0からのメッセージ 2007/09/29土 ON THE AIR

・ROOM NUMBER ZERO


【writer rene'mer 】


毒婦マチルダ

わたしはマチルダ。
国会議員。
どうすごいでしょう?

山田マチルダの波乱万丈支離滅裂奇想天外な人生を描いたナンセンス・コメディ。
男の子として育てられて来た山田押忍華留はプロ野球選手を夢みる小学生。ある夏の日、友人とプールへ行った時に自分が女だと気づいてしまった押忍華留は行きずりの男に処女を奪われてしまう。傷ついて帰宅した押忍華留を待っていたのは無残な父母の亡骸だった。なんと北朝鮮のスパイだった母の裏切りを知った北朝鮮の工作員に射殺されてしまったのだ。途方に暮れる押忍華留を救ってくれたのは隣室に住む殺し屋のレオンだった。レオンから「マチルダ」という新しい名前を貰った押忍華留改めマチルダはレオンから殺し屋としての訓練を受けるが、工作員の殺し屋ジョーによって北朝鮮に拉致られてしまう。そこで書記長イルソンの息子ジョンイルと結婚させられそうになるが、革命の暴動に紛れて北朝鮮を脱出。帰国して場末のアングラ劇場に出演していたマチルダは人気作詞家コタニに見出だされ歌手デビューをするが…
劇団テントろばくんにて女優活動をしていた女流バカ映画監督の松梨智子の代表作であり大傑作。一人の女性の数奇な運命を混沌とした時代の様々な事件を織り交えながら力強く描いたバカ全力投球の怒濤のミラクル・ファンタジー。常軌を逸した物語の展開に唖然憮然。賛否両論渦巻くイマジネーション。松梨智子自ら歌って、踊って、裸になった究極の自己解放映画。残酷な現実を吹き飛ばす無邪気な笑顔と綾木カリンのポップなメロディ。バカも芸術も五十歩百歩。ごちゃまぜの世界を縦横無尽に駆けぬけていく、まるでドン・キホーテだ。その笑顔が輝けば、輝くほど不幸の荒波が押し寄せて来る。それはポジティブ・シンキングへの皮肉とも思える。変幻自在ベイビー。寝る前に必ず思い出すインディーズ映画界の鉄薔薇の異名を持つ松梨智子の魅力に触れた者はもう誰も逃げられない。

毒婦マチルダ
1998年/日本
監督・脚本:松梨智子
音楽:綾木カリン
出演:松梨智子 細貝康介 市川しんぺー 斗桝仁之 池田鉄洋 安藤圭
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