今月の情報管理webに自動運転に関する論文が2件載っています。

一件は技術者の立場から、自動運転の(明るい)未来を述べたもの。

もう一件は、自動運転の法制度に関する論文です。

 

自動運転車の開発動向と技術課題:2020年の自動化実現を目指して

現在,大型トラックによる自動運転隊列走行システムや一般道での完全自動運転を目指した技術開発が行われている。本稿では現在国内外で研究開発されている自動運転車の現状を紹介するとともに,近年目覚ましい技術進化を遂げているディープラーニング等のAI技術や3次元デジタル道路地図とセンシング技術を融合したローカルダイナミックマッピング技術等の技術開発動向について,前回の執筆から2年以上が経過したため,2017年4月現在の最新情報を取りまとめた。

1. はじめに

2020年代早期の実用化を目指して,完全自動運転車の取り組みが自動車メーカーやIT企業を中心に進められている。自動運転はドライバーの認知・判断・操作を制御システムに置き換えるもので,これまでの安全運転支援システム(ADAS: Advanced Driver Assistance System)注1)とは質的に全く異なり,道路交通システムのパラダイムを変えるものとして,自動車産業界はもとよりサービス事業界や輸送事業界の熱い注目を集めている。

 

自動運転車の実現に向けた法制度上の課題

自動運転が実用化段階を迎えつつある。しかし,特に完全自動運転を実用化するに当たっては,さまざまな法制度上の課題に対応しなければならない。自動運転技術は事故を減らすだろうが,ゼロにすることは絶対にないから,事故が起きたときの法的責任の所在も論じられなければならない。本稿では,自動運転技術が直面することになる法制度上の課題を概観するとともに,対応策の方向性について,提案を行う。

7. おわりに

自動運転技術は,近年飛躍的な進歩を見せたとはいえ,いまだ発展途上である。千変万化する実環境への適応,人間が運転する自動車や自転車,歩行者の行動予測など,克服するべき技術的課題は多い。完全自動運転車は,まず,高齢者の多い都市近郊のニュータウンにおける送迎サービスや,高速道路における隊列自動走行など,限定され変化の少ない環境下での実証実験を経て,実用化へ進んでいくことになろう。

 

 

一件目の論文によれば、完全自動運転の実現は目前とのことです。

高速道路、駐車場、工事現場など限られた領域であれば、完全自動運転も可能なのでしょう。モノレールや航空機では、何十年も前に自動運転・自動操縦が実現されていますので、現代の技術を持ってすれば、限られた領域ので完全自動運転は可能と思います。

 

しかし、一般的には、「完全自動運転」と言えば、大雨の日も雪の日も、歩行者が多い市街地でも、首都高速のようなイレギュラーな高速道路でも、無人で運転できるという意味でしょう。

自動運転の専門家が「3年後に完全自動運転が可能」などと言えば、世の中に誤解を広めることになります。

 

二件目の法制度論文では、「千変万化する実環境への適応,人間が運転する自動車や自転車,歩行者の行動予測など,克服するべき技術的課題は多い。」と結んでいます。

 

少なくとも現時点で、「完全自動運転」という言葉を使うべきではないでしょう。

AD

特許庁が、人工知能を使って庁内の事務を効率化するというアナウンスをしましたが、その公募内容が公開されています。

 

まずは、商標の区分のチェック、類似群コード候補の自動付与がテストされるようです。

 

商標の類否や発明の一致点・相違点認定を、AIがするのはまだ先になりそうです。

 

知能といっても、商標の観念や技術用語の意味を理解できる訳ではなく、AIが審査の手伝いをすることはあっても、審査自体を行うのは困難でしょう。

 

http://www.jpo.go.jp/koubo/koubo/170620_h29ai_fumei.htm

1. 事業の目的

産業財産権を取り巻く環境は、企業活動のグローバル化、国際特許出願や中国等の新興国への出願の増加、国際的な制度調和の進展、産業競争力強化を目的とした中小企業・大学への利用拡大など、様々な観点から多様化・複雑化を続けている。また、それに伴い、特許庁における特許、実用新案、意匠、商標のそれぞれにおける審査業務においては、調査負担が増加するとともに、制度の複雑化により、出願の受付等に係る事務処理量が増大している。

 

こうした環境変化とそれに伴う業務量の増加に適切に対応していくためには、最新の技術を取り入れ、事務の高度化・効率化を図っていくことが必要である。特に、経済のグローバル化・産業財産権の重要性の高まりによるユーザー層の拡大等を鑑みれば、産業財産権を巡る環境変化は、今後、より一層拡大していくと考えられ、現在の技術水準を前提とするのみならず、中長期を見越して将来の技術の進展も含めて検討を進めることが重要である。

現在、IoTによるデータ量の増加とそれによるビッグデータの活用、PCの処理能力の飛躍的な向上等を背景に、人工知能関係技術の急速な発展が見られ、多くの産業分野への応用が期待されている。特許庁には、年間50万件を超える特許、実用新案、意匠、商標が出願されており、このような膨大な案件を処理するため、業務の多くは機械化・システム化されているが、中長期を見越して人工知能技術を活用した更なる業務の効率化を検討することは有用である。

 

特許行政事務における事務処理量が増大する中、特に商標登録出願は、年々顕著に出願件数が増加の傾向にある。

 

商標登録出願の審査にあたっては、まず、当該商標の権利範囲を定める「指定商品・指定役務」が適切な区分に指定されているか、明確な表示であるかをチェックしており、その過程で先行商標の調査に用いる検索キー(類似群コード)を、指定商品・指定役務ごとに全件付与している。

 

現状、採用可能な指定商品・指定役務とその類似群コードをデータベース化し(以下、「採用可能な商品・役務名などの電子データ」という。)、願書に記載された指定商品・指定役務のうち、採用可能な商品・役務名などの電子データに存在する商品・役務と一致したものについては、類似群コードを自動付与している。しかしながら、採用可能な商品・役務名などの電子データに存在せず類似群コードを自動付与できない指定商品・指定役務(以下、「不明確な商品・役務」という。)は全出願の半数以上に及んでいるところ、これらについては、審査官が個別に確認の上、類似群コードを手作業で付与しており、この作業に多くの時間が割かれている。

 

また、不明確な商品・役務について出願人が提出した手続補正書の内容についての要旨変更の有無の確認等、その他指定商品・指定役務に係る業務についても、同様に多くの時間を要していることから、上記業務について人工知能技術、文章解析技術等の活用により、類似群コードの自動付与率を上げること、その根拠を審査官の求めに応じてシステムが示す仕組みを構築することなどは、特許庁の業務の効率化のために大変有益である。さらに、これらの技術を活用することにより、業務時間の削減のみならず、商品・役務についての類似群コードの付与、補正による要旨変更有無(範囲を拡大していないか)の確認において、手作業・目視ゆえの誤り・見落としを減らせる等、指定商品・指定役務に係る業務における信頼性の向上も見込めると考えられる。

 

よって、本事業では、不明確な商品・役務に係る業務について人工知能技術の活用による高度化・効率化の可能性等に関する実証的研究を行うものである。

AD

昨日話題になりましたが、クールビズの28℃は暑すぎるという意見も少なくないようです。

 

28℃というと、自宅でTシャツ1枚でいる時にちょうど良い温度です。

 

オフィスに長袖、長ズボンでいれば、暑くて仕事の効率も下がります。26℃か27℃くらいが、ちょうど良いのではないでしょうか。

 

今日、環境大臣が28℃には根拠があると発言したそうですが、行き過ぎた省エネも見直す時期に来ているように思います。

 

http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG11H4Z_R10C17A5CR0000/

 関芳弘環境副大臣は11日、首相官邸で開いた副大臣会議で、地球温暖化防止のため職場で軽装を促す「クールビズ」の設定温度の見直しを検討する考えを示した。関氏は冷房時の室温28度という基準について「実はかなり不快だ。無理があるのではないか。科学的知見を加えるよう検討する」と述べた。

 

 会議では、導入時に環境省の担当課長だった盛山正仁法務副大臣が「科学的知見をもって28度に決めたのではない。何となく28度という目安でスタートして、それが独り歩きしたのが正直なところだ」と発言。これを受け、関氏が見直しを検討する考えを示した。

 

 関氏の考えを受けて萩生田光一官房副長官も「28度だと人によっては汗をかいて、洗濯物が増える」と述べ、環境省に見直しの検討を求めた。ただ「クールビズはせっかく定着しているのだから、設定温度などは緩やかに根拠のあるものに変えていこう」とも語った。

 

 関氏の発言後、環境省の担当者は「28度はあくまで目安。現時点で見直す議論の予定はない」と話した。

 

http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG12H4D_S7A510C1CR0000/

 

 山本公一環境相は12日の閣議後の記者会見で、地球温暖化防止のため職場で軽装を促す「クールビズ」の設定温度について「(室温)28度には根拠がある」と述べた。11日に首相官邸で開かれた副大臣会議では、導入時に環境省の担当課長だった盛山正仁法務副大臣が「何となく28度という目安でスタートした」と発言したが否定した形だ。

 

 この会議では関芳弘・環境副大臣が盛山法務副大臣の前に「(28度は)実はかなり不快だ。無理があるのではないか。科学的知見を加えるよう検討する」と発言をしたとされる。

 山本環境相は12日、「(関環境副大臣は)そうした発言をしていない」と否定。「室温28度」を疑問視するやり取りについては「国民運動として進めているのだから、ああいう会合に出ている方はぜひ意識してほしい」とくぎを刺した。

 

 山本環境相は設定温度について、クールビズを始めた当時のオフィスの室温が平均26度で、ネクタイの有無で体感温度が2度変わるとの研究結果を基にしていると説明。労働安全衛生法などに努力義務として明記してあるとも語った。

 

 山本環境相は「クールビズを進めることで省エネにつなげるのが大目的だ」と強調。同法の事務所衛生基準規則では「空調の設定温度」ではなく「室温」としており、「室温を28度にしてほしい」と訴えた。

AD

昨日、特許庁における人工知能(AI)技術の活用に向けたアクション・プランが公表されました。

 

既に日経新聞等で、特許庁がAIを活用して一部の業務を効率化すると報道されていましたが、具体的内容が明らかになりました。

 

資料「特許庁における人工知能技術の活用(平成28年度の取組と今後のアクション・プラン)」の、「3.業務性質に応じたAI活用可能性のレベル分け」では、どのような業務がAI活用に向くのか、検討したフローが記載されています。

 

次に、「5.AI活用可能性に関する検討結果」を見てみると、電話等の質問対応、紙出願の電子化、申請書類の印影確認、出願における登録商標の使用の確認などから、AIが活用されるようです。

 

「6.アクション・プラン」には、今後のスケジュールが書かれています。電話等の質問対応といった比較的容易な業務であっても、AIの導入は平成32年頃になりそうです。

 

発明の内容の理解・認定、特許や意匠登録可否の判断、商標の審査判断など、特許庁業務のコアとなる部分は、研究開発事例がなく、早期導入は困難なようです。

 

いずれAIが審査官や裁判官、弁理士、弁護士にとって代わるという報道もありますが、現実とかけ離れた話と感じます。

 

そもそも、AIはデータを機械学習することで、似たような言葉や図面があるものを短時間で探しますが、技術的思想や商標の意味、意匠の美観を理解する訳ではありません。人間とはプロセスが全く異なります。

 

AIを人工知能と訳したのは誤訳で、機械学習や深層学習と訳すのが適切と思います。

 

http://www.jpo.go.jp/torikumi/t_torikumi/ai_action_plan.htm

特許庁における人工知能(AI)技術の活用に向けたアクション・プランの公表について

 

平成29年4月27日 特許庁総務部総務課

産業財産権を取り巻く経済社会情勢の変化に伴い、特許庁の業務は、質的・量的に変化してきています。こうした状況を踏まえ、特許庁では、平成28年度から、「人工知能技術を活用した特許行政事務の高度化・効率化実証的研究事業」を実施し、特許行政事務の高度化・効率化を図り、ユーザー向けのサービス向上につなげることを目的として、人工知能技術の活用に関する検討を行ってきました。

この度、特許庁では、これまでの調査研究や実証の結果を踏まえ、第10回知的財産分科会(平成29年4月24日)の議論を経て、将来的な人工知能技術の活用を視野に入れた「アクション・プラン」を取りまとめましたので、公表いたします。

特許庁における人工知能技術の活用(平成28年度の取組と今後のアクション・プラン)(PDF:1,432KB)

(参考)人工知能技術を活用した特許行政事務の高度化・効率化実証的研究事業報告書(エグゼクティブサマリ) (PDF:809KB)

自動ブレーキの限界

テーマ:

自動車ディーラーの試乗で自動ブレーキを試すよう勧めたところ、ブレーキが働かず、追突事故を起こし、書類送検されたというニュースがありました。

 

事故当時は夜間で雨が降っており、追突された車は黒色だったため、センサーの画像を元にした自動ブレーキが働かなかったのが原因です。

 

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170414-00010010-chibatopi-l12

運転支援機能を搭載した日産のミニバン「セレナ」を試乗した客にブレーキを踏まないよう指示して事故を起こしたとして、千葉県警交通捜査課と八千代署は14日、八千代市内の日産自動車販売店の店長男性(46)と同店の営業社員男性(28)を業務上過失傷害容疑で、試乗した客のトラック運転手男性(38)を自動車運転処罰法違反(過失傷害)の疑いで、千葉地検に書類送検した。運転支援機能を搭載した車両の事故は全国で初めて。

 

書類送検容疑は、営業社員男性は昨年11月27日午後4時50分ごろ、セレナの試乗に来たトラック運転手男性の助手席に同乗。店舗近くの八千代市大和田新田の市道で、アクセルやブレーキ、車線保持などの運転を支援するクルーズコントロール機能が危険を検知して自動停止すると誤った認識のまま、運転手男性に「本来はここでブレーキですが、踏むのを我慢してください」と指示。男性はブレーキを踏まず、信号待ちしていた乗用車に衝突。乗っていた30代の夫婦に全治2週間のけがを負わせた疑い。

同社ホームページによると、セレナは、高速道路での運転を支援する「同一車線自動運転技術」と危険を察知して自動でブレーキがかかる「エマージェンシーブレーキ」を搭載。交通捜査課によると、本来は車両の単眼カメラで危険を察知して自動ブレーキがかかるが、事故当時は夜間で雨が降っており、追突された車は黒色だった。セレナに故障や異常はなく、同課では「対向車の前照灯など道路環境や天候が重なり、自動ブレーキが作動しないまま追突した」と結論づけた。

 

 

以前、自分が代車で借りた車には、車線はみ出しを警告する運転アシスト機能が付いていましたが、雨の日の夜には動作しませんでした。

http://ameblo.jp/123search/entry-12193721008.html

 

センサーが車線間の白線を認識できなかったことが原因と思われます。

 

マスコミは、あと数年で自動運転が実現するかのように報道しますが、高速道路や工事現場など限られた環境内で、無人運転ができるというだけです。

 

自動運転と言っていますが、実際には事故防止等を目的とする運転アシスト技術です。

狭い所での車庫入れ、人的ミス時の危険回避など、人間が不得意なものをシステムが補う。これは非常に合理的な仕組みです。

 

しかし、歩行者の多い一方通行の路地、急な合流と停止発進が繰り返される首都高速、子供の通学路、台風時の道路、夜間・濃霧・降雪時の運転など、全て自動の完全自動運転は、21世紀中には実現しないでしょう。

 

誤解を招かないよう、今後「自動運転」という言葉を使うのは、止めるべきでしょう。

レンズと写真

テーマ:

弁理士報酬の確定申告も終わり、還付があったため、新しいレンズを購入しました。タムロンの24-70mm F2.8と、ニコンの70-200mm F4ズームです。

レンズを変えると、写りも別物になります。

 

料理の素材が悪くても、味付けでまずまずの食事は作れます。ですが、食材が良くないと本当においしいものは作れません。

 

カメラとレンズの関係も似ています。

 

レンズなど光学系が良くなくても、ソフトウェアによる画像処理で、まずまずの画像を作ることはできます。

しかし、良い写真を撮ろうと思ったら、レンズやミラーなどの光学系にも、優れたものを用意する必要があります。

 

ソフトの時代などと言われますが、ソフトが頑張っても物理法則に反するものは作れません。

カメラの場合、画像処理だけではなく、高性能なセンサー、光学性能の高いレンズとプリズム、精度の良いミラー、手ぶれ補正などしっかりしたハードウェアが必要です。

 

AIやIoTなど、流行に惑わされる方も少なくありませんが、物理法則や法律など基礎を身につけ、物事の本質を理解することが重要と思っています。

 

本日発行の情報管理誌に、「人工知能スキーマ:人々は人工知能をどうとらえているか」という論文が掲載されています。

 

 

マスコミなどは、人工知能が全知全能のシステムのように報道しますが、人工知能のとらえ方が、専門家と非専門家で異なるという話は興味深いです。


https://www.jstage.jst.go.jp/article/johokanri/60/1/60_50/_html/-char/ja/

人工知能についての合意された定義はない,とよくいわれる。実際,「人工知能研究者」「人工知能技術者」「人工知能学会」「人工知能学科」「人工知能研究所」をはじめとして,「人工知能」という科目や本や映画など,人工知能と銘打たれたものはあまたあるが,その背後にある「人工知能」のとらえ方は一致しているわけではない。本稿では,人工知能のとらえ方を「人工知能スキーマ」と呼び,それが専門家と非専門家でどのように異なるかを論考し,今後の議論の進め方について考察したい。

 

非専門家の人工知能スキーマ

人工知能を描いた映画は,人工知能を具現化してストーリーの中に組み込んで提示するので,非専門家の人工知能スキーマ形成に大きな影響を与えていると考えられる。人工知能映画に登場する人工知能のスキーマは,おおむね,図2の中央と右の図でとらえられるだろう。

外見だけを見ると,映画「アンドリューNDR114」に登場する「NDR114型アンドロイドアンドリュー」や映画「ブレードランナー」に登場する「レプリカント」のように見かけが人間とかなり近いものから,映画「2001年宇宙の旅」に登場する「HAL 9000」や映画「her/世界でひとつの彼女」の「サマンサ」のように,その本質はコンピューター上のプログラムであり,通常の意味での身体はもっていないという存在に至るまで,かなりの幅がある。この中間には,昆虫や動物のような姿をしたものや,人間とはかけ離れた姿をしたものもある。

 

専門家の人工知能スキーマ

人工知能の専門家は,おおむね図3のような「人工知能ロボット」のスキーマをもち,その中に人工知能を位置づけていると考えられる。人工知能ロボットスキーマは2中央と右のスキーマを,技術的に詳細化したものであり,「人工知能エンジン」を搭載したコンピューターがセンサーから得られた情報を処理して,ロボットの身体を駆動するという構成になっている。その核心をになう人工知能エンジンは,センサーがとらえた情報がつくりだした像(人工知能劇場と呼ぶ。人工知能劇場に作り出される像は必ずしも現実をそのまま射影したものとは限らない)を受け取って,思考に相当する情報処理を行い,人工知能劇場の像を書き換えてアクチュエーター(駆動装置)を動作させる。

この人工知能スキーマは,今のまま研究開発を続ければ遠からぬ未来にたどり着くだろうと思っている仮説の全体像のようなものであり,具現化された実体を反映したものではない。通常は,それぞれの専門家は,この一部だけの技術開発にかかわっていると自らの活動を位置づけており,残りについては,仮説のまま残されている。

IBMが、自動車事故が起きそうな場合に、人工知能による自動運転に切り替え、事故を回避する特許を取得したそうです。US9566986です。

 

http://www.google.com/patents/US9566986

Controlling driving modes of self-driving vehicles

A computer-implemented method, system, and/or computer program product controls a driving mode of a self-driving vehicle (SDV). Sensor readings describe a current operational anomaly of an SDV that is traveling on a roadway. One or more processors compare a control processor competence level of the on-board SDV control processor that autonomously controls the SDV to a human driver competence level of a human driver in controlling the SDV while the SDV experiences the current operational anomaly. One or more processors then selectively assign control of the SDV to the on-board SDV control processor or to the human driver while the SDV experiences the current operational anomaly based on which of the control processor competence level and the human driver competence level is relatively higher to the other.

 

自分はAIによる自動運転には、どちらかというと否定的です。

都市部の混雑した路地で、歩行者や自転車を避け、一方通行を間違えずに、暴走することなく自動運転する。首都高速のように、渋滞や車線の合流で急激に速度やカーブが変化する道路を自動運転する。このような完全自動運転は、21世紀中に実現不可能と思っています。

 

しかし、この特許は異常動作を検出し、事故が起きそうになった場合に、制御プロセッサ能力レベルを人間の運転能力レベルと比較して、制御プロセッサの能力レベルおよび人間の運転能力レベルのどちらが相対的に高いかを判断し、自動運転と手動運転を切り替えるというものです。

 

通常は人間が運転し、人間が回避できない状況で、機械が介入する。機械が得意でない状況では人間が運転する。非常に合理的なシステムでしょう。

ただし、プログラムにはバグがつきものです。いざという時に上手く動作するかは、発明の良し悪しではなく、製品開発の品質が問われます。

 

http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/news/17/033100989/?rt=nocnt7

 米IBMは現地時間2017年3月30日、人工知能(AI)の機械学習技術を自動運転車の事故回避に利用する特許を取得したと発表した。

 認可された特許は、米国特許番号「9,566,986」で、タイトルは「Controlling driving modes of self-driving vehicles」。2015年9月25日に申請し、2017年2月14日に成立した。緊急時に、自動車の制御プロセッサーと人間のドライバーによる操作を切り替える技術に関するもの。

 IBMのコンピュータ神経学者らは、自動運転車がAIやセンサーを利用して安全上の潜在的リスクを察知し、自律運転を継続するか人間のドライバーに操作を委ねるか動的に判断するコグニティブモデルと技術を発明した。

 例えば、自動運転車がブレーキの不具合やヘッドライトの球切れ、視界不良といった異変を感知した場合、制御プロセッサーとドライバーのどちらがこれら異変の対処に適しているか比較し、制御プロセッサーの方が適していると判断すれば、自動運転モードで走行する。

グーグルが検索アルゴリズム改善を発表したそうです。

 

https://www.buzzfeed.com/keigoisashi/for-better-japanese-search-quality

Googleは2月3日、日本語検索のアルゴリズムを改善したと発表した。アルゴリズム変更を発表することは珍しい。背景には、昨年話題になった「低品質サイト」への対策がある。

 

BuzzFeed Newsは、検索エンジン最適化(SEO)の専門家で、Google検索について研究している辻正浩さんに話を聞いた。
辻さんは、2月に入ってからの検索結果の動向から「情報が薄いキュレーションメディアおよびテキストを中心とした新興メディアをターゲットとしたアルゴリズムであることは間違いない」と話す。

実際に、以下のようなサイトで検索結果ランキングが一気に下がったという。先にあげたキュレーションメディアの特徴を持つサイトが目立つ。
RETRIP、MARBLE、KAUMO、マーミー、MARCH、GIRLS Slism、curet、恋愛jp、Linomy、こいぴた、カラダノート、健康生活

例えば、旅行情報サイト「RETRIP」では、これまで検索結果1ページ目のベスト5内に入っていたような記事の多くが30位圏外にまで一気に落ちた。

 

https://webmaster-ja.googleblog.com/2017/02/for-better-japanese-search-quality.html

Google は、世界中のユーザーにとって検索をより便利なものにするため、検索ランキングのアルゴリズムを日々改良しています。もちろん日本語検索もその例外ではありません。

その一環として、今週、ウェブサイトの品質の評価方法に改善を加えました。今回のアップデートにより、ユーザーに有用で信頼できる情報を提供することよりも、検索結果のより上位に自ページを表示させることに主眼を置く、品質の低いサイトの順位が下がります。その結果、オリジナルで有用なコンテンツを持つ高品質なサイトが、より上位に表示されるようになります。

 

 

単なるまとめサイトについては、グーグルの表示ランクが下がっても、元記事が表示されれば良い訳で、ユーザーに悪影響はないと言えるでしょう。

 

BLOGOSのような玉石混淆のサイトには、影響があるのでしょうか。

先日、ピコ太郎の「PPAP」について、ベストライセンス社の出願は手数料が支払われたとしても、4条1項10号又は15号で拒絶されると言う記事を見かけました。この著者の記事はBLOGOSにも転載されていることもあります。

 

しかし、ピコ太郎が歌を歌う行為は、商標「PPAP」の使用に該当しません。「PPAP」はピコ太郎の役務「歌手又はダンサーによる上演(第41類)」について、出所表示機能、自他商品識別機能を発揮していないためです。

なお、ピコ太郎の歌唱が商標の使用には該当しない以上、先使用権が発生することもありません。

 

そのため、ベストライセンス社の出願が審査されれば、4条1項10号又は15号ではなく、4条1項7号で拒絶されるはずです。

 

15号については、ベストライセンス社が商標「PPAP」を使用すれば、ピコ太郎又エイベックスの役務と広義の混同を生ずるという考え方もできなくはありません。しかし、PPAPが付された商品を、ピコ太郎やエイベックスが手がけていると混同する方は現実には多くないでしょう。

スマートフォンの価格の約30%は特許ライセンス料であるという記事が載っています。

一方、DVDプライヤーの場合は、製品に占める特許ライセンス料は10%程度とのことです。

 

これを高いとみるのか、それほどでもないと見るのか、難しいところです。

 

携帯電話の高速通信や低消費電力のチップ等を開発するのは、DVDの何倍ものリソースが必要なはずです。そして、スマートフォンに使われる技術は、通信のみならず、ソフトウェアや表示装置(液晶)、電池など多岐に渡っています。

 

そうすると、スマートフォンの特許ライセンス料が、DVDの3倍程度であっても、それほど高くないという見方もできます。

 

通信の標準必須特許においては、0.数%の安いライセンス料率が適用されていると言われています。しかし、必要な特許の数が数万単位になれば、金額も高くなります。

 

仮に特許制度を止めてしまえば、携帯電話の標準となる技術を開発しても、標準化団体に加わらない会社に勝手に技術を使われてしまい、投資を投資を回収できないことになります。

 

問題は、特許制度が不要なのではなく、どの程度の金額が妥当であるのかという、最適化の話でしょう。

 

技術標準となる場合を考慮すれば、現在の損害賠償額は低い訳ではなく、むしろ高いという議論にもなると思います。

 

http://www.excite.co.jp/News/it_g/20161222/Slashdot_16_12_22_0831248.html

MozillaでAssociate General Counselを務めているJishnu Menon氏が、「スマートフォンの価格のうち30%は特許使用料」なるエントリをMozillaの「Open Policy & Advocacy」ブログで公開している。

 

一般的なスマートフォンには、数百の企業が持つおよそ25万もの特許が関連しているという。ちなみに、DVDプレーヤーの価格に対する特許使用料は10%ほどに過ぎないそうだ。

 

また、コンポーネント毎の特許料とハードウェアコストについても分析されているが、特に特許料が高いのは携帯電話網用の無線通信チップで、ハードウェアコストは13ドルに対し特許使用料は54ドルも掛かっているという。また、無線LANコンポーネントはハードウェアコストが4ドル、特許料が50ドルだそうだ。