ボランティアの参加費 Ⅵ 実見編 Ⅱ | 柳はみどり、花はくれなゐ

柳はみどり、花はくれなゐ

見るほどにみなそのままの姿かな 柳は緑 花は紅 一休禅師
 
元は、宋代の詩人蘇東坡(そとうば・卒塔婆ではない)の緑花紅真面目。真面目は、しんめんもくと読む。まじめではない。
 
春の景色の美しさの表現であり、自然のままが一番という、禅の考えでもある。

 こんにちは^^
 
 入所型知的障害者施設には、
日曜日に家族(親)が面会に来ることが多いです。
 施設Bは、親子で参加するリクリエーションを用意しているのですね。
 費用は親の会が負担しているのですけれど。
 
 施設Bは40代50代の入所者が多いのです。
あと10年もしたら、特別養護老人ホームに、衣替えするかも?
 
 当然に、親は高齢化しています。80代に手が届く方も。
 面会にも来れなくなり、亡くなる方もいます。
 人と資金の面で、日曜日のリクリエーションを維持するのがむずかしくなったのですね。
 バザーなどは中止してもいいけれど、リクリエーションは続けたい。というのが施設の考えなのですね。
 

入所者同士のいざこざを避けるためにも。


 
「じゃあ、親代わり?」
「う~ん。どうかな。一緒に遊ぶっていう感じだから」
「なにすんの」
「その時々みたい。花見に行ったりもするし。私の時は流しそうめんだったけど、そのあと風船バレーしたり、ペアを組んでスッティックゴルフしたりして、一緒に遊ぶわけ」
「で、楽しかったと」
「風船バレーとか、結構ほんきになる」
「あんたが本気になってどうする」
「入所者さんの中には、負けると泣く人がいるからね。負けられんと」
「まあ、いいけど。そうめんとか、風船って、お金かかるの」
「流しそうめんはさ、午前中にペットボトルを切って、樋をつくったから、そうめん代くらいかな。でも、風船バレーはちゃんとネット張ったから」
「ネットって施設の備品でしょ」
「親の会からの寄付だから。ゴルフのスティックとかも。参加費からそうめん代を払って、あとはプールみたい」

 

 それで、プログラム全体の費用か。長期的な意味だったのですね。
「それって、寄付だよね、結局。それでも、ボランティアしたいと」

 

「なんかさ、次の日曜は何をしようかって、考えるのって、楽しそうじゃん」
 学校のサークルかなんかと、勘違いしてない?
  

梅の花 くれなゐにほふ 夕暮れに 柳なびきて 春雨ぞふる

                      玉葉和歌集 京極為兼