先の特許出願等統計速報 平成29年2月分のブログ記事にも書きましたが、特許異議申立制度に関する誤解が拡がっているようです。

 

それを打ち消すように、今日もまた特許庁から異議制度に関する状況説明がありました。

 

平成27年分はほぼ審理が終了していますが、その統計では取消決定が11.3%、維持(訂正あり)が41.5%、維持(訂正なし)が39.8%です。

http://www.jpo.go.jp/tetuzuki/sinpan/sinpan2/pdf/igi_moushitate_ryuuiten/02.pdf

 

取消理由があったので訂正をしたと考えられるため、特許異議の審理で取消理由通知がされる割合は、50%を越えていると考えられます。

 

なお、旧異議制度は、取消決定後に東京高裁へ取消決定取消訴訟を提起し、その後に訂正審判請求が可能な制度でした。

 

現行制度では取消の予告が行われ、訂正請求の機会が2回以上ありますので、取消決定がなされる割合は旧制度よりも低くなります。

 

それにしても、弁理士資格を持った人が、異議申立における取消理由の通知割合は5%以下、20%などと間違った情報を広めている。世も末という感じがします。

 

http://www.jpo.go.jp/tetuzuki/sinpan/sinpan2/igi_moushitate_ryuuiten.htm

平成29年4月 特許庁審判部

特許異議の申立ての件数は、平成27年4月に特許異議申立制度が開始され、同年10月より申立てが本格化して以降、累計で1,901件となり、そのうち998件(約52.5%)が最終処分に至っています(平成29年3月末時点)。
※特許異議の申立てがされた特許権単位の件数です。したがって、一つの特許権に対して複数の異議申立てがされた場合も、1件として数えています。

 

なお、依然として特許異議申立書等の不備が多く発生しており、手続を行う際は、以下2.から5.の点に留意ください(今回更新した留意点は太字になっています。)。また、特許異議申立書等の不備については、特許庁から、確認、相談させていただくことがありますので、連絡が取れるよう、電話番号の記載をお願いいたします。

また、訂正請求時の手続きが円滑になされるべく、訂正請求書の作成の際に注意すべき事項をまとめた「訂正請求書チェック票(PDF:212KB)」を作成いたしましたので、「訂正審判請求書及び訂正請求書の記載例(平成28年5月版)(PDF:2,570KB)」及び「訂正審判・訂正請求Q&A(PDF:166KB)」と併せてご活用ください。


1.  特許異議の申立ての状況(申立日が平成29年3月末までのもの)

(1)  特許異議の申立年月毎の処理状況(平成29年3月末時点)

特許異議申立制度においては、同じ時期に申立てがされた事件のうち、合議体が取消理由がないと判断した事件については、取消理由を通知することなく、先行して維持決定されます。そして、取消理由が通知された事件のうち、特許権者の意見や訂正の請求を認めて特許を維持する場合には、その段階で維持決定されますが、取消決定がされる事件については、再度の取消理由通知(決定の予告)を行うため、最終的に取消決定がされるまでには一定の期間を必要とするという特徴があります(【グラフ1】参照。特許異議申立制度の主な手続のフロー図はこちらを参照してください。)。

(2)  特許異議の申立年毎の処理状況(割合及び件数)(平成29年3月末時点)

平成29年3月までに申立てがされた事件のうち、約52.5%が最終処分に至っています(【グラフ2】参照)。平成27年に申立てがされた事件については約93.7%が、平成28年に申立てがされた事件については約53.9%が、平成29年に申立てがされた事件については約0.9%が、それぞれ最終処分に至っています(【グラフ2】参照)。

なお、ある申立年の維持決定と取消決定の比率は、その申立年の全ての事件が最終処分に至るまで確定しないことに留意ください。


(3)  特許異議のIPC分類のセクション毎の処理状況(平成29年3月末時点)

IPC分類のセクションC(化学等)の特許に対する申立てが多く、次にセクションA(生活必需品)、セクションB(処理操作等)の特許に対する申立てが多い状況です(【グラフ3】参照)。

IPC分類の各セクションの説明については、こちら をご覧ください。

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