よういちろうの妻のブログ

矢野羊一郎・麻生燿一朗…よういちろうの日常を、
その妻が趣味で書いている詩とともに綴ります。
占い好きの方も、詩が好きな方も、そうでない方も、
また、同じアラフォー世代の妻の皆さまも、
ぜひご一読下さいね。


テーマ:
「水花火」



蛇口から出てくる水に手をかざし
流れを遮る
はじかれた水滴は四方に飛び散り
丸く咲き放っては 消える

少しの犠牲をはらえば
そんなことだって充分に納得できる
犠牲というほどのこともないかもしれないが
何かしら失ったような気持ちになるのは
確かに否めなかった

背中越しに
廃屋の壊れる音が聞こえる
足元には
流線形の輪郭が作られる
それをただ見ているしかできないのは
非力だからなのか 無力だからなのか

ホースから吹き出る水に指をかざし
流れを遮る
はじかれた勢いは四方だけでなく
自分へもつきささるほど強い

水を踏む
水を叩く
わざと冷たく接してみたところで
所詮 水でできた屋敷にしか住めないのだ
花火より儚いものを見つけるよろこびは
残酷な行為でもあった

水はきれい
水はかわいい
わざとらしく褒め称えてみたところで
所詮 水でしか選択の余地はないのだ
花火より儚いものを作るよろこびは
確かに残酷だったろう

波の中にいた
波が高くなるたびに
姿を紛らすため 違う色の服に着替えた
それは これからも続く儀式のようなもの

水は怖いか
いや それよりも どんな形だ
迷わず丸と答えてくれるなら
似たような生きものでいられるかもしれない

四方に飛び散る水花火
打ち上げることも 数えることもできず
記憶の中にだけ
残像として生きている
その存在はどこか
昔 子どもだった人たちが 
話す語尾に似ている

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