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2012-03-30 06:38:57

★真央選手、金メダル射程圏内! SPをふり返る

テーマ:浅田真央
3月29日、ニース世界選手権女子ショートプログラムが行われた。真央選手は19番滑走で出場。演技冒頭の3アクセルでは転倒したが、その後の演技では3Loでミスが出た以外は手堅くまとめ上げ、59.49の得点を獲得し4位につけてフリーにつなげた。真央選手のショートプログラムをふり返る。

『技術要素』

1 3A<<・・・ダウングレード・・・基礎点3.30・・・GOE-1.50・・・合計1.80

痛恨の転倒であった。場内で観戦していた方の情報によると、6分間練習ではきれいな3Aを跳んでいたという。フジテレビの試合前の放送では、当日の公式練習で3Aを7回跳んで4回着氷していたと言っていた。その着氷がどの程度の完成度であったのかは定かではない。ただ、前日の公式練習では3Aにほとんど失敗していたとの報道があり、真央選手は現地に入ってからは初日以外は3Aが不調であった模様である。

この3Aで獲得した得点は1.80であるが、転倒による1.00の減点があるので実質0.80の得点である。もし成功していたら、そこそこのGOEが付いたとして9.00の得点を獲得できるわけだから8.20のマイナスであったわけである。ショートの得点は67点を軽く超えたはずなのだ。悔しいだろう。真央選手への試合後のインタビューでは、聞き手の無神経な質問に真央選手が言葉を詰まらせるシーンがあった。

また、真央選手はインタビューで「あと一日あるので・・・」と言っていた。真央選手の負けん気がにじみ出ている言葉だ。ただし、調子をみて3Aを回避するという作戦もあるとは思う。

しかし、今回は転倒してしまったが、3Aは、ほかの選手が2Aを跳ぶところを3Aに挑戦すると考えることもできるのである。だから、ダウングレードではなく回転不足だったならば2Aくらいの得点は獲得できることを考慮すれば、フリーで3Aに挑戦する意義はあると思うのだ。つまり、また転倒でダウングレードということになれば得点面でダメージは大きいが、そうでなかったらリスクはそれほどではないのである。

フリーでの3A実施は現時点ではわからない。佐藤コーチがついているわけだから、きっと今回の世界選手権の、ソチへ向けた過程における意味を考え、様々な視点からこの大会を眺めて真央選手にアドバイスしていくだろう。

2 3F+2Lo・・・基礎点7.10・・・GOE0.70・・・合計7.80

いつも通りの得点である。しかし、真央チームはGOEの伸びがなぜ大きくならないのかについて考えているはずである。そこで思い出すのが拙ブログの読者こっぺさんが先日指摘した、ISUはジャンプの着氷後の流れを重視するということである。例えば、今回のショートでもレオノワ選手や村上佳菜子選手がコンビネーションジャンプで着氷後に美しく流れる演技をしていて1.00以上のGOEを獲得している。もっとも、それだけがこの二人の高いGOEの理由ではないかもしれないが、こっぺさんの指摘がまさに適合していると感じられるのである。真央選手の場合、セカンドジャンプが2Loであることが着氷後の流れを作りにくいということにつながっているかもしれない。

しかし、それにしても今回のショートを見ていると、女子の3回転+3回転は3T+3Tが多い。レオノワ、村上佳菜子、コストナー、鈴木明子、マカロワなど、みんな3T+3Tである。このコンビネーションは基礎点が8.20である。3回転+3回転のジャンプコンビネーションでは最も低い得点だ。それを考えると真央選手がなぜこのコンビネーションに取り組まないのかが解るような気がするのである。真央選手はこう思っているのではないか。「どうせ3回転+3回転を跳ぶなら、もっとレベルの高いものに挑戦したい。せっかく膨大な時間を使って練習するのだから得点効率の高いジャンプを目指したい」と。ここにも真央選手の気概が現れているように感じるのだ。

3 FSSp4・・・レベル4・・・基礎点3.00・・・GOE0.43・・・合計3.43

フライングシットスピン。今回のスピンの得点を各選手についてみると、コストナーが二つほどレベル3であるが、ほかの上位選手はほとんどレベル4のスピンである。真央選手はもともとスピンには定評があるが、ここでも確実に得点を重ねている。

4 3Lo・・・基礎点5.10・・・GOE-0.60・・・合計4.50

今回のこの得点はちょっとショックである。ある意味3Aの失敗より深刻なのではないかと思う。きっと真央チームは対策を考えているに違いあるまい。私が見るには、これまでにも感じていた着氷後の〝詰まり〟である。どうしても流れが止まってしまうように見えるのだ()。フリーでもこの3Loは跳ぶので、改良を期待したいが、真央選手はこれまでにもこうしたミスが見つかったときに、すぐに確実な対応を示しているように思う。

5 CCoSp4・・・レベル4・・・基礎点3.50・・・GOE0.86・・・合計4.36

足換えコンビネーションスピン。解説の八木沼さんが言っていたが、足換え後のY字スピンが美しい。気のせいか振り上げた足と頭の開きが狭くなってよりI字スピンに近くなっているように見えた。確実にレベルを取れるし、GOEもまずまずの得点である。

6 SlSt4・・・レベル4・・・基礎点3.90・・・GOE1.40・・・合計5.30

ストレートラインステップシークエンス。ここでもレベル4である。上位選手のステップはほとんどがレベル4である。ということは、こういうところでの取りこぼしは致命的になるということである。真央選手のステップは安心してみていられるところがいい。GOEの1.40はレオノワ(1.40)、コストナー(1.50)などとほぼ同じである。フリーのステップに期待したい。

7 LSp4・・・レベル4・・・基礎点2.70・・・GOE1.00・・・合計3.70

レイバックスピン。最後のビールマンから終わりのポーズへの流れが美しいと思う。GOEが1点台である。高い評価ということだろう。


*基礎点合計・・・・・・・28.60
*技術点・・・・・・・・・30.89
*GOE合計・・・・・・・・2.29
*要素別GOE平均・・・・・2.29÷7=0.33


『演技構成要素』

真央選手のPCSは次の通りである。

PCS(演技構成点)・・・・29.60
SS(スケートの技術)・・・・・7.61
TR(要素のつなぎ)・・・・・・7.14
PE(演技力・遂行力)・・・・・7.43
CH(振り付け・構成)・・・・・7.32
IN(音楽との調和・曲の解釈)・・・・7.50


$浅田真央ファン夢日記


PCSはコストナーがただ一人30点台である。SSを見ると、やはりコストナーがトップで7.82となっている。SPトップのレオノワはPCS二位で、SSを見ると真央選手よりずっとひくく7.29である。真央選手はSSが7.61で四大陸のときと同じである。

SP二位の村上佳菜子選手はPCSは5位で、技術点で得点を稼いでいることが解る。

*次いで、このPCSをSS基準方式で評価してみた。

$浅田真央ファン夢日記


この表のTR、PE、CH、INをどう見るかについて、今回は次のような表を採用した。
$浅田真央ファン夢日記

『SS以外の項目については、こういうパターンで評価されている事が多く、これ以外のパターンだと、ジャッジが口角泡を飛ばして選手に言いたい事と言っているイメージ』とのことです。

さらに、SS基準方式を紹介した方の評価基準は次のようになっています。

『細かい事を言えば、SSより少しでも高い評価を貰っている場合はスタオベ級の演技。そして、SSより一段階以上プラスを貰っていれば、ジャッジがブラボーと叫んでる程の大絶賛演技というイメージです。一段階とは0.25で、ジャッジの持ち点は0.25間隔。過去のプロトコルを見ると、【SS-0.5~+0.25以内】に収まっていることがほとんどでジャッジはこの範囲を逸脱することを恐れているように感じます』

確かに、SS以外の演技構成点はSSの前後で振り分けられていると見られる。ほんのわずかに例外はあるものの、表を見れば、PE、CH、INはSSの+-0.25の範囲内で振り分けられていることが歴然である。

SS基準方式で上位選手のPCSをみると、何と言ってもレオノワ選手のPE、CH、INがすごい。いずれもSSを大きく上回り、ジャッジがブラボーと叫んでいる様子が分かる。レオノワ選手にとってこの「パイレーツ・オブ・カリビアン」は彼女の選手歴の中で最も成功したプログラムになるだろう。もしかしたらソチでもこれを使ってくるのではないかとさえ思わせる。策士のモロゾフコーチのことだから、それくらいやりかねない。

真央選手のSS基準を見ると、決して悪くはないのだが、そうかと言ってジャッジが手放しでスタオベの賛辞を送っているというふうには見えない。四大陸のときとSSは同じだが、ほかの要素がわずかに伸びが少ない。今シーズン、シェヘラザードのお姫様路線を採ったプログラムは真央選手の心にどのように映っているのだろうか?

ほかに、コストナーのSS基準をみると、INでSSをこえているものの、ほかは普通の感じである。やはりSSが強いとPCSでは得だなと思わせる。また、ただPCSの得点を見ただけでは解らないが、マカロワ選手が、SS基準方式で見ると健闘している様子が浮かび上がってくる。


****ショートプログラムの得点=30.89+29.60-1.00=59.49


******************************

こうして技術点、演技構成点を見てきたが、真央選手はフリーに向けて十分金メダルを射程圏内に置いていると言えよう。トップのレオノワとはわずか5.12である。フリーは「愛の夢」。二年越しの作品だ。真央選手の笑顔とともに満足した演技を見たい。事前情報をシャットアウトしてフリーの放送を待つつもりである。


)=コメント15番と25番で読者のタイカレーさんが3LoのGOE減点は、テレビで通常速度で見るとよくわからないが、コマ送りでみるとツーフットであることが解ると言っている。着氷後の詰まりであるなら、前の大会でも減点されていたはずだという考えである。真央選手の今回の減点がツーフットによるものなら、深刻度はずっと軽減される。ただ、3Loの着氷後における流れの問題は今後も改良を重ねる必要があるだろう。なんとかGOEを1.00以上にすることが求められていると思う。

読者のghotiさんからの紹介です。下記のサイトの上から二番目の動画で、この3Loのツーフットの検証を行っています。ご覧ください。
http://nahte.blog132.fc2.com/blog-entry-17.html

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2012-03-27 16:41:58

★真央選手の、ワクワク感という魅力

テーマ:浅田真央
真央選手は魅力的である。そんなことはファンならば誰もがわかっていることである。そして、真央選手のファンならば、真央選手が今、「レベルアップ」という課題に取り組んでいることも知っている。

真央選手のレベルアップは、しかし、そう簡単なことではない。なぜなら普通の選手なら十分に難しい演技をすることにすでに到達しているからだ。真央選手はシーズン前半から3アクセルを完璧にするために練習をしてきた。そして四大陸選手権で、佐藤コーチの「3アクセルゴー!」の信任を受け、GPシリーズNHK杯以来の挑戦を果たした。その結果次のような3回転ジャンプの構成となっている。

ショートプログラム

3A
3F
3Lo

フリースケーティング

3A
3F、3F
3Lz
3T
3S
3Lo

最新の、フランス・ニースでの真央選手の発言によれば、「今季やってきたことを全て出し切れるように、悔いなく終わりたい」ということなので大幅なプログラム変更はないと思われる。従って、ショートプログラムの3回転のジャンプ構成は、世界選手権でもこの構成で行くと予想しているファンが多いと思う。アンコウもこのようになるだろうなと予想している。
$浅田真央ファン夢日記

だから、ここからはアンコウの、真央選手に対する推察をもとにした、ワクワクする予想である。以前、私は真央選手の先回りをして真央選手の自然な進化を妨げるのは良くないというようなこと言ったことがあるが、もうそういうことを言っても良い時期に来ていると思う。というのは、真央ファンが予想したくなるような材料がそろってきているからだ。

例えば、真央選手はショートのジャンプ構成をすぐに大幅に変更することはないとしても、しかし、ここにフリーで3Lzを入れていることに注目すると、ショートの3回転ジャンプの組み合わせはがぜん違ったものに見えてくることもそうである。

そう。3Loの替わりに3Lzをショートに入れるというレベルアップである。現在、3Lzの安定感がレベルアップの考え方の中に組み込まれていることは確実だと思われる。そうであるならば、かつて2006~2007年頃のシーズンのショートで3Lzを入れていたように、安定感の増した3Lzをショートに入れてくるのではないかと〝思わせる〟のだ。それが今日のテーマ、真央選手の、ワクワク感という魅力なのである。真央選手の、もしかしたら・・・というワクワク感はショートでもこのように魅力的なのである。

そしてフリースケーティング。真央選手はすでにこのフリーで6種類7つの3回転ジャンプに取り組んでいる。こんな選手は女子ではいないのだ。この時点で真央選手は十分魅力的な演技構成を採用しているのである。

しかもである。フリーのルールに詳しい人はご存知と思うが、このフリーの3回転のジャンプ構成を見て「あれ?」と思うのである。というのは、フリースケーティングでは二種類の3回転以上のジャンプを二回まで跳べるというザヤックルール(注1)というのがあるのだが、真央選手はそれをまだ採用していないのである。現在、いくつかのブログで3回転+3回転の話が出ているのもこのルールを背景にしている。

となると、フリーで現在3F+2Loを跳んでいるのを3F+3Loにするのか、あるいは3F+3Tにするのかという話になる。この話は、真央選手の練習を見て、それは過剰な期待だとする方もいるかもしれないが、決して過剰な期待ではないのだ。というのは、真央選手は今年の初めのアイスショーで3F+3Loに挑戦しているからである。私が確認した中でも2回は跳んでいる。アイスショーでなぜ跳んで見せたのか?答えはおのずと出て来ますよね。まさにワクワクするのです。(注2)

そして3フリップを第一ジャンプとする3回転+3回転が出てくると、それはショートでも使うのではないかという期待も出てくるのだ。

問題は、確実性ということになるだろう。高い壁に挑戦していることは分かっている。しかし伝え聞く報道によれば真央選手の調子はよいようだ。真央選手はこのように、ファンをリードするのである。かつて私は「真央選手はファンに先行する」という言葉を記事に書いたことがあるが、真央選手が〝レベルアップ〟という言葉を使ったことに底知れぬ魅力を感じるのだ。まさに、このワクワク感がたまらないのである。

*写真はフランス・ニースに着いた真央選手。(共同から)

*(注1)二回のジャンプのうち少なくとも一方はコンビネーションにしなければならないという規定がある。

*(注2)真央選手のニース現地の公式練習によれば、3フリップ-3ループの練習をしていて、真央選手本人も「プログラムに一応入っている。いけそうだと思ったらやりたい」と発言しているそうだ。(スポーツナビから)


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2012-03-25 09:15:00

★読者・きれじろうさんは、フィギュアスケートをこの様に考える

テーマ:フィギュアスケート
先日来、拙ブログではフィギュアスケートに関して様々な角度からコメントを頂いています。その結果、コメント番号が100を超えるほどになり、最近では見られない現象となっています。

そこに、読者のきれじろうさんから、かなり長文のメールを頂きました。内容としては、『フィギュアスケートファン一人一人の「情報採取とその解釈」の問題』とも呼べるもので、かなり読み応えのあるものです。世界選手権の前にふさわしい、現在のフィギュアスケートとファンのあり方を考えさせる内容の文章を紹介します。

≪きれじろうさんの記事≫

以前アンコウさんに記事として取り上げていただいたロビー活動ネタの中で、何度もコメントをやりとりさせていただきました。

そこで痛感したのは、不正があると思われている方々から見ると、私のような「不正の可能性が著しく低い派」ってなかなか理解しずらい思考パターンなのでは、ということです。
多分、それぞれの考え方、結論の持って行き方を明確にしないと、相互理解って絶対無理だろうと思いました。

そこで、今回アンコウさんにお願いして、私が、現状のフィギュアスケート界がなぜ不正の可能性が著しく低いという見解に至ったか、その思考パターンを書かせていただくことにしました。

いくつかに区切って説明します。


1、ジャンプの回転不足判定

※ここではジャンプの回転不足判定を例にとって、「疑念が発生したときの結論までに至るプロセス」を書きます。

2008年、質重視の方針でジャンプに対するルールが厳しくなり、かつGOEによる差別化が始まり日本のファンの中でルールに対して一気に不満が爆発した時期の話です。
このころ、YOUTUBE等に「ジャンプの回転不足検証動画」がアップされ、キムヨナ選手だけ優遇されていると非難する動画がアップされていました。

皆さん、検証動画を見てどう思われたでしょうか?
私の結論は「なんだ。別にキムヨナだけ特別待遇されてないし、ちゃんと公平に運用されてんじゃん」でした。

では、どういったプロセスでそうなったのかというと

①まず検証動画を見て、回転不足をどう定義しているかを確認。(私が観たのは着氷の基準を踏み切り時の「ブレード角度」と定義していた)
②ジャンプに関するルールを調べた
③検証動画が「ルールを本当に理解したうえで作成したのか」「判断基準は正しいか」を確認するために、自分で「各選手のジャンプの動画」と「プロトコルの結果」を付け合わせた。
④その結果、動画の定義は間違いで、着氷時の基準が「進行方向」であればプロトコルとの結果に矛盾は無い、ということが分かった。
(もちろん人が判断することなので100%は有り得ない)

つまり、ただ検証動画を見て「こんなに差別されているのか!」にはならないのです。必ず自分で裏を取ることにしています。
それは自分の考えに近かろうが正反対であろうが変わりません。

私は議論したり何かしらの結論を出すにあたって自分に戒めていることがあります。

・「第三者の視点」で物事を考えろ
・明確な根拠が存在するまで態度を留保しろ(思い込みによる判断を無くせ)
・自分にもバイアスが存在する、ということを自覚せよ(己の常識を疑え )
・物事を可能な限りつきつめて、根源的な部分まで考えろ

この4点がその戒めです。

そして、相手に明確な根拠、裏付けが存在し、それに納得出来ればその時点ですぐに取り入れます。勿論、自分で調べた根拠とは相反するケースもあるので判断の妥当性を徹底的に議論することになります。
その結果納得出来れば、それまでの自分の古い結論に拘る理由は有りません。その場合、逆に自分の考えに拘泥すること自体が「害にしかならない」からです。

逆に「根拠を答えられない」「なんとなく」では、よく調べないで結論を出してしまった「思い込み」と判断することになります。
つまり、「見ればわかるだろ?」というのは通じないですし、根拠を明示しない限りは信用出来ないのです。

私が「根拠を明示してほしい」とよく書きこむのはそういった理由です。

なぜこういう発想になったかというと、それは仕事の経験によります。
自分の判断に基づいて人が動くのですから思い込みは許されません。なぜなら思い込みに基づく行動は成功の確度が極端に低下するからです。
また何かしらの判断を行うのに複数人で検討会議を行うことになりますが、根拠が曖昧だと容赦なく突っ込まれます。

つまり、「八百長」があるか否かを探求するにせよ、それを信じていようがいまいがその「探求手段」自体は変わらないので、「どちら側に立つか」というのは私にとっては意味がありません。

より確実な判断をするのに、もしこれより優れた方法があればぜひ教えていただきたいと思います。

また、自分が出した最初の結論に拘って相手の意見に耳を傾けない人を会社組織でもネットでも見かけることがあります。特にネットでは自分の考えと違うからと言う理由で罵倒する人もいます。
彼らは私からみたら最悪の人種です。そういう人は概して進歩が無いし、もし実生活でもその行動パターンを踏襲していれば周りからの信頼は得られません。


2、2008年以降のルールの変遷とその解釈

※この2が現在ファンが混乱する大元とそれに関する私の考え方の説明です。ですので説明が細かくなります。

上記1で「ジャンプの回転不足判定」に係る思考プロセスを書きましたが、そのプロセスだけでは不十分なケースがあります。

それがフィギュアスケートで言えば2008-2009年以降のルール変遷です。
先に自分に戒めていることとして

・「第三者の視点」で物事を考えろ
・明確な根拠が存在するまで態度を留保しろ
・自分にもバイアスが存在する、ということを自覚せよ(己の常識を疑え )
・物事を可能な限りつきつめて、根源的な部分まで考えろ

と書きましたが、このケースではそれに以下の要素が加わります。(実は上の4つとかぶる部分もあるんですが)

・経緯、背景を調べること
・「人」「組織」「採点競技」を理解すること

今までアンコウさんのブログで何回か言及しましたが、このケースの場合

・全体の「質」向上の必要性
・コンパルソリー廃止後、スケーティングスキルの低下が著しかったこと
・ソルトレークの頃からジャンプの正確性について問題になっていたこと
・2006年の世選の結果からISU内でスケーティングスキルを無視した「ジャンプ大会」になってしまう危機感が生じたこと(アンコウさんが以前、体操競技においても似たようなケースがあったことを書いておられましたね)

という「ISUが以前から憂慮していた課題」を考慮する必要があると私は考えています。これこそが2008年以降のルールの「背景」だからです。
これらは書籍やネットでも度々出てきます。

私はこの情報を2007年初頭時点で田村さんの著作を読むことで包括的に知ることが出来たので、ルール変更に対する違和感は特にありませんでした。(但しそれは「競技」としてであって「興行」的にどうか、とは別の問題です)

もし皆さんがISUの立場なら、どのような対策を取りますか?

スケーティング技術を上げ、全体の質を上げ、なおかつ優雅さの欠いたジャンプ大会にならないようにするにはどうすれば良いでしょうか?その対策は、
・ジャンプ以外の技術点の比重を上げ、特にスケーティングに関する技術点の比重を上げる
・演技構成点の比重を上げる
・それぞれの質を差別化するためにGOEの加点幅を拡大する
となりますよね。

つまり2008-2009年以降のルールそのものです。
もちろんジャッジの負荷を考えるとやりすぎだと思うこともありますが、背景を考えると「理論的には」おかしなルールではないのです。

具体的にどう判定するかというと、新採点開発に主要な役割を果たしたテッドバートン氏の発言によればやはり全てのエレメンツの「質」「正確性」になるのでしょう。

しかしながら結局この「ISUが以前から憂慮していた課題」を解決した筈のルールは「高難度ジャンプに挑まなくなる」「ファンの見た目との乖離」という弊害を生み出しました。

特に「ファンの見た目との乖離」という意味では、例として
・GOEについて、ジャンプやスピン、スパイラル等の加点項目と減点項目を理解しないと「採点おかしい!」となります。
・技術的失敗とPCSを連動させなくなったことで、素朴に「転倒したら負けだろ」と感じるファンからすれば「わけわからん!」になりますね。
(ちなみに、この「技術点失敗とPCSを連動させない」のは高難度技に挑まなくなるのを防ぐ担保として考えられたものと推測していますが、結局デメリットのほうが大きかったかもしれませんね。)

以上のように「高い技術力」が何なのかや「採点基準」等について、ファンもその情報を共有しない限りは今のファンのストレスは改善されないでしょう。

これから言えることは、
・ISUは、ファンに対してルールの周知に努めなければならない
・ファンはルールを理解しなければならない
ということになります。

ただ、だからと言って「ルールがわからんのなら批判するな」というのもおかしな話で、その批判そのものがISUに対して「ルールのファンに対する周知不徹底」の指標になるので私は意味があると思います。


そして、ここで我々ファンに必要になるのが前述の通り「ルール」そのものの理解の他に「人」「組織」「採点競技」を理解することだと私は考えています。
この要素をベースとして以下に「ロビー活動」「ブランド力」「絶対評価」「ジャッジのモチベーション」に絞って記述します。

2-1「ロビー活動」

そもそもエレメンツの型だけでなく、音楽性、芸術性という、本来なら点数化しようのないものまで含めて点数化する要素の多い競技で「ジャッジの思い込みを『完璧に』排除すること」は可能でしょうか?
私は「有る程度は可能だが、完璧に排除するのはまず無理」だと思っています。
(「出来る」と言う方がいらっしゃれば、ぜひその方法論をご提示ください。)
だからこそロビー活動という要素が出てきてしまうのです。
なぜなら、組織において「コミュニケーション」を排除することは出来ないからです。

なお、蛇足ですが私のロビー活動に関する記述に批判的な人もいるかもしれませんが、その場合「ロビー活動が不可能な具体的仕組み、制度」を明確にしていただきたいのです。
このレベルになると「ファンの声」で簡単に変わるなら苦労は無く、代案も無く理想論を語って批判するだけなら、30年前の日本に蔓延していた空想的平和主義者と何も変わりません。


2-2「ブランド力」

城田さんの言葉を額面通り受け取ると
「自国の選手の素晴らしさを売り込み納得させること」
だと読めます。

これは「ISUの目指す方向性に合致していれば」より効果は高いものだと思います。
また、どう考えてもシーズンを通して安定した演技をする選手が有利なように思えます。不安定な演技をする選手では「印象が悪い」からです。

逆に言えば「優れているからこそ認められる」ということだと私には思えます。
要は「高いスキルレベル」と「安定性」を兼ね備えている選手に高くなる「傾向がある」、という感じでしょうか。

これを当時のルールと合わせてどう考えるかでイジヒ氏の発言の意味も変わってきますよね。
「キムヨナ選手が優れているから加点する」のか「キムヨナ選手にだけ公然と不当に加点する」かというふうに。


2-3「絶対評価」

今のルールは「相対評価」ではなく「絶対評価」とされています。しかし、私は現実には相対評価の要素は無くなっていないと思っています。
その理由は現時点のルールにおける基準が曖昧すぎるからです。曖昧なのに完璧な「絶対評価」って出来るんでしょうか?私なら出来ないでしょう。恐らく「相対評価」に依存する部分は出てくる筈です。

では、曖昧さを排除したらどうなるでしょうか?
そうなると演技が「画一化する」可能性が出てきて、そもそも個性や多様性が魅力の競技なのに、それらを阻害する危険性が出てきます。

結局、今はどっちつかずの中途半端な状態だと私は考えています。
むしろ、魅力を維持するには今の中途半端ぶりを維持するのも一つの考え方です。


2-4「ジャッジのモチベーション」

GOEの積極加点が以前のルールの課題を解決する手段である、ということは先に述べました。
しかし、バラバラになる傾向は今になっても是正されていません。
ルール上は最高点と最低点をカットするという制度によって有る程度の正確性は担保されていますが(実際、去年の世界選手権でキムヨナ選手のステップアウトした3Lzに加点1をつけたジャッジがいましたがカットされて点数には反映されませんでした)やはりバラバラ感は否めません。

では、なぜそうなるのでしょうか?

可能性①:個々のエレメンツが点数化するレベルまで定義化されておらず、従って個々の審判に独自解釈の余地がある。
可能性②:審判が各エレメンツを短時間で確実に判断しなければならないのにそれが不可能な、そもそも実効性の無いルールになっている。
可能性③:組織の審判に対する教育方法が適切ではない。

考えられるのはこんな感じかもしれませんが、正確な原因は分かりません。
ただ、あれだけの細かい要素を何時間にも渡り、全ての選手の全てのエレメンツに対して一瞬のうちに判断するのはうめきゅーさん、神無月さんも言及しておられましたが、とんでもなく閾値の高い話です。

以前、「まともにジャッジしているのは10%」と告発した元ジャッジが居ましたが、 そのあたりをどの程度検証して出した結論なのでしょうか。
文章を読んだ限りでは、この元ジャッジは自分の理想に対するこだわりが異様に強そうで、「組織」「人」への理解が欠けていてマネージャー的素養があるようにも思えず、あまり信用できそうにないというのが正直な感想でした。


これと似たような話題で、2008年頃、荒川さんが二宮さんとの対談にて、ジャッジに対して「個々の点数がバラバラ」だという結果をもって「明確に見極められる目を持て」「誇りを持て」「オープンにしろ」と苦言を呈しておられました。
私は荒川さんの日頃の冷静なご意見には説得力を感じていますが、このご意見だけは物事の表面的な事象だけをなぞって安易に結論を出している感じがして、正直最悪だと思いました。

組織のマネージメントに対する理解があれば常識レベルですが、大切なのは「審判が公正に、かつ正確にジャッジ出来る環境」を「現状の課題」に照らし合わせながらどうやって構築するかということであって、現場の根性論「だけ」に依存する組織は間違いなく現場のモチベーションが低いからです。
会社組織でも「しっかりやれ」というだけで「部下をしっかりやろうとする気持ちに引き上げることこそが上司の責任」ということを理解していない上司だと現場のモチベーションは概して低いですよね。

もちろん荒川さんはフレンズオンアイスなどを率先してプロデュースするリーダーシップ力をお持ちの方ですが、アイスショーなどの「短期目標」「加点評価」であればモチベーションの維持はそんなに難しくありません。
ところがジャッジのように「決まった仕事を淡々とこなす」「減点評価」的な組織は、モチベーションの維持がものすごく大変です。

つまり、これらISUの試行錯誤の変遷は、「人」「組織」「採点競技」という要素を考慮すると、結局現状の多様な価値観を包含する「採点競技の宿命」と「人の判断の限界」「人の生物としての特性」「教育手段とその効果」に係る話であって「ジャッジの正当化」でカテゴライズ出来る次元とは私には思えないのです。



3、浅田選手とキムヨナ選手について

上記1と2を前提として浅田選手とキムヨナ選手の話になります。

私から見ると
・元々「二人がデビューする以前からISUの懸案事項に上がっていた課題」をクリア出来る才能を彼女たちが共に持っていた
ように思います。

そのうえで採点傾向を理解し、それに合わせた練習をする。
それが「勝つ手段」です。我々の「好み」とは別の問題です。


キムヨナ選手について言えば、ルールを徹底的に分析してレベル4をどうやったらとれるかを理解したうえで、最適の手段を講じている印象を受けます。
つまり、「採点に合わせて贅肉を全て削ぎ落した演技」です。
繰り返しますが、これは我々の「好み」とは別の問題です。

それでいてポイントはしっかり押さえていて、例えばオリンピックシーズンのキムヨナ選手の演技冒頭に見せる3LZ-3Tはスピードといい流れといい文句のつけようが有りません。
なおかつこのコンビネーションをオリンピックで成功したのは彼女を含めて二人だけなのです。

しかも、あのシーズンは浅田さんが当初不安定だったのに比較して、キムヨナ選手は最初のフランス杯ですでに完成形でしたし、シーズンを通してほぼ高いレベルのまま推移し、オリンピックにピークを持ってきてそこで最高の演技を見せました。
これだけのものをシーズンを通してみせられたらブランド力が上がってジャッジが高いレベルの点数を出してしまうのも納得せざるをえません。

よく浅田さんとの点の開きを問題視するご意見を聞きますが、オリンピックの時の差はほぼジャンプの加点の差でした。
(+フリーの浅田さんの若干のミスも加わる。さらに大会全般を通して点数がインフレで浅田さん自身、ミスにも係らず全日本を上回っています。)

だからこそ浅田さんがオリンピックまでの2年間、ジャンプコーチをつけなかったことが私にはものすごく残念なのです。
当時の採点傾向を考えたら、日本スケ連がロビー活動しようにも3A単体の基礎点を引き上げる以外にやりようがなかったと思います。


他にも当時ステップには要素を目いっぱい詰め込んでいましたが、それが結果としてディープエッジ、正確なターンの質の低下につながっているように見えました。
要は、当時の採点が「完成度」「質」なのに、その方針に合致しているようには見えなかったのです。

結局オリンピックまでキムヨナ選手が一貫した姿勢、ポリシーで徐々に評価を上げていったのに対して浅田さんはオリンピックシーズンの初めまで迷走を続けました。

つまり、私はキムヨナ選手が己のポテンシャルを周りが最大限引き出したのに対し、浅田さんは周りがその溢れる才能を生かすことが出来なかった結果、と解釈しています。

そういったものを無視して「見た目と違う、納得できない、採点がおかしい」と言われても私は説得力を感じないのです。
(私が「洗脳されている」というのであれば、私を納得させることのできるルールに基づいた論理的な解説をしていただきたいのです。)


そのうえで、2010、2011年の世選における表彰式でのキムヨナ選手とチンクワンタ氏の行動に係る質問をいただいた件に触れますが、私の感覚から述べると、そもそもああいう目配せ、立ち位置などは、どうとでも解釈できるもので、「キムヨナ選手が不正をやっている」という「結論ありきの前提」で初めて「不正の証拠」として解釈できるものでしかないのです。


・・・以上、長々と書きましたが、これが私の考え方です。

私の場合、今のフィギュアに不満は特にありません。
なぜなら、ISUの今までの試行錯誤のプロセスは、私の社会経験上の試行錯誤と重なる部分がかなりあって「頑張ってほしい」と素直に思っています。以前のコメントにて触れたジャッジに対する過剰な負荷も我々の組織運用の中での試行錯誤と何も変わらないのですから。
ロビー活動も自国の選手をなんとかステータスアップさせてあげたいという関係者の熱意でしょう。
そして何よりも選手たちの己の青春の全てをかけての努力と苦労もまた何物にも代えがたいほどの美しさを持っています。

そういう意味では、私の場合「全てに対して性善説」と言えるかもしれません。
もちろん、このような発想が不満、という方もいらっしゃるでしょう。

実際のところ、私もそれほどルールに詳しいわけではありません。ただ、ネットでおかしいという声が上がって来た時に、その根拠を調べたのと、あとは自分の社会経験(営業経験や人の上にたって組織を纏める経験)を元に今の見解になっているだけなのです。
つまり、私の性善説を覆すだけの「明確な根拠」が見いだせていないだけです。ですから、もし「八百長である」ということを明確に証明できるものがあれば私はすぐにでも鞍替えします。


もちろん我々のそんな議論に関係なく、いま浅田さんは佐藤コーチのもとで過去の教訓をしっかり受け止めて、己のレベルアップの為に一生懸命練習に取り組んでいます。
そんな彼女を冷静に応援したいな、と私は思います。


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2012-03-20 23:05:52

★真央選手の応援動画 

テーマ:浅田真央


動画アップ主himawari33sunさんに感謝してお借りします。



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2012-03-16 22:30:57

★鈴木明子選手の誕生日を見て思う。

テーマ:フィギュアスケート
$浅田真央ファン夢日記トリノ五輪で金メダリストとなった荒川静香さんは、現在アイスショーで活躍している。彼女のファンの言うところによれば、技術的にも少しも現役当時と比べ衰えていないという。そして表現面でいったら、現在の方が現役時代よりも向上していると評価されているそうだ。

鈴木明子選手の誕生日を日本スケート連盟のホームページで確認したら彼女は1985年3月28日生まれである。ということはソチ五輪を2014年2月とすれば、そのとき28歳と11月で、ほとんど29歳になろうという年齢だ。フィギュア選手もやろうという気持ちさえあれば、かなり長い選手期間を維持できるということである。

これには、鈴木選手がソチ五輪に向けて力を込めて練習にはげんでいるということが前提になるが、彼女がソチ五輪をめざしていることは100%確実であろう(注)。鈴木選手を見ていると、やはり自分の気持ちの中に競技への情熱の炎が激しく燃え盛っているのだろう。きっとそれが燃え尽きるまでは彼女自身の気持ちにけりを付けることができないのかもしれない、と想像する。

旭化成の最近のCMでバレリーナのアーラ・オシュペンコさんが登場しているが、CMのナレーションによれば彼女は79歳である。まあ、これなどは特別中の特別かもしれないが、しかし、女性の運動能力において加齢は決して障害ではないのだということの証左にはなると思う。

またスピードスケートでは、岡崎朋美選手が子供を出産してからも競技に臨んでいる。岡崎選手は1971年9月7日生まれで現在40歳である。スピードスケートでは、高齢の女子選手が現役で活躍している例が特にヨーロッパの選手に見られるそうで、今後もこうした傾向は加速するとみられている。

こうした先達の例を見ると、フィギュアスケートの選手は競技への参加をあきらめるのが早いのではないかという気になってくる。

私が女子フィギュアでの高齢選手(他にいい言葉が見つからない)に期待するのは、選手の、特に表現面での充実した演技を期待するからである。もちろん、低年齢の選手のキビキビした初々しい演技も魅力だが、25歳を過ぎて芸術性が高まった演技が五輪で花開くのを見てみたい気もするのだ。そしてこうした高齢の女子選手が現役を続けることによって、競技自体も変わって行くのではないかという予感もするのである。

フィギュアスケートはTES(技術点)に見られるように、運動能力を競う面が多分にある。だから選手生命が短いのかと考えるが、鈴木選手などを見ていると、25歳を過ぎても決して運動能力が十代の選手に劣っているわけではないと言えると思う。事実、鈴木選手は今シーズン初めて3回転+3回転に成功するなど、技術面での向上に衰えを見せていない。ネットの情報によれば、むしろ今後今回成功した3T+3Tを越えて3F+3Tや3Lz+3Tなどを視野に入れて練習を重ねていると聞く。

そこで過去の有名選手ということで、ミシェル・クワンの世界レベルの戦績を見てみたら、93~94年シーズンに世界ジュニアに初登場して優勝し、04~05年シーズンの世界選手権4位で終わっている。そして、05~06年のトリノ五輪は直前に棄権している。クワン選手の誕生日は1980年7月7日だから、従って現役の期間は13歳から24歳で約12年である。クワン選手の場合、この現役の期間で、五輪で銀、銅を獲得しているほか、五度の世界選手権優勝という輝かしい実績を残している。

また荒川静香さんの場合は誕生日は1981年12月29日である。世界ジュニアに登場したのは94~95年シーズンでこの時13歳。8位となった。そして2006年のトリノ五輪で優勝し、そこで引退している。この時24歳である。従って現役として活躍したのは12年間。

こうしてみると、フィギュアスケートの選手として競技で活躍できるのは10年前後という期間限定の法則を感じてしまう。これはどういうことなのだろうか? 競技者として技術の限界に挑戦したり、同じことを限りなく繰り返して行うことに何の違和感も感じることなく情熱を持って練習できるのに年齢的な制限でもあるだろうか?

フィギュアスケート以外の、例えばマラソン選手の場合は、30歳を過ぎても活躍する選手は多い。マラソン選手の場合、もちろんジムで筋力トレーニングを行うことはあるが、基本は走ることである。一般人から見たら気の遠くなるような距離をただ走るという練習を繰り返す。そこには単調さもあるだろう。しかし、年齢からくる飽きを選手からは感じられないことが多い。前述したスピードスケートの岡崎朋美選手の場合でも、練習にはただ滑るという同じことを繰り返すことが求められているだろう。そして、マラソンでもスピードスケートでも、選手によってはその単調さにそのスポーツの奥深さを感じているのではないかとさえ思わせる節も見られるのだ。

フィギュアスケートの選手の場合、世界で活躍する以前、4,5歳からスケート靴をはき練習を積んでいる。だからトータル20年という期間になる。そういうことが、24,5歳を上限として引退する選手が多い理由なのか。世界へ出て10年を境にして燃え尽きる何か理由があるのだろうか。ここまで書いて来て、もしかしたら選手がこれ以上の成績を上げることができないと悟ったときに競技を見限るのかと感じたが、いずれにしても私には謎である。

*写真は2009年「Festa On Ice」から(ウィキペディアより)

【追記】

あとから思いついたが、私は経済の問題を全く考えていなかった。経済的な側面を考慮すべきかもしれない。

注:アンコウは鈴木選手がソチを目指していることは100%確実であろう、と書いたが、最新の鈴木選手に対するインタビューで鈴木選手は次のように言っている。(2012、3月22日、産経新聞)

--2014年にソチ五輪が迫っています

 「実際のところ、ソチまでのビジョンはまだ考えていないし、簡単に『ソチを目指します』とも言えません。世界選手権をどんな気持ちで終えるかだと思う。やりきれたと思ったら(現役を)終わるし、もうちょっとさらに上にいきたいなと思ったらやる。まだ、スケートが楽しくなってきている気持ちはある」


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