以下の特許庁プレスリリースを見て、平成4年以前の公開公報など、遡及公報の電子データを取得できるようになるのかと思いました。


しかし、良く良く読んでみると、今日より電子公報以前の日本の公開特許公報等について、OCRフルテキストデータ等の蓄積を進めるとのことです。


他に、拒絶理由通知等で引用された電子公報以前の日本の公開特許公報等について、高精度のフルテキストデータを提供すべく、フルテキストデータを人手で順次作成して蓄積とのことですが、すぐにとは行かないようです。


USは公報がアルファベットのみのため、OCR化が容易という面はありますが、USPTOは1976年以降の公報で電子化データを提供しています。


http://www.jpo.go.jp/torikumi/chouhoyu/chouhoyu2/h280229_fulltext.htm

電子公報以前の日本の特許・実用新案文献のフルテキストデータの一部提供開始について

平成28年2月29日より、電子公報以前の我が国の公開特許公報等のフルテキストデータがJ-PlatPatにおいて順次表示可能となります。これにより、拒絶理由通知等で引用された公開特許公報等の内容を確認するために、J-PlatPatにおいて文献番号を入力してフルテキストデータを表示させることができ、出願人等の一般ユーザーにとって利便性が向上します。

1. フルテキストデータの提供の開始

平成28年2月29日より、我が国特許庁は、電子公報以前の日本の公開特許公報等について、OCR*1フルテキストデータ等の蓄積を進めており、J-PlatPat においてOCRフルテキストデータが順次表示可能となります。

また、我が国特許庁の審査官により平成28年1月以降に起案された拒絶理由通知等で引用された電子公報以前の日本の公開特許公報等について、高精度のフルテキストデータを提供すべく、フルテキストデータを人手で順次作成して蓄積しており、J-PlatPatにおいて人手フルテキストデータが表示可能となります。

これにより、出願人等の一般ユーザーは、J-PlatPatにおいて文献番号を入力することにより、これまでテキスト化されていなかった電子公報以前の日本の公開特許公報等についてもフルテキストデータを参照することができます。さらに、例えば、拒絶理由通知等の引用文献を参照する際には、高精度のフルテキストデータを表示させることができます。また、フルテキストデータを機械翻訳に利用することもできます。

2. 人手フルテキストデータの対象となる公報

人手フルテキストデータの作成対象となる公報は、原則、我が国特許庁の審査・審判段階及び国際段階において、平成28年1月以降に起案された下記(1)の書類で引用された日本の特許・実用新案の公報のうち、電子公報以前の下記(2)の公報です*2。対象となる公報が引用されたことを契機としてフルテキストデータを人手で順次作成してデータベースに蓄積するフロー*3により、下記(1)の書類の起案日から原則約7-8週間後に、引用された文献の人手フルテキストデータがJ-PlatPatにおいて表示可能となる予定です。実際にJ-PlatPatにおいて人手フルテキストデータが表示可能な状態かどうかについては、フルテキストデータ蓄積状況確認サイト において文献番号を入力することにより、確認することができます。

(1)対象となる審査・審判段階又は国際段階の書類

<審査・審判段階>

拒絶理由通知、拒絶査定、補正の却下の決定、実用新案技術評価書、前置報告書、審判審尋、審判拒絶理由通知、審判補正の却下の決定、無効審判の審決

<国際段階>

国際調査報告、国際調査機関の見解書、追加手数料の納付命令書、国際予備審査機関の見解書、国際予備審査報告

(2)対象となる公報の種類

公開特許公報、公表特許公報、公告特許公報、公開実用新案公報、公表実用新案公報、公告実用新案公報、再公表特許、再公表実用新案

*1 OCR:光学式文字読取装置。紙に印字された文字をスキャナで読み取り、文字データに変換する装置。

*2 例外があります。

*3 人手フルテキストデータが作成されてJ-PlatPat等で表示可能となるまでのフロー