PWG ALLSTAR WEEKEND 12 Night 2

ザック・セイバーJr×ロデリック・ストロング;PWG王座戦


冒頭のレフェリーのアシストから約束された結末に向けて熱量をエモーショナルに放出しながら進むハイクオリティなテクニック合戦、打撃戦、そしてタフネスとプライド。最後の会場の爆発力は2016年のハイライトであろう。☆4.5

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会場の雰囲気からこの試合に注ぎ込まれるであろう熱量に期待感が込められ、ロディの煽りマイクから、レフェリーのノックスがサブレフェリーをスーパーキックで蹴散らしたシーンから一気に爆発的にスーッと試合に入ります。スピード感のあるグラウンドからロディがハードな打撃で華奢な挑戦者を突き放しにかかります。ロディは全盛期の秋山準を彷彿とさせるほどに壁として機能を身にまとい王者としてのプライドと色気をエネルギッシュに見せます。セイバーは常に腕を狙ったその瞬間からのフェイズターンで、そこに腕を含めた部位破壊を進行させます。華奢なヒーローが相手の体を軋ませることに興を存分にエネルギー変換させながら、そこに躍動たるストンプモーションも加えてテンションを上げていきます。中盤以降は疲労感からのタフネスマッチ色が濃くでてしまい鈍重な印象を持ちますが、セイバーがここで猪木×アリ戦で猪木が魅せたアリキックのような脚蹴りで点をなんとか線でつなぐ間合いを演出しようとします。エネルギー供給を止めなかったことは大きく、ロディも膝蹴りを解禁したのちにエンドオブハートエイクなど大技でセイバーを追い詰めます。終始持つ痛みのイメージは、やはりセイバーの華奢なボディで積み上げた功績を含んでいて、それがバックブリーカーで軋む様に対して、ヒール王者であるロディに対しての抗いの追い風がやむことなく、最後のセイバーの執拗なサブミッションでの追い込みに拍車を掛けます。最後の腕を取り脚を取り、あらゆるサブミッションを複合しての決着のシーンは、今までのハッピーエンドを期待しての熱量が解き放たれたような歓喜のシーンでした。テクニカルに詰めた2015年の試合に比べると泥臭さや鈍重さはありますが、感動せずにはいられないエネルギッシュでスポーツティブなラストが待っていたわけですね。素晴らしい試合です。☆4.5

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RPW 6/12/16

カート・アングル×ザック・セイバーJr


夢の対戦というよりもカートが身近なアイドルになったという感覚が近いでしょうか?決して動きが良いわけでなく、相手を選ぶことはありますが、終盤のサブミッションでの切り返し合戦は流石と声が漏れる攻防でした。盛り上がりを楽しむ試合。☆3.25

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かつてROHで小橋建太×サモア・ジョーが行われたことと同様に、メジャー団体の大スターとインディのエースが闘うことに対する激しい歓喜の声を受けて入場する2人を見るだけで嬉しくなれる試合です。ザックに対する期待感とカートに対する“見られる”ことへの大歓声。カートの入場曲は“You Suck”でお馴染みの「MEDAL」なのでテンションが上がらないわけなですね。ただこの試合は、その歓声飛び交う空間に身を委ねる作品ゆえ、いざ機動力面で考えるとカートのコンディションが良いわけではないので、序盤の扱いづらさが目に付きます。カートはあくまでアイドル的な立ち位置でしょうか?松田聖子vs最上もがあたりの感覚でしょうか?ただカートがジャーマンスープレックスを放ったところからのスターの試合流儀がテンションを持続させ、終盤に向けてのアンクルロックを繰り出す際の切り返しの面白さはサブミッションレスラーのザックが相手ゆえに見応えありました、特に丸め込みのアクセントは良かったです。☆3.25

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NXT Take Over The END

サモア・ジョー×フィン・ベイラー;NXT王座金網戦


パワー×スピードの外観が金網といういかにも鈍重な構図の中に落とし込まれます。例えばジョーの顔面ウォッシュがアピール技でなく金網に押し付けられる鈍い痛みとして表現されていたのは良かったです。最後の一撃は特別感あり。☆3.75

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金網戦という特殊構図の中で、ベイラーは悪魔キャラを序盤は大きく動かないながらも小気味よく、そして落下するポイントのリアルさが出ていて、ジョーは金網の中で派手ではないですが、その行為から生じる痛みを表現するのは中々。顔面ウォッシュで日本でのアピールムーヴでなく、金網にプレスするイヤな痛みとしての表現をさせ、狭いスペースながらセントーンを決めてくるスタイルで余裕のない緊張感の演出としても機能していると感じました。序~中~終盤と金網戦として突き抜けた感じは薄く、ベイラーの雪崩式スリングブレイドなどフラッシュポイントは用意しているのですが、金網としての狭さによるリミットが生まれてしまったかなと感じました。最後は一気に爆発させようと雪崩式マッスルバスターというエンディングで抗争を突き放すに足るインパクトは得られたかなと思います。好試合。☆3.75

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NXT Take Over The END

中邑真輔×オースチン・エイリース


まさに“逆不平等条約撤廃”と言える試合。江戸時代に欧米列強と不平等条約を結ぶこととなってしまい、岩倉使節団や鹿鳴館と泣きを見たニホンジンがNXTの場を鹿鳴館として優雅に飾った熱のある攻防を見せてくれた。終盤の妙あり。好勝負。☆4

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試合開始前に中邑がまたも雰囲気を自分のモノにしていますね。入場曲の合唱応援という場面からエイリースが焦燥感に似た表情を浮かべ、詰められない距離に歯がゆい思いをするのは、かつて不平等条約撤廃に奔走した日本のようです。立場は逆転し日本のプロレス文化の異端児である中邑がリング上を“イフの世界の鹿鳴館”として華麗さを軸に自分の世界を作り上げます。エイリースは脚攻めに移行できた中盤でダメージを積むことに方向性を定めたため、中盤は宙に舞っていながら鈍重に映ります。しかしクライマックスは見事で本来2人が序盤の掴みで魅せるムーヴで肉薄感を演出し、熱量のあるフィニッシュへの加速力を見せてくれました。好勝負。☆4

全日本 5/25/16 後楽園

宮原健斗×関本大介;三冠王座戦


X軸をパワー、y軸をスピードと置いた攻防は多々ありますが、パワーとスピードが融合した凄まじい熱量の試合。リンプビズキットがミクスチャーを破壊したかのような攻防と文字通り背中に回られたら銃殺されるかのような緊迫感が素晴らしかった。☆4.25

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パワーレスラーをスピードレスラーが攪乱する図ではなくミクスチャーのようにラップロックのようにゴリゴリでグイグイな攻防。もはや演武とよぶにはギラつきすぎた序盤の掛け合いは素晴らしいです。緩急をつけてのシーンも、関本が場外でのDDTをドスンと仕掛ける怖さ。宮原もどのタイミングでも膝蹴りを決められるハードヒットな攻防が面白い。試合時間が20分でのパッケージゆえに余韻や間は味わいずらい展開なのですが、互いにジャーマンを、キレイなフォームでデッドリフト式で決められるがゆえの、バックに回られたら“死”すら意味する緊張感の中でミクスチャーバトルの疾走感が非常に気持ちの良いアドレナリンの分泌を促した好勝負です。☆4.25