俺の声3(歌う主夫は不動産屋)

日常 非日常 徒然るままの《俺の声》です


テーマ:
OK横丁《雄三》『コバさんこっちです』『ん・・・』
暖簾を分けて店に入ると3人と1人の客がいた
(今日は三人様荷物も多いので大きなテーブルで)
そう思いながらギターを乗せたとき声がかかった


『おぉ久しぶり』約束の14時5分前彼は既に店にいた
『早かったね』『今日はフリーだからやることないし』
出張最終日を一日伸ばして我々と遊ぼうとやってきた
彼の北海道訛りが寒かった体を温めてくれるようだ


少年のような笑顔と挨拶替わりの話をすること40分
真打登場とばかりにギターを抱えたスーツの色事師
何かと忙しい兄さんが我々を見つけて笑顔になった
『お久しぶりで』これで今日の面子は揃った訳だ


しばし《駅のトイレの清掃中の立札は何を注意してるのか》
と云う哲学的な論議を交わす二人をちゃかして遊ぶ
《レスポールが云々ストラトが云々ギブソンがどうのモデルがなんの》
正直私は物にこだわりも知識もなくほぼ蚊帳の外の話題


あっという間に1時間『ごめんタバコ吸うね』今日こそは
タバコ嫌いな友となら吸わずにいられるのではと云う
至極個人的な実験が案の定失敗に終わり煙を吐き出した
『ぼちぼち行きましょか』ぴんきり歌会の開始である


『でいくらなの』『お一人様780円です』カウンターで
説明を受けたて『一人1440円だって』『おぉ安いじゃん』
と用意をしていた我々は『へっ』奇妙に拍子抜けした
『今から4時間お一人様780円です』スタジオ代である


こうして初めてゲストを迎え密室の二人の秘め事を
他人様に公開し さらには参加していただくという大胆企画
さてどんな夜になっていくのか誰もイメージなど出来上がってもいない
412号室に入り込む歳を取った《THE3名様》なのである





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俺の声3(歌う主夫は不動産屋)

染物屋である 平成の世でどんな商売なのだろうか

もちろん需要はあるに違いないがこの屋敷だけで

相当なる固定資産税を・・・などと不動産屋的に見る

江戸の街を思わせる建物がまだ多く残る根津界隈


俺の声3(歌う主夫は不動産屋)


染物屋の隣 普通は見逃すこの狭い入口は

知る人ぞ知る蕎麦の名店である 朝蕎麦もある

夜になると蕎麦懐石などで小さな店は満員となり

さっさと外の電気を消してしまう私好みの店である


俺の声3(歌う主夫は不動産屋)

根津といえば路地 この辺の住宅街はこれが普通

東京でも早くに発達した住宅街は車社会の影響を受けない


俺の声3(歌う主夫は不動産屋)

この狭さである そして乳母車の止まっている所に

病院がある こんな路地も建替えの度に消えていく


俺の声3(歌う主夫は不動産屋)

突き当りには色褪せた昭和が傾いている

屋根まで絡む蔦がなんとも切なく現代を語る


俺の声3(歌う主夫は不動産屋)


表通りの甘味屋 流石に手入れが行き届いている

路地裏の物件調査を終了し鶯谷まで坂を上がる


《古い家は蛇が出そうで怖いです》
俺の声3(歌う主夫は不動産屋)

大丈夫 喰っちまえ



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