「賭けマージャンはいくらから捕まるのか?」レビュー
テーマ:麻雀コラム津田岳宏氏の『賭けマージャンはいくらから捕まるのか?―賭博罪から見えてくる法の考え方と問題点』を読みましたので、そのレビューを書いてみたいと思います。(Amazonのリンクを貼ろうとしたらなぜか貼れず…。)
本書の大筋となる点は以下の通りで、
・麻雀は1円でも賭ければ(その可能性は非常に低いが)逮捕される場合がある。
・『一時の娯楽に供する物』について、その基準が具体的に定義されたことはない。(ずっと曖昧のまま)
・賭け麻雀で逮捕されても不起訴になることがほとんど。(通報に対するパフォーマンス)
・現行の賭博罪という法律には(様々な観点において)矛盾が存在する。
・公営競技、公営くじが合法である根拠にも矛盾が存在する。(パチンコも同様)
・ギャンブル自体は悪ではない。(賭博罪は撤廃するべき)
この内容については(法律の専門的な是非までは判断できませんが)僕も非常に賛同できます。
以前に(本書を読む前にトークショーの動画の内容だけで判断して)「賭博罪が不当な理由が曖昧」「法律のエキスパートとしての視点が弱い」などと書いた部分については撤回したいと思います。(失礼なことを書いて申し訳ありませんでした。)
それで、たしかに賭博罪という法律は不当であると言えると思います。
ただ、これだけでは『賭け麻雀とそれに関する法律の解説』にすぎませんので、『こうすれば賭け麻雀が合法化できる』という実現の部分はどうでしょうか?
そのアプローチ法としては『賭博罪の撤廃』と『賭け麻雀の例外化』の2つがあり、前者はその根本から変えてしまうというもので、後者は(賭博罪はそのままで)その運用の部分で妥協点を探っていくというものです。
『賭博罪の撤廃』については、本書でも「常識は変わる」という切り口からその可能性について述べています。
賭博が悪でもなんでもないということは、ちょっと考えてみれば当然のことだ。特別な動きがなくても、あと何年か経てば、賭博罪は必ず撤廃されることだろう。少なくとも数百年経てば(というのもおかしな表現だが)、賭博罪は必ず撤廃されているはずだ。(P.165より)
しかし、「急には変わらない」とも言えるわけで、これを早期に実現する具体案となると難しいと言えます。
次に、『賭け麻雀の例外化』については、パチンコを例に出して具体案を提示しています。
ひとつ参考になるのはパチンコである。パチンコは、実質的には賭博罪に抵触しているのだが、保通協を介して「警察のお墨付き」をもらっていることで、実質的に刑法の規制対象からは外されている。フリー雀荘もこの手段を使えばいい。現在、雀荘の営業許可を出しているのは公安委員会である。ただ、フリー雀荘が営業許可を申請するときに申告するのは営業時間と遊戯料だけで、レートは申告しない。(中略)このやり方を変更して、レートもふくめて営業許可を申請し、許可をもらうようにすればいい。(P.162より)
これについては検討する余地も大いにあると思いますが、「パチンコはどのようにしてお墨付きを得ているのか?」「麻雀がそれを得るにはどうすればいいのか?」ということに関して検証していく必要もあると思います。
僕は一応元パチンコ業界の人間でもありますので、これからやっていきたいと思っています。
最後に一言感想を述べるとすれば、本書を読んで自分の頭の中をもう1度整理できたのは良かったし、今後の賭け麻雀関係のコラム作成にも役立つと思います。



