日本弁理士会が、新業務の探索を模索しているという報道がありました。SankeiBizの生かせ!知財ビジネスです。

 

この報道によれば、新周辺業務は、「知財翻訳」「年金管理」「知財流通」とのこと。しかし、年金管理は特許事務所が普通に行っているサービスです。

自ら翻訳を行っている弁理士、特許技術者、特許事務員も少なくありません。

 

年金管理で収益を上げようとすれば、日本だけでなく、主要国に事務所の支店を作り、海外の年金納付対応を可能にするなど、かなりの基盤整備が必要になります。

 

弁理士会は、本当にこのような発表を行ったのでしょうか?

 

そもそも、「弁理士の専権業務である特許出願・権利化業務の1人当たり仕事量は今や10年前の半分を割った。」というのが、単なる割り算にすぎません。

 

この10年間で、(資格を持たない)特許技術者から弁理士試験に合格した方が数千人います。特許技術者が弁理士資格を取っても、事務所の仕事量が減る訳ではありません。

自分も10年前は大手特許事務所の無資格特許サーチャーでした。

 

そして、自ら出願代理業務を行わない企業内弁理士は2000人を超えています。

上記のような割り算が、それほど意味を持たないのは明らかです。

 

昨年、日経知財Awarenessが終了しました。次に終了するのは、どこなのでしょうか。

 

http://www.sankeibiz.jp/compliance/news/170421/cpd1704210500005-n1.htm

 弁理士の収益源となる新業務とは何か-。日本弁理士会は新設した「知的財産経営センター」では、これまで開発してきた知財価値評価や知財コンサルティング、知的資産経営報告書作成などの弁理士周辺業務分野を深耕する。特に、利用者ニーズと弁理士の10年先の姿を見据え、弁理士が関与を深める可能性がある新規業務分野を探索し、ビジネスモデルのあり方や普及、人材育成方法などについて研究していく。

 背景の一つには「特許事務所間のサービス価格競争が激化した」(都内弁理士)ことがある。国内特許出願件数が減少を続ける半面、登録弁理士数は増え続け、弁理士の専権業務である特許出願・権利化業務の1人当たり仕事量は今や10年前の半分を割った。収益構造を見直し、経営基盤を改善することは重要課題となっている。

 

 弁理士周辺の知財関連ビジネスでは、「知財翻訳」「年金管理」「知財流通」などが候補。知財翻訳は企業が海外展開をする際に特許明細書や知財関連契約書類を外国語に訳す。年金は特許権者が権利維持のために各国特許庁へ納める特許料のことで、年金管理は企業の依頼で特許料の納付・管理を代行する業務だ。知財流通は特許や技術などの価値を評価して企業間や大学・企業間で売買やライセンスを成立させる仲介業務である。

 

先週の生かせ!知財ビジネスでは、知的財産経営センターの概要が採り上げられています。

http://www.sankeibiz.jp/compliance/news/170414/cpd1704140500004-n1.htm

 日本弁理士会(東京都千代田区)は20日、「知的財産経営センター」の運用を開始する。知的財産経営の視点から弁理士会の既存組織の機能と役割を統合、調整して、企業向けの知財経営支援、弁理士への経営支援教育、弁理士が担うべき新しい業務の研究-などをワンストップで可能にする総合センターを目指している。

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