ダイアの直径と理想的なカラット数 | アンレーおじさんのブログ

ダイアの直径と理想的なカラット数

皆様こんにちは。

もうお盆休みの方も多いのかな。

私は明日からです。

お店をやっているときはほとんど休みが取れなかったので、

いまだに「休んでいいの?」と思ってしまいます。



さて、ダイアの直径から理想的なカラット数は、{(直径)×(直径)×(深さ)×0.0061}

という式で出すことができ、その上下数パーセントの誤差の範囲であれば良いと

言われています。

それでは前回の1.5ctを例に取って計算してみましょう;

TA56


このダイアの直径は、7.29-7.32mm 深さは4.56mm ですから

7.29×7.32×4.56×0.0061=1.484ct が計算上理想的なカラット数となり

実際のカラット数1.50ctとは1%位しか誤差がないのでこのダイアは計算上は理想的な

カラット数となります。

がしかしよくよくこのプロポーションを見てみますと、クラウンの角度36.5°

と高く逆にパビリオンの角度が40.6°と浅いです。

つまりパビリオンの浅さをクラウンを高くすることによって補っています。

では次のダイア;

TA58


これの直径は、7.30ー7.34mm 深さは上のダイアと一緒で 4.56mm ですから

7.30×7.34×4.56×0.0061=1.490ct となりこの実際のカラット数も1.50ct

ですから1%にも満たない誤差でこれも計算上は理想的なカラット数と出てきます。

しかしこのプロポーションを見ると、クラウンの角度が33.5%とちょっと低めで

パビリオンの角度は41.8°と非常に深いです。

これは、上のダイアとは逆に低めのクラウンをパビリオンを深くすることで補い

それも41.8°かなり深くして1.5ctで上げるために重量をかせいでいます。



このように直径に対して理想的なカラット数を持ったダイアだからと言って、

必ずしも美しいわけではありません。

GIAのカットグレードのエクセレントの条件は、クラウンの角度が31.5~36.5°

パビリオンの角度が40.6~41.8°となっており、クラウンの角度が非常に薄い

ダイア例えば31.5°でもパビリオンの角度を41.8°にするとプロポーションとしての

エクセレントの条件に合致し、又パビリオンの角度が浅い40.6°の場合クラウンの

角度を高くすることによってプロポーションとしてのエクセレントの条件になるように

なっています。

このようにGIAの今のカットグレードは、直径から理想的なカラット数に近い

クラウンとパビリオンの組み合わせならエクセレントになるように仕組まれて

いるようです。

しかし実際のダイアの明るさから申しますと、クラウンが33°以下だと致命的に

低いですしパビリオンが40.6°も又致命的に浅く一方を高く或は深くしても

カバーしきれるものではありません。

今日例に取ったダイアで申しますと、後者クラウンが33.5°と若干低めではありますが

パビリオンを41.8°と深く取った方が前者40.6°と浅いパビリオンで36.5°と高い

クラウンのものより全然明るいはずです。


今のGIAのカットグレードでは、プロポーション・エクセレントが

一応理想的なカラット数とはマッチするようになっておりますが、

本当に明るく輝くダイアを意味しているものでは全くありませんので

ご注意を。。


それでは今日はこの辺りで



                          アンレーおじさん