夜勤での出勤時に気付いたんだ
この時期、田圃に水を張ってあるよね。
その水面に街灯が写り込んで、とても…思い出すんだ。
真っ暗になった景色の中で水面にうつる幻想的な灯。
風がなく、静かな夜は余計に。
昼間に見ればただの田圃なのに。
水面にはただ静かに、全てを覆い尽くさんとするような漆黒の闇と、オレンジ色の幻想的な淡い灯。
周りは田んぼだらけなのに、港町や海岸沿いの街並みの様に浮かび上がるんだ。
親父に連れられて行った場所にも似ているし。
とても不思議で、懐かしいような。
それでいて、知らない場所のようで。
ただ1日の始まりに下を向いて、周りの景色など見ずにいたら気付けなかった。
毎日通る場所でも、そこでもちゃんと時間は平等に流れているから。
小さな変化でも、気付けるか否かで気分も変わるものなんだよ。
だからほら。
たまにはいつもの景色を、ゆっくりと隅々まで見て。
周りの時間を感じたら、自分がちゃんと生きている事も気付けるからね。



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