『3つの秘密』


 私がいつも乗る電車とは違ってこのスペーシアは揺れも少なく静かです。外の風景は所々の民間を除いては田んぼか畑が広がっているばかりで民間が集中しているのは駅を通過したときだけでした。
電車はいくつかの大きな橋を渡るときにガランガランと音を変え、あとはガタン・コトンの音が続いて走っています。時々ポイントを通過する時だけガタガタンと音が細かくなります。短調の景色と短調の音は眠りを誘います。
さすがに私もその風景に飽きて眠くなって来た。すでに主任はもう寝ていて小さなテーブルには食べかけのポッキーの箱が置いてあった。

 しばらくして私は目を覚まし、また外を見た。すると立花主任も目を覚ましたらしく突然私に話しかけてきた。
「菅野さん、知ってる?」
「何ですか?」
私は外を見ながら返事をした。
「男と女って親友になれると思う?」
私はすぐに晃を思い浮かべたけど
「どうなのかなぁ…なれるんじゃないですか」
って主任に振り返りながら応えた。
すると立花主任
「本当にそう思う?私はねHした二人が別れてからじゃないと親友になれないと思うのよね。性欲が邪魔しちゃうから。」
「性欲か…私は別に性欲わかないから分からないなぁ。普通の女性はそうなのかなぁ…」
「女性側じゃなくて男性側に性欲がわいちゃうのよ。だからこの性欲が男性側からなくならない限り親友にはなれないのよね。飽きるまでお互いにHして、まだお互いに好きな時に別れるの。友達でいましょって。」
――そうなのかなぁ…。私には良く分からないや。なんで立花主任が私にこんな事を聞いてきたのかも分からない。私が少し黙っていたら
「じゃ、同性同士ならどう思う?」
立花主任が言った。
私は今の事を参考に答えた。
「なれると思います」
すると立花主任はこんな事を言い出した。
「二人が3つの秘密をお互いに暴露すると親友になれるんですって。突然出会った人達もこれを交わす事によって親友になれるんですって。どう、菅野さん、私と試してみない?」
私は今、頭の中で自分の秘密を思い浮かべていた。ってヤバいでしょ 言えないよ、これだけは
「立花主任は私に言えるんですか?」
っと質問すると立花は
「私は平気よ」
――立花主任は私と親友になりたいのかなぁ…。だからこんな質問してきたのかなぁ。先輩の性格からいくと年下の私に直接「友達になりましょう」って言えないんだろうなぁ。でも、立花主任の秘密って何だろう?きっとこの事はうちの会社の人達は誰も知らないんだろうなぁ。私、知りたいなぁ…
「良いですよ」
私は立花主任と親友になっても良いかなって思い答えた。それに一番大事な秘密を言わなければ良いんだもんね。
立花主任はお見通しのごとく
「この3つの秘密が重ければ重いほど仲がよくなれるんですって。逆に軽い秘密だと、それは相手の方への思いが薄い事になるのよね。また、嘘をついたら相手の方への裏切りになるんですって」
立花主任の今の言葉に私は考えさせられました。主任は頭が良い! どうしよう… 今親友になっても良いと思いOKしちゃったけど、これはまずいかも。誰にも話したことないんだもん。いっそうのこと話して楽になろうかなぁ。でも、信じてもらえないだろうなぁ…困ったなぁ…
「誰から暴露するんですか?」
って尋ねてみると立花主任
「じゃ、私から言うわね」
って答えた。私は助かったと思いきや、うわ~怖い!いきなり立花主任が重い秘密を暴露したら、私もそれ相当の秘密を言わなければならないじゃない。だって後輩だもん。 どうしよう…。 あ~、こんな旅行になるんだったら来なければ良かったかなぁ。これも立花主任の作戦かなぁ…。
「絶対、ふたりだけの秘密ですよね?」
私が尋ねると
「もちろんよ」
って答えた。なんか余裕の答えだった。
 さっき、あんな約束を交わしてしまった二人はしばらくどういう風に話そうか考えていたのか黙っていた。私はこの雰囲気を変える為に
「私、ちょっとトイレに行って来るね」
と言って立花主任の前を横切り通路に出た。
「じゃ、私も菅野さんが戻って来たらトイレに行こうかなぁ」
さすがに立花主任も少し緊張をしてきたみたいです。なんかソワソワしてきた感じがします。私はトイレに行きながら思いました。
――立花主任って以外と私よりモロイのかも知れません。私、3つの秘密で立花主任に勝てるかもって、もし勝ったとしたら立花主任の人生を変えてしまうかも知れないなぁ…。人の悩みはやっぱり打ち上げてみないと分からないし、打ち上げる事によってお互いが前に進める事もあるかも知れないよね。私が戻るなり
「じゃ、ちょっと行って来るね」
って立花主任もトイレに行った。

主任はトイレの帰りに車内の自販機でコーヒーを買って戻って来た。すると
「いよいよよ、覚悟はできてる?」
って立花主任が言った。
「はい、覚悟は出来ました」
と私が言うと、主任は缶コーヒーを一口飲み、小さなテーブルにそっと置いて菅野を見た。菅野は座り直し立花主任も座り直した。二人はまるでお見合いをしているかのように、背筋を伸ばして沈黙のなか立花先輩は告白しました。

「私は妹を殺してしまったの

しばらく沈黙…

我に帰った私は
「えっ!マジですか?」
って声を出してしまった。やっぱりこの人何かあった。それも殺人を…。こんな事は普通他人には言えないよね。重い、重すぎる。私はもうこの人から逃げられない感じがした。仕方ない、私も言うしかないと決意した。

「私は男でした」

しばらく沈黙…

すると立花主任
「嘘でしょ じゃ、あなた女装しているの?」
立花主任は目をまるくして私を見つめて来ましたというよりは視線が少し下の方へ流れていくのが分かりました。
「ちょっと後で詳しく教えてね」
なんか二人はたった一つずつの告白でもうこれ以上聞くことはないと思っていました。二人はもうすでに他人ではないと思い始めお互いが意気投合しました。
「立花主任、まだ続けますか?」
私は尋ねました。すると主任
「そうね…。もういいかもね。でも、せっかくだから続けますか」
「良いですよ。でも、知らないですよ!この先どうなっても」
私はなんか自信が付いて来ちゃいました。もうこうなったらとことん告ります。
そして、立花主任が言った。
「私は室長と付き合ってます」
どうやら立花主任は底をついたと思った。社内恋愛を告るとは。どうにか私に勝とうとしているのが見え見えで。多分、先輩は私の予想外の告白にビックリして気が動転したんじゃないかなぁって思った
「先輩 私、絶対に言いませんね」
「当たり前でしょ! 誰も知らないんだから、もし、世間にバレたらあなたのセイにするからね
「そうですね、大丈夫です。じゃ、私の秘密パート2私の恋人というより好きな人は幽霊です。21歳まで一緒に住んでいました。もちろん彼は私の身体の中にですよ」

またまた沈黙…

この子おかしいと立花は心の中で思い、
「嘘じゃないわよね?」
立花主任は疑ってきましたが私は
「ハイ、本当ですよ。彼の名前は晃って言うんです」
すると立花先輩は
「分かったわ、次いきましょう」
ってあっさり流し、3つ目の秘密を言い出した。
「私は影で人の悪口を言う人が嫌いです」
とうとう立花主任はネタ切れみたいです。じゃ、私も
「私は昔いじめられていました。っていうか前の部署でもいじめられていたような気がします」
立花主任は自分が思っていた言葉が菅野からやっと聞けて
「やっぱりそうなの?」
と確認をしてみた。
「ハイ、そう思います」
 
 二人が沈黙する中、電車は終点の鬼怒川駅に到着しました。
「菅野、乗り換えよ!」
「あっ、ハイ」
立花主任が私を初めて『菅野』って呼びつけで言ってくれてなんか嬉しいです。私も主任じゃなくて『先輩』って言っちゃおうかなぁ!


こうやって私達はお互いの秘密を言い合って親友になっていきました 。

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第5話 温泉旅行 

『特急スペーシア』


4月21日 土曜日


 立花主任と私は川治温泉に行くことになり、浅草駅の改札口に朝の30分で待ち合わせすることになりました

 浅草駅は私の家からそう離れていないためバスで駅まで向かいましたが、早く着き過ぎてしまった私は立花主任より先に着き、売店でお菓子を買ったり駅校内に貼られているポスターを眺めたりして立花主任が来るのを待ちました。改札口では、旅行バックを持った人達やゴロゴロと転がるキャスター付きのバックを持った人がいて、自分のバックと照らし合わせながら
――私も今度あーいうバックを買おうかなぁ…
って思いながら暇つぶしにすれ違う人達をウォッチングしながら眺めたりしてました。
ホームに電車が到着すると背広姿の人達も結構いて土曜日なのに仕事に行く人達も多いんだなぁっと思ったりもしそのホームを眺めていたら立花主任がゆっくりと改札口に近付いてくるのがわかり、私も改札口に行き立花主任
「おはようございます」
と声を掛けました。立花主任
「おはよー、ごめん、遅くなっちゃって」
と言いながら改札口に来ると
「私は改札口の外には出れないからここで切符を渡すね」
と言ってバックの外側に付いているポケットから菅野の切符を取り出して渡した。菅野はもらった切符を改札口に通しホームの中に入って
「大丈夫ですよ!私が早く来過ぎただけですから」
と言って立花主任の顔を見上げた。すると立花主任
「菅野さん、ちょっとバックを持ってもらっていいかしら?私、トイレ行きたくて
「良いですよ」
「菅野さんは平気?」
「はい、大丈夫です」
立花主任はバックからポーチとハンカチを取り出し改札口の横にあるトイレに走った。私は立花主任のバックを眺めながら
――このバック、ブランド品だ高そうでも軽いなぁ…。
私は自分のバックを持ち上げ
――うわぁ、重たい
と呟いてしまった。
立花主任がトイレから戻ってくると私からバックを受け取り時計を見た。二人の乗る電車はまだホームには入って来ておらず、とりあえず自分達が乗る位置まで歩くことにした。
歩き出して間もなく電車が入って来て
主任、あれに乗るんですか?」
と菅野は指をさして聞いてみた。
「そうよ。結構格好良いでしょ
って立花主任言いながら切符をもう一度眺めて
「2号車のAのよ」
と言って急ぎ足でその車両まで歩いた。
私は返事をし主任の後ろに付いて行きながら
主任、朝から元気ですね」
て声をかけた。立花主任は振り向くことなく
「朝ご飯食べたからね菅野さんは食べた?」
「私はまだ食べていません」
「食べなくて大丈夫?」
「はい、大丈夫です。お菓子を買っといたから電車のなかで食べます」
と言いながら2号車の入り口まで来ました。扉はまだ閉まった状態で私達はそこでしばらくおしゃべりをしながら待ちました。やがてアナウンスと共に扉が開き主任に続き私も中に入りました。立花主任はこういう電車に慣れているのかサッサッと歩き奥へと進んで行きましたが、私はあまり旅行とかしないため何もかもが珍しく辺りを見渡しながら前に進んでいきました。車内の中には扉がもう一つあって、その扉の窓は濃いオレンジ色をしており、そこから中を覗くと凄い高級感あふれる雰囲気を作り出した車両でした。内側の扉は自動ドアになっていて私も中に入りました。車内は居心地よさそうなシートが真っ直ぐに木目調の床張りの通路を挟んで4列で並び、それに伴って天井の照明も綺麗に真っ直ぐ連なり、遠くを見るとまるで車内が二等辺三角形のようにも見えました。
先輩はもう座席に着いていて荷物を棚の上に置いているところでした。私キョロキョロしながら座席まで行き棚に荷物を載せました。
「菅野さんは窓際に座って良いわよ」
と言って私を窓際へと誘導した。
「すみません、主任
と言いながら座席にすわると、なんとも言い応えのない居心地の良さで私はシートにゆったりと奥深く座った。
主任は良くこういう電車に乗るんですか?」
私は主任が腰掛けるのを見計らって質問してみた。
「私たまにね。菅野さんは?」
「私はめったに乗りませんよ。だから凄く新鮮なんです。だから田舎者みたくキョロキョロしちゃって」
すると立花主任
「菅野さんは電車じゃなくて車で旅行に行ったりするのが多いのね。私は車を持っていないから電車での旅行が多いかなぁ」
主任、私は車を持っていなければ免許も持っていませんよ」
「そうなの?」
「はい、ただこういう旅行に行ったりしなかっただけですよ」
話している最中にいつの間にか車内は人で混み合って来て、静かにゆっくりと電車は走り出していた。
「菅野さん、走り出したわよ!」
と言って立花主任はこれ以上聞くことをやめて話しを変えた。菅野はすぐさま窓の外を見たがまだ電車は駅校内を走り出しただけであって風景は見れなかった。
主任、発車するのにアナウンスがないんですね。乗り遅れたりする人はいないんですかね?」
「私達がしゃべっていたから気付かなかっただけじゃない?」
と言って立花も窓の外を見た。車内が急に明るくなり、電車は浅草駅のホームから外へ出た。菅野はなんだか嬉しくなり、外をずっーと眺めていた。電車はビルに例えると3階の高さの上を静かに走っており、初めのカーブで電車が片寄るのに体を合わせ菅野は外の下を見た。一方、立花は菅野が楽しそうに外を眺めているのを見ていた。

浅草駅から1時間位走りましたでしょうか、景色はもうすっかり田舎町です。
主任、ポッキー食べますか?」
私はカバンからポッキーを出して狭いテーブルの上に置いた。

――そういえば私は立花主任の私服姿をみるのは初めてで、会社帰りは一度も一緒になったことがないから新鮮でした。ジーンズがスゴく似合う人で足が長いです。出るところもちゃんと出て痩せすぎてなく太ってもいないスタイルです。それに比べて私は背も小さく胸も小さくおまけにお尻までもが小さい。でも太ってはいませんが小柄ながらバランスはとれていると思っています。

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それは、宗教です。

昔、宗教は心の支えとしてその地域や国民の心を支えてきました。

まだ、科学も発達していない時代には根拠というものはなく、偉大なる大きな力を持つものや人間技ではあり得ないものを神としてきました。

その中で、仏教だけがちょっと違っていて、仏教は神の教えではなく人間がこの世で苦しまない人生を送るにはどうしたら良いかという悟りの境地を目指すものでした。

仏とはブッダのことをいい悟った人という意味で、その人の教えを仏教と言います。

だから仏教は神ではなく人間その者だから、仏教には他に神がいるのです。だから仏教は宗教に入れていいものかということになるかもしれませんが、ブッダはとても人間技ではないと言う意味で神として考えられ宗教の仲間入りをしました。



では、それぞれの環境の中でどんな思考が生まれて行ったのでしょうか?

一神教(ユダヤ教・キリスト教・イスラム教)

   白黒の世界、西洋

多神教(ヒンズー教・仏教・極東教(神道など)

   白黒とグレーの世界、東洋


一神教は砂漠を取り囲む地域から生まれたことにより、緑あふれる自然に乏しいため自然を支配しようとするが生まれた。



多神教では自然との共存を目指している。その自然環境から農業生産の違いが生じ、一神教では小麦農業、人間による動物支配する牧畜が生まれ、多神教では稲作農業、自然を大事にする思考から自然との共存による多神教が生まれた




その、土台となる私達の心は本能(潜在意識)の一番深いところにあります。


日本の八百万の神は、造化三柱の神より始まり、後にイサナギノ命・イサナミノ命の夫婦神によって、その分霊が日本の国土を作り、自然を作り上げ、最後に皆様が知っている天照大御神月夜の神須佐之男の命が誕生し、私達が今、こうしてその国で暮らすことが出来るのです。
したがって、自然も人間もみな、元は同じ神から分けられて出来ているので、その中でお互い共存して暮らせるよう守られているのです。



今、本屋さんに行くと沢山の心のケアについての本が売っています。

そのほとんどの内容はお経に書かれているものです。


私は、2年前ぐらいまで、お経はお坊さんが葬式などであげられるものだと思っていました。


しかし、お経の意味を勉強すると、お坊さんだけが知っているのはもったいないと思いました。だって、そこには2500年前からブッダによって作られていた『人の歩む道』が書かれていたのですから。



なんでもそうですけど、知らないと恐れが生じますが、知れば

「おお、良いこと書いてあるな!」

となり、もうけもんになります。



インナーチャイルドの癒しは一人でできますが、それには心の準備が必要です。

これをなしに進めても、なかなか上手くいきません。


ある程度、霊格が上がらないと癒せられないのです。



なぜなら、心や感情は目に見える肉体と違って、目に見えない時空を超えたところにあるからです。


空(霊)から意識という微粒子(魂)が善悪の何かを受けると、その意識の微粒子の周りを光よりも早い速度で高速回転し始め、感情粒子が誕生し、感情が生じます。そこに似たものが引き寄せられ、更にその回転は大きくなり鈍くなります。回転が鈍くなると段々と液状化し、やがて固形化していきます。


その感情の固形化は体にとって毒素になります。




このように意識は肉体と同じく運動をしています。運動するということはエネルギーを作っているということです。これが感情エネルギーで生命に影響を及ぼします。




あ、ちなみに私は大きな宗教団体には入っていません。

だけど、古神道の師匠はいます。






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今日は仕事が休みでした。

上野動物園に行って来たよ


ろくろく首 
首が疲れたよ~


( ゚д゚)ホッ!!
ぼくは誰だ?



  
 おお、やったね!


 
なんか寂しげな僕です



 
目が白いぞ!
君は誰だ!
 


 
男だね! 


 


 
なんか疲れたなぁ




 
ヤギだよ


ホントはまだまだ写真があるんだけど、イマイチだから、
これだけです。

立花は会社の医務室にフラフラな菅野を支えながら連れて行った。なんとか菅野も歩ける状態だったが医務室のベッドに横たわるとあっという間に眠ってしまった。

 ここの医務室はある程度の広さがありますが、先生や看護師さんがいる訳ではなく、ベッドが2つと3畳くらいの診察室に心電図室ががあるだけで、あとはスカスカの棚に常備薬や簡単な応急処置の本が置いてあるだけでした。ここが賑やかになるのは一年に二回の健康診断の時ぐらいでした。
 静まり返った医務室で私はそっと目を覚ますと辺りを見回し、横で本を読みながら座っている立花主任に気が付いた。主任も私に気が付き
「大丈夫?」
って小声でささやいた。私はベッドから体を起こし立花主任に謝った。
「すみませんご迷惑おかけしました。」

しばらく間が空いて

「私、昔から緊張が高ぶると胸が痛くなったり身体が突っ張ったりして苦しくなる事があるんです」
立花主任は本をベッドの隅に置いて私の手を取り見つめながら
「何かあったの?」
って聞いてきた。

またしばらく間が空いて

私は正直に言った。
「今、私は苦しいんです。立花主任がすごく優しいから聞き出せない事があるんです。って言うか聞くのが恐いんです。私、立花主任が好きです。あっ、もちろん変な意味じゃなくて主任としてですよ」
どうしようまた鼓動がしてきた。すると立花主任
「菅野さんが何を私に聞きたいか分かったわ」
立花主任は握っていた私の手を離し、頭をなでるようにして私の肩にそっと手をあてた。


「ごめんなさい」
私は謝り涙が出てきた。
「苦しかったのね。でももう大丈夫よ、私があなたを守ってあげるわ」
「ありがとうございます」
私は結局、立花主任に何も聞けなかったけど、立花主任
「そうかもね」
って答えてくれた。私は心の中で「どうして?」と尋ねると立花主任
「あなたを見ていると分かるわ」
って答えた。私は言葉をなくし泣き出してしまった。しばらくして私の心が落ち着きを取りもどすのを見計らって立花主任
「菅野さん、今週の土日空いている?」
って聞いてきた。私は晃に会いに行こうと思っていたけど、
「はい」
と答えた。すると主任
「じゃ、温泉に行かない?もちろんみんなには内緒でだけど」
「私とですか?こんな私で良いんですか?」
「じゃ決まりね!私が宿の予約を取っといてあげるから菅野さんは何もしなくて良いわよ。じゃ、携帯教えて!」
私は立花主任に携帯番号とメアドを教えた。
「じゃ、決まったら連絡するから、そろそろ仕事に戻りましょうか。私は菅野さんが職場に帰って少ししてから戻るから先に帰ってなさい」
「はい、わかりました。ありがとうございます」


私は不思議に思いました。なぜ私が考えていることが分かったんだろう…って。

第4話 職場の嫌われ者

「菅野さんって立花主任と仲良いよね」
突然仕事中に中里美穂先輩が聞いてきた。私はヤバいと思った。このパターンがイジメの入り口だった事は過去に何回もあった。せっかく楽しく仕事出来るようになったし、このチームのみんなとも仲良くなったと思ったのに…
「えっ、何で急に?」
私は恐る恐る聞いてみた。
「実は私達、立花主任とあまり話した事ないのよね。彼女からも仕事上最低の言葉しかかけてこないし。でも、菅野は良く話しているよね。何話しているの?」
あれ、今までと違うパターンだぞ。なんか恐くなってきたな。どうしょう、またパニックになりそうだよ、 鼓動が激しくなってきた。私は仕事をしながら中里先輩の話しを聞いていたが、仕事の手を休めて中里先輩を見つめた。
「何って、何だろう?そう言われるとすぐに思い出せないけど、仕事の事が多いかなぁ…。
あっ、でも時々仕事以外の事も話したなぁ…。普通の会話だったけど。」
「そうなんだ、フ~ン、謎よねぇ?」
「美穂先輩、何が言いたいですか?」
すると美穂は私に近付きしゃがみ込みながら小声で私に言ってきた。
「これはあくまでも噂よ。彼女ね、昔みんなから嫌われていたんだって。なんか人の心にヌケヌケと入ってきて、どうするのかと思ったら何も言わないで去っていくんだって。なんか気持ち悪くて」
 私はビックリして美穂先輩から一歩引いてしまいました。立花主任からそんな気配は感じられなかったし、私にとっても優しくしてくれます。なのになぜ美穂先輩はそんなことを言ってくるんだろう…?私はまったく検討も付かないので逆に美穂先輩を訊ねてみました
「全然そんな気配はないですよ。美穂先輩もそうされたことあるんですか?」
美穂はまた小声で
「私はそこまで話した事ないから…、あくまでも噂よ!、う・わ・さ!
「私は立花主任嫌いじゃないですよ。それって絶対なんか訳があるんですよ。立花主任に聞いてみて分かったらちゃんと教えますね。だけど話せる内容だったらですよ!」
美穂は少し間を開けて
「お願いねぇ」
って言って仕事モードに戻った。

 あ~ビックリした。私が嫌われているんじゃなくて立花主任がみんなから嫌われているんだ。でも信じられないなぁ。私あんな約束しちゃったけど、どうして直ぐにそう約束しちゃうんだろう。またやっかいな事抱えちゃったなぁ
どうしよう…それって立花主任を裏切るごとになるんじゃないのかなぁ…。なんかやだなぁ…。下手すると両方から嫌われるあのパターンそうだ浩輝先輩に聞いてみよっと、って今は仕事中でした。危ない危ない、怒られるところでした。

昼休み突入

 私はバックからお財布を取り出しているみっちゃんに浩輝先輩がどこに行ったか聞いてみた。するとみっちゃんは
「多分、社内食堂じゃないかしら…」
と言って中里先輩のところに駆けていった。私は5階にある社内食堂に行ってみることにした。
 社内食堂は150名程座れるが安い分混雑しており浩輝先輩を探すのには大変だった。私はカレーを注文して出来上がったカレーと水を持ちながら辺りを見渡したが浩輝先輩の姿を見付けることは出来ず、食堂内をウロウロしていたらちょうど4人掛けのテーブルが空き、その後ろで食事をしている浩輝先輩を見付けることができた。早速、私は浩輝先輩に聞きに行った。

「先輩、お疲れ様です。同席しても良いですか?」
私は浩輝先輩の前に立ちながら訪ねた。
佐藤浩輝はラーメンを食べながら顔を上げ
「おお、嬉しいねぇ~ 若い子と食事なんて」
と言ってニコニコしながら自分の前のテーブルの上にこぼれたラーメンのおつゆを拭き取り
「さぁ、どうぞ!」
って手で合図をした。
私はカレーをテーブルに置き食べようとしたが先輩から
「彼氏は元気かい?」
って逆に質問をされてしまった。私はスプーンを持ったまま
「彼ですか?あれから会っていません。でもまた会いたいから今週会いに行こうかなぁ…」
「彼ってあの市原に住んでいるの?」
「多分」
「多分って?」
「久し振りに会ったからまだそこまで聞いてないよ」
「何それ?だって彼氏だろう?住んでる所も知らないの?」
困った、突っ込まれてる。
「昔の話です」
「じゃ、今は彼氏じゃないんだ」
「私は彼氏だと思っていますよ」
「って事は片思いなのかなぁ。ふ~ん、菅野さんって面白いね。もしかして真面目な人?」
私は少しムッとた。
「ごめん、怒らせちゃった?悪い悪い。で、今日はどうして突然同席を?」
浩輝先輩は突然真面目になって聞いてきた。
「あの~先輩、まだ私一口も食べてないんですけど…」
「あ、ごめんごめん。さぁ食べて食べて
私はやっとカレーを食べる事が出来ました。一口食べて先輩に思い切って訊ねてみました。
「先輩、実はちょっと聞きたい事があるんですけど良いですか?」
「何?」
「立花主任の事なんですけど、立花主任って嫌われているんですか?」
浩輝先輩は突然食べるのを止めて
「そうなんだ…、俺は知らないなぁ…。あんまり話さないし気にもしないからなぁ…って誰が言ったかは知らないけど気になるんだったら直接本人に聞いた方が良いよ。菅野だって影で人の噂を聞きまくられたらイヤだろう」

沈黙

さすが先輩は大人だ
「そうですよね」
「そうだよ、俺が菅野の彼氏の事で影で人に聞きまくっていたらイヤだろう」
凄い説得力だ。これが嫌われないための一歩なんだ。

またまた沈黙

「勉強になりました。ありがとうございます先輩」
その後私はモクモクとカレーを食べました。先に食べ終わった浩輝先輩は目で何かを訴えるように合図をし席を外した。

――何やっているんだろう。浩輝先輩の言う通りだよね。なんかまた自分が嫌いになってきちゃったよ…。

食事を終えた菅野は考え事をしながら職場へと戻っていった。

――結局、本人に聞くしかないよね。でも、立花主任って昼休みはどこにいるんだろう?今まで気にしたことなかったから全然気づかなかったけど。
どうしようかなぁ…、美穂先輩に「気になるんだったら自分で聞いてみたらって」言ってみようかなぁ…。あ~ダメだ、私には言えない。
 言われてみると立花主任が本当に嫌われているのか私も知りたい気もするなぁ。そのような心辺りがあるし。私の歓迎会の時、自らみんなが近寄らない上司の目の前に座ったもんね。普通だったらみんなの所に座るよね。もしかして室長と付き合っているのかなぁ。いや、そんなことはないよね、付き合っていたら普通こういう場所なら離れるよね。社会人として立場があるから。だとしたら立花主任がみんなを避けているのかなぁ…?う~ん、謎だ…。


 何時の間にか私は立花主任の席に来ていた。そこへ立花主任が戻ってきた。
「あっ、主任すみません」
私は意味もなく条件反射で謝ってしまった。すると主任は小さな声で
「どうしたの?」
って優しく聞いてきた。なんでこんな優しそうな人がみんなから嫌われるんだろうと思いながら
「あの主任は昼休みどこに行ってるんですか?」
って思わず聞いてしまった。なんだか体が熱くなって、緊張が100になってきた。鼓動が激しくなり息が出来ない。私は体を丸めながらうずくまってしまった。目の前でうずくまる菅野を見て立花主任は一緒にしゃがみ込み肩を抱いて軽く揺すぶりながら
「ちょっとどうしたの? 菅野さん、菅野さん」
と声をかけた。菅野はかろうじて立ち上がろうとしたが足がもたれ上手く立ち上がれなかった。立花は素早く辺りを見渡したが昼休みということもあって室長もおらず、みんなから嫌われているため周りに声をかけれる相手もいなかった。立花はそっと菅野を支えて
「起き上がれる?医務室に行きましょう?」
と尋ねた。
立花主任の声がかすかに聞こえた菅野は何とか自力で立ち上がり、主任にもたれながら一緒に1階にある医務室へと歩いて行った。

 

各国にはそれぞれ神話っていうものがあって、その神話を誇りに思い暮らしています。それは、その国民の自尊心となって心を支えているのではないでしょうか。



ある本には、国の神話を知らないと、その国は滅びるとも書いてありました。

そんなに神話って大事なの?



私が思うには神話っていうのはその国の支えになっている自尊心は宗教だと思います。



人間がこの世に生まれてから現在まで何年経っていることか分かりませんが、間違いなく文明も科学も進んでいるのに、人間の心は大昔から変わっていないような気がします。


肉体ではなく、心というものが自分を動かし人を動かすことは以前お話しましたが、その心を支えるものが宗教で、その国の1つの価値観となり、その国民を作り上げていきす。


だから宗教は国ごとに違ったりします。国の自尊心として自分たちの心を支えるだけならいいものを、そこに低我の価値観ができると、自分達が正しいという善悪の価値観が生まれ、それを否定されることによって、怨みや憎しみが生まれ戦争や争いになっって行く。



やられればやり返す。この繰り返しが永遠と続きます。



私たち日本人は、もういい加減にしろと思うかもしれませんね。

しかし、戦争の繰り返しをしている国は、そう思えないのです。

ではなぜ、日本人はそう思えるのか?



日本人の自尊心は『大和魂』だからだと思います。


大和魂ってなんだろう?


多分、テレビの影響などで武士のイメージがして、根性入れて最後まで戦いぬくことだと思っている方が多いのではないでしょうか?


テレビって怖いですね。知らないとそれを信じてしまう。



日本人の自尊心(大和魂)は国家の『君が代』に歌われています。

『君が代』の歌の意味を知ってますか?



この歌は古事記や日本書紀の神話から来ています。

石長姫(いわながひめ)が子孫繁栄のために祈りを込めて唄った歌です。



イザナノミコト(男神)…成り余ることあり、イザナノミコト(女神)…成り足らざることあり。この二人の夫婦神が重なり合うとき子を預かり、その「子」こそが私たち日本人となる。その日本人が幾年にも永遠に平和に暮らせますように。


したがって、君とは私たち日本人であり、代は時代を超えて、千代に八千代には永遠に生まれ変わってもなお、さざれ石の巌となりては結束し協力し合い団結して、苔のむすまでは固い絆と信頼で結びついて行こう



神話からいくと、夫婦神のいざなぎの命といざなみの命は私たちのご先祖様です。そして、この世で一番最初に夫婦喧嘩をした神々です。


石長姫(いわながひめ)はこのご先祖神のように喧嘩をしないで、お互い許しあって、幾年と続く子孫たちが輪を持って協力し合い、日本の国が永遠に平和が続きますよう唄われたものです。



したがって、日本人の自尊心(大和魂)とは、

許しの思考(輪を持って接する心)

になります。

だから、戦争で負けても相手の国を許すことができ、その国と仲良くなってお互いの経済の発展に繋がっていくことが出来るのです。



しかし、日本人の宗教感は悪質な宗教団体などの影響もあって、無くなって来ています。無くなるということは、この許しの思考がどんどん薄れていくことだと思います。

そして、それは日本人の自尊心を失うことに繋がります。心が無くなるということは、体が自分の意志で動かせなくなるということです。


何が言いたいかというと、自分自身を持てなくなり、人の心に流されていくということです。許しの思考もなくなり何を信じたらいいか分からなくなってさ迷い続けるため、いつも未来に対して恐れの不安を抱えていくので、恐い為に自分を守るために相手に牙を向けるようになります。これが永遠に続いていくと、許す心が完全に自分の心からなくなってしまい、子孫もその心が無いまま生まれることでしょう。




相手が謝ったら許せる心を持つ日本人て素晴らしいですね。日本人なら当たり前にできても、その思考がなければ許すことが出来ないのです。



だからといって宗教団体に入ることはないと思います。信仰心があればいいのです。見えないものを信じてみることです。この宇宙全体を動かしている物は、人間の目には見えない物が99%ぐらいで、ほとんどだと思います。人間が根拠で分かるのは1%あるかないかだと思います。


まるで、宇宙と人間の体みたいなもんです。

宇宙が潜在意識としたなら人間は顕在意識です。


さて、日本人に生まれて良かったなと思えたら、日本の神話を読んで、次の世代へと教えてあげて下さいね。

お母さんが子供に神話を読んであげると良いですね



そんな、光景が私の頭の中に描かれると、幸せを感じます。


おすすめの本は『古事記のものがたり』という本です。本屋には売っていません。ネットか大きな神社に売っています。




☆価値観はどうやって作られるか☆

人間が生き抜くための本能から生まれた意識が愛欲です。この意識は宇宙の創造主の価値観と同じものだと思います。

その意識の中には生き抜くための最低の欲が宿っています。
食欲・睡眠欲・学習欲・性欲です。これらを一つとして愛欲と言っています。

愛とは無償のもので、調和です。

よく宗教で
「あなたは愛を信じますか」
って言いますよね。

私はこの愛って宇宙の調和を言っているのではないかと思います。
人が人を愛するってことは、無償でお互いを調和するってことだと思います。
だから、条件を付けてはいけないのです。


意識の行方はどこに?

宇宙の波動が1つの粒子を振動し、そこに他の粒子がくっついて、元の粒子の周りを回り始め、その回転により物質化し、固体化する。肉体の完成。
肉体は波動していて、意識はその肉体の波動と調和できる肉体を選んで宿ると思います。
生命の誕生ですね。

意識が肉体に宿ると、肉体はその意識を使って体や意識をコントロールできるよになります。これが、学習欲になります。意識は学習することのよって成長していきます。
(つまり、意識は肉体がないと成長できないんですね)

肉体で意識をコントロール出来る場所が、脳です。そこで一時的に意識を貯蔵させたりすることも出来ます。そして、あとはすべて本能の意識に貯蔵します。
脳の意識を顕在意識、本能の意識を潜在意識と言っています。

したがって本能の意識(潜在意識)は創造主の意識と同じです。
肉体が亡くなれば、その意識も創造主の意識とキレイに調和され消えてなくなります。


しかし、少しでも創造主の意識と異なると調和できなくなり、体から離れた意識は次の体を求めてさ迷います。これがよく言われている輪廻転生です。

創造主の意識(本能の意識)に戻るまで、体を使って何度も何度も生まれ変わるのです。


人間は潜在意識の中にある本能的の欲以外に、脳が発達してしまっているため、様々なことに興味を持ち、生きる目的を忘れてしまいます。
忘れることによって、自然の流れを欲で止めてしまい、迷いが生じます。
その迷いは、二者選択となり、どっちかが置き去りになります。
その二者選択によって自分の本能をを否定してしまったことで価値観が生まれます。


この価値観は宇宙の価値観を否定するのと同じことになります。
この価値観は人間界の価値観で、この世的価値観といい、創造主から見れば穢れです。
穢があると創造主の意識には調和できますん。


このように肉体に意識が宿ると、本能的以外の欲によって、創造主(宇宙)の愛から離れていきます。
創造主と調和できなくなると、創造主の愛が貰えなくなり、苦しみの意識が生まれます。


人は苦しいから、その苦しみを取るためにまた欲に走ります。そして、人と争ったり、自分と葛藤したりして自分の体を感情で壊していきます。

なんだか分かんないけど、非常に愛されることを求めて行動していきます。すべての欲は『愛されたい』ためのものなのだからです。創造主から愛されたいためなのです。


こうして本能的な欲以外に作ってしまった欲は、二者選択の選び出されたものから生まれます。これが価値観で、残された方が本当の自分なのです。そして、本当の自分を見つけて欲しいために、似たような環境や場面や親を引き寄せてきます。

そして、本当の自分を見つけてくれて成長させて欲しいのです。
感情はそのためにあります。今出ている感情は置き去りにされた本当の自分の叫び声なのです。

早く見つけて癒して欲しいのです。そして、くだらない価値観を捨ててもらうのです。

こうやって作り上げてしまった価値観を、本当の自分によって、その価値観を捨ててもらうのです。これが人生の引き算で、私たちの生きる目的です。
全ては、創造主の意識に帰るためです。

ちなみに本当の自分をインナーチャイルドと言います。
価値観は大体7歳ぐらいの子供の間に作られてしまったことがほとんどだからです。
本当の自分は成長したいのです。


今から5年ぐらい前でしょうか。一人でバイクで東北一周しに行った時、長い高速道路で瞑想状態になりました。半分寝て半分起きている状態です。頭の中では病気ってなんだろうと思っていました。



バイクを乗りながら、私は人間が作ったものすべてを消した世界を想像してました。まずこの時、自分は何処に居たかというと草原の中に独り立っていた。そして、あらゆる動物や植物と一緒になって自然を肌とこの目と耳と鼻と心で感じとっていました。



そして、病気というものはこの世に存在しないことを知ったのです。




すべてが意味あって繋がっており、何一つ足らないものはない。言い方を変えると、この世界には不必要なものは何一つともなく調和されている。この世界の流れを変えたのは自分の心(意思)だと知りました




例えば、物には名詞があり人間には言葉がある。これは本、あれは家など。自然の流れの中で、その一部を切り取って形を作り、名前を付けてしまったことにまず執着がある。


動物から見ればそんな名前はなく、ただの物体にしか見えない。


また、人間の目で見えるすべての物には色がある。もし、これが透明だったら見ることは出来ない。しかし、その物体が見えなくても、匂いや音、手探りなどである程度見分けがつく。



何が言いたいかというと、何かを捉えてしまう自分の六根が識別を生み、そこに感情が生まれ、いる・いらない、好き・嫌い、善・悪などの判断を作り出し価値観が生まれる。


そして、もっと欲しいなどの欲が生まれ、外を探していくことに気付いた。


内には大事に握りしめてしまったものは自分のものという意識があるからで、誰にもあげたくない、私だけの物といったように独り占めにする欲もある。


同じような人間が近づいてくれば、奪われるのではないかという恐れが生じたり、あいつの物を取ってやろうという意思が働いて奪ったり。この様々な積み重ねが増えることによって欲望が大きくなる。


恐れというものはすべてが未来に対して起こるもので、妄想に過ぎない。ものをいっぱい抱え込むと、そこに恐れを生じ、未来が不安になり、またそこから欲が生まれる。これが貪欲で、すべて未来の恐れになり妄想となる。



価値観はこの世の流れを自ら止めてしまい、執着を作り出し、怒りや恐れ、悲しみ、憎しみ、恨み、罪悪感などを生み出す。



この感情の波動は体の波動と共鳴し、共鳴したところが犯される。

例えば、怒りは肝臓や目や自律神経などに影響が出て、恐れは腎臓や泌尿器系、悲しみは肺や呼吸息系と共鳴して症状が出る。

体と心は共鳴し合って教え合っている。その教えを一言で病気と言って診断を付ける。誰が付けるかというと、先生です。


このように一連の流れを止めることによって病気が生まれる。


だから病気は人間の価値観が作り出したもので、この世から見ればそんなものは存在しないことになる。



ただ、そこには自然の因縁があるでけに過ぎないことを知った。その自然の因縁以外に人の心(意思)というものは、同じように因縁を作り、引き寄せてくる。この引き寄せて過去に集めてしまったものや過去に作り上げてしまった価値観を清算しなくてはならない。


これが、人生の引き算だと思った。


あ、ちなみにこれはあくまでも私の想像で、根拠などありません。

私が勝手にそう思っただけです。



第3話 晃との再会





 私の所属が決まりました。塗沫チームです。ここはスライドガラスに検査材料を塗沫して染色し、顕微鏡で菌がいるかいないか調べます。検体数は多いですが単純作業でミスも少なくすみます。で、そのチームで来週の土曜日にバーベキューへ行くことになりました。


当日

 リーダーの佐藤浩輝先輩がワゴン車を運転し高速道路を下りて国道をひたすら走り続けています。神崎美智子は外をぼんやり眺めながら田んぼばっかりの風景を見ていました。
 この辺りは時々民家があるだけで田んぼの真ん中に一本道がどこまでも続いています。その道沿いで目立つお店といったらラーメン屋ぐらいで、時々大きな交差点に差し掛かった時にコンビニがあるくらいでした。田んぼと国道の間には平行に走る線路があるが列車は一度も通らなかった。この線路には電線がないため電車ではなくヂーゼルの列車が走っています
 車内は浩輝先輩以外に助手席に近藤和哉先輩の男性二人と中側の座席に有坂昭子先輩と片岡佐知子先輩が座り一番後ろの座席には私と神崎美智子先輩が座っています。神崎先輩以外はもう朝から仕事の話や洋服の話、芸能人や男の話などでワイワイガヤガヤと賑やっています。私は先輩達の話に合わせながら笑ったり怒ったり悲しんだりと自分の話も出来ないまま聞くだけでした。そのため疲れが溜まって来ていました。
 みんなが話している最中に突然佐藤浩輝先輩が運転をしながら前方の踏切を見て
「この先に国道を横切る踏切が2つあるんだけど、そのどっちかにお化けが出るんだって!知ってる?」
と後ろを振り向いて私達に言ってきた。すると片岡先輩がその言葉に反応して神経をとがらしていたのがわかった。片岡先輩の横に座っていた有坂先輩が座席から立ち上がり運転席と助手席との間の隙間にを乗り出して前方に見える踏切を見て
「なんであんな踏切にお化けが出るんですか?そこで誰かが死んじゃったんですか?」
と聞いてきたので浩輝先輩
「俺も詳しい事は知らないんだけど、聞きたい?」
と有坂の顔みて言った。
すると有坂が
「私、聞きたい!教えて!」
と浩輝を見つめた。
浩輝は頷いて
学生の時の友達が見たらしいんだ。お化けと言っても電車なんだけどね、幽霊電車。そいつの話だとなんかそいつがサーフィンをしている頃、夜中によくこの道を通ったんだって。

で、一度だけだけど夜中の時位に踏切が鳴って遮断機が降りたんだ。そいつの友人と彼は車の窓を閉めて音楽をガンガンかけていたらしいんだけど、そいつは「なんでこんな時間に電車が通るんだろう?きっと線路の点検車両が通るのかなぁ?それとも遮断機のテストでもしているのかなぁ?」って思ったらしく、同行していた友人にそう言ったらしい。でも、しばらく経つと電車も通らないまま何もなかったかのように遮断機が上がったんだって。それから少し日数が経ち、あの踏切の事をすっかり忘れてからたまたま本屋で立ち読みしている時に『お化けの住所録』という本を見付けて眺めていたら、そこの踏切の事が書いてあったんだって。内容はやっぱり時位に踏切が鳴り遮断機が降りるんだ。その踏切に引っ掛かったタクシーの運転手は外に出て立ちションをしたらしい。そうしたら電車が来る音が聞こえて来て電車が過ぎ去った後の風が彼に吹きつけたんだって。周りの草もその風によって揺れていたし、ヂーゼルの焦げたエンジンの匂いも漂って来たのを運転手は確認していた。ようするに幽霊電車が過ぎ去ったんだよ。あいつはその事を知って俺に教えてきた訳さぁ。そいつは友人とたまたま窓を閉めて音楽をガンガンにかけていたから幽霊電車の音にも気付かなかったし、まともに踏切を見ていなかったから風でゆれる草にも気付かなかったんだって」。
 さっきまで車内は賑やかだったのに浩輝先輩の話でシーンと静まり返った。私は浩輝先輩のお化け話しを聞きながら次は私が話そうかなぁ…って思っていたけど、周りの静けさにお化けの話しはまずいよねって思い止めることにした。


 私達は2つ目の踏切にも気付かないまま車はいつの間にか山道へと入っていた。車内の雰囲気がガラッと変わってしまったことに佐藤浩輝は申し訳ないことをしたかなぁって思っていた。もっとみんながのってくるかと思っていたが、話にのってきたのは有坂だけだったけど、彼女もお化け話しが終わる頃には黙っていた。浩輝はみんながお化けに弱いことを今知ったのであった。
 周りを沈黙させてしまった浩輝は場を変えるかのようにウキウキ声で
「もう直ぐ着くよ!」
って言った。
「ここ、何処ですか?」
みっちゃん(神崎美智子)はみんなが静まり返った中、窓の外を見ながら言った。
「これから行く所は市原の市民の森だよ。行ったことある人?」

って佐藤浩輝チームリーダーは手をあげたが他はだれも手を上げなかった。で、その時、私は意識をなくしてしまった。

「海

みんなは私が寝ているのだと思ったらしく、私の今の状態に気付かず、私が目を覚ました時は市民の森に着いてからだった。
「オイ、着いたぞ!」
とリーダーの声で目が覚めた。

――あれ、ヤッパリ私は寝てただけだったのかなぁ…。でも、ふーと意識がなくなるのが分かったのに…。

あれ私ここに来たことある。何時だったけかなぁ…懐しさが私を包んだ。

 佐藤浩輝チームリーダーは近藤和哉と車内での失敗を取り戻すために人一倍動き回った。炭にも一発で火を着けリーダーとしての役割を発揮できた。半分は和哉のおかげなんだけどね。バーベキューが始まってから少しずつ車内での賑やかさを取り戻し、楽しくバーベキューも終わらすことが出来た。後片付けもリーダーはテキパキとし、頼れる男を魅せ付けていた。

 帰りに寄り道で近くの田舎駅に行くことになったんだけど、ここはまるで三丁目の夕日の世界で昔の風情がそのまんま残っていました。人影はまったくなく私達だけでした。駅に着いて私は胸が痛くなり、車内でかがみ込んだが誰も気付いてはくれなく、みんなは車から降りて写真を撮りに行ってしまった。で、その時


「海


突然晃の声が聴こえた。私は辺りを見渡し、耳を澄ませた。確かに今、晃の声が聞こえた。私は写真を撮っている浩輝先輩の所に駆けていって
「浩輝先輩、私もう少しここにいたい。私、一人で電車で帰りますから居させて下さい。お願いします」
と我がままを言った。しかし、浩輝は少し考えて
「分かった、気付けてなぁ」
と言ってアッサリ許してくれた 。
「ありがとうございます」
私はお辞儀をし、車に戻りバックをとって駅のホームまで歩いた。


 先輩方が帰ってからホームのベンチに座りそっと目を閉じ心を落ち着かせた。


しばらくして
「元気だった?海
やっぱり晃の声だ!
「会いたいよ~
私は晃に直接会ったことはないのにどうして今もこう会いたい気持ちになるんだろう。昔は何時も一緒にいたのにネ。
「ねぇ晃、ここにくればまた晃の声を聞けるかなぁ…?」
すると晃
「この辺りなら聞けると思うよ」
「本当
「あ~、辛いときあったら何時でもおいで!
「ありがとう。毎日来ちゃうよ!
私は久し振りに甘えている自分が懐かしく、そして悲しく涙が出てきた。
「毎日は無理だろう?」
がビックリして言うと海は
「だって私毎日一回はミスして凹んでるもん」
さすがの晃
「お前はちっとも変わってないなぁ。まぁ、でもそれが海だもんなぁ。だけど昔みたくはもう出来ないぜ」
「うん、分かってる。私、頑張るねぇ
少し間が空いて
「ここ月崎って言うんだね。落ち着くねぇ。 晃が好きになった訳わかるよ。じゃ、列車が来たからこれで帰るね。また会いに来るね。
晃からの返事は途絶えたまま列車は出発した。

 次の日、私はもう一度浩輝先輩に昨日の勝手を謝った。浩輝はみんなに「ちょっと用事が出来て早く帰らなくてはいけなくなったと伝えといたよ。車だと渋滞して時間が読めないからね」って。
「ありがとうございました。助かりました」
「彼氏か
浩輝先輩が聞いてきた。私は正直に
「はい
って答えました。