毎日暑いですね。

雨が降らないですが、梅雨明けはまだなのでしょうか?

雨が降っても、この気温では外気が下がらず、サウナ状態に

なってしまうのでしょうか。いやはや。

 

みなさんはどんな1週間を過ごされましたか?

 

今週、印象に残った一冊をご紹介します。

宮下奈都さんの『田舎の紳士服店のモデルの妻』です。

 

 

   

東京から夫の故郷に移り住むことになった梨々子。
田舎暮らしに戸惑い、うつ病である夫とすれ違い、
子どもの成長に喜び、不安を抱え…。
30歳から40歳、普通の、等身大の女性の12年間を、
二年刻み定点観測のように描く。

 

2人の息子に恵まれた梨々子。
長男は都内の幼稚園に通い、次男はまだ10ヶ月で
2時間ごとに夜泣きをします。
平凡であるが充分に幸せな日々を送っていたある日、

夫から「田舎に帰ろうと思っている」と告げられます。

 

東京での生活。夫への思い。さまざまな考えが巡っては
ひとまず泣く赤ん坊を宥めることにして、考えることを

中止します。
子育て経験者には、とても共感出来る部分です。
大事なことを長時間考え続けることができなくて、後回し。
充分に検討することなく、決定してしまう。
でも、それほどひどい決断でもないように言い聞かせる

のです。
だって、東京にどうしてもいたい、というわけでは

ないのだから…と。

 

夫の田舎で暮らし始めた梨々子。
町内会で開催された運動会をきっかけにして、少しずつ周囲と
馴染んでいるかのように見えます。
東京からのママ友からのメールにも、最初はいちいち反応して
いましたが、次第に気にならなくなってきます。

 

ママ友からのメールの内容が、最初は「そっちの生活に

慣れた?」といった他愛のないものでしたが、次第に

ディープな身の上話になり、しまいには有る事無い事

(高確率で盛ってる)を独白されてしまいます。
それは、梨々子が東京にいない人だから。
「近くにいる人ではないから、はけ口にしてしまおう」という
そんな女同士の関係の描写が妙にリアルで、本当に不愉快。
しかし梨々子も大したもので「、東京へいって話聞こうか?」と
メールします。すると途端にメールが来なくなったとか。

やるじゃないの。

 

子どもたちが成長するにしたがって、「長男が小学校に

馴染んでいないようです」と呼び出され、「次男が発達に

問題があるようです」と呼び出され。
小綺麗な東京から来た若いママさんだった梨々子も場数?を
踏んで、親として対応に迷いが少なく、逞しくなっていきます。
事情を知らない第三者が、梨々子の一部分だけを見れば、

子どもの面倒をきちんとみていない、というかもしれません。
しかし、その裏では子どもの成長に目を向け、喜びを感じ、
自分の子育てに不安を感じることもありつつも懸命に子育てを
しているのです。

 

でも、やはりどこか隙があるというか。
梨々子は、自分が「主役」であることに諦め切れていない

部分があるのですね。
根底にそんな意識があるためか、夫以外の男性と数回

デートします。
それはうつ病である夫と、しょっ中呼び出しをもらう子供達の
生活を日々支えている梨々子の、ささやかなオアシス

だったのです。
でも、その男性とは会うことを諦めます。

その瞬間、梨々子は「主役」を降りたのです。


その代わり、何になったのか。
妻なのか、母なのか、それとも。
何者でもない、何者であるかも問題ではない。
そこでただ、生きて行く。

そう決めて、風に揺れながらもしっかりと立つ葦のように
力強く、しなやかに生きていく梨々子の姿はとても美しいです。
主役を降りたことにより、誰にも替えられない自分を
手に入れたのでしょうね。それと、田舎に越して来た当初には
なかった、ここで生きていくという覚悟を。

 

主婦という世界に広がる価値観が、女性の生き方を

がんじがらめにすることがあります。その価値観から脱出した

ところに自分だけが見える、歩いていくべき世界が現れるので

しょう。
1人の女性の10年間を、じっくりと覗かせてもらい、
成長とともにそれまでの価値観がポロポロ剥がれていく様子が、
何だか梨々子が楽になっていくようで、いいな、と思いました。
女性の心の動きがつぶさに描かれているので、女性はもちろん
男性にもおすすめな一冊です。

 

 

先週立てたこの1週間の目標は

●1日1記事を更新する

●イラストに色をつける

でした。無事に達成することができました!

次の一週間も、同じように更新することを自分の目標にします。

 


〈今週 読了した本〉

『まんがでわかるホモサピエンス全史』

山形 浩生 (監修), 葉月 (イラスト)

『3オクターブは当たり前! 喉に優しい

魅惑のハイトーンボイス養成メソッド』AKIRA (著)

『私のことはほっといてください』北大路公子著


〈現在 読書中の本>

『ペナンブラ氏の24時間書店』

ロビン・スローン (著), 島村 浩子 (翻訳)

 

 


〈今週購入した本〉

『依頼人は死んだ』若竹七海著

『敬語で旅する四人の男』麻宮ゆり子著

『村上海賊の娘(一)』和田竜著

『村上海賊の娘(二)』和田竜著

『蟋蟀』栗田有起著

『私のことはほっといてください』北大路公子著

 

 

 

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