天使になった命
切迫流産で運ばれてきた時、すでに胎児は心拍停止だった。
死産という形でも自然分娩に挑んだ母親は、泣かずに瞳を閉じたまま眠りについてるような我が子を愛おしそうに抱き、頬に顔を寄せた。
「よく頑張ったね…大好きだよ、愛してるよ…ごめんね」
といって、頭や頬を撫でていた。
死産という形でも自然分娩に挑んだ母親は、泣かずに瞳を閉じたまま眠りについてるような我が子を愛おしそうに抱き、頬に顔を寄せた。
「よく頑張ったね…大好きだよ、愛してるよ…ごめんね」
といって、頭や頬を撫でていた。
元妻
最初に結婚した妻は、数年前起こった大地震に巻き込まれ亡くなった。第一子である長女の四ヶ月検診の帰りだった。
元妻は右肩をコンクリートに挟まれ瀕死の状態の中、胸に抱いていた長女に母乳をあげ続けていた。救急隊に発見された時は既に意識はなく、長女は元妻の胸の中で眠っていた。
今日が元妻の34歳目の誕生日だ。
あの日から精神科に入院を繰り返す僕をみて、元妻はきっと呆れているだろう。
すまん。たった一人の娘さえ養う事さえ出来なくて。
元妻は右肩をコンクリートに挟まれ瀕死の状態の中、胸に抱いていた長女に母乳をあげ続けていた。救急隊に発見された時は既に意識はなく、長女は元妻の胸の中で眠っていた。
今日が元妻の34歳目の誕生日だ。
あの日から精神科に入院を繰り返す僕をみて、元妻はきっと呆れているだろう。
すまん。たった一人の娘さえ養う事さえ出来なくて。