キャリア・読書・人生の窓

汝の一日、かくの如く終れば、汝の一生もまたかくの如し。
そうだ、今日考えたことを書き留めておくことにしよう。


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### 前回のつづき ###

 

 

大体の事情を推察した隊長は、親しくしている物売り
の老婆から、一羽のインコを譲り受ける。
そのインコは、例の僧が肩に乗せていたインコの弟に
当たる鳥だった。
隊員たちはインコに
「オーイミズシマ、イッショニ、ニッポンヘカエロウ」
と日本語を憶えこませる。

 


数日後、隊が森の中で合唱していると、涅槃仏の胎内
から竪琴の音が聞こえてきた。
それは、まぎれもなく水島が奏でる旋律だった。
隊員達は我を忘れ、大仏の体内につながる鉄扉を
開けようとするが、固く閉ざされた扉はついに開かない。



やがて小隊は3日後に日本へ帰国することが決まった。
隊員達は、例の青年僧が水島ではないかという思いを
捨てきれず、彼を引き連れて帰ろうと毎日合唱した。
歌う小隊は収容所の名物となり、柵の外から合唱に
聞き惚れる現地人も増えたが、青年僧は現れない。
隊長は、日本語を覚えこませたインコを青年僧に
渡してくれるように物売りの老婆に頼む。



出発前日、青年僧が皆の前に姿を現した。
収容所の柵ごしに隊員達は『埴生の宿』を合唱する。
ついに青年僧はこらえ切れなくなったように竪琴を
合唱に合わせてかき鳴らす。

 


彼はやはり水島上等兵だったのだ。
隊員達は一緒に日本へ帰ろうと必死に呼びかけた。
しかし彼は黙ってうなだれ、『仰げば尊し』を弾く。
日本人の多くが慣れ親しんだその歌詞に
「今こそ別れめ!(=今こそ(ここで)別れよう!)
いざ、さらば。」
と詠う別れのセレモニーのメロディーに心打たれる
隊員達を後に、水島は森の中へ去って行った。

 


翌日、帰国の途につく小隊のもとに、1羽のインコ
と封書が届く。
そこには、水島が降伏への説得に向かってからの
出来事が、克明に書き綴られていた。



水島は三角山に分け入り、立てこもる友軍を説得
するも、結局その部隊は玉砕の道を選ぶ。
戦闘に巻き込まれて傷ついた水島は崖から転げ落ち、
通りかかった住民に助けられる。
ところが、実は彼らは人食い人種だった。
彼らは水島を村に連れ帰り、太らせてから儀式の
人身御供として捧げるべく、毎日うまいものを食べ
させる。

 


最初は村人の親切さに喜んでいた水島だったが、
事情を悟って愕然とする。

やがて祭りの日がやってきた。
盛大な焚火が熾され、縛られた水島は火炙りにされる。
ところが、不意に強い風が起こり、村人が崇拝する
精霊・ナッの祀られた木が激しくざわめきだす。
「ナッ」のたたりを恐れ、慄く村人達。

 


水島上等兵はとっさに竪琴を手に取り、精霊を鎮める
ような曲を弾き始めた。
やがて風も自然と収まり、村人は
「精霊の怒りを鎮める水島の神通力」に感心する。
そして生贄の儀式を中断し、水島に僧衣と、
位の高い僧しか持つことができない腕輪を贈り、
盛大に送り出してくれた。



ビルマ僧の姿でムドンを目指す水島が道々で目にする
のは、無数の日本兵の死体だった。
葬るものとておらず、無残に朽ち果て、蟻がたかり、
蛆が涌く遺体の山。
これが戦争の現実の姿。
衝撃を受けた水島には、英霊を葬らずに自分だけ帰国
することなど、とうていできない。
この地に留まろうと決心する。
そして、水島は出家し、本物の僧侶となった。

 


水島からの手紙は、祖国や懐かしい隊員たちへの惜別
の想いと共に、強く静かな決意で結ばれていた。

 

手紙に感涙を注ぐ隊員たちの上で、
インコは言った。
「アア、ヤッパリジブンハ、カエルワケニハイカナイ」 


        

 

             (完)

 

 

 

             合格

 

 

 

 

 

           
(注)来歴等に関する出典はWikipedia他

 

 

 

 

 

 

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 *コバジュンとその仲間は、NPO法人・JAVA
 「動物実験の廃止を求める会」を応援しております。
(ホームページ)

http://www.java-animal.org/

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