 その代わりに脚光を浴びている進学校の一つに京都の公立高・堀川高校がある。

 

 京都の公立高校の平等化・平準化政策の盲点をついた「探究学科」の設置(府下全域からの生徒募集が可能)により、一躍世の脚光を浴びる存在となった。同科では独自入試を行っているが、その入試問題はすさまじくハイレベルである。公立高校であるため、学習指導要領に定められた中学校の学習内容の範囲内で作られた難問は、正に至高の職人芸と言える。さすがは京都である。

 

  同校公式 HP

 

 2017年の大学入試結果は、卒業生246名で東大14名、京大45名、国公立医学部23名。

 公立高校としては圧倒的な合格実績と言える。

 

 同校が、例年、1学年末に実施している「海外研修」は、正にアクティブラーニング(主体的・対話的で深い学び)のお手本である。

 米国、欧州、豪州、マレーシアの計5コースの中から、生徒が自分で学びたい目的地を選ぶ。学校が用意するのは飛行機のチケットと宿泊場所のみ。研修場所や研修内容は生徒が決め旅行業者との交渉も行う。

 実に素晴らしい教育実践である。

 ほぼ同じことを、2016年度から福井県の高志高校も行っている。実に素晴らしい事である。

 

 ちなみに、大学入試制度改革についての校長先生のコメントは鋭い。

 『名門校とは何か?』おおとしまさ著 朝日新書2015年刊 より

  【引用開始】

「現在、大学入試改革が議論されている。その方向性はまさに堀川の探究科の思想と軌を一にしている。だから堀川はますます大学入試で有利になるという見方もあるが、実は私たちにとってはそれが目下一番の危機感だ」

「あえて大学入試とは関係ない部分で学校を変えたのに、大学入試が同じことを狙ったら、堀川がやってきたことが大学入試のための施策に見えてしまう。それに、日本中すべての学校が同じことをし始めるだろうから、堀川の独自性が独自性でなくなってしまう。だからまたその先を考えなければならない。五割以上の人が良いという事をやってもそんなものはすぐに陳腐化する。二割ぐらいしか賛成してくれなくても本当におもろいことをやった方がいい」

  【引用終了】

 

 同校の元校長が書いた下記の本に探究科の教育内容は詳述されている。

   『奇跡と呼ばれた学校 - 国公立大合格者30倍のひみつ』 

       荒瀬克己著 朝日新書 2007年

 

 

 

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