昨日、日経新聞をはじめ、ルネサスエレクトロニクスの人員削減や、鶴岡工場売却のニュースが載っていました。ルネサスエレクトロニクスは日立、三菱電機、NECのロジック(非メモリ)半導体事業を統合してできた会社です。
ルネサスのプレスリリースでは、「本日、当社の人員削減等に関する一部報道がありましたが、報道された内容は当社から発表したものではありません。また決定した事実もございません。」とコメントしています。
ですが、強く否定はしていませんし、複数の新聞に同じ話が載っていることから、ほぼ事実なのではと思います。
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPTK081372020120526
複数の関係筋によると、人員削減案では赤字に陥っているシステムLSI(大規模集積回路)事業で主力拠点の鶴岡工場(山形県鶴岡市)の売却や子会社の切り離しを進めたい考え。薄型テレビやデジタルカメラなどに使われるシステムLSIを生産する鶴岡工場の従業員約1300人は売却先に移す。携帯電話向けシステムLSIなどを手掛ける子会社のルネサスモバイル(東京・千代田区)で約1800人、希望退職で約5000人の削減を計画する。システムLSI以外の半導体でも複数ある生産拠点の統廃合や自然減も見込む。
他の報道によれば、工場の売却先は、台湾のシリコンファンドリー(受託製造)最大手であるTSMC(台湾積体電路製造)であるとのことです。雇用が守られるという点では、良い選択と思います。
システムLSIは、複数のチップを混載して1チップとする技術で、技術的な難易度は高いのですが、複数チップが1つになるとユーザーからは値下げを要求されるというビジネス上、難しい側面があります。オーダーメイドの少量生産のため、利幅も大きくありません。
元半導体エンジニアとしては、残念ではありますが、自分がエンジニアだった頃から、韓国や台湾にはいずれ、追いつき追い越されるだろうと思ってはいました。
アジア諸国の追い上げに関し、技術流出に原因を求める声もありますが、私がエンジニアだった頃から、国際学会で日本と韓国・台湾のレベルはあまり変わりませんでした。製造現場のレベルも、それほど差がなかったのではと推測しています。ハングリーなひたむきさでは、日本は劣っています。
そして、日本の半導体業界の場合、学会発表や特許といった先端部分では技術力があるように思いますが、低コストで早く作るという技術力では、残念ながら後塵を拝していると感じています。
現在、国内企業で半導体ビジネスが比較的上手く回っているのは、東芝さんとロームさんくらいでしょうか。
この状況が続くと、大学の電子工学科や大学院の半導体研究室には、良い人材が集まらないですね。





