黒猫のワルツ(ルカの独り言ブログ)

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黒猫のワルツ(ルカの独り言ブログ)

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先日

実家に用があって立ち寄った時の事


実は私
高校生くらいの頃に
とっても大きなキャンバスを
何枚も購入していたんですけど

あまりにも大きいもんだから
引っ越しをする際に
実家に置いて来ていた


それを思い出して
最近は絵を描く事も多いから
何枚か家に持って行っておこうかな

と思い
探しにやって来たのであった



あれこれ探して
袋に包まれた大きなキャンバスを3枚程見付け
車に運び込んだ後

散らかしてしまった
私の荷物を整理し直そうと思い
私や兄の荷物が入っている押し入れの中を
一通り見渡した

すると
私の名前が書かれた段ボールが
1つ見えた

一体何が入っているのか・・・


持ち上げてみると
異様に軽い


箱を開けてみると
私の小中高の卒業アルバムと
小さなビニール袋に入った

私の写真




え・・・




私の写真が



ほぼ無い




私は子供の頃から
やたらと写真が嫌いで

カメラを向けられると
フイッとそっぽを向いてしまう子供だった



小学生くらいまでは
かろうじて集合写真に写っていたけれど


高校生ともなると
学校の卒業アルバム用の集合写真すら嫌がり
写真撮影の日は学校をサボり

何度も単独での写真撮影から逃げ

最終的には先生に

「これでお願いします」


アルバイトの面接の時に使用した
履歴書用の証明写真の余りを1枚
手渡したほどだった



だから
小学校中学校の卒業アルバムに使用された
集合写真くらいしか
まともに写っている写真が無い



でも
それにしたってこれは
少なすぎるんじゃなかろうか・・・


袋の中から写真を取り出して
広げて見てみるも


恐らく私の赤ん坊の頃の写真が
たったの2枚


ちょっと大きくなった
幼稚園くらいの写真が2~3枚

どれもそっぽを向いている


それより更に大きくなると

なんか怪我だらけの私が
どこかを眺めている写真が
2枚程見付かった



え・・・

何でこんな怪我してんだっけ・・・?


親父にやられたんだっけか・・・



って言うか
ほんとにカメラ目線無いな!

こんなの盗撮レベルじゃん!



全部でたったの20枚程度の私の写真は
あっという間に見終えてしまう



あまりの写真の少なさに

私は本当にルカ家の子供なんだろうか?
貰い子だと疑われても
仕方ない程写真が少ない・・・



もっと幼少の頃の写真だったら
どこか違う場所にあるんじゃなかろうか?


全部合わせても
たったの20枚程度しか無い私の写真を
袋に戻して床に置き


再び押し入れの中を覗き込んでみた

私の名前が書かれた箱は
今開けていた箱たった1つ


・・・が

兄の名前が書かれた箱は
3つも存在していた



何故

私の箱はたった1つ・・・!



試しに兄の名前が書かれた箱を持ち上げてみると
異様なまでに重かった


そして
箱を開けてみると


ぎっしり詰め込まれたアルバム・・・!


分厚いアルバムには番号が付けられており
1~16番まで存在している



もしかして
このアルバムの中に
私の写真もあるんじゃね!?



そんな期待を胸に
兄のアルバムをめくる私



だけど


母や父の姿は写っていても

何故か私が存在しない・・・!



ねぇもしかして私

どっかよそから貰われて来た!?


いくらなんでもこれはおかしいぞ!



絶対に私が生まれていて
幼稚園にも通っているであろう時期の
兄の写真の中にも
自分が存在していない事に

ちょっと不安を覚えた私は


急ぎ
母の元へ走った


私「ねぇ!?
  おかしくね!?
  なんで私どこにも写ってないの!?」


母「なんの話?」

私「私が写真のどこにも
  写ってないよ!?」


母「んー・・・?
  あんた写真嫌いでしょ
  カメラ向けたら逃げていくもの
  写真なんてある訳ないでしょ」


私「にしたって無さすぎじゃね!?
  なんで家族皆で写真撮りましょう
  みたいなシーンですらも
  私がどこにも居ないの!?」


母「んーーー・・・?
  どっかには居るんじゃない?
  探してみなさいよちゃんと」



どっかってそんな・・・


ウォーリーを探せ
じゃないんだから・・・


必死になって探すも
全く見付けられない私


その横で
母もアルバムをめくり始めた


母「あんたそんな探し方じゃ
  全然見付からないよ」


私「・・・え?
  どういう事?」


母「人探すんじゃなくて
  写っちゃいけないものが写り込んだ
  みたいなの探さないと」



え・・・?


どういう事???



意味が分からないな・・・

と思いながらも
アルバムをめくり続けていると


母「あ!
  ほら見付けた!
  これだこれ!
  これだよあんた写ってんの!」



そう言って母が指差した写真は

こんな写真だった




母「懐かしいねぇー
  これ○○の川行った時だわー」


私「いや・・・
  だから私居ないでしょ!?」


母「居るって
  ほら!
  これ!ここここ!!」







私「・・・うわこわっ!!!」


母「だから言ったでしょ
  写っちゃいけないものが
  写り込んだようなの探さないとって
  写真嫌いだからって物陰に隠れて
  カメラと反対側向いてるんだわ
  どんなにこっち来なさいって言っても
  絶対来ないのね」


私「なんだよこれ
  完全にホラーじゃん・・・!
  きもちわるっ」


その後も

私は自分を見付ける事が出来ず

母が「居た!」と言って
指差した写真の私の様子は


先程同様

どれをとっても
心霊写真顔負けの不気味なものだった



兄がにっこり笑顔で
ピースサインで写る写真の中に


写真には写りたくないけど
ちょっと気になってしまったのか
物陰からこちらをそっと覗き込む私


カメラから逃げようとしたのか
高速で横切る私


突然カメラを向けられたのか
高速で頭をぐるんと反対に向けたらしく
髪が乱れておぞましい状態で写る私


私「凄い
  どれをとっても気持ち悪い
  髪の長さが
  より気持ち悪さを引き立ている」


母「昔テレビで心霊写真特集とかあったじゃない
  あれに応募してみるか
  って話になったくらいだからね・・・」


私「・・・・・・」


私の写真は


私が貰い子だから無いのではなく


私は確かにそこに存在している


というのは分かったけれど・・・



私「私にもしもの事があった時に
  葬式で使う写真くらいは
  まともに撮っておきますね・・・」


母「いや
  物陰から覗き込んでるさっきの写真
  凄い良かったから
  あれ引き伸ばして使おうか
  死ぬ前から死者そのものだった
  みたいで面白いでしょう」



!!!!!


私「じゃ、じゃああんたに何かあったら
  この間の踊ってた時の動画
  写真にして使ってやるからな!」


母「はぁぁ!!?
  じゃあ高速で横切ってる
  気持ち悪いやつも使ってやる!」


私「じゃあ私はあんたが踊ってた
  動画自体流してやるからな!
  「母はいつも陽気な人でした・・・」
  とか言って流してやる!」


母「じゃああんたの昔の
  恥ずかしい話してやるからね!?」


私「だったら私だって!」


母「だったらあたしだって!」



どうやら私と母の葬式のどちらかは



参列者が全員大爆笑するような

とんでもないものになりそうである


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私の会社で
一日に使用するコピー用紙は

一番消費量の多いA4サイズともなると
5,000枚をゆうに超える


ぶっちゃけ私は

紙使い過ぎだろ!
環境問題に取り組めよ!
紙媒体やめてデータ媒体にしろよ!

と思っているのだけれど

社内だけならまだしも
業種が業種なだけに
現場にネット環境を整える事が
出来ない事もあり

なかなかどうしてこれが
実現できないのが現状である


なので

毎週必ず
コピー用紙の納品を行う業者さんが
5,000枚入った20キロもの重さの箱を
10~20ケース程届けてくれる


でね
そのコピー用紙が入った時は
男性が一斉に駆り出されるんですよ


おーい!
コピー用紙入ったぞー!
野郎共運べ運べーぃ!!!

みたいな感じで
女性が大きな声で叫ぶ


すると
事務所勤務の男性達が一斉に席を立ち
納品業者さんが運び入れたコピー用紙を
集まった人達で運び入れ
所定の場所に積み上げる


これを見る度に私は


なんか・・・

男尊女卑の逆だなぁ・・・


と思ってしまう


女性だってコピー用紙を使うのに
男性だけがこういう時に駆り出され
女性はしれーっと仕事をしているのって
どうなんだろう・・・


か弱い女性に20キロを運ぶのは
確かに重労働だけれど
もうちょっとこう・・・なんかね
協力しようとする姿勢くらい
見せても良いような気が・・・


と言う訳で

私は毎回このコピー用紙運びに
女性ながらも参戦している


こういう時だけ女性の特権みたいなのを
振りかざすのってちょっと嫌



これを最初に見た次長の反応は
こうだった


次長「あれっ!!?
  ルカさん女性だと思ってたけど
  まさか・・・男性・・・」


私「この時だけ男性になりまーす」


他の男性達も
最初の頃はかなり驚いていたし
とてつもなく気を遣ってくれていたけれど




私が20キロの箱を

2つまとめて持つ姿を見ている内に


「こいつに遠慮は無用だ・・・」


と察したのだろう



今ではすっかり
私が男性に混じって運んでいても
誰も何も言わなくなってしまった


むしろ男性ですら
20キロの箱を運ぶ時は
1箱ずつ運んでいる


20キロの箱を2つ重ねて持つのは
コピー用紙を運んでくる業者の男性と
私だけだ



やっぱり事務職の男性は
あまり筋力無いんだろうなぁー

ちゃんと筋トレしないと
体力落ちるぞー



そんなある日の事


伝票にサインをしていると
コピー用紙を運んで来てくれる業者の男性が
こんな事を言ってきた


業者「来月から自分
  他の地域担当になったんで
  来週から新しい担当者を連れて来ます
  よろしくお願いします!」



その翌週


新しく連れて来られた担当者は

私が寿司屋時代に常連客で
何度断っても
バイクのツーリングに
しつこく誘って来ていた男性だった


そしてその数年後

私の今の会社のドライバーとして入社したものの

たったの数週間で
音を上げて辞めて行った男性だった


私「・・・お?」

男性「あ!」

私「あぁどうもこんにちは
  またお会いしましたね」


男性「る・・・ルカさん!
  お会い出来て嬉しいです!」



私は正直



ちょっと気持ち悪いです




寿司屋時代に何度も誘われ
私に気がある様子だった上に

この会社に転職してからも
また一度遭遇した時点で
妙な縁だな・・・

と感じていたのに

また更に遭遇するとは・・・



って言うか・・・


私「また運送業なんですねぇ
  お身体は大丈夫なんですか?
  (またすぐ辞めるんじゃねぇの?)」


男性「わー心配して下さって
  ありがとうございます!
  頑張ります!」


いや

心配なのは
また担当者が変わって
色々ちゃんと引き継ぎされないんじゃないの
って所なんだけど・・・


男性「あ!すぐに運びますから!」


そう言って彼は

会社の裏玄関を出て
トラックの荷台から


段ボールを



1つ取った


私「・・・・・・?」

男性「よい・・・しょっ!」


たった1つ(20キロ)の箱を
さぞ重たそうに持ち

えっちらおっちら運んでくる男性


私「・・・・・・」




遅い





限りなく遅い




必死な様子で箱を運んで来た男性は


ドシーン!と床に箱を下ろした


男性「ふぅー!」


そしてまたトラックに戻って行く男性

トラックの荷台から
たった1箱手前に引っ張り

またそれを持ち上げる



え・・・


待って



まさか貴方

たった1箱ずつ20箱運ぶ気・・・!?



いつもの業者の男性なら
2箱ずつ一度に運び
かなりのハイペースで運んでくれるから
こっちも勢いよく運べて良いんだけど・・・


私「・・・・・・」

Eさん「あれ?まだこれだけ?」

Hさん「今日少ないの?」


私「いや・・・
  新しい担当者の人が・・・」


Eさん「・・・・・・」


Hさん「・・・・・・」


裏玄関に並び
業者さんが箱を運んでくれるのを
列になって待っている私達


男性「ハァッ・・・ハァッ・・・
  よいしょー!」



ドシーン!


私「・・・・・・」


いやいや・・・!


あんたそんなやり方してたら
日が暮れちまうよ!

おっせぇよ!


この後の業務にも支障出るんじゃないんすか!?



そこへいつもの業者のお兄さんが
走ってやって来た


業者「すみませーん!
  お待たせしました!」



そしていつも通り
2箱ずつ運び込んでくれる


素早い動きで運び込んでくれるお陰で
私の会社の列を作っていた男性達や私も
ようやく運ぶ作業にありつけた


やっぱりこういう作業は
勢いよく一気に終わらせたいよね・・・!


業者「いつも手伝いありがとうございます!
  まだ新入りなんで
  不慣れでご迷惑お掛けします!」


私「いえいえ・・・」


いや


その人


10年も前から体力まるで無いから
多分慣れてもそんなですよ?




いいか

私もサクサク運ぼうっと


そう思い
2箱重ねた状態で箱の下に指をくぐらせ
足にグッと力を入れた


よい・・・


男性「ハァッ・・・ハァッ・・・
  す、すごいっすね
  僕は1箱でもう・・・」



しょっと!


業者「ハハッ
  2箱はちょっとキツイよなぁー
  俺でも結構こたえるもん」



えっ!?

そうだったの!!!?




その会話の最中


2箱同時に持ち上げた私



って言うか
このタイミングでその話題!?


男性「えっ!!!?
  ふ、2箱!!!?」



新しい担当者の男性が

私の姿を見て


大層驚いた


業者「・・・あ」

私「・・・・・・」

業者「る・・・ルカさんは普段から
  筋トレしてるらしいですよ!
  俺も最初見た時びっくりしました!
  いつも2箱持って凄い勢いで運んじゃうんです!
  これ見ると自分も
  まだまだ負けてられないなって・・・
  ちょ・・・ちょっと焦りますよね・・・」


男性「そう・・・ですね・・・」


私「す・・・すみません・・・
  そうとはつゆ知らず・・・」

業者「あ!いえいえ!良いんです!
  自分はまだまだイケるんで!」





そうだよね!?

今のはただ
そこの新入りさんにプレッシャーを与えない為に
『俺も同じだよ』アピールしてただけだよね!


私「ですよね!
  余裕ですよね!」


業者「あ・・・いや
  よ、余裕ではないですけど」


男性「よ、余裕なんですか・・・」


何だか気まずい感じになり
いそいそと箱を運び始めた私


まさか私の行いが
この業者さんに
プレッシャーをかけているなんて・・・



いやでも待って


運送業をやっている男性だったら
40キロの荷物を運ぶのくらい
そんなに大変じゃないよね!?

そりゃ総合的に見て
毎日やってれば
腰に負担が掛かって辛いだろうけれど
筋肉的にはそのくらいの負荷に
耐えられるだけの物を持ってるよね!?



そうだよ!

やっぱりいつも来ている業者のお兄さんは
あの程度大丈夫なはずなんだ!


箱を高く積み上げ
次の箱を取りに行くと

再び箱が一つも運び込まれておらず


おや・・・?

どうしたんだ・・・?



と玄関の向こうを見ると



トラックの荷台から
どうやら2箱同時に運び下ろそうとしたらしき
新しい担当者の男性が

腰砕け状態になって
変な方向に『く』の字に曲がり

コピー用紙が入った箱が
顔面と胸の辺りに突き刺さっており

その男性を助けようと
いつものお兄さんが
必死になっている真っ最中だった




あっ・・・・・・



え・・・っと・・・


Eさん「なんか・・・大変そうだね」

私「そ、そうです・・・ね」

Hさん「どうしようか・・・
   って言うかあの人大丈夫かな・・・」


Eさん「変な方向に曲がってるけど・・・」





焦らせちゃったー!!!?


勢いよく運び過ぎて
焦らせちゃった私が悪い感じですかー!?


だってだって
早く終わらせて通常業務に
戻りたかったんだもん!


私「て・・・手伝ってくる・・・」



罪悪感を覚えた私は
自分の靴(ピンヒール)を取り出し

トラックの荷台の所へ行き
コピー用紙が入った箱に
必死に手を伸ばした



だけど
荷台がとっても高くて
私の小さな身長では
箱に指先がかする程度である



くぅっ!

身長が足りない・・・!


私「わ、私運ぶので・・・
  手前に引っ張ってくだ・・・さい・・・!
  届かないー!」


業者「えっ!
  いやそんな!
  って言うかその靴で・・・!?」


私「なんか申し訳ないので
  お手伝いさせて下さい・・・!
  それにこの方が早いんで・・・!」



こうして結局



身体が変な方向に曲がった
新しい担当者さんはトラックの助手席へ


私は荷台の下で待機し
いつもの業者さんと一緒に
コピー用紙をサクサク運ぶ事になった




多分あの新人

辞めるな・・・




荷下ろしが終わり
トラックを見送る時

トラックの助手席の窓から
あの男性が私に向かって

「ありがとうございました!
 すみませんでした!」


と声を掛けてきたが



その後


窓を閉める瞬間に


「逞しい・・・」


と言ったのを聞き逃さなかった





いやいやいやいや!!!



私が逞しいのもあるかもしれないけど



あんたもあんたで大概なんだからね!!!?


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最近

天気が悪くて
雨続きの北海道


その日も
雨が降っている中
喫煙室から事務所棟へ戻ろうと
傘を差して

低気圧のせいで痛いこめかみの辺りを
手でグリグリしながら歩いていると


視界の右側を

ふらふらと歩く男性の姿が



眼鏡が雨でぬれたら嫌なので
眼鏡をかけずに出て来ていた私は
それが誰なのか分からず



ただ
私の右側の少し離れた位置を
私と同様に事務所棟へ向かって

足をひょこひょこと引きずりながら
アンバランスに歩く
スーツ姿の人を見て

社内の人間である
という事だけは分かった



あのサイズ感

どこかで見た事があるんだけど


うーん

誰だろう



そして段々と
そのスーツ姿の男性と近付いてくると
誰なのかがはっきりわかった




ボロボロのK係長・・・!!!



K係長は
スーツのズボンが破けて
足が見えてしまっており

その足には擦り傷があるし


髪もばっさばさになっているし


何だかとてつもなく泥まみれである


K係長「あ、お疲れ様です~」



ふらふら歩くK係長は

何故か


恐ろしい程いつも通りだ


私「・・・いやいや
  お疲れ様です~ちゃいますよ
  え
  強姦にでも遭ったんですか?」


K係長「え?」



え?


自分の身に起きている事に

気付いて・・・いないのか!!!?


私「めっちゃ凄い風貌になってますけど」


K係長「え?そうですかー?」


そうだよ!!!


とんでもねぇ事になってんよ!



玄関までたどり着いた私は
そのまま何事も無かったかのように
ヘラヘラと笑って中に入ろうとする
K係長を手で制して止めた


覗き込んで
立ち止まったK係長のスーツを
めくったりしながらよくよく見てみると


スーツの上着の
一番下のボタンが一つ無くなっている様子だし


髪の毛にまで泥が付着しているし


足の擦り傷についても

ズボンが破けた左足はもちろんの事

ズボンが破けていない右側の足も
内部で流血しているらしく
靴下の足首辺りに血が付着している


左手からも血が

ポタッ・・・

ポタッ・・・

と滴り落ちている


私「・・・何ですかほんとに
  車にはねられたか
  どっかから転落でもしましたか?
  さすがに怖いですよ・・・
  どうやったら一体こんな事に・・・」


K係長「あ、さっき転びました~」


え!!!?


待って!


私が知ってる『転ぶ』という動きでは

こんな凄まじい事にはならない!!!


これは『車に撥ねられた』か
『崖からの滑落』か

そういった類で出来る怪我だと思うけど!?


私「こ・・・転んだ・・・?
  一体どこで・・・
  どうやって?????」


K係長「駐車場で~」


外勤組が使ってる駐車場って


アスファルトで舗装されてますよね?



泥は一体どこから・・・





いや!

今はそれどころじゃねぇよ!



私が制止する手を下ろしたせいで
何事も無かったかのように
事務所の中へ入って行こうとするK係長


私「ちょっ!まっ!!!
  そのまま入ったらえらい事になりますから!
  事務所の中
  血と泥だらけにするつもりですか!?
  ちょっとここで待ってて下さい!」

K係長「・・・え?」



きょとんとした顔のK係長を放置して


大慌てで自分のロッカーへ走った



あの人
自分の置かれた状況が
まるで分かっていないんじゃなかろうか・・・!


ってか痛くないの?



そう言えば以前
部署の人達と公園でバーベキューをやった時も
彼はスケボーで転んで

ある意味器用に
全身をフルにびたーーーん!と
地面に叩きつけていたけれど


『受け身を取る』という事が
出来ない人間なんじゃなかろうか・・・



まだそこまで歳って訳でもないんだし
普通は『受け身』って
人間が反射神経で行う行動だと思っていたけど
あの人は極端に反射神経が鈍いのかな・・・


そんな事を考えながら

普段はほぼ使わない
自分のロッカーを慌てて開けた


ロッカーの中には
何かあった時用の

新品のストッキングのストックやら
新品の歯ブラシやら
箱買いしたカイロやら
ひざ掛けやら
カロリーメイトやら
飲料水やら
新品のタオルやら

とにかく色々な物を詰め込んである



会社の中には
災害時の避難グッズが大量に存在しているけれど

自分のロッカーの中身だけでも
一週間程度は生きていけそう

私の今の生活では
会社に居る時間が最も一日の中で長いから
こういう準備が無いと不安だ


そのロッカーの中から
袋に入ったままの
新品の小さなタオルを2枚
大きなタオルを2枚取り出し

ちょっとした救急箱をぶら下げて
再びK係長の元へ走って行った


私「ちょっとついて来て下さい」

K係長「あ、はい~」


私「あ、これで身体拭いて下さい
  泥だらけですから」


大きなタオルを袋から取り出し
K係長に差し出しながら

2階にある
あまり人目に付かない給湯室へ連れて行き


とりあえず

水を豪快に出しながら

血まみれの手を洗わせた


私「しっかり洗うんで痛いですよー」


K係長「あぁぁぁぁ!!!
   痛い!痛いですルカさん!」


私「傷口に泥入ってるから
  洗わないと危ないですからねー」



って言うか


今までは「痛い」って言ってなかったのに

ここにきてようやく「痛い」なの・・・?


変な人だな・・・


手を洗わせている間に
すぐ近くの書庫から脚立を持ってきた私


私「靴と靴下脱いで脚立に上がって
  足をシンクに入れて下さい
  足の傷口も洗いますよー
  あ、左手はまだ出血してるので
  心臓より高い位置にー」


K係長「あぁぁぁぁぁ!
   しみるぅぅ!!!」



子供かこいつは・・・


って言うか
これくらい自分で判断して自分でやれよ・・・


半分呆れながら
洗い終わった部分を
救急箱から取り出した滅菌ガーゼで軽く乾かし


傷を保護する大きなテープと
滅菌傷当て材を取り出した


K係長「それって総務課にあったんですかぁ?」

私「いえ?
  私の私物です」


K係長「・・・え?」

私「何かあった時の為に
  用意してあるんです」



私が傷口の応急手当をしている間

訝し気に
私の救急箱の中を覗き込むK係長


K係長「絆創膏何種類あるんですか・・・?」


私「状況によって使い分けられるよう
  5~10種類はありますかね」


K係長「熱さまシートも風邪薬も
   胃薬まである!」


私「大体の物は何でも入ってますよ
  はい次は手を見せて下さい」



K係長が
血まみれだった左手を私に差し出す



それを見て


さすがにびびった




中指の爪が

ど真ん中で真っ二つに割れて
指の皮膚が裂けてる・・・!



私「え・・・あの
  本当に転んだだけですか・・・?」



それ以外にも
傷だらけになっているK係長の手の平を
ひっくり返してよく見てみる私


なんで・・・?

なんでこんな事になるの・・・?


縫う程ではなさそうだけれど
どうやったらこうなるの・・・?


K係長「あ、はいー
   雨が降ってたので慌てて走ろうとしたら
   つまづいちゃってー」


つまづいて

こんな風になった人を


あまり見た事無い・・・!



なんか隠してるのかな・・・

実はひき逃げされたけど
恥ずかしくて人に言えないから
転んだ事にしている

とかじゃなかろうか・・・


私「えーっと・・・
  薬でアレルギーとか
  無いですよね?」


K係長「無いですー」



消毒液を取り出し消毒した後

テープを取り出して
爪がこれ以上割れたり剥がれたりしないよう
しっかり固定する私


自分が爪を割った時は
こうやって処置をして
放っておいたら一か月くらいで
勝手に爪が剥がれて治ってたけど

他人にやるのはちょっと
本当に大丈夫なのか不安があるものだ・・・


私「もし痛みが酷かったら
  病院へ行くようにして下さいね
  これ一応痛み止めのロキソニンです
  3回分差し上げますけど
  不要なら飲まないで下さい
  飲む際は自己判断で」



滅菌パッドを付け
テープをハサミでカットして
水が入らないように厳重に保護し

怪我用の指サックを装着


私「本当は乾燥させた方が良いので
  血が止まったら
  防水テープとパッドは取っちゃって
  自宅では指サックを外して過ごして下さい

K係長「ルカさんお医者さんみたいですねぇ
   どうしてこんなに色々
   持ってるんですか~?
   こんなテープとか初めて見ましたー」


それはね


私が
転んだりした事は滅多に無いくせに

生傷が絶えない人間だからだよ



海へ行ったり山へ行ったり
力仕事をしたりすると
怪我が絶えないでしょう



私夏は海に行って
そりゃーもうザブンザブン泳ぐし

もう時期山菜採りの季節ですから
そうなると山にも入るようになる

再来月には倉庫整理も控えているし


そういう時に
やっぱり怪我はつきもので

家で一応処置はするけれど

会社に居る間に
処置した所がぐちゃぐちゃになったら
道具が無いとやり直せないから
一応会社にもね



細かく説明するのが面倒だったので



すげー適当に返答した


私「・・・あー・・・
  まぁ色々ありますよね」


K係長「・・・・・・」



全ての傷の応急処置が済み
K係長にボタンが取れている事を告げ
上着を渡そうとすると


K係長「予備のボタンはあるんですけどねー」




ポケットからボタンを取り出した



つけろって事ですか・・・?



いや
まぁここまできたら
とことん付き合っても良いか


中途半端好きじゃないし



仕方なくロッカーから
小さな裁縫道具を持って来て

ちゃちゃっとボタンを付けて
上着を返し

予備で持っていた
というズボンに履き替え
身だしなみを整え直したK係長をチェックした


私「よし
  行って良いですよ
  それならお客様の前に出ても
  問題無いでしょう
  あ、出る前に靴も磨いて下さいね
  あんな泥だらけの靴で
  お客様の所へは行かないで下さい」


K係長「ありがとうございました~」


ふぅ


30分も消費してしまったか


やれやれ・・・



顔を上げて

先程よりも少しマシになった歩き方で
立ち去るK係長を眺めた




マジで


転んだだけでどうやったら
あんな事になるんだろう・・・


訳が分からない・・・!




その翌朝
Y係長からこんな事を言われた


Y係長「ルカさん
   K係長の怪我手当て
   してあげたんだって?」


私「あぁ、はい」

Y係長「何だかんだ言って優しいなぁー」

私「怪我をしている人が居たら
  それが例え犯罪者であろうと
  例え仕事の出来ない上司であろうと
  出来る限りの事をします
  それだけの事です」


Y係長「あ・・・う、うん
   所でK係長が
   「あれほどの外傷に対応出来る準備を
    常に整えているなんて
    ルカさんは一体何者なんだ
    見た事が無い物いっぱい持ってた
    訳が分からない」
   って言ってたけど
   そんなに色々揃ってるの?
   ちょっと見てみたいなぁ~」


私「・・・・・・」


いや・・・


待って・・・!!!



『転んだ』って言って
あんな凄まじい怪我して
いつも通りに過ごそうとするあんたの方が


私よりよっぽど
訳が分からないからね!!!?


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先日

北海道は大荒れの天候に見舞われた



と言っても
相変わらず私が住んでいる地域は
ちょっとの暴風雨程度で

停電した地域に比べると
問題無しと言っても過言ではない


最近は各地に被害を及ぼすような
凄まじい天候になる事も多くて
実に困ったものである



大好きなポテチも・・・


うす塩味ですら売り切れてるし・・・!!!



でまぁ
それは良いんですけど


いや良くないんだけど



でね

そんな暴風雨の日に
会社へ向かって車を走らせていると

道路にはたくさんの
風で折れてしまった木の枝が
散らばっていた


道を歩く人達は
傘をさしているけれど風で煽られて
今にも飛んで行きそうになっている



こんな天気だと
フード付きの上着を着て
フードをかぶった方が良いのかな・・・

いや

フードですらも
風ですぐに脱げてしまうかもしれない

レインコートも役に立たなさそうだ



やっぱりこの間ニュースで見た

大きなポリ袋を頭から被って
顔の所だけ
小さく穴を開けた状態で歩くおばちゃんが
一番賢かった気がするな・・・


あれは恥ずかしいけれど
斬新で画期的だった・・・!



そんな事を考えながら運転していると


ふと



横断歩道をとぼとぼ歩いている
女子中学生が視界に入った


スピードを落とし
横断歩道手前で停車する私




少女は


傘をさしていたのに
風で煽られて傘が壊れたらしく


傘の骨が完全に逆方向に曲がり
元の状態に畳む事すらも出来なさそう


その傘を右手に持ち
度々体に引っ掛かるその傘に
苛立ちを隠せない様子


一体どこから傘が壊れた状態で
歩き続けているのか


ビッショビショに濡れて

髪が乱れて
夜に暗がりで遭遇したら
「ヒッ!!!」ってなるレベル




目は虚ろで



絶望に打ちひしがれていた




それもそのはず

私が少女を見た場所は

まだまだ中学校には遠い場所で
これから徒歩20分といった所だろう




可哀相・・・!

いっそあの邪魔な傘を
今すぐ捨ててしまいたいだろうに

傘を捨てられるような場所なんて
どこにも存在していない・・・!


しかもここからもう少し歩くと
心臓破りの坂道があるじゃないか!

この少女は今もう既にこれだけ
絶望感漂う雰囲気なのに
果たして学校に辿り着けるのか・・・!?


って言うか

そんな状態で学校行ってどうすんの!?


やめなよ!

引き返して家に帰りなよ!

風邪ひいちゃうよ!?



少女の様子は
その場に居た全ての人を動揺させたらしく

少女が横断歩道を渡り切ってからも
停車していた車は
しばし停まったままだった



再び会社へ向かって走り出した私は
少女の思考が
不思議に思えてならなかった



あんな状態になってまでして
学校って行かなければならないものなの?

たった一日くらい休んだ所で
別にどうという事もなくない?


むしろ
こんな天候なんだから
休んだって誰にも何も言われないと思うんだけど



あの状態で
ヨロヨロしながら教室に入って来られたら
絶対に先生だって

「や・・・休みなよ・・・」

って内心思うと思うよ



タオルとか持ってるのかなぁ

制服ビッショビショだったけど
バスタオルサイズのタオルが無いと
絶対あれはどうもならん

風邪ひかなきゃいいけど・・・




・・・帰ればいいのに




きっとあの子は特別
学業に重きを置いている子なんだな





会社へ辿り着いた私は

車から降りて傘をさしたら
傘が壊れた

と嘆いているFUさんに

「中学生の少女が
 悲壮感漂う雰囲気で歩いていて
 こっちまで絶望的な気分になった」

という話をしつつ


「こんな天気なんだから
 学校なんか休めばいいのにね」


と言った



結果


FUさん「そりゃ不良だった組長なら
   そういう選択肢もあったでしょうけど
   普通の学生はこういう時も
   普通だから休まないんです」



と言われた



え!!!!?


そうなの!!!!?



世の中ってそういうもんなの!?



私なんて

天気が悪かったら休んでたし

気分が乗らなかったら休んでたし

起きられなかったら休んでたし


皆もそこまで酷くなかったにしても
多少そういう風に休んでるもんだと思ってた!



私が台風で休んでいる時は
他の人も休んでいるんだと思ってたけど・・・



皆そんなに
命がけで学校行ってたんですか!?


FUさん「あたしだって
    中学校は無遅刻無欠席でしたよ」


私「・・・・・・!!!」

FUさん「え・・・なんですかその
   「キモチワルッ」みたいな顔」


私「・・・ソンナカオシテナイヨ」


FUさん「いやしましたよね」


私「・・・シテナイヨ・・・」


FUさん「「うわ正気じゃねぇ!」
   って顔したじゃないですか!」


私「シテナ・・・
  しました!
  正気の沙汰じゃねぇな!
  そんだけ学校行ってりゃ
  勉強は出来るかもしんないけど
  ある意味馬鹿なんじゃね!?
  どっちがまともかわかりゃしねぇな!
  って思いました!」


FUさん「そ、そこまで思ったのか!?
    これが普通なんです!!!
    だから組長はヤンキーなんですー!」


私「・・・・・・」




ふ・・・


普通の学生の皆さん・・・!



どうか通学時には
怪我の無きよう頑張って下さい・・・!!!


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先日

やっといつも利用している車屋さんから
修理受け入れが出来る状況になったので
車を持って来て欲しい

という連絡を受けた私



冬に破損した部分を
溶接で直して貰う為に
すぐさま車屋さんへ向かった


長い事恥ずかしい車の状態で走っていた

という事もあり

私はルンルン気分



車屋へ到着し
壊れた車のパーツと
代車へ乗せる荷物を手に持ち
車屋のドアをノックした


すると
すぐに車屋の男性が外へ出てきて
代車へ案内してくれた


私「どのくらいで修理できそうですか?」

車屋「そうですねぇー・・・
  うーん
  5日程頂いても良いですか?」

私「はいー
  じゃあよろしくお願いしますー
  おいくらくらいになりそうですか?」


車屋「3・・・いや
  2万7千円で」


私「あ、先払いの方が良いんでしたっけ?」


車屋「いえ、どちらでも・・・」


この車屋さん

元々ヤンキーだった人であり
友人の車の修理等も多数請け負っている

友人も
もちろんヤンキーなんでしょう


車屋の前に並んでいる車の車種が
いつも何だか・・・





あれだ



そんな友人たちの中には
どうやら『ツケ』で修理を依頼する人も多く

車屋さんはいつも
ちょっとやりくりが大変らしい


私「良いですよ先払いで
  えーっと」



財布の中を確認し
中から3万円を取り出した


私「ごめんなさい
  千円札足りないので
  これでお願いします」


車屋「ありがとうございます
  領収書は要りますか?」


私「一応お願いします
  あ、そうだ
  車の中にリポビタン積んであるんで
  あれ飲んで下さいー」


車屋「あ・・・
  いつもすみません・・・
  じゃちょっと
  領収書切ってきます」



お金を渡し

代車を眺めた



今回の代車は普通の車で良かった・・・


以前
車高がベタベタに低い
ヤン車を出された時は本当に
山奥に住んでいる私としては
一体どうしたものかと頭を抱えたものだった


ん?

この車は喫煙可かな?

不可かな?


車屋さんに確認してみようと

車屋の事務所の方を見て



私は



ビクッとした



事務所のドアの所に


高級そうなスーツをビシッと着て
高級そうな腕時計をつけた
背の高いオールバックの男性が

腕組みをして仁王立ちし
ニヤッと口角を上げて




私をじっと


見下ろしていた




えっ・・・


あ・・・


あの・・・



気配が一切しませんでしたが・・・?




何だか分からないけれど

その男性の上がった口角を見て

とてつもない恐怖心に駆られた私




こういうの昔もあった・・・!


高校生の頃に
やたらと私に構ってくる背の高い男性が
私はとにかく苦手だった


その男性の雰囲気に恐ろしく似ている・・・!


男性「こんばんは」

私「こ、こんばんは・・・」



挨拶だけして

恐怖心から目を逸らすも


何だか異様な雰囲気を感じ


チラッとその男性を見ると



やっぱり私を


ジッと見ている



こえぇぇぇぇ!!!


こっち見ないでぇぇぇ!!!



何だよ!
私が一体何したってんだい!



あっ

もしかして

先客だったのかな?


そうだね!
きっとそうだね!

さっきすぐそこに高級車が一台停まってたから
多分その持ち主が貴方だね!?

私がお邪魔しちゃった感じだね!?



・・・でも・・・



じわじわと男性の視線を感じながら


恐怖心で目が泳ぐ私




あの・・・


ずっと私の事

見てませんか・・・?


そんなに私を見る必要ありますか・・・?



完全に蛇に睨まれた蛙状態の私は


今すぐにその場から逃げ出したい程の
えも言われぬ不快感を感じっぱなしだった


男性「・・・修理?」


えっ!?

は、はい!

そうです!修理です!!



心の中で返事をするも

何故か言葉として発する事が出来ない


私「・・・あっ・・・
  は・・・は・・・い」


男性「ただにして貰いなよ」


なんでだよ


恐る恐る男性の顔を見ると

やっぱり
目は笑っていないのに
口角だけを上げて
私をジッと見ながら話しかけてきている



この表情が

凄く怖い


男性「良いんだよあいつ
  車いじるのが趣味なんだから
  なぁ!ただにしてやって!」



えぇぇぇぇ!!?


あんた何様だよ!




え?


ほんと貴方
どなた様ですか?


オーナー?


車屋「・・・え」


中から領収書とお釣りを持った
車屋さんがやっと出てきてくれた



助かったぁぁぁ!!!

早く早くぅぅ!


この人なんか苦手だから
早くここへ来て!


車屋「ただって・・・
  じゃあお金代わりに下さい」


男性「ん?なに、いくら?」


え!!!!?


怖い怖い怖い怖い!!!


何その会話!


ニヤニヤ笑いの男性が
ズボンのポケットの財布に手を伸ばした



本気かよ



車屋「・・・やめて下さいよ
  うちのお客さんにそういうの」



ほんとやめて

私にそういうの


ただより高い物は無い



そしてこの時

ハッと気付いた



何故かもの凄く怖いと感じるこの男性と

何故かもの凄く怖いと感じていた
高校時代の同級生の男性


共通点がいくつかあるが


どちらも



あまり人の気配が無い



普通だったら
ちょっと離れた位置で人が動いたりしても
何らかの音を感じたり
風を感じたりするものだけれど


この男性は何故か

それが一切無かった



私が代車を見ている間の

一体どのタイミングでドアを開けて
中から出てきて私を見ていたのか
全く分からない



私をジッと眺めている間も

まるで呼吸なんてしていないかのように
気配が無かったし


車屋さんと会話をしている
まさにこの瞬間も

何故かこう・・・

人間らしさを感じない雰囲気なのである




私は恐らく

気配を消すタイプの人が

異様に苦手なんだろう



うーん

この人
『裏社会の住人』
みたいな感じだったりするのかな・・・


腕時計もギラギラしてるし

目も普通の人の感じと違うし

スーツも年相応とは言えない程
高級な代物に見えるし

靴だってお高そうでピッカピカ



何より
オーラが・・・


男性「代わりに払えって言ったよな?
   良いよ
   払うから」


車屋「いえいえ・・・
   だから・・・」



ハッ!


まだその話題!?


男性がこちらを見ていないのを良い事に
今度は私がまじまじと男性を観察し

車屋さんとは雰囲気が違うわー

なんて考えていたけれど


なんで!?

何で私の車の修理代払おうとしてんの!?

超こえぇ!



「払ってやったんだから
 ついて来なババァ!」

とか言って連れて行かれて

暗い倉庫に閉じ込められて

倉庫から出された時には
もうそこは見知らぬお国で

臓器とかばらっばらにされて
各部位ごとに売り飛ばされるんじゃ・・・!


男性「今日暇してんだ
   俺出すから飲みに行かない?」



オロオロしている私に向かって
男性がそう言った




嫌です





そもそもお酒が飲めない

とか

異性と2人で飲みに行くとか
下心しか感じない

とか

暇つぶしに付き合う程安くねぇよ

とか


そういうの全部抜きにしても


この人とだけは

絶対2人きりになりたくない・・・!


私「いえあの
  私ちょっとこの後予定が・・・」


男性「え?聞こえない」


いやいや!


聞こえてるよね!?


それあれだよね!?

(訳)今なんつったお前
   もういっぺん言ってみろ


だよね!!!?



お金持ちそうなんだから
いくらでもお相手は居るでしょ!?

こんな場所でたまたま遭遇した
私を誘わないで!



何とか
多分年下であろうこの怖い雰囲気の男性を
怒らせないように断らねばならぬ・・・!

怒らせたら
すぐそこの港に沈められそうだし・・・!





頭の中でぐるぐる考えていると


男性「お名前は何ちゃん?」


私をジッと見ながら

じわりじわりと
足音を立てずに近付いてくる男性



ぎょぇぇぇぇ!!!

近付かないでぇぇぇ!



ビビりまくって
後ずさりする私


私「・・・・・・
 (ど、どうしよう・・・!
  失礼な断り方したら
  絶対すげー怒りそう!
  怒ったら手を上げそう!
  仮に反撃したとしても
  この人には絶対に勝てない気がする!
  あぁぁぁぁ!何て言えばいい!?)」


車屋「あ」


え?


車屋「この人
  Hさん(私の兄)の妹さんですけど
  大丈夫です?」

男性「・・・Hさん?」


車屋「あれ
   ○○の・・・
   Hさん」



その瞬間


男性が固まった



おや?


男性「あ、そうなの?
  Hさんって
  H先輩?」


車屋「そうですそうです
  だから大丈夫なのかと思って」


男性「あー・・・
   へぇー・・・
   Hさんの妹さんか!
   どうも!」


私「・・・どう・・・も?」

男性「あー、じゃあ俺そろそろ行くわ!
   都合よくなったら連絡よこせな
   じゃ!」



・・・え?



あれ?


お???



やっぱり考えていた通りの
黒塗りの高級車に乗り込んだ男性は

車の中で一度手をこちらに向かって上げ


そのまま去って行った


私「・・・・・・」

車屋「・・・・・・」


私「・・・・・・・・・・」

車屋「・・・・・・まぁなんか
   すんません・・・」


私「・・・いえ・・・
  なんか・・・
  怖い雰囲気の人でしたね・・・」


車屋「そうですねぇ・・・
   あの人はまぁちょっと・・・
   色々あれなんで・・・
   ははっ
   雰囲気からして怖いですよねー
   あ・・・飲みに行きたかったですか?」


私「いやいやいやいやいやいや!!!
  いーやいやいやいやいや!!!」


車屋「あぁ、それなら良かったです
   じゃあこれ領収書で・・・」


ふぃーーーー!!!


助かったーーーー!!!




なんか分っかんないけど
超助かったー!!!


兄上ありがとうございます!

なんかよく分っかんないけど
あざぁぁぁーーーっす!!!


いやー久しぶりに
マジで身の危険を感じたわー!



多分絶対あの人
闇の世界の住人だわー!

目が只者じゃなかったもんー!

10人くらいやっちゃってそうだったもんー!




・・・ん?


って言うか兄・・・


超不良で
どうもならん程荒れていた
って事は知ってたけど・・・




私の兄が誰だか知った途端
あんな雰囲気の人が
一瞬で逃げ出すとか・・・



あんた一体どんな人生送って来たの・・・!!?


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